2 Oracle APEXのインストール要件

ローカルの自己管理型インストールでOracle APEXをインストールする前に、構成が最小インストール要件を満たしていることを確認する必要があります。

2.1 Oracle Databaseの要件

Oracle APEXリリース22.2には、Oracle Databaseリリース12.1.0.2以上が必要です。APEXは、Enterprise Edition (EE)、Standard Edition (SE)およびExpress Edition (XE)を含むすべてのデータベース・エディションで動作します。APEXは、単一インスタンス・データベースおよびOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースにインストールできます。

Oracle Databaseバージョン12.1のCDBをアップグレードする場合は、My Oracle Supportから、不具合20618595の個別パッチをダウンロードする必要があります。「パッチ」タブで20618595を検索します。

2.1.1 ターゲット・データベースのMEMORY_TARGETの確認

Oracle APEXは、システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)に少なくとも300MBあることを必要とします。

データベースは通常は自動メモリー管理を使用し、そこではメモリーをサーバー・パラメータMEMORY_TARGETで制御できます。データベースが自動メモリー管理を使用していない場合、そのかわりに手動のメモリー・パラメータ(たとえば、SGA_TARGETPGA_AGGREGATE_TARGETSHARED_POOL_SIZE)を構成する方法を『Oracle Database管理者ガイド』で参照すると、類似した結果を得られます。

ターゲット・データベースのMEMORY_TARGETを確認するには:

  1. SQL*Plusを起動し、SYSDBAロールが指定されているSYSとしてデータベースに接続します。たとえば:
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. データベースを起動します。
    SQL> STARTUP
    
  3. 必要に応じて次のコマンドを実行し、システムで初期化パラメータ・ファイル(initsid.ora)が使用されているか、サーバー・パラメータ・ファイル(spfiledbname.ora)が使用されているかを確認します。
    SQL> SHOW PARAMETER PFILE;
    

    このコマンドを実行すると、サーバー・パラメータ・ファイルまたは初期化パラメータ・ファイルの名前および場所が表示されます。

  4. MEMORY_TARGETパラメータの現在の値を表示します。
    SQL> SHOW PARAMETER MEMORY_TARGET
    
  5. 値が0の場合、データベースは手動メモリー管理を使用しています。手動メモリー管理を使用して同等のメモリー・サイズを構成する方法を学習するには、次のステップでなく『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

    システムでサーバー・パラメータ・ファイルが使用されている場合は、MEMORY_TARGET初期化パラメータを300MB以上に設定します。

    SQL> ALTER SYSTEM SET MEMORY_TARGET='300M' SCOPE=spfile;
    
  6. システムで初期化パラメータ・ファイルが使用されている場合は、初期化パラメータ・ファイル(initsid.ora)のMEMORY_TARGETパラメータの値を300MB以上に変更します。
  7. データベースを停止します。
    SQL> SHUTDOWN
    
  8. データベースを再起動します。
    SQL> STARTUP
    

参照:

『Oracle Database管理者ガイド』自動メモリー管理の使用

2.1.2 ターゲット・データベースのWORKAREA_SIZE_POLICYの確認

Oracle APEXのインストールまたはアップグレード・プロセスでは、WORKAREA_SIZE_POLICYセッション・パラメータをAUTOに設定する必要があります。

ターゲット・データベースのWORKAREA_SIZE_POLICYを確認するには:

  1. SQL*Plusを起動し、SYSDBAロールが指定されているSYSとしてデータベースに接続します。たとえば:
    • Windowsの場合:

      SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
    • UNIXおよびLinuxの場合:

      $ sqlplus /nolog
      SQL> CONNECT SYS as SYSDBA
      Enter password: SYS_password
      
  2. WORKAREA_SIZE_POLICYパラメータの現在の値を確認します。
    SQL> SHOW PARAMETER WORKAREA_SIZE_POLICY
  3. パラメータの値がMANUALの場合は、現在のデータベース・セッション用にAUTOに変更します。たとえば:
    SQL> ALTER SESSION SET WORKAREA_SIZE_POLICY = AUTO;
  4. 同じデータベース・セッション内で、Oracle APEXのインストールまたはアップグレードを実行します。

ノート:

Oracle APEXをCDBにインストールする場合は、WORKAREA_SIZE_POLICYをシステム全体で設定する必要があります。たとえば:

SQL> ALTER SYSTEM SET WORKAREA_SIZE_POLICY=AUTO SCOPE=BOTH;

次に、必要な場合は、Oracle APEXのインストールまたはアップグレード後にMANUALに戻します。

参照:

Oracle DatabaseリファレンスWORKAREA_SIZE_POLICY

2.2 ブラウザの要件

Oracle APEXでは、JavaScript対応のブラウザが必要であり、Google Chrome、Mozilla Firefox、Apple SafariおよびMicrosoft Edgeの現行リリースおよび以前のメジャー・リリースがサポートされています。

2.3 Webサーバーの要件

Oracle APEXには、Oracle REST Data Services (ORDS) 20.x以降が必要です。

Oracle REST Data Services (ORDS)は、JavaベースのWebサーバーです。Oracle REST Data ServicesはRESTful Webサービスの発行機能と優れたファイル・アップロード機能を備えており、Oracle WebLogic ServerおよびApache Tomcatでの動作が保証されています。

ヒント:

リリース22.1で、APEXベースのRESTサービスはサポートされなくなりました。Oracle REST Data Services (ORDS)リリース21.4.2には、残っているAPEXベースのRESTサービスをORDSベースのサービスにアップグレードできる移行スクリプトが付属しています。詳細は、『Oracle REST Data Servicesリリース・ノート』の「Oracle APEX RESTfulサービス・モジュールの移行」を参照してください。

2.4 ディスク領域の要件

Oracle APEXのディスク領域の要件はこの項に記載されています。

APEXのディスク領域の要件は、次のとおりです。

  • ファイル・システム上のAPEXソフトウェア・ファイルの空き領域: 英語版のみのダウンロード(apex_22.2_en.zip)を使用する場合は510MB、完全ダウンロード(apex_22.2.zip)を使用する場合は890MB。
  • APEX表領域の空き領域: 190MB
  • SYSTEM表領域の空き領域: 125MB
  • 追加インストールした各言語(英語以外)用のAPEX表領域の空き領域: 60MB

2.5 Oracle XML DBの要件

完全開発環境をインストールする場合は、使用するOracleデータベースにOracle XML DBをインストールしておく必要があります。インストール中またはDatabase Configuration Assistant(DBCA)によって作成された事前構成済のデータベースを使用している場合、Oracle XML DBはインストールおよび構成済です。

ヒント:

インストーラは、Oracle XML DBに対して前提条件チェックを実行します。Oracle XML DBがインストールされていない場合は終了します。

ヒント:

Oracle XML DBのインストールでは、ユーザーANONYMOUSが作成されます。ANONYMOUSユーザーをデータベースから削除しなくても、Oracle APEXのワークスペースのプロビジョニングは正常に機能します。

ヒント:

既存のデータベースに手動でOracle XML DBを追加する方法の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』Oracle XML DBの管理に関する項を参照してください