B.3 Oracle Machine Learning for R向けのRパッケージのインストールについて

OML4Rを使用する埋込みR実行では、Oracle Databaseサーバーで実行されるユーザー定義R関数で、CRANまたは他のサードパーティのRパッケージを使用できます。

OML4Rで使用するパッケージをインストールおよび構成するステップは、オープン・ソースRの場合と同じです。データベース側Rエンジンでは、単にRパッケージを探す場所を認識することが必要となります。

OML4Rのインストールはユーザーoracleによって実行され、通常、このユーザーには、デフォルトのサイト全体のライブラリ/usr/lib64/R/libraryに書き込む権限はありません。LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、OML4RサーバーのインストールにOREスクリプトが備わっています。RパッケージのインストールとRの起動のためにオペレーティング・システムのシェルからこのスクリプトを実行します。OREスクリプトは、デフォルトのRスクリプトのラッパー、R実行可能ファイルのシェル・ラッパーです。これを使用して、Rを起動し、バッチ・スクリプトを実行し、Rパッケージを構築またはインストールできます。デフォルトのRスクリプトとは異なり、OREスクリプトは、oracleユーザーが書き込むことができ、すべてのOML4Rユーザーがアクセスできる場所($ORACLE_HOME/R/library)にパッケージをインストールします。

任意のRユーザーおよび埋込みRの実行で使用できるように、データベース・サーバーにパッケージをインストールするには、通常、Oracle DBAがwgetを使用してCRANからパッケージ・ソースをダウンロードします。そのパッケージが、使用していないR Distributionのパッケージに依存している場合は、そのパッケージのソースもダウンロードします。

単一のOracle Databaseインスタンスでは、RスクリプトをOREに置き換えて、OML4Rパッケージと同じ場所にパッケージをインストールします。

$ wget https://cran.r-project.org/src/contrib/arules_1.1-9.tar.gz
$ ORE CMD INSTALL arules_1.1-9.tar.gz

バックグラウンドで、OREスクリプトは、R_LIBS_USER$ORACLE_HOME/R/libraryの値に設定することに相当することを実行するため、OREスクリプトでインストールされるすべてのRパッケージは、この場所にインストールされます。Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)や複数ノードのOracle Exadataデータベース・マシン環境などの複数のデータベース・サーバーにパッケージをインストールする場合は、OREスクリプトとExadata分散コマンドライン・インタフェース(DCLI)ユーティリティを組み合せて使用します。

$ dcli -g nodes -l oracle ORE CMD INSTALL arules_1.1-9.tar.gz

DCLI -gフラグはインストール先のノードのリストを含むファイルを指定し、-lフラグはコマンドの実行時に使用するユーザーIDを指定します。

OML4Rクライアントを使用している場合は、Rパッケージと同じ方法でパッケージをインストールします。非互換性を回避するために、クライアント・マシンとサーバー・マシンの両方に同じバージョンのパッケージをインストールする必要があることに注意してください。