3 Oracle Spatial Studioの使用

Oracle Spatial Studioを使用すると、1つ以上のプロジェクトを作成でき、各プロジェクトでは様々な空間操作を実行できる1つ以上の空間データセットを定義できます。

Spatial Studioで作業する際には、次の用語を理解することが重要です。

  • プロジェクトには、意図された用途に論理的に関連するSpatial Studioオブジェクト(データセットなど)が含まれています。たとえば、プロジェクトにはNew England Sales Territories、Sales Territories and CustomersまたはOhio Airports and Countiesという名前を付けることができます。プロジェクトを作成する際には、地理的領域で空間データを識別および分析する目的を知っておく必要があります。
  • データセットとは、特定の使用タイプおよびジオメトリ・タイプの空間機能のコレクションです。たとえば、データセットには、多角形ジオメトリによって表される空港、LRS線ストリング・ジオメトリによって表される道路、または点ジオメトリによって表される事故が含まれています。
  • 接続では、目的の空間データがあるOracle Databaseスキーマに接続するための情報を指定します(ユーザー名、パスワード、システム、ポート、データベース名など)。(これはSQL Developerの接続と似ています)

ノート:

詳細は、Spatial Studioの用語も参照してください。

新しいユーザーのSpatial Studioのメイン・ランディング・ページは次のとおりです。

図3-1 Spatial Studioのメイン・ページ

図3-1の説明が続く
「図3-1 Spatial Studioのメイン・ページ」の説明

Spatial Studioユーザー・インタフェースの全体のレイアウトは、次の要素で構成されています。

  • ヘッダー: ページ上部のヘッダーには、次のボタンがあります。
    • toggle_menu: サイド・ナビゲーション・メニューを表示または非表示にします
    • help_icon: ツールの概要および他のチュートリアル・リソースへのリンクを提示して、Spatial Studioの使用の開始を支援します
    • avatar: ユーザー・プロファイルの詳細を表示します
  • サイド・ナビゲーション・メニュー: 左側のナビゲーション・パネルにメニュー項目が表示されます。ナビゲーション・ドロワーは展開または折り畳むことができます。
  • ユーザー・ワークスペース: 選択したメニュー・オプションのページ固有の詳細が右側に表示されます。

ナビゲーション・メニューは、次のメニュー・オプションで構成されています。

  • アクティブ・プロジェクト: 最新の作業プロジェクトが表示される「アクティブ・プロジェクト」ページに移動します。
  • プロジェクト: すべての既存プロジェクトおよび公開プロジェクトがリスト表示される「プロジェクト」ページに移動します。
  • データセット: 使用可能なすべてのデータセットがリスト表示される「データセット」ページに移動します。
  • 接続: 使用可能なすべての既存の接続(データ・ソース)がリスト表示される「接続」ページに移動します。
  • ジョブ: 様々なリクエストを処理するためにSpatial Studioによって起動された各種バックグラウンド・ジョブがリスト表示される「ジョブ」ページに移動します。
  • 管理: Spatial Studioのステータスおよびアクティビティをモニターできる「管理」ページに移動します。「設定」、「メンテナンス」および「モニタリング」のタブがあります。

3.1 Spatial Studioへのログイン

スタンドアロン・ツール(クイック・スタート)またはJava EEデプロイメントとしてSpatial Studioをインストールしたら、アプリケーションにログインできます。

Spatial Studioにログインするには、次のようにします。
  1. インストール用に提供されたURLを使用して、ブラウザでSpatial Studioを起動します。

    たとえば、クイック・スタート・デプロイメントを使用している場合は、ブラウザでURL https://localhost:4040/spatialstudioを開きます。

    次のように、Spatial Studioのログイン・ページが表示されます。

    図3-2 Spatial Studioのログイン・ページ

    図3-2の説明が続く
    「図3-2 Spatial Studioのログイン・ページ」の説明
  2. 「ユーザー名」を入力します。
  3. 「パスワード」を入力します。
  4. 「言語」ドロップダウン・リストから、Spatial Studioで使用する優先言語を選択します。
  5. 「ログイン」をクリックします。
    これで、Spatial Studioにログインしました。

3.1.1 Spatial Studioにおける国際化について

Oracle Spatial Studioでは、ユーザー・インタフェースの国際化がサポートされています。

アプリケーションへのログイン時に、Spatial Studioユーザー・インタフェースを次のサポートされている言語のいずれかを使用するように適応させることができます。
  • 英語(デフォルト)
  • ドイツ語
  • スペイン語
  • フランス語
  • イタリア語
  • 日本語
  • 韓国語
  • ポルトガル語(ブラジル)
  • 簡体字中国語
  • 繁体字中国語

図3-3 Spatial Studioにおける国際化サポート

図3-3の説明が続きます
「図3-3 Spatial Studioにおける国際化サポート」の説明

ただし、サーバーが生成したメッセージまたはエラーは引き続き英語で表示されることに注意してください。ログイン後に別の言語に切り替える場合は、まずログアウトして、再度ログインするときに必要な言語を選択する必要があります。

IDCSをログイン・プロバイダとして使用するようにSpatial Studioを構成した場合、明示的な言語セレクタはありません。これは、ログイン・ダイアログがIDCSに属しているためです。この場合、Spatial StudioはIDCSプロファイルのロケールおよび言語の設定をチェックし、それを使用して、サポートされている言語のリストから最適な言語を自動的に選択します。たとえば、IDCSプロファイルでCanadian Frenchが優先言語として設定されている場合、Spatial StudioではCanadian Frenchがサポートされていないため、Frenchを使用してUIが表示されます。

3.2 Spatial Studioの使用開始

Spatial Studioには、ツールの使用を開始するために役立つ情報およびリンクが記載されたページがあります。

このページを表示するには、ほとんどのページの右上の領域(「作成」ボタンの上)にある小さい疑問符アイコン(?)をクリックし、コンテキスト・メニューから「開始」をクリックします。

次のように、「開始」ページが開きます。

図3-4 「開始」ページ

図3-4の説明が続きます
「図3-4 「開始」ページ」の説明

次のオプションのいずれかをクリックすると、Spatial Studioの詳細を確認できます。

  • 概要: このビデオを視聴して、ユーザー・インタフェースを理解し、使用可能なアクションの実行方法を確認します。
  • データの準備: マッピングおよび空間分析のためにビジネス・データを有効にします。
  • 視覚化および分析: ビジネス・データの地理的パターンおよび関係を調査します。
  • 詳細: Oracle Spatial Cloudについてより詳しく学ぶには、ビデオ・ライブラリをご覧ください。
  • ドキュメンテーション: Spatial Studioの管理および使用方法の詳細は、『Oracle Spatial Studioガイド』を参照してください。
  • 次のワークフローを使用して、Spatial Studioの使用を開始します。
    1. ステップ1 - 接続の作成: まず、データベース接続を作成します。
    2. ステップ2 - データセットの作成: データセットを作成し、空間データをロードします。
    3. ステップ3 - プロジェクトの作成: 空間データを視覚化および分析するためのプロジェクトを作成します。

3.3 アクセス・トークンの生成

アクセス・トークンを生成して、Spatial StudioのRESTエンドポイントにアクセスできます。

Spatial Studioでは、次の2つのタイプのトークンがサポートされています。
  • 汎用トークン: すべてのリソースへのフル・アクセス。トークンは、必要に応じて読取り専用アクセス権または読取り/書込みアクセス権を付与します。
  • ストリーミング専用トークン: データセット・ストリーミングに関連するRESTエンドポイントにのみアクセスします。また、トークンは、HTTP GETメソッドでのみ使用される読取り専用アクセス権を付与します。
アクセス・トークンを生成するには、次のようにします。
  1. ページの右上隅のavatarをクリックします。
  2. ドロップダウン・メニューから「アクセス・トークン」をクリックします。
    「アクセス・トークン」ダイアログが開き、既存のトークンが表示されます。
  3. 「新規トークンの作成」をクリックします。
    次のように、新規アクセス・トークンの作成ダイアログが開きます。

    図3-5 新しいアクセス・トークンの作成

    図3-5の説明が続きます
    「図3-5 新しいアクセス・トークンの作成」の説明
  4. トークンの名前を入力します。
  5. トークンが期限切れになるまでの時間を「有効期間(分)」に入力します。
    -1を指定した場合、明示的に取り消さないかぎり、Spatial Studioではトークンが期限切れになりません。
  6. 「リソース・タイプ」を選択します。
  7. 必要に応じて、汎用トークンへのアクセスを許可するために「許可されたアクション」を選択します。
  8. 「OK」をクリックしてトークンを作成します。
    トークンが正常に作成されます。

3.4 Spatial Studioの「アクティブ・プロジェクト」ページ

「アクティブ・プロジェクト」ページには、現在の作業プロジェクトが表示されます。

Spatial Studioで作業している場合は、他のページから作業プロジェクトにいつでも切り替えることができます。

次の図に、「アクティブ・プロジェクト」ページのレイアウトを示します。

図3-6 「アクティブ・プロジェクト」ページ

図3-6の説明が続く
「図3-6 「アクティブ・プロジェクト」ページ」の説明
「アクティブ・プロジェクト」ページでは次のアクションを実行できます。
  • 表またはマップ・ビジュアライゼーションの作成。
  • プロジェクトに対するデータセットの追加または削除。
  • ビジュアライゼーション・レイヤーに対するデータの追加または削除。
  • 前述の図で強調表示されているアイコンを使用して、プロジェクトの「データ」および「ビジュアライゼーション」パネルの垂直に下または右に配置されるように「レイヤー・リスト」パネルを編成。
  • ビジュアライゼーション・レイヤーのスタイル設定またはズーム解像度の調整。「レイヤー」タブでマップ・レイヤーの横にあるメニュー・セレクタをクリックして、次の使用可能なオプションを表示できます。
    • 設定: 「スタイル」、「フィルタ」、「インタラクション」および「凡例」の表示オプションを示します。
    • 空間分析: 様々な空間操作(「すべて」、またはタイプ(「フィルタ」、「組合せ」、「変換」、「メジャー」)によるフィルタ処理)を実行できます。たとえば、指定した間隔のバッファの追加、他の形状と空間関係を持つ形状の取得、領域の計算などです。
    • レイヤーにズーム: レイヤー全体にあわせて表示をズームします(ズーム・アウトまたはズーム・イン)。
    • レイヤーのリフレッシュ: レイヤーをリフレッシュしてすべてのユーザー・アクションを反映します。
    • アニメーションの構成: 移動オブジェクトを視覚化するためのアニメーション設定を構成できます。
    • 削除: プロジェクトからレイヤーを削除します。
  • 「アクティブ・プロジェクト」ページの右上領域に表示されるプロジェクト管理オプションの使用。
    • アクション: ドロップダウン・メニューで、次のことができます。
      • プロジェクトに名前を付けて保存: プロジェクトの新しいコピーを作成します。
      • プロジェクトの公開: プロジェクトを公開します。
      • 編集: プロジェクト詳細(名前、作成者、説明など)を編集できます。
    • 保存: プロジェクトへの更新を保存します。
    • 閉じる: プロジェクトを閉じます。

3.5 Spatial Studioの「プロジェクト」ページ

「プロジェクト」ページには、作成されたすべてのプロジェクト(非公開と公開済の両方)がリストされます。

図3-1に、「プロジェクト」ページのレイアウトを示します。

「プロジェクト」ページでは次のアクションを実行できます。

  • 作業するプロジェクトまたは詳細を表示するプロジェクトを選択できます。
  • 「プロジェクトの作成」をクリックすると、新しいプロジェクトを作成できます。
  • プロジェクトをインポートするには、「インポート」をクリックし、「プロジェクトのインポート」ダイアログでプロジェクトのzipファイルを選択します。
  • プロジェクトを開いたり、エクスポートまたは削除するには、リスト表示されたプロジェクトのいずれかのadditional_options_iconアイコンをクリックします。
  • 表示設定を変更して、プロジェクトをカードまたは表形式で示すことができます。
  • 非公開プロジェクトと公開プロジェクトの両方を検索できます。

ノート:

最初の2つのアクションの場合、プロジェクトは「アクティブ・プロジェクト」ページで開きます。

3.6 Spatial Studioの「データセット」ページ

「データセット」ページでは、既存のデータセットの表示と編集、および新しいデータセットの作成を行うことができます。

次の図に、「データセット」ページを示します。

図3-7 「データセット」ページ

図3-7の説明が続きます
「図3-7 「データセット」ページ」の説明

「データセット」ページでは次のアクションを実行できます。

  • 「データセットの作成」をクリックすると、新しいデータセットを作成できます。

    次のソースからデータセットを作成できます。

    • データベース接続を使用するOracle Databaseの表またはビュー
    • 次のような様々なフォーマットのデータセット・ファイルをデータベースにアップロードして。
      • スプレッドシート・ファイル
      • シェイプファイル
      • GeoJSONファイル
      • CSVファイル
      • KMLファイル
    • 3D Tilesのタイルセットをインポートして

表示されたデータセットに対してadditional_options_iconをクリックするか、データセット行を右クリックして、次のアクションを実行できます。

  • プロパティ: データセットのプロパティを表示または変更します
  • 統計の更新: データセット統計を更新します
  • プロジェクトの作成: データセットを使用して新しいプロジェクトを作成します
  • アクティブ・プロジェクトに追加: 「アクティブ・プロジェクト」ページのプロジェクトにデータセットを追加します
  • エクスポート: データセットを(GeoJSONまたはCSVファイル形式で)エクスポートします。
  • 名前を付けて保存: データセットの新しいコピーを作成します
  • 権限: データセットの共有と権限を構成します
  • キャッシュ: マップ・タイルの事前キャッシュ・アクティビティを制御します
  • 準備: 次のいずれかのオプションに対してデータセットを準備します。
    • 住所のジオコード: 地理座標などのジオコード化された情報をデータセットに追加します
    • 住所ジオコードのクリア: データセットからジオコード化された情報を削除します
    • 逆ジオコード: 一連の地理座標からの住所情報をデータセットに追加します
    • 緯度/経度索引の作成: 緯度/経度索引を作成します
    • 緯度/経度索引の削除: 緯度/経度索引を削除します
    • H3索引の作成: H3集計データセットを準備します
    • 空間データセットへの結合: 空間データセットへの結合により、非空間データセットをマップ・ビジュアライゼーションのために準備します
  • 削除: データセットを削除します

3.6.1 データセットの作成

次の手順で、新しいデータセットを追加できます。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 「データセットの作成」をクリックします。
    次のような「データセットの作成」ウィンドウが開きます。

    図3-8 データセットの作成

    図3-8の説明が続きます
    「図3-8 データセットの作成」の説明
  3. データ・ソース・オプションのいずれかをクリックし、次に示すように、選択内容に応じた手順を実行します。
    ファイルのアップロードから:
    1. サポートされているファイル・タイプのいずれかをアップロードします。
    2. 「作成」をクリックします。

    表またはビューから:

    1. 「接続の選択」ドロップダウンから接続を選択します。
    2. 「作成」をクリックします。

      データセットを作成するアイテムの選択ウィンドウが開き、データベース内にあるすべての表、ビューおよびGeoRasterデータがリストされます。

      図3-9 データ・ソースの選択

      図3-9の説明が続きます
      「図3-9 データ・ソースの選択」の説明
    3. リストからアイテムを選択し、「OK」をクリックします。
    Cesiumデータセットから:
    1. 3Dデータセット・ファイルまたはCZMLファイルを選択して、Cesiumマップ・ビジュアライゼーション用のデータセットを作成します。

      図3-10 Cesiumデータセットを作成するためのオプション

      図3-10の説明が続きます
      「図3-10 Cesiumデータセットを作成するためのオプション」の説明

      次のいずれかのオプションを選択できます。

      • CZMLファイルのアップロード: .czmlファイルをアップロードします。
      • タイルセットのアップロード: タイルセットのzipファイルをアップロードします。サポートされているフォーマットは次のとおりです。
        • .b3dm: バッチ
        • .pnts: 点群

        ヒント:

        50 MB超のzipファイルに対するデフォルトのサイズ制限を増やすには、<user_home_folder>/.sgtech/sgtech_config.jsonファイルで定義されたuploadプロパティのdataset_max_size属性を更新します。
      • サーバー上にあるCZMLファイル: .czmlファイルの名前およびディレクトリ・パスを入力して、サーバーからアップロードするczmlファイルを指定します。
      • サーバー上にあるタイルセット: tileset.jsonファイルの名前およびディレクトリ・パスを入力して、サーバーからアップロードするタイルセット・ファイルを指定します。

      ノート:

      サーバーからCZMLファイルまたはタイルセット・ファイルをアップロードする場合:
      • ファイルが<SGTECH_HOME>/cesiumdataまたは<SGTECH_HOME>/3d-tilesetsの下にない場合は、該当する可能性があるため、Spatial Studioの移行時にデータセットを手動で移行する必要があります。
      • 「管理」ページの一般タブで、解凍されたファイルの制限を更新できます。次の2つの拡張設定パラメータを変更する必要があります。
        • 最大解凍済項目数
        • 最大解凍済合計
    2. 「作成」をクリックします。

    GeoJSON URLから:

    GeoJSON URLデータセットを作成する前に、次の点に注意することが重要です。

    • GeoJSON URLベースのデータセットは、ソースURLから直接そのデータにアクセスします。このデータセットにSpatial Studioで管理されるデータベース表はありません。
    • GeoJSON URLベースのデータセットは、空間分析をサポートしていません。
    • GeoJSON URLベースのデータセットは、同じアップロード・サイズ制限または100MBのいずれか小さい方が適用されます。
    • GeoJSON URLがCORS (Cross-Origin Resource Sharing)をサポートしていない場合、Spatial Studioは、GeoJSON URLデータをリクエストしているブラウザに対してプロキシとして機能します。

    次のステップを使用すると、GeoJSON URLデータセットを作成できます。

    1. マップ・ビジュアライゼーションのために外部ドメインからGeoJSONデータにアクセスするために、GeoJSON URLを指定します。

      ノート:

      GeoJSONデータへのアクセスに使用する外部ドメインを、「安全ドメイン」リストのエントリのリストに必ず追加します。
    2. 「作成」をクリックします。

      次のように、「GeoJSONからデータセットを作成」ウィンドウが開きます。

      図3-11 GeoJSONからのデータセットの作成

      図3-11の説明が続きます
      「図3-11 GeoJSONからのデータセットの作成」の説明
    3. 必要に応じて、「データセット名」を入力します。
    4. 「送信」をクリックします。

      「キー列が見つかりません」という警告とともに、GeoJSON URLデータセットが作成されます。データセットをビジュアライゼーション用のマップ・レイヤーとして使用するには、警告を解決する必要があります。警告の解決の詳細は、「問題のあるデータセット」を参照してください。

    新しいデータセットが追加され、「データセット」ページにリストされます。

3.6.1.1 シェイプファイルのアップロード

シェイプファイルをアップロードすると、データセットを作成できます。

シェイプファイルには、特定のファイル拡張子を持つ複数のファイルで参照可能な地理空間データが含まれます。シェイプファイル形式に寄与する選択済ファイルをいくつか次に示します。
  • .shp: ジオメトリ・データを格納します
  • .shx: ジオメトリの索引を格納します
  • .dbf: ジオメトリ・フィーチャの属性情報を格納します
  • .prj: 座標系情報を格納します
  • .cpg: 使用する文字セットを指定します
  1. 「データセット」ページに移動し、「データセットの作成」をクリックします。
    「データセットの作成」ウィンドウが開きます(図3-8を参照)。
  2. 「ファイル・アップロードから」を選択します。
  3. upload_iconをクリックして、シェイプファイルをアップロードします。
    ファイルのアップロード・ウィンドウが開きます。
  4. システムから必要なファイルをすべて選択します。

    ノート:

    .shp.shxおよび.dbfファイルのアップロードは必須です。

    次のように、「シェープファイルからデータセットを作成」ダイアログが開きます。

    図3-12 シェイプファイルからのデータセットの作成

    図3-12の説明が続きます
    「図3-12 シェイプファイルからのデータセットの作成」の説明
  5. 「接続にアップロード」ドロップダウン・リストから、シェイプファイルをアップロードする接続を選択します。
  6. 必要に応じて、「表名」を変更します。
  7. 必要に応じて、宛先の「データセット名」を変更します。
  8. 必要に応じて、使用する座標系を選択します。
    • シェイプファイルにカスタムの地理座標系(GEOGCS)を参照する.prjファイルが含まれている場合、Spatial Studioでは、前述の図に示すように、ターゲット空間データベースから最適な測地SRIDが割り当てられます。
    • シェイプファイルに.prjファイルが含まれていない場合は、デフォルトのEPSG:4326 GEOGCSが使用されます。
  9. 必要に応じて、必要な文字セットを選択します。
    Spatial Studioでは、次の優先順位で使用される文字セットが自動的に検出されます。
    • .cpgファイルが存在する場合は、そのファイルからcharset-nameを抽出します。
    • .dbfファイル・ヘッダーで指定された文字セットを使用します。
    • それ以外の場合は、デフォルトのISO-8859-1を使用します。

    検出された文字セットを使用してファイルの属性をプレビューできます。ただし、別の文字セットに切り替えてリフレッシュされた内容をプレビューすることも引き続きできます。

  10. 「送信」をクリックします。
    データセットがシェイプファイルから作成されます。

3.6.2 問題のあるデータセット

マップ・ビジュアライゼーションおよび分析に使用するには、すべてのデータセットが特定のデータ要件を満たしている必要があります。そうでない場合は、Spatial Studioの「データセット」ページでこれらのデータセットが警告付きで強調表示されます。

警告アイコンをクリックすると問題が表示されます。その後、次に示すように、問題の下の解決リンクをクリックして、分析に必要なデータセットを準備できます。

図3-13 データセットに関する警告

図3-13の説明が続きます
「図3-13 データセットに関する警告」の説明
次の表では、データセットに関する、強調表示される一般的な問題をいくつか示します。

表3-1 選定したデータセット問題のリスト

問題 原因 Spatial Studioでの解決方法
キー列が見つかりません データセットに主キーがありません。
  • データセットの列に移動をクリックして、データセットのキーを作成します。

    データセットのプロパティ構成ウィンドウが開きます。

  • 一意の値が含まれる列を選択し、「キーとして使用」をオンにします。
  • 「キーの検証」をクリックします。
  • 「適用」をクリックします。
このデータセットには空間メタデータおよび空間索引が必要です データセット内のジオメトリ列に、空間メタデータまたは空間索引、あるいはその両方がありません。 空間メタデータおよび索引の作成をクリックして、そのジオメトリ列用に空間メタデータおよび空間索引を作成します。
マッピングおよび空間分析のための準備が必要です 次のいずれかの理由が考えられます。
  • データセットに住所情報が含まれていますが地理座標がありません。
  • データセット内の緯度データおよび経度データに緯度索引および経度索引がありません。
原因に応じて、次のいずれかを実行する必要があります。
  • 住所のジオコードをクリックします
  • 緯度/経度索引の作成をクリックします
3.6.2.1 緯度列と経度列を含むビューベースのデータセットでの空間の有効化
Spatial Studioでは、緯度列と経度列を含むビューから作成されたデータセットに空間索引を作成できるため、ビューをビジュアル化および分析できます。
次の手順で、ビューベースのデータセットに緯度索引と経度索引を作成できます。

この手順は、次のことが前提となっています。

  • 緯度列と経度列を含むビューからデータセットを作成してある。

    ビューからのデータセットの作成の詳細は、データセットの作成を参照してください。

  • このビューベースのデータセットは、ビジュアライゼーションのために空間的に有効になっていないため、「データセット」ページで警告アイコン付きでリストされている。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 警告アイコンをクリックして、ビューベースのデータセットに関する問題を表示します。
  3. 緯度/経度索引の作成をクリックします。
    次のような緯度列と経度列ウィンドウが開きます。

    図3-14 ビューベースのデータセットでの緯度索引と経度索引の作成

    図3-14の説明が続きます
    「図3-14 ビューベースのデータセットでの緯度索引と経度索引の作成」の説明
  4. 緯度列を選択します。
  5. 経度列を選択します。
  6. 元表の緯度索引と経度索引を再使用するチェック・ボックスを選択します。
    前の図で示したように、ビューが作成されている元表で緯度列と経度列に空間索引があることを確認します。
  7. 「OK」をクリックします。
    経度索引と緯度索引の作成タイプのバックグラウンド・タスクが実行されます。「ジョブ」ページでのこのタスクの正常な完了は、データセットがビジュアライゼーションのために空間的に有効になっていることを示します。

    「アクティブ・プロジェクト」ページでこのビューベースのデータセットをビジュアライゼーションに使用できるようになりました。

3.6.3 データセットのジオコーディング

ジオコーディングは、ジオ住所タイプである位置の詳細から緯度と経度の座標を導出するプロセスです。

Spatial Studioでデータセットをジオコーディングして、結果の緯度および経度の情報をSDO_GEOMETRY列として格納できます。必要に応じて、データセットによって参照される基礎となるデータベース表の緯度および経度の数値列に格納することもできます。

データセットをジオコーディングする前に、Spatial Studioサーバーがファイアウォールの内側で稼働している場合は、「管理」ページで正しいWebプロキシ情報が構成されていることを確認します。これは、Spatial Studioアプリケーションが公衆インターネット上のOracleでホストされた外部ジオコーディング・サービスを使用しているためです。

次のステップを実行して、データセットをジオコーディングできます。

この手順では、住所の詳細などの位置の列が含まれるデータセットがSpatial Studioにすでに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. ジオコーディングを適用するデータセット名を右クリックします。
    データセットに有効なキー列が定義されていることを確認してください。
  3. 「準備」コンテキスト・メニューから「住所のジオコーディング」を選択します。
    次のように、「住所のジオコーディング」ダイアログが開きます。

    図3-15 住所のジオコーディング

    図3-15の説明が続きます
    「図3-15 住所のジオコーディング」の説明
  4. 「設定」タブをクリックします。
  5. ジオコーディングに使用するジオ属性のジオタイプを選択します。
    ジオコーディングを成功させるには、十分な地理データを指定する必要があります。住所コンポーネントに国属性または都道府県属性が含まれていない場合は、前述の図で強調表示されているそれぞれのドロップダウン・リストで国または都道府県を明示的に選択する必要があります。
  6. 必要に応じて、「座標を列に保存」をオンにして、地理座標をデータセットおよび基礎となるデータベース表に保存します。
  7. 前述のステップで「座標を列に保存」をオンにした場合は、必要に応じて、「緯度列」および「経度列」に名前を入力します。
  8. 「適用」をクリックします。
    ジオコーディング・プロセスが開始され、「ジョブ」ページでモニターできます。また、次の点にも注意してください。
    • ジオコーディング・プロセスはバッチで実行され、デフォルトのバッチ・サイズは50です。デフォルトのジオコーディング・バッチ・サイズはいつでも、「管理」ページの一般設定で変更できます。
    • いずれかのバッチが失敗した場合、全体的なジオコーディング・ジョブは失敗しません。ジョブの完了時に、失敗したバッチについて通知されます。
    • ジオコーディング・プロセスの最後に、次のように「ステータス」タブで結果を確認できます。

      図3-16 ジオコーディングのステータス

      図3-16の説明が続きます
      「図3-16 ジオコーディングのステータス」の説明
    • ジオコーディング・ジョブが正常に完了したら、データセット・プロパティおよび入力ソース・データベース表の緯度列と経度列、およびデータ型SDO_GEOMETRYGC_GEOMETRY列を表示して、ジオコーディングが適用されていることを確認できます。

3.6.4 データセットの逆ジオコード

逆ジオコードは、緯度および経度座標のセットから住所情報を導出するプロセスです。

次のステップを使用して、Spatial Studioのデータセットを逆ジオコード化してデータセットの表に住所情報を追加できます。

ノート:

逆ジオコードは、点または緯度および経度のデータセットでのみサポートされます。
この手順では、座標詳細を含むデータセットがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 逆ジオコードを適用するデータセット名を右クリックします。
  3. 「準備」コンテキスト・メニューから「逆ジオコード」を選択します。
  4. 必要に応じて、図3-17に示すように、必要な「位置属性」を選択して変更します。
    場所属性の入力テキスト・フィールドは、ターゲット・データセットの基礎となるデータベース表に作成される列名です。
  5. 必要に応じて「拡張」オプションを選択します。
    デフォルトの名前の付いた道路への逆ジオコーディングのみオプションにより、名前の付いた道路と一致しない緯度および経度のすべての座標について、ジオコーディング中に最も近い通りまたは道路の名前が取得されます。
  6. 「適用」をクリックします。
    「ジョブ」ページで逆ジオコード・データセット・バックグラウンド・タスクをモニターできます。ジョブが正常に完了すると、データセット内のデータに逆ジオコードが適用されます。
    データセット・プロパティで追加の住所関連の列を表示して、逆ジオコーディングがデータセットに適用されていることを確認できます。

    図3-17 逆ジオコーディング

    図3-17の説明が続きます
    「図3-17 逆ジオコーディング」の説明

3.6.5 分析のための非空間データセットの準備

Spatial Studioでは、空間データセットへの結合により、非空間データセットをマッピングおよび分析のために準備できます。

また、2つのデータセットの結合については、次の点に注意してください。

  • 非空間データセットから空間データセットへの結合のみ可能であり、逆はできません。
  • 一方のデータセット内の非空間データが、共通の主キー列によって、他方のデータセット内の空間データにリンクされている必要があります。
  • 結合操作で関連付けたデータセットの属性から、新しく作成される結合後のデータセット用の列を選択できます。
この手順は、共通の主キー・データを含む空間データセットと非空間データセットがデータベース・スキーマ内にすでに存在していることが前提となっています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 空間データセットに結合する非空間データセットを右クリックします。
  3. 「準備」コンテキスト・メニューから空間データセットへの結合を選択します。
    次のウィンドウが開きます。

    図3-18 空間データセットへの結合

    図3-18の説明が続きます
    「図3-18 空間データセットへの結合」の説明
  4. オプションで、結合結果となるデータセットの名前にデータセット名を入力します。
  5. 空間データセットで結合対象を選択します。
    選択すると、その空間データセットに関連付けられた主キーが、非空間データセットのキーに対して検証されます。データセットのキー値が結合操作に適していない場合は、次のエラーが表示されます。
    Dataset key columns to join must be the same data type
  6. オプションで、非空間データセットと空間データセットから、結合結果となるデータセット用に、必要な列を選択します。
  7. 「OK」をクリックします。

    結合されたデータセットが作成され、「データセット」ページに行として表示されます。このデータセットには、空間データセットと非空間データセットの両方から選択したすべての列プロパティが含まれています。結合後のデータセットのプロパティは、「データセット」ページのデータセット・プロパティウィンドウで確認することや、次に示すように「アクティブ・プロジェクト」ページでマップ・ビジュアライゼーションおよび分析のためにそのデータセットを使用するときに確認することができます。

    図3-19 追加された非空間プロパティと空間プロパティ

    図3-19の説明が続きます
    「図3-19 追加された非空間プロパティと空間プロパティ」の説明

3.7 Spatial Studioの「接続」ページ

「接続」ページには既存の接続がすべて表示され、新しい接続を作成することもできます。

次の図に、「接続」ページのレイアウトを示します。

図3-20 「接続」ページ

図3-20の説明が続きます
「図3-20 「接続」ページ」の説明

「接続」ページでは次のアクションを実行できます。

  • 「接続の作成」をクリックすると、新しい接続を作成できます。

    次のソースから接続を作成できます。

    • Oracle Database: ホスト、ポート、スキーマおよびその他のデータベース認証の詳細を指定します
    • Oracle Autonomous Database: ウォレットの詳細を指定します
  • 表示された接続に対してハンバーガ・アイコンをクリックするか、接続行を右クリックすることによって、次のアクションを実行することもできます。
    • プロパティ: 接続のプロパティを表示または変更します
    • 編集: 接続詳細を更新します

      ノート:

      「接続」ページでSPATIAL_STUDIO接続を編集することはできません。かわりに、Spatial Studioのリポジトリ・スキーマ・パスワードが変更されている場合を参照してください。
    • テスト: 接続を検証します
    • 削除: すべてのデータセットとともに接続を削除します

      ノート:

      SPATIAL_STUDIO接続は削除できません。

3.8 Spatial Studioの「管理」ページ

「管理」ページでは、Spatial Studioのステータスおよびアクティビティをモニターできます。サーバー・ログの表示、グローバル・システム構成の変更、カスタム・ベースマップの管理および安全ドメインの構成も行うことができます。

「管理」メニュー・リンクから「管理」ページに移動します。

ノート:

このメニュー・オプションにアクセスするには、Spatial Studioの管理者としてログインする必要があります。
「管理」ページのレイアウトは次のとおりです。

図3-21 「管理」ページ

図3-21の説明が続きます
「図3-21 「管理」ページ」の説明
Studioのコンソール・ページには、次のセクションがあります。

設定

  • 一般: このセクションでは、GeoCodingサービスURL、ジオコーディング・バッチ・サイズおよびStudioサーバーで使用されるWebプロキシを変更できます。また、アプリケーションのフロントエンド・ブランド領域をカスタマイズすることもできます。
  • 安全ドメイン: このセクションでは、Studioアプリケーションから様々なタイプのリソースを安全にロードできるとみなされるドメイン(ホスト名またはIPアドレス)のホワイト・リストを管理できます。通常、Studioのコンテンツ・セキュリティ・ポリシー・ディレクティブにカスタム・ベースマップのドメインを追加するために使用されます。安全ドメイン・リストに変更を加えた後、ブラウザ・ページを再ロードまたはリフレッシュして、新しいコンテンツ・セキュリティ・ポリシーを再ロードする必要があります。
  • ベースマップ: このセクションでは、既存のカスタム・ベースマップをすばやく表示したり、カスタム・ベースマップを追加または編集できます。カスタム・ベースマップは、ラスター・タイルまたはベクター・タイルのいずれかで構成でき、通常はサード・パーティのタイル・サーバーでホストされます。また、WMS OGC Webサービスを使用してカスタム・ベースマップを作成することもできます。
  • Cesiumベースマップ: このセクションでは、3D Cesiumマップのビジュアライゼーション専用に使用される既存のカスタム・ベースマップをすばやく表示できます。また、3Dマップのビジュアライゼーションで使用される新しいベースマップを追加することもできます。

ノート:

「ベースマップ」および「Cesiumベースマップ」に表示される各ホスト・エントリは、「安全ドメイン」リストのエントリの1つとして存在する必要があります。ホスト・ベースマップが「安全ドメイン」リストに存在しないドメインからのものである場合、マップを視覚化するとベースマップが正しくレンダリングされないことがあります。

メンテナンス

  • 座標系キャッシュのリフレッシュ: リポジトリ・データベース・スキーマでサポートされている空間参照Well-Known Text (WKText)定義のテキスト索引を再構築する必要がある場合にのみ使用します。シェイプファイル・アップロードでは、このWKText索引を使用して最適なSRIDが自動的に照合されます。
  • メタデータのキャッシュのリフレッシュ: Spatial Studioでは、通常、データセット、接続およびプロジェクトの定義などの、頻繁に使用されるすべてのメタデータがキャッシュされます。まれなイベントで一部のキャッシュされたメタデータが失効したり、同期しなくなったりした場合に、キャッシュ全体をリフレッシュする必要がある場合があります。

モニタリング

  • サーバー・ステータス: このセクションには、Spatial Studioサーバーの一般的な状態およびシステム・ステータスに関する読取り専用情報が表示されます。
  • キャッシュ・ステータス: このセクションには、Spatial Studioで管理されるキャッシュの詳細が表示されます。
  • サービス・ログ: このセクションでは、必要な数のサーバー側ログをロードおよび表示できます。乱雑さを減らすために、目的のロギング・レベルを使用して結果をフィルタ処理できます。

クラスタ・デプロイメントでは、前述のオプションではいずれも、現在のセッションが接続されている特定のSpatial Studioインスタンスの情報のみが表示されます。

3.8.1 カスタム・ベースマップの追加

次の手順で、カスタム・ベースマップを追加できます。

  1. 「管理」ページに移動します。
  2. 「設定」でベースマップをクリックします。
    使用可能なすべてのベースマップがリストされる、ベースマップウィンドウが開きます。
  3. ベースマップの追加をクリックし、次のいずれかのベースマップ・タイプをクリックします。
    • XYZラスター・タイル
    • OGC WMS
    • ベクター・タイル
  4. 選択したベースマップ・タイプについて「名前」および「URL」に入力します。
  5. オプションで、帰属および「APIキー」に入力します。

    ヒント:

    すべての必須フィールドに入力した後は、クイック・ビューをクリックするとそのベースマップをプレビューできます。
  6. 「保存」をクリックしてベースマップを追加します。
    例として、次の図にOGC WMSベースマップ構成ウィンドウを示します。

    図3-22 OGC WMSマップの追加

    図3-22の説明が続きます
    「図3-22 OGC WMSマップの追加」の説明

    ノート:

    Spatial Studioアプリケーションがベースマップに必要なサービスにアクセスできるようにするために、「安全ドメイン」にそのドメイン名を追加することが重要です。

3.8.2 カスタム・ベースマップの編集

次のステップを使用すると、カスタム・ベースマップを編集できます。

  1. 「管理」ページに移動します。
  2. 「設定」でベースマップをクリックします。
    使用可能なすべてのベースマップがリストされる、ベースマップウィンドウが開きます。
  3. 必要なカスタム・ベースマップに対してadditional_options_iconをクリックし、コンテキスト・メニューから「編集」をクリックします。

    ノート:

    「編集」は、事前定義済のSpatial Studioマップでは無効になっています。
    次のように、カスタム・ベースマップ構成の詳細が編集のために表示されます。

    図3-23 カスタム・ベースマップの編集

    図3-23の説明が続きます
    「図3-23 カスタム・ベースマップの編集」の説明
  4. 「名前」「属性」「URL」「APIキー」などの必要なパラメータを変更します。
  5. 「保存」をクリックします。
    カスタム・ベースマップの詳細が変更され、更新内容が「ベースマップ」ウィンドウに表示されます。

3.9 Spatial Studioの「ジョブ」ページ

「ジョブ」ページには、Spatial Studioで実行されているすべてのバックグラウンド・ジョブの詳細が表示されます。

次の図に、「ジョブ」ページのレイアウトを示します。

図3-24 「ジョブ」ページ

図3-24の説明が続きます
「図3-24 「ジョブ」ページ」の説明

「ジョブ」ページでは次のアクションを実行できます。

  • グリッドに表示するジョブ(「アクティブ」「過去」または「すべて」)を選択します。
  • ジョブ・グリッドのリフレッシュ間隔を選択します。
  • 特定のジョブの詳細を表示します。
  • ジョブを終了します。

    また、ジョブの終了については、次の点に注意してください。

    • 「処理中」または「保留中」のジョブを終了できます。
    • 経度索引と緯度索引の作成ジョブを除くすべてのジョブ・タイプを終了できます。
    • ジョブが終了すると、ジョブの実行結果が部分的に保持されます。部分的な結果のクリアを選択できます。たとえば、「ジオコーディング」ジョブを終了した後に「住所のジオコードのクリア」を実行できます。
    • 終了時に、H3索引の構築などのH3集計に関連するジョブのみが完全にロールバックされます。

グリッド表には、各ジョブ・エントリ行について次のプロパティが表示されます。

  • タイプ: 「ジオコーディング」「データセットの逆ジオコーディング」などのジョブ・タイプ。
  • オブジェクト:ジョブによって変更されるエンティティ(データセット、表、索引など)。
  • 作成者: ジョブを送信したユーザー。

    ノート:

    システム・メンテナンス・ジョブは、"$system"アカウントによって作成されます。
  • 開始時間: 「保留中」ステータスのジョブのスケジュール済次回実行時間、またはその他のジョブ・ステータスの実際のジョブ開始時間。
  • 終了時間: ジョブが完了した時間。
  • ステータス: ジョブの状態または進捗を示します。次のいずれかになります。
    • 保留中
    • 処理中
    • 完了
    • エラー
    • 終了中
    • 終了

ジョブ行に対してadditional_options_iconをクリックすると、次のアクションを実行できます。

  • 詳細の表示: 「処理中」のジョブが現在実行されているステップや、「エラー」または「終了」のジョブに関するエラー詳細などの追加情報を表示する場合。また、ジョブの詳細を表示しているときに「終了」をクリックして、「処理中」のジョブを終了することもできます。
  • 終了: 「処理中」または「保留中」のジョブを直接終了する場合。他のジョブ・ステータスについては無効になったままです。

3.10 Oracle Spatial Studioでのビジュアライゼーション

様々なビジュアライゼーション・モードを使用して、Oracle Spatial Studioで空間データを視覚化できます。

Spatial Studioでは、次のビジュアライゼーション方法がサポートされています。

  • マップ
  • Cesiumマップ

ビジュアライゼーションをプロジェクトとしてSpatial Studioに保存できます。プロジェクトを再処理したり、プロジェクトを公開して結果を他のユーザーと共有できます。

次の各項では、様々なビジュアライゼーション手法の使用方法について詳しく説明します。

3.10.1 表ビジュアライゼーションの使用

Spatial Studioを使用すると、表内のデータセットからデータを視覚化できます。
表形式のビューにデータを表示するには、次のステップを実行する必要があります。
この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページでビジュアライゼーション用のデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「表」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、表ビジュアライゼーションを作成します。
    ビジュアライゼーション・ウィンドウで空のレイヤーが開きます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のデータセットをクリックして右側の空のレイヤーにドラッグします。

    ノート:

    表ビューに表示できるデータセットは1つのみです。複数のデータセットを表示する場合は、データセットごとに表ビューを1つ作成する必要があります。
    次のように、ビジュアライゼーションのためにデータが表形式で開きます。

    図3-25 表形式のビジュアライゼーション

    図3-25の説明が続きます
    「図3-25 表形式のビジュアライゼーション」の説明

    表は無限スクロールをサポートしているため、表を上下に簡単にスクロールしてデータ行を表示できます。

    右上にある「X」アイコンをクリックして、表ビジュアライゼーションを削除できます。

3.10.2 マップ・ビジュアライゼーションの使用

Spatial Studioでは、次のタイプのマップ・ビジュアライゼーションがサポートされています。

  • ジオメトリ・データ・ビジュアライゼーション:
    • 点タイプ
    • 線タイプ
    • ポリゴン/領域タイプ
  • GeoRasterデータ・ビジュアライゼーション
  • H3集計を使用した六角形データ・ビジュアライゼーション

次の各項では、これらのビジュアライゼーションの開始方法について説明します。

3.10.2.1 点マップの視覚化
Spatial Studioを使用すると、地理データの位置をマップ上の点として視覚化できます。
地理データをマップとして表示するには、次のステップを実行する必要があります。
この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページでビジュアライゼーション用のデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「マップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、マップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    データ・ビジュアライゼーション・レイヤーがない、デフォルトのベースマップが表示されます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のデータセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。

    ヒント:

    1つのアクションで複数のデータセットをマップ・ビューにドラッグ・アンド・ドロップできます。
    次のように、ビジュアライゼーションためにマップがデータ点で更新されます。

    図3-26 マップ・ビジュアライゼーション

    図3-26の説明が続きます
    「図3-26 マップ・ビジュアライゼーション」の説明

    様々なレンダリング・スタイルを使用してマップをレンダリングできます。詳細は、点レイヤーへのレンダリング・スタイルの適用を参照してください。

    右上にある「X」アイコンをクリックして、マップ・ビジュアライゼーションを削除できます。

3.10.2.2 GeoRasterデータ・ビジュアライゼーションについて

Oracle Spatial Studioを使用すると、Oracle Databaseの空間GeoRasterタイプに格納されているGeoRasterデータを視覚化できます。

衛星画像、小型無人機からの航空写真、グリッド入りデータなど、地理参照ラスター・データは、アプリケーションのマッピングに非常に役立ちます。直接分析したり、追加コンテキストの背景マップとしてベクター・データを重ねることができます。GeoRasterデータの詳細は、Spatial GeoRaster開発者ガイドを参照してください。

次の各項では、Spatial StudioでGeoRasterデータを作成および視覚化する方法について説明します。

3.10.2.2.1 GeoRasterデータセットの作成
次のステップを使用して、GeoRasterデータセットを作成できます。
この手順では、GeoRasterデータがすでにデータベース・スキーマに存在していることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動し、「データセットの作成」をクリックします。
  2. 「表/ビューから」をクリックし、「接続」を選択して「作成」をクリックします。
  3. 「GeoRasters」をクリックし、必要なGeoRaster表を選択して、次のように「OK」をクリックします。

    図3-27 GeoRasterデータセットの作成

    図3-27の説明が続きます
    「図3-27 GeoRasterデータセットの作成」の説明
    地理ラスター構成ダイアログが開きます。
  4. 「選択モード」を選択します。
    選択モードの値は次のとおりです。
    • 単一ラスター
    • 仮想モザイク
  5. 単一ラスター・モードを選択した場合、ビジュアライゼーション用のGeoRaster列を選択します。そのようなリポジトリがない場合は、このステップをスキップできます。

    ノート:

    仮想モザイク・モードを選択した場合、すべてのGeoraster列がビジュアライゼーションに含まれます。
  6. 「OK」をクリックします。
    GeoRasterデータセットが構成され、新しく作成されたGeoRasterデータセットが「データセット」ページに行として表示されます。
3.10.2.2.2 マップ上のGeoRasterデータの視覚化
次のステップを使用して、地図上のGeoRasterデータを視覚化できます。
この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページでGeoRasterデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。GeoRasterデータセットを作成するには、詳細について、GeoRasterデータセットの作成を参照してください。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「マップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、マップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    データ・ビジュアライゼーション・レイヤーがない、デフォルトのベースマップが表示されます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のGeoRasterデータセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。
    次のように、GeoRasterレイヤーがマップ上に作成されます。

    図3-28 GeoRasterデータ・ビジュアライゼーション

    図3-28の説明が続く
    「図3-28 GeoRasterデータ・ビジュアライゼーション」の説明

    右上にある「X」アイコンをクリックして、マップ・ビジュアライゼーションを削除できます。

    ヒント:

    「スタイル」タブおよびラスター・タブを使用してレイヤー設定を変更することで、ビジュアル表示を拡張できます。詳細は、GeoRasterレイヤーへのスタイルの適用を参照してください。
3.10.2.3 H3集計を使用した六角形データ・ビジュアライゼーションについて

Oracle Spatial Studioを使用すると、H3 (六角形の階層空間索引)集計とともに六角形を使用して、点タイプのマップ・データを視覚化できます。

マップ・データを六角形として視覚化すると、次のような利点があります。
  • より大きな点データセットのパターンまたはクラスタを識別するのに役立ちます
  • 六角形セルのように、データの解釈が容易になり、すべての点が六角形の中心点から等距離になります
  • 六角形セルは、保持しているデータ点の数に基づいて色分けされるため、データ・パターンを簡単に理解できるようになります

次の各項では、Spatial StudioでH3集計を使用する方法について説明します。

3.10.2.3.1 H3集計データセットの準備
次のステップを実行して、H3集計データセットを準備できます。
この手順では、ジオメトリ・データ列を含むデータセットがすでにSpatial Studioにロードされていることを前提としています。
  1. 「データセット」ページに移動します。
    Spatial Studioにロードされたすべてのデータセットがこのページにリスト表示されます。
  2. 必要なデータセットの名前を選択し、右クリックしてコンテキスト・メニューを開きます。
  3. 「準備」サブメニューの「H3索引の作成」をクリックします。
    次のように、H3索引の作成ダイアログが開きます。

    図3-29 H3集計データセットの作成

    図3-29の説明が続く
    「図3-29 H3集計データセットの作成」の説明
  4. H3集計用のジオメトリ列を選択します。
  5. 次を使用して集計オプションをクリックします。
    集計の値は、次のとおりです。
    • カウント: 各六角形のデータ点の数をバケット化します
    • 合計: 特定の六角形内にあるすべての点について、データ・セットの特定の列の値を合計します
  6. データセットの集計に「合計」を選択した場合は、合計する列を選択します。そのようなリポジトリがない場合は、このステップをスキップできます。
  7. 必要に応じて、H3索引名を変更します。
  8. 「OK」をクリックします。
    H3集計データセットが作成され、「データセット」ページに新しい行として追加されます。
3.10.2.3.2 H3集計を使用したデータの視覚化
H3集計を使用してマップ・データを視覚化するには、次のステップを実行する必要があります。
この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページでH3集計データセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。

H3集計のデータセットを準備するには、詳細について、H3集計データセットの準備を参照してください。

  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「マップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、マップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    データ・ビジュアライゼーション・レイヤーがない、デフォルトのベースマップが表示されます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のH3集計データセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。
    次のように、データ点の六角形ビニングを示すレイヤーがマップ上に表示されます。

    図3-30 六角形ビニングを使用したマップ・データ・ビジュアライゼーション

    図3-30の説明が続く
    「図3-30 六角形ビニングを使用したマップ・データ・ビジュアライゼーション」の説明

    H3マップ・レイヤーにスタイルを適用する方法の詳細は、H3集計によるマップへのデータ駆動スタイルの適用を参照してください。

3.10.2.4 カスタム・マップ・リージョンのビジュアライゼーションについて

Oracle Spatial Studioを使用すると、多角形タイプのジオメトリをサポートするマップ・レイヤーにカスタム・マップ・リージョンを作成できます。

複数の多角形の形状を選択し、新しいキー値と組み合せることで、新しいマップ・リージョンを作成できます。その後、新しいキー値のこの新しいマップ・リージョンを、他のすべてのカスタム・マップ・リージョンを含むターゲット・データセットに追加または挿入できます。

このような新しく作成されたカスタム形状は、ターゲット・データセットの基礎となるデータベース表に保持されるため、他のデータセットと同様にデータ・ビジュアライゼーションまたはレポートに使用できます。

この機能サポートの主な特性は次のとおりです。
  • ソース・データセット(多角形形状を選択してカスタム・マップ・リージョンに結合するデータセット)は、常にOracle Database表に基づいている必要があります。

    OracleビューおよびStudioの分析からのデータセットは現在サポートされていません。

  • 新しいリージョンは隣接してもしなくてもかまいません。
  • ターゲット・データセット(新しく作成したカスタム・マップ・リージョンを格納するデータセット)では、その地理参照系に格納されます。
  • キー値と新しいジオメトリ値のみがターゲット表に挿入されます。
  • ターゲット・データセットは、次の要件を満たしている必要があります。
    • ターゲット・データセットのジオメトリ・メタデータ情報は、SDO_GEOM_METADATAビューで使用できる必要があります。
    • ジオメトリ列に空間索引が存在する必要があります。

      ノート:

      ジオメトリ列に空間索引が作成されていない場合、ターゲット・データ・レイヤーをマップ・ビジュアライゼーション・キャンバスにドラッグできません。詳細は、ターゲット・データセットの作成を参照してください。
3.10.2.4.1 ビジュアライゼーション用のカスタム・リージョンの作成
次のステップを使用して、多角形タイプのジオメトリを含むソース・データセットにカスタム多角形リージョンを作成し、ターゲット・データセットに適用できます。
この手順では、ソースおよびターゲットのデータセットが「アクティブ・プロジェクト」ページのプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「マップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、マップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    データ・ビジュアライゼーション・レイヤーがない、デフォルトのベースマップが表示されます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のソース・データセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。
    多角形の形状が含まれるマップ・レイヤーが作成されます。
  5. 次のステップを必要な回数だけ実行して、必要なカスタム・リージョンを作成します。
    1. マップ・ツール・バーの多角形選択ツールを使用して、集計用のリージョンを選択します。

      図3-31 カスタム・マップ形状の作成

      図3-31の説明が続く
      「図3-31 カスタム・マップ形状の作成」の説明

      ヒント:

      あるいは、Windowsシステムではキーボードのショートカット[Ctrl] + クリックを使用して複数の多角形を選択することもできます。
    2. マップ・ツールバーのcustom_region_icon(「ポリゴンのマージ」メニュー・アイコン)をクリックし、「カスタム・リージョンの作成」をクリックします。
      次のように、「形状を組み合せてカスタム・リージョンを作成」が開きます。

      図3-32 カスタム・リージョンの作成

      図3-32の説明が続く
      「図3-32 カスタム・リージョンの作成」の説明
    3. ソース・データセットとターゲット・データセットを選択し、必要に応じて「選択したアイテムのみ含めます」トグル・ボタンをオンまたはオフにします。
      • 次に含まれる項目を結合: ソース・データセット
      • 結果の追加先となるデータセット: ターゲット・データセット

      注意:

      「選択した項目のみを含める」をオフにした場合、ソース・データセット全体を1つのリージョンに集計できます。この場合、プロセスはソース・データセット内の機能の数に応じて長時間実行されることがあります。そのため、このオプションは必要な場合にのみ使用してください。
    4. 「新規形状属性の入力」をクリックし、「REGION_ID」に一意の番号を入力します。
    5. 「OK」をクリックしてカスタム・マップ・リージョンを作成します。
      ステップaからdを繰り返して、必要なカスタム・リージョンの数を作成します。
  6. 右側にあるマップ・ビューにターゲット・データセットをドラッグ・アンド・ドロップして、新しく作成したカスタム・リージョンを表示します。
    次の図に、ターゲット・データセットに挿入された新規定義されたカスタム・リージョンを示します。

    図3-33 ターゲット・データセットでのカスタム形状の表示

    図3-33の説明が続く
    「図3-33 ターゲット・データセットでのカスタム形状の表示」の説明
3.10.2.4.2 ターゲット・データセットの作成
次のステップを実行して、ターゲット・データセットを作成できます。
  1. SQL Developerなどのツールを使用して、Oracleデータベース・スキーマに接続します。
  2. 次のように、空間表を作成します。
    CREATE TABLE affected_regions (region_id NUMBER PRIMARY KEY, geom SDO_GEOMETRY);
  3. USER_SDO_GEOM_METADATAビューに空間表を挿入します。たとえば:
    INSERT INTO USER_SDO_GEOM_METADATA VALUES (
    'affected_regions', -- TABLE_NAME
    'geom', -- COLUMN_NAME
    SDO_DIM_ARRAY -- DIMINFO attribute for storing dimension bounds, 0.5 m as tolerance
    (SDO_DIM_ELEMENT ('LONGITUDE', -180, 180, 0.5 ),
     SDO_DIM_ELEMENT ( 'LATITUDE', -90, 90, 0.5 )), 
    4326 -- SRID value for specifying a geodetic coordinate system
    );
    COMMIT;
  4. SDO_GEOMETRY列に対して空間索引を作成します。
    CREATE INDEX affected_regions_sidx ON affected_regions(geom) INDEXTYPE IS MDSYS.SPATIAL_INDEX_V2;
  5. これまでのステップで使用したデータベース・スキーマからSpatial Studioにデータセットを作成します。
    必要なターゲット・データセットが作成されます。このデータ・レイヤーを使用して、新しく作成したカスタム・マップ・リージョンを適用できます。
3.10.2.5 移動オブジェクトの視覚化

Oracle Spatial Studioリリース22.1.0以降、時空間データセットを使用して移動オブジェクトを視覚化できます。

図3-34 移動オブジェクトのビジュアライゼーション

図3-34の説明が続く
「図3-34 移動オブジェクトのビジュアライゼーション」の説明

Spatial Studioで移動オブジェクトの視覚化を開始するには、次を実行する必要があります。

  1. 重要な領域、時間およびエンティティの情報を定義することで、データセットを時空間データセットとして有効にします。
  2. ビジュアライゼーションのために時空間データセットをマップに追加した後、アニメーション設定を構成します。

次の各項では前述の2つのステップを実行する方法を詳細に説明します。

3.10.2.5.1 データセットの時空間の有効化

移動オブジェクトを視覚化およびアニメーション化するには、「データセット」ページで時空間データが含まれるデータセットの「時空間」を有効にする必要があります。

Spatial Studioでは、データセットが次の要件を満たす場合にのみ、時空間データが含まれているとみなされます。
  • ジオメトリ列または緯度/経度列のペアが含まれるジオメトリ表またはビューに基づいている必要があります。
  • 列の1つによって一意に識別される1つ以上の"移動オブジェクト"またはエンティティが存在する必要があります。
  • エンティティは監視および記録の対象であるため、そのUTC日時を格納するTIMESTAMP型の列が存在する必要があります。
  • データセットの基礎となる表またはビューには、監視またはモニターの対象となるエンティティの直近に取得した位置データの継続的な挿入が必要です。

次のステップを実行して、データセットの時空間を有効にできます。この手順では、時空間データが含まれるデータセットがデータベース・スキーマにすでに存在していることを前提としています。

  1. 「データセット」ページに移動します。
  2. 時空間データセットを右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
    データセットのプロパティダイアログが開きます。
  3. 「時空間」タブをクリックします。
    次のように、タブが表示されます。

    図3-35 データセットの時空間の有効化

    図3-35の説明が続く
    「図3-35 データセットの時空間の有効化」の説明
  4. 「時空間の有効化」をオンにします。
  5. 一意のエンティティのセットを識別する「エンティティID列」を選択します。
    エンティティID列は一意の列ではありません。これは、各エンティティがその場所の様々な記録を同じ表に保持できるためです。
  6. 「タイムスタンプ列」を選択します。
    Spatial Studioでは、移動オブジェクトの視覚化に対してUTC (協定世界時)またはGMT (グリニッジ標準時)タイム・ゾーンのみがサポートされます。
  7. 表内のライブ・フィード更新のおおよその頻度を指定するには、「データ変更率」を指定します。
  8. 「適用」をクリックします。
これで、データセットが時空間データ・ビジュアライゼーションに対して有効になります。
3.10.2.5.2 移動オブジェクトのアニメーションの構成

Spatial Studioでマップ上の移動オブジェクトを視覚化するには、マップ・レイヤーでアニメーション設定を構成する必要があります。

次の手順では、データセットの時空間を有効にしており、「アクティブ・プロジェクト」ページでデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。詳細は、「データセットの時空間の有効化」を参照してください。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「マップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・ウィンドウにドラッグし、マップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    データ・ビジュアライゼーション・レイヤーがない、デフォルトのベースマップが表示されます。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的の時空間データセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。次のように、2つのマップ・レイヤーがマップ上に作成されます。

    図3-36 時空間データセットを使用したマップ・ビジュアライゼーション

    図3-36の説明が続く
    「図3-36 時空間データセットを使用したマップ・ビジュアライゼーション」の説明
    移動オブジェクトのトレイルを表す2番目のレイヤーがSpatial Studioに自動的に追加されます。2つのマップ・レイヤーの詳細は、「時空間マップ・レイヤーの特性」を参照してください。
  5. 次のステップを実行して、トレイルに沿ってオブジェクトのアニメーションを有効にします。
    • 「レイヤー」リストの「データ」タブで、最初のレイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
    • コンテキスト・メニューで「設定」を選択し、「アニメーションの構成」をクリックします。

      次のように、マップ・レイヤーのアニメーション設定が開きます。

      図3-37 アニメーション設定の構成

      図3-37の説明が続く
      「図3-37 アニメーション設定の構成」の説明
    • 「自動データセット・リフレッシュに基づいてレイヤーをアニメーション化」をオンにします。
    • バックエンドからのデータ・リフレッシュの頻度を指定するには、「自動リフレッシュ間の時間」を指定します。この構成により、時間アニメーションの滑らかさと速度も決まります。

      Spatial Studioでは、ビジュアライゼーションに使用される時空間データセットで構成された「データ変更率」の値と同じデフォルトの頻度値が表示されることに注意してください。

    • 「時間単位」を指定します。
    • 移動オブジェクトのトレイルの長さを指定します。トレイル長の値Nは、リフレッシュのたびにSpatial Studioが移動オブジェクトの直近N秒のデータをフェッチする必要があることを示します。

      ヒント:

      基礎となるデータベース表またはビューに数百万のレコードが含まれている場合、「トレイルの長さ」で構成された直近N秒のデータのみを表示するようにマップ・アニメーションを制限できます。

      Spatial Studioでは、時空間データセットで構成されている「データ変更率」値の15倍となるデフォルトのトレイル長の値が表示され、最も近い整数に丸められることに注意してください。

    アニメーション設定が構成され、マップ上で移動オブジェクトのアニメーションを表示できます。

    ノート:

    移動オブジェクトの記号および色を選択できます。ただし、選択した記号が、「時空間マップ・レイヤーの特性」で説明されている条件に準拠していることを確認してください。
3.10.2.5.3 時空間マップ・レイヤーの特性

この項では、時空間データセットを視覚化するときの時空間マップ・レイヤーの明確な特性について説明します。

  • トレイル・マップ・レイヤーは、メイン・レイヤーに対するセカンダリ・レイヤーとみなされます。マップからメイン・レイヤーを削除すると、トレイル・マップ・レイヤーも自動的に削除されます。
  • データセットと同じ名前を共有するメイン・レイヤーは常に点タイプのレイヤーであり、円として、または記号やアイコンを使用して視覚化できます。記号を使用すると、Spatial Studioでは、オブジェクトの移動方向に基づいて記号も自動的に回転します。

    また、Spatial Studioの現在のリリースでは、自然に北を指す(または上を指す)記号、または固有の方向や角度を表さない記号(丸みを帯びた記号など)のみがサポートされています。

  • セカンダリ・レイヤーを非表示に切り替えても、メイン・レイヤーのアニメーションは維持されます。ただし、メイン・レイヤーを非表示に切り替えると、バックエンドから新しいデータがフェッチされないため、トレイル・レイヤーは静止状態のままになります。
  • メイン・レイヤーをヒートマップ・タイプまたはクラスタ・タイプに切り替えることはできません。
  • スティッキー・ツールチップまたはポップアップは、新しい位置に移動するときに移動オブジェクトに固定できないため、使用できません。
  • Spatial Studioは、メイン・レイヤーのデータをバックエンドから常にリフレッシュすることで、移動オブジェクトおよびそのトレイルのアニメーションを駆動します。これは、元表が問い合され、TIMESTAMP列に基づいてレコードをフィルタすることによって直近N秒のデータがフェッチされることを意味します。
  • マルチユーザー環境またはマルチビジュアライゼーション環境(あるいはその両方)で作業している場合は、多数のアニメーション・レイヤーのデータ・リフレッシュ問合せでデータベースをオーバーロードしないように注意する必要があります。たとえば、レイヤーによるデータのリフレッシュが頻繁すぎないか、各リフレッシュでフェッチされるデータの秒数が多すぎないか(あるいはその両方)を確認します。

3.10.3 Cesiumマップ・ビジュアライゼーションの使用

Spatial StudioではCesiumJSプラグインを使用して、Cesiumマップで3D TilesまたはCZMLデータを使用して3Dビジュアライゼーションを表示できるようにします。

Cesiumマップを使用すると、3D環境で実世界の地理空間3Dデータを表示できます。Cesiumマップを使用して対話型の3Dビジュアライゼーションを作成するために、次のいずれかのファイルをSpatial Studioにアップロードできます。

  • 3Dタイルセット: サポートされる形式は次のとおりです。
    • 点群(.pnts)
    • バッチ3Dモデル(.b3dm)
  • CZMLファイル: czmlファイル内のCZML形式のデータ

Cesiumマップ・ビジュアライゼーションを使用する場合は、次の点に注意することが重要です。

  • 地理空間3Dデータ用の3D TilesまたはCZML形式のデータ・ファイルの生成は、Oracle Spatial Studioの外部にあるサード・パーティ・ソフトウェアを使用して実行する必要があります。
  • 3D TilesおよびCZMLファイルは、Oracle DatabaseではなくSpatial Studioのサーバーのファイル・システムに格納されます。
  • 現在、この機能ではマップ上での3D TilesおよびCZMLデータの表示のみをサポートしています。3D解析はサポートされていません。
3.10.3.1 Cesiumマップを使用した3Dタイルセットの視覚化
次のステップを使用して、Cesiumマップ上で3D Tilesが含まれるデータセットを視覚化できます。
この手順では、3D Tilesがアップロードされ、「アクティブ・プロジェクト」ページでデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。3D Tilesが含まれるデータセットを作成するには、詳細について、「データセットの作成」を参照してください。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「Cesiumマップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・キャンバスにドラッグし、Cesiumマップ・ビジュアライゼーションを作成します。
    デフォルトのCesiumマップが表示されます。

    ヒント:

    次の2つのソースからマップを追加することで、新しい背景Cesiumマップを構成できます。
    • URLテンプレート
    • WMTSサービス
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的の3D Tilesのデータセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。
    次のように、3Dレイヤーがマップ上に作成されます。

    図3-38 3D Cesiumマップ・ビジュアライゼーション

    図3-38の説明が続きます
    「図3-38 3D Cesiumマップ・ビジュアライゼーション」の説明
    マップとやり取りするには、「?」アイコンをクリックし、次に示すオプションのいずれかを使用します。pointer_options.pngの説明が続きます
    図pointer_options.pngの説明
3.10.3.2 Cesiumマップを使用したCZMLデータの視覚化
次のステップを使用して、Cesiumマップ上でCZMLデータセットを視覚化できます。
この手順では、CZML形式のデータがアップロードされ、「アクティブ・プロジェクト」ページでCZMLデータセットがプロジェクトにすでに追加されていることを前提としています。.czmlファイルを使用してデータセットを作成するには、詳細について、「データセットの作成」を参照してください。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「ビジュアライゼーション」タブをクリックします。
    様々なビジュアライゼーション・オプションがリスト表示されます。
  2. リストから「Cesiumマップ」をクリックして右側のビジュアライゼーション・キャンバスにドラッグし、Cesiumマップ・ビジュアライゼーションを作成します。
  3. 「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインで、「データ」タブをクリックします。
    プロジェクトにロードされているすべてのデータセットがリスト表示されます。
  4. リストから目的のCZMLデータセットをクリックして右側のマップ・ビューにドラッグします。
    次のように、3Dレイヤーがマップ上に作成されます。

    図3-39 CZMLデータセットを使用したCesiumマップ・ビジュアライゼーション

    図3-39の説明が続きます
    「図3-39 CZMLデータセットを使用したCesiumマップ・ビジュアライゼーション」の説明

3.10.4 マップ・レイヤーのスタイル設定

Spatial Studioを使用すると、ビジュアライゼーションと分析を強化するために、マップ・レイヤーの様々なスタイル設定オプションを見てまわることができます。

表示されるスタイル設定オプションは、マップするデータのタイプによって異なる場合があります。

次の各項では、様々なデータ・タイプに対するスタイル設定技法についていくつか説明します。

3.10.4.1 点レイヤーへのレンダリング・スタイルの適用
次のいずれかのレンダリング・スタイル・オプションを使用して、点マップ・レイヤーをレンダリングできます。
  • 円(デフォルト)
  • 記号
  • ヒートマップ
  • クラスタ

次のステップを使用すると、望ましいレンダリング・スタイル・オプションを適用できます。

この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページに点マップ・レイヤーが表示されていることを前提としています。
  1. 「レイヤー・リスト」「レイヤー」タブで、マップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
  3. 「スタイル」を構成し、ドロップダウン・リストから「描画スタイル」オプションを選択します。
    デフォルトでは、点マップ・レイヤーでは常に円を使用してデータ点を表します。

    ノート:

    各レンダリング・スタイルには独自の設定があります。
    • レンダリング・スタイル・オプションとして「クラスタ」を選択すると、マップ上のデータ点はクラスタ・サークルのサイズに応じてクラスタ化されて表示されます。

      図3-40 「クラスタ」スタイルの適用

      図3-40の説明が続きます
      「図3-40 「クラスタ」スタイルの適用」の説明

      必要に応じて、各クラスタ内の点の数を表すテキスト・ラベルの色およびスタイルを変更できます。

    • レンダリング・スタイル・オプションとして「ヒートマップ」を選択すると、マップ上のデータ点は、次のように点の集中に基づいて連続した色でレンダリングされます。

      ノート:

      ホット・カラーは点の集中を表し、クール・カラーは点の散在を表します。

      ヒント:

      「半径」パラメータのデフォルト値を減らして、点集中のさらに局所的なビューを確認することをお薦めします。

      図3-41 「ヒートマップ」スタイルの適用

      図3-41の説明が続きます
      「図3-41 「ヒートマップ」スタイルの適用」の説明
    • レンダリング・スタイル・オプションとして「記号」を選択すると、マップ上のデータ点は、次のように選択した記号でレンダリングされます。

      ヒント:

      必要に応じて、記号の色を選択できます。

      図3-42 「記号」スタイルの適用

      図3-42の説明が続きます
      「図3-42 「記号」スタイルの適用」の説明
    マップ・レイヤーは適切なスタイルでレンダリングされます。
3.10.4.2 GeoRasterレイヤーへのスタイルの適用
次のステップを使用して、GeoRasterマップ・レイヤーをスタイル設定できます。
この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページにGeoRasterマップ・レイヤーが表示されていることを前提としています。
  1. 「レイヤー」リストの「データ」タブのデータセットに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
    「レイヤー設定」パネルが開きます。
  3. 必要に応じて、「スタイル」で次のオプションのいずれかを変更します。
    • 不透明度
    • 最大輝度
    • 最小輝度
    • 彩度
    • コントラスト
    • 色相回転
    • フェード期間
  4. 必要に応じて、ラスター・タブで次のレンダリング・オプションのいずれかを変更します。
    • バンド: Spatial Studioでは、デフォルトで次のバンドをサポートしています。
      • アルファ

      3つを超えるレイヤーがあるGeoRasterイメージの場合、視覚化するレイヤーを3つ選択できます。

    • 再投影: SRS (空間参照系)間でイメージを変換するときに使用される補間方法を表します。
    • イメージ処理: イメージのビジュアル品質を高めるために使用されるサブプログラムを表します。
    • レンダリング・ヒント: ビュー・ポートの各イメージ・セルの値が元のイメージ・ピクセルを使用してどのように補間されるかを決定する、イメージの補間値を表します。たとえば:
      • NEAREST NEIGHBOR (最近隣): このオプションでは、最も近いイメージ・ピクセルの値をそのまま使用して、補間はありません。
      • BI-LINEAR (バイリニア): このオプションでは、ビュー・ポートでのイメージ・セルの値を決定するために、4つの隣接するピクセルが考慮されます。

      さらに、透明なNODATAトグルをオンまたはオフにすることもできます。これにより、イメージ・セルが透明かどうかが決まります。このスイッチがオンの場合、イメージ内にNODATAがある領域では、下のレイヤーが表示されます。

    GeoRasterマップ・レイヤーが更新された設定でレンダリングされます。
3.10.4.3 H3集計によるマップへのデータ駆動スタイルの適用

H3マップ・レイヤーに様々な解像度を適用して、ビジュアライゼーションを強化できます。

H3集計データセットの場合、マップをズーム・インおよびズーム・アウトすると、六角形セルとその六角形内の点の分布は自動的に各解像度レベルで変更されます。これは、あるレベルのカラー・ビンが別のレベルと同じではない可能性があることを意味します。

Spatial Studioには、解像度の変更時にカラー・ビンを自動的に計算するオプションがあります。特定のしきい値のセットに対してテストを行う場合は、このオプションをオフにすることもできます。

次のステップを使用すると、H3マップ・レイヤーにデータ駆動のスタイル設定オプションを適用できます。

この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページにH3マップ・レイヤーが表示されていることを前提としています。
  1. 「レイヤー・リスト」リストの「レイヤー」タブで、マップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
  3. 「スタイル」を構成します。
  4. 「塗りつぶし」「色」の値に「データに基づく」を選択します。
    スタイルの詳細パネルが表示されます。
  5. スタイルを制御するを選択します。
  6. ビン値を自動的に調整トグル・ボタンをオンまたはオフにします。
    • オンにすると、マップのズーム・インまたはズーム・アウト時にビン値が自動的に更新されます。
    • オフにすると、値ビンの作成オプションが表示されます。
  7. データ値に基づいてビンに色を割り当てます。
    次の図に、スタイルの詳細パネルのオプションを示します。

    図3-43 H3マップ・レイヤーへのデータ駆動色スタイルの適用

    図3-43の説明が続きます
    「図3-43 H3マップ・レイヤーへのデータ駆動色スタイルの適用」の説明
    前述の図に示すように、H3マップ・レイヤーのカラー・ビンは、様々な解像度に対して適切にレンダリングされます。
3.10.4.4 マップ・レイヤーへの事前定義された色の適用

色コードまたは値が事前定義されている列を使用すると、正確で一貫性のあるコロプレス・マップ・レイヤーを作成できます。

色分けされた値をデータセットの列に格納してから、この列プロパティを使用してマップを色分けできます。

次の手順で、マップ・レイヤーを色分けできます。

この手順は、「アクティブ・プロジェクト」ページに表示されるマップ・レイヤーで、色分けされた値を含む列プロパティがあるデータセットを使用していることが前提となっています。
  1. 「レイヤー・リスト」「レイヤー」タブで、マップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
  3. 「塗りつぶし」「色」の値に「色コードを含む列」を選択して、「スタイル」を構成します。
  4. 「列」で、色値が含まれている列を選択します。
    次の図では、データセットでの、色変数を使用したマップ・レイヤーのスタイル設定を示します。

    図3-44 マップ・レイヤーの色分け

    図3-44の説明が続きます
    「図3-44 マップ・レイヤーの色分け」の説明

    色分けがマップ・レイヤーに適用されます。

3.10.4.5 マップ・レイヤーへの事前定義された記号の適用

事前定義済の記号値が含まれる列を使用すると、データ駆動の記号スタイルをマップ・レイヤーに適用できます。

ただし、記号はサポートされている記号セットのいずれかに属している必要があります。Spatial Studioの記号は3つのセットにグループ化され、各セットは記号セットIDによって識別されます(次の表を参照)。

表3-2 記号セット

記号セット 記号セットID
Spatial Studioのデフォルト studio
Oracle Redwoodの記号 oracle-redwood-symbols
エアフィールド airfields

記号名と、それが属する記号セットをデータセットの列に格納してから、この列プロパティを使用して記号をマップに割り当てることができます。

たとえば、次の図に示すように、airportアイコンを使用するとします。

図3-45 記号および記号セット

図3-45の説明が続きます
「図3-45 記号および記号セット」の説明

次に、データセット列で記号名としてoracle-redwood-symbols/airportを使用する必要があります。この場合、次のようになります。

  • oracle-redwood-symbols: 記号セットIDです
  • airport: マップ・レイヤーで使用されるアイコンの名前です

次のステップを使用すると、マップ・レイヤーにデータ駆動の記号スタイル設定を適用できます。

この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページに表示されるマップ・レイヤーで、この項で前述した規則に準拠した記号名が含まれる列プロパティがあるデータセットを使用していることを前提としています。
  1. 「レイヤー」リストの「レイヤー」タブで、マップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
  3. 「スタイル」を構成し、「描画スタイル」として「記号」を選択します。
  4. 「記号」タブの「基本」セクションで、「記号」ドロップダウン・リストから「記号名を含む列」を選択します。
  5. 「列」で、記号名の値が含まれる列を選択します。
    次の図では、データセットでの、記号名変数を使用したマップ・レイヤーのスタイル設定を示します。

    ノート:

    データセット列に不正な記号名がある場合は、それらのデータ点について、マップ・レイヤーに「デフォルト記号」が表示されます。

    図3-46 マップ・ビジュアライゼーションでのカスタム記号のスタイル設定

    図3-46の説明が続きます
    「図3-46 マップ・ビジュアライゼーションでのカスタム記号のスタイル設定」の説明

    記号がマップ・レイヤーに適用されます。

3.10.4.6 マップ・レイヤーでの選択許容範囲の設定

Spatial Studioでは、マップ・レイヤーでの選択許容範囲を増減できるため、小さい線形のジオメトリ機能の選択が容易です。

次の手順で、マップでの選択許容範囲を調整および設定できます。

この手順は、「アクティブ・プロジェクト」ページでプロジェクトを開いていることが前提となっています。
  1. 「レイヤー」リストの「データ」タブのデータセットに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択し、「インタラクション」を構成します。
  3. 選択の許可トグル・ボタンをオンにします。
  4. 必要に応じて、選択許容範囲スライダを調整します。
    次の図では、許容範囲を設定するための「選択」セクションを示します。

    図3-47 選択の許容誤差の設定

    図3-47の説明が続きます
    「図3-47 選択の許容誤差の設定」の説明

    カスタムの選択許容範囲がマップ・レイヤーに適用されます。

3.10.4.7 マップでのピンの追加

次の手順で、現在のマウス・ポインタの緯度と経度の座標を調べ、マップ・レイヤー上で位置を固定できます。

この手順は、「アクティブ・プロジェクト」ページでプロジェクトを開いており、マップ・レイヤーがビジュアライゼーション用に表示されていることが前提となっています。
  1. マップ・レイヤー上の任意の領域を右クリックします。
    次のように、その位置の座標が表示されます。

    図3-48 マップでの位置の固定

    図3-48の説明が続きます
    「図3-48 マップでの位置の固定」の説明
  2. ピンの配置をクリックして位置マーカーを追加します。
    ピンがマップに表示されます。また、マーカーをクリックしてから経度と緯度: クリックしてコピーアイコンをクリックすると、座標をコピーできます。
3.10.4.8 マップ背景の適用

Spatial Studioには、ビジュアライゼーションを拡張するためにすぐに使用できるマップ背景が用意されています。

プロジェクトのビジュアライゼーションに対して、次のいずれかのマップ背景を選択できます。

  • MapTilerベクター・ベースマップ
  • Oracleラスター・ベースマップ
  • 空白のベースマップ
  • ユーザー定義のベースマップ

管理者は、カスタム・ベースマップを登録してマップ・ビジュアライゼーションで使用することもできます。それらは、通常はサード・パーティのサーバーでホストされているラスター・タイルまたはベクター・タイルであり、そうでない場合は、WMS OGC Webサービスを使用して作成されています。ベースマップの追加の詳細は、「Spatial Studioの「管理」ページ」を参照してください。

次の項では、プロジェクトに特定のマップ背景を適用する方法について説明します。

3.10.4.8.1 マップ背景の変更

次のステップを使用すると、プロジェクトのビジュアライゼーションに様々なマップ背景を適用できます。

この手順では、「アクティブ・プロジェクト」ページでプロジェクトが開いていることを前提としています。
  1. 「レイヤー」リストの「背景」タブで「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. コンテキスト・メニューで「設定」を選択します。
  3. 次のように、背景マップ・スタイルの変更ドロップダウンをクリックし、必要な背景マップを選択します。

    図3-49 マップ背景の変更

    図3-49の説明が続きます
    「図3-49 マップ背景の変更」の説明

    すべてのカスタム・ベースマップは、ドロップダウン・リストのユーザー定義のベースマップの下に表示されます。

    選択したマップ背景がプロジェクトのビジュアライゼーションに適用されます。

3.10.5 時間経過に応じたマップ・データの視覚化

Spatial Studioを使用すると、動的マップ・ビジュアライゼーションを実行できます。

時間の経過とともにマップ・データを視覚化するには、データセットに日付列または時間列(あるいはその両方)が含まれている必要があります。その場合、時間スライダ機能を使用してマップとやり取りできます。

ノート:

時間スライダを適用できるのは、地震や暴風雨の進路など、経時的なイベント点または単純な形状が含まれるデータセットのみです。人口のある国など、時間経過とともに属性が変化する固定セットの形状が含まれるデータセットには適用されません。

次のステップでを使用すると、マップ・ビジュアライゼーションに時間スライダを構成して使用できます。

この手順では、日付または時間データを含むデータセットにリンクされたプロジェクトがあり、そのプロジェクトが「アクティブ・プロジェクト」ページで開いていることを前提としています。
  1. マップ・ツール・バーの設定アイコンをクリックします。
  2. 時間スライダの表示トグル・ボタンをオンにして、「OK」をクリックします。
    マップ・ビジュアライゼーション・キャンバスの下部に時間スライダ・バーが表示されます。
  3. 時間スライダ・バーの時間スライダ設定アイコンをクリックします。

    図3-50 時間スライダの設定

    図3-50の説明が続きます
    「図3-50 時間スライダの設定」の説明
  4. ビジュアライゼーションに適用する日付列および時間単位を選択します。
  5. 必要に応じて、時間範囲および時間ラベルを常に表示トグル・ボタンをオンまたはオフにします。
  6. 必要に応じて、「再生速度」を選択します。
  7. 「OK」をクリックします。
    これで、時間スライダを使用してマップとやり取りし、時間の経過とともにデータの変化を表示できるようになりました。

    図3-51 マップ・ビジュアライゼーションでの時間スライダの使用

    図3-51の説明が続きます
    「図3-51 マップ・ビジュアライゼーションでの時間スライダの使用」の説明

3.11 Spatial Studioでの分析の実行

Spatial Studioでは、様々な空間分析(近接性によるフィルタリング、最近傍分析など)を実行し、結果を視覚化できます。

これらの空間分析は、Spatial Studioでは次のカテゴリにグループ化されています。

  • フィルタ
  • 組合せ
  • 変換
  • メジャー
  • 分析

図3-52 空間分析の操作

図3-52の説明が続きます
「図3-52 空間分析の操作」の説明

次の各トピックでは、選択したフィルタ処理を使用した空間分析について説明します。

3.11.1 指定した距離内のジオメトリの確認

SDO_WITHIN_DISTANCEフィルタを使用すると、マップ・レイヤーの点から特定の距離内にある座標をフィルタできます。
この近接フィルタに基づいて点をフィルタするには、次のステップを実行する必要があります。
この手順では、フィルタするレイヤーと、「アクティブ・プロジェクト」ページに表示されるフィルタとして使用するマップ・レイヤーがあることを前提としています。
  1. 「レイヤー」タブで、座標をフィルタする必要があるマップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. 「空間分析」を選択します。
    「空間分析処理」ウィンドウが開きます(図3-52を参照)。
  3. 「フィルタ」タブをクリックし、「別の形状の指定された距離内の形状を戻します」を選択します。
    次のように、「距離内」ダイアログ・ボックスが開きます。

    図3-53 「空間分析」 - 「距離内」の構成

    図3-53の説明が続きます
    「図3-53 「空間分析」 - 「距離内」の構成」の説明
  4. 「分析名」を入力します。
  5. 「フィルタするレイヤー」を選択します。
  6. 「フィルタとして使用するレイヤー」を選択します。
  7. 「距離」および「単位」を入力します。
  8. 「実行」をクリックします。
    分析結果は、「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインにある「データ」要素パネルの「分析」の下にリスト表示されます。
  9. 分析結果をマップ・ビューにドラッグ・アンド・ドロップします。
    これにより、次のように点からの特定の距離内のフィルタされた座標を強調表示する新しいマップ・レイヤーが作成されます。

    図3-54 「空間分析」 - 「距離内」のビジュアライゼーション

    図3-54の説明が続きます
    「図3-54 「空間分析」 - 「距離内」のビジュアライゼーション」の説明

3.11.2 N-最近ジオメトリの確認

SDO_NN_V2フィルタを使用すると、ジオメトリに対するN-最近ジオメトリを確認できます。

ノート:

SDO_NN_V2フィルタは、Oracle Spatial Studioの旧リリースで使用されていたSDO_NNフィルタの改良型です。SDO_NNフィルタを使用して作成された分析を変更した場合、古い動作は引き続きサポートされます。ただし、新しい分析を作成する場合は、最新のSDO_NN_V2フィルタが使用されます。
N-最近ジオメトリを見つけるには、次のステップを実行する必要があります。
この手順では、フィルタするレイヤーと、「アクティブ・プロジェクト」ページに表示されるフィルタとして使用するマップ・レイヤーがあることを前提としています。
  1. 「レイヤー」タブで、座標をフィルタする必要があるマップ・レイヤーに対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. 「空間分析」を選択します。
    「空間分析処理」ウィンドウが開きます(図3-52を参照)。
  3. 「フィルタ」タブをクリックし、「別の形状に最も近い形状を戻します」を選択します。
    次のように、「最近傍」ダイアログ・ボックスが開きます。
  4. 「分析名」を入力します。
  5. 「フィルタするレイヤー」を選択します。

    ノート:

    正確な解析結果を得るために、フィルタするマップ・レイヤーおよびフィルタとして使用するマップ・レイヤーに対して空間検証を実行していることを確認してください。
  6. 「結果の数」を入力します。
  7. 「実行」をクリックします。
    分析結果は、「アクティブ・プロジェクト」ページの左ペインにある「データ」要素パネルの「分析」の下にリスト表示されます。
  8. 分析結果をマップ・ビューにドラッグ・アンド・ドロップします。
    これにより、ジオメトリのN-最近傍ジオメトリを強調表示する新しいマップ・レイヤーが作成されます。

3.11.3 空間分析の編集

既存の空間分析を編集して、特定の必須パラメータを変更できます。

ただし、作成後にパラメータを変更できるのは、次のリストの空間分析操作のみです。

フィルタ

  • SDO_FILTER
  • SDO_NN_V2
  • SDO_RELATE
  • SDO_WITHIN_DISTANCE

組合せ

  • 空間結合

変換

  • SDO_BUFFER
  • SDO_MBC
  • SDO_UTIL.AT_BEARING
  • SDO_UTIL.SIMPLIFY
  • SDO_SAM.SIMPLIFY_GEOMETRY

メジャー

  • SDO_GEOM.SDO_AREA
  • SDO_GEOM.SDO_DIAMETER
  • SDO_GEOM.SDO_LENGTH
  • SDO_GEOM.WITHIN_DISTANCE
  • SDO_GEOM.SDO_MAXDISTANCE
  • SDO_GEOM.SDO_MAX_MBR_ORDINATE
  • SDO_GEOM.SDO_MBC_RADIUS
  • SDO_GEOM.SDO_MIN_MBR_ORDINATE

分析

  • 距離内で要約します
  • リージョンで要約

空間分析のパラメータを変更するには、次のステップを実行する必要があります。

この手順では、編集する分析が「アクティブ・プロジェクト」ページに存在することを前提としています。
  1. 「アクティブ・プロジェクト」ページの「データ」要素ペインの「分析」タブで、編集する分析に対して「メニュー」アイコンをクリックします。
  2. 次のように、「パラメータの変更」を選択します。

    ノート:

    コンテキスト・メニューの「パラメータの変更」は、変更できない空間分析操作に対して無効になります。

    図3-56 空間分析パラメータの変更

    図3-56の説明が続きます
    「図3-56 空間分析パラメータの変更」の説明

    特定の空間分析の元の定義を表示するダイアログ・ボックスが開きます。

  3. 必要なパラメータを変更して「実行」をクリックします。
    分析が更新され、更新内容はマップ・ビューで視覚化できます。