2.390 THREADED_EXECUTION

THREADED_EXECUTIONには、マルチスレッドのOracleモデルを使用可能にするかどうかを指定します。

特性 説明

パラメータ・タイプ

ブール値

デフォルト値

UNIXおよびLinuxの場合: false

Windowsの場合: true

変更可能

いいえ

PDBで変更可能

いいえ

値の範囲

true | false

基本

いいえ

Oracle RAC

指定する場合は、すべてのインスタンスが同じ値を使用する必要がある。

UNIXおよびLinuxでのTHREADED_EXECUTION

Oracle Database 12cでは、UNIXおよびLinuxシステムで実行されるデータベースのTHREADED_EXECUTION初期化パラメータが導入されました。このようなデータベースでは、THREADED_EXECUTIONのデフォルト値はfalseです。このパラメータをtrueに設定すると、マルチスレッドのOracleモデルが使用可能になり、それによってUNIXおよびLinux上のOracleプロセスが独立したアドレス領域上でオペレーティング・システム・スレッドとして実行可能となります。

デフォルトでは、UNIXおよびLinux上の一部のバックグラウンド・プロセスでは常にスレッド化された実行が使用され、残りのOracleプロセスはオペレーティング・プロセスとして実行されます。したがって、Oracleプロセスは、必ずしもオペレーティング・システム・プロセスと同等ではありません。

ノート:

UNIXおよびLinuxシステムで実行されているデータベースでTHREADED_EXECUTIONtrueに設定されている場合、マルチスレッドのOracleモデルが使用可能になり、オペレーティング・システム認証はサポートされません。この初期化パラメータがtrueに設定されている場合にオペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続しようとすると(たとえば、CONNECT / AS SYSDBAまたはCONNECT /)、「ORA-01031 権限が不足しています」エラーが返されます。

このエラーの解決策は、データベースへの接続時は常にパスワードを使用することです。

また、UNIXおよびLinuxシステムで実行されているデータベースでこの初期化パラメータがtrueに設定されている場合は、DEDICATED_THROUGH_BROKER_listener-name=ONパラメータをlistener.oraファイルに追加する必要があり(listener-nameはOracle Netリスナーの名前)、LOCAL_LISTENER初期化パラメータをインスタンス・サービスに対応するTNS名エントリに設定する必要があります。これにより、リスナーからデータベースへの接続が要求された場合に、サーバーはスレッドを起動できるようになります。

WindowsでのTHREADED_EXECUTION

Oracle Database 21c以降、THREADED_EXECUTION初期化パラメータがMicrosoft Windowsで実行されるデータベースでサポートされます。このようなデータベースでは、このパラメータはデフォルト値のtrueに設定したままにする必要があります。Windowsで実行されているデータベースで、このパラメータをfalseに設定することはサポートされていません。このパラメータの導入によって、Windows上のOracleデータベースのスレッド・モデルは変更されません。以前のリリースと同様に、Windows上のOracle Databaseサーバー・インスタンスは、単一マルチスレッド・オペレーティング・システム・プロセスを持つサービスです。ただし、Oracle Database 21c以降では、V$PROCESSビュー、専用接続ブローカおよびトレース・ファイルのネーミングへの変更があります。これらの変更の詳細は、Oracle Database管理者リファレンスfor Microsoft Windowsを参照してください。

ノート:

UNIXおよびLinuxシステムとは異なり、WindowsでTHREADED_EXECUTIONtrueに設定されている場合、オペレーティング・システム認証がサポートされます。

関連項目: