22 ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティは、Oracle Database診断データの管理に使用するコマンドライン・ツールです。
ノート:
UIDRVCI.exe
ファイルは、診断データへのアクセスに使用されるため、使用しないでください。
- ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティについて
自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)は、Oracle Database障害診断インフラストラクチャの一部であるコマンドライン・ツールです。 - Oracle Database ADRCの定義
Oracle Databaseの問題を診断する方法を理解するために、OracleがADRCIとOracle Databaseの障害診断機能インフラストラクチャに使用する用語の定義を学習します。 - ADRCIの起動とヘルプの利用
対話方式モードまたはバッチ・モードでADRCIを使用できます。 - ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定
問題を診断するときは、複数のデータベース・インスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用する場合や、1つのインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを対象とする場合があります。 - アラート・ログの表示
ACRコマンド・インタプリタのアラート・ログ(ADRCI)を表示するには、この手順を使用してアラート・ログをデフォルト・エディタで表示します。 - トレース・ファイルの検索
ADRCIにより、現在自動診断リポジトリ(ADR)に存在するトレース・ファイルの名前が表示できます。 - インシデントの表示
ADRCIのSHOW INCIDENT
コマンドでは、未解決のOracle Databaseインシデントに関する情報が表示されます。 - インシデントのパッケージ化
Oracleサポート・サービスに送信して分析を依頼するために、ADRCIコマンドを使用して1つ以上のインシデントをパッケージ化できます。 - ADRCIコマンド・リファレンス
自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)で使用できるコマンドについて説明します。 - ADRCIのトラブルシューティング
トラブルシューティングを支援するため、一般的なADRCIエラー・メッセージの一部と、考えられる原因および処置を確認します。
親トピック: その他のユーティリティ
22.1 ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティ
自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)は、Oracle Databaseの障害診断インフラストラクチャの一部であるコマンドライン・ツールです。
ADRCIユーティリティを使用すると、データベース内の問題(インシデント)の原因を診断できます。これは、問題の根本原因に対処するためにOracleサポートが必要とすることがあるインシデント・パッケージのデータ収集に役立つ場合があります。
ADRCIでは、次のことができます。
- 自動診断リポジトリ(ADR)内の診断データを表示します。
- 状態モニターのレポートを表示します。
- Oracleサポート・サービスへ送信するために、インシデントや問題の情報をZIPファイルにパッケージ化します。
診断データには、インシデントおよび問題についての説明、トレース・ファイル、ダンプ、状態モニターのレポート、アラート・ログ・エントリなどが含まれます。
ADRデータは、ADRディレクトリのオペレーティング・システム権限により保護されているため、ADRCI
にログインする必要はありません。
ADRCI
には豊富なコマンド・セットがあります。これらのコマンドは、対話型モードまたはスクリプト内で使用できます。
ノート:
診断データを管理する場合の簡単で推奨される方法は、Oracle Enterprise Managerサポート・ワークベンチ(サポート・ワークベンチ)を使用する方法です。ADRCIでは、サポート・ワークベンチの機能の大部分にかわるコマンドライン機能が備わり、トレース・ファイルのリスト表示や問合せなどの機能が追加されています。
Oracle Databaseの障害診断インフラストラクチャの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.2 Oracle Database ADRCの定義
Oracle Databaseの問題を診断する方法を理解するために、OracleがADRCIとOracle Databaseの障害診断機能インフラストラクチャに使用する用語の定義を学習します。
次の用語は、Oracle Databaseの自動診断リポジトリ・インシデント障害診断インフラストラクチャ(ADRCI)とOracle Database障害診断インフラストラクチャに関連付けられています。
自動診断リポジトリ(ADR)
自動診断リポジトリ(ADR)は、データベース診断データ(トレース、ダンプ、アラート・ログ、状態モニターのレポートなど)のファイルベース・リポジトリです。複数のインスタンスや製品にまたがる一元化されたディレクトリ構造を持っています。リリースOracle Database 11g以降では、データベース、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびその他のOracle Database製品やコンポーネントは、すべての診断データをADRに格納します。各製品のインスタンスはそれぞれ、診断データを独自のADRホーム・ディレクトリの下に配置します。たとえば、共有記憶域とASMを使用するOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境では、各データベース・インスタンスおよび各Oracle ASMインスタンスがADR内にホーム・ディレクトリを持ちます。ADRの統一されたディレクトリ構造を使用することで、ユーザーおよびOracleサポート・サービスによる、複数のインスタンスおよび複数の製品間での診断データを関連付けた分析が可能になります。
問題
問題とは、データベースで発生するクリティカル・エラーのことです。クリティカル・エラーには、ORA-00600
などの内部エラーや、ORA-07445
(オペレーティング・システムの例外)、ORA-04031
(共有プールのメモリー不足)などのその他の重大なエラーが含まれます。問題はADRで追跡されます。各問題には、問題キーと一意の問題IDが割り当てられます。
インシデント
インシデントは、問題が1回発生したことを表します。問題が複数回発生した場合は、発生ごとにインシデントが作成されます。インシデントはADR内で追跡されます。各インシデントは、数値型のインシデントIDによって識別されます。このIDはADR内で一意です。インシデントが発生すると、データベースによりアラート・ログ内にエントリが作成され、Oracle Enterprise Managerにインシデント・アラートが送信されます。次に、インシデントに関する診断データがダンプ・ファイルの形式(インシデント・ダンプ)で収集され、インシデントIDを使用してインシデント・ダンプにタグが付けられ、インシデント・ダンプがそのインシデント用に作成されたADRサブディレクトリに格納されます。
通常、クリティカル・エラーの診断と解決は、インシデント・アラートから開始されます。ADR内のすべてのインシデントのリストは、ADRCIコマンドを使用して取得できます。各インシデントは1つの問題にのみマップされます。
インシデントはフラッド制御,されているため、1つの問題が生成するインシデントやインシデント・ダンプが多すぎることはありません。
問題キー
すべての問題には問題キーが割り当てられています。問題キーはエラー・コード(ORA-600
など)を含むテキスト文字列で、1つ以上のエラー・パラメータを含むことがあります。2つのインシデントは、その2つの問題キーが一致した場合に発生原因が同じとみなされます。
インシデント・パッケージ
インシデント・パッケージ(パッケージ)は、1つ以上の問題に対するインシデント・データの集合です。Oracleサポート・サービスにインシデント・データを送信する前に、インシデント・パッケージング・サービス(IPS)を使用して、パッケージにデータを収集する必要があります。パッケージを作成した後は、パッケージに外部ファイルを追加したり、パッケージ内からファイルを選択して削除することや、パッケージ内で選択したファイルをスクラブ(編集)して機密データを削除することも可能です。
パッケージは、パッケージの内容から物理ファイルを作成するまでは論理構成のみです。つまり、インシデント・パッケージは、ADR内のメタデータの集合として開始されます。パッケージの内容を追加および削除する場合は、メタデータのみが変更されます。Oracleサポート・サービスへデータをアップロードする準備ができたら、データをZIPファイルに保存するADRCIを使用することで物理パッケージを作成します。次に、ZIPファイルをOracleサポートにアップロードできます。
ファイナライズ
ADRCIで論理パッケージから物理パッケージを生成する前に、パッケージをファイナライズする必要があります。これにより、他のコンポーネントが呼び出され、相関診断データ・ファイルがこのパッケージにすでに存在するインシデントに追加されます。また、ファイナライズすることで、最新のトレース・ファイル、アラート・ログ・エントリ、状態モニター・レポート、SQLテスト・ケースおよび構成情報も追加されます。このステップは、物理パッケージが生成されると自動的に実行されますが、ADRCIユーティリティを使用して手動で実行することもできます。パッケージを手動でファイナライズした後、追加されたファイルを確認し、機密情報を含むファイルを削除または編集することができまます。
ADRホーム
ADRホームは、特定のオラクル社の製品またはコンポーネントの特定のインスタンスに対するすべての診断データ(トレース、ダンプ、アラート・ログなど)のルート・ディレクトリです。たとえば、Oracle ASMを使用するOracle RAC環境では、各データベース・インスタンスと各Oracle ASMインスタンスにADRホームがあります。すべてのADRホームは、同じ階層ディレクトリ構造を共有します。各ADRホームの標準的なサブディレクトリには、アラート(アラート・ログ)、トレース(トレース・ファイル)およびインシデント(インシデント情報)を含むものもあります。すべてのADRホームはADRベース・ディレクトリ内に配置されます。
一部のADRCIコマンドは、同時に複数のADRホームでの動作が可能です。カレントADRCIホームパスにより、ADRCIコマンドの発行時に診断データを検索するADRホームが決定されます。
ADRベース
複数のADRホーム間で診断データの相関付けを行うことができるようにするために、ADRホームはADRベースと呼ばれる同じルート・ディレクトリ下でグループ化されます。たとえば、Oracle RAC環境では、ADRベースが共有ディスク上に存在し、各Oracle RACインスタンスのADRホームがこのADRベース下に配置される場合があります。
データベース・インスタンスのADRベースの場所は、DIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータによって設定されます。このパラメータが指定されない場合またはNULLである場合は、データベースではこのパラメータがデフォルト値に設定されます。
複数のデータベース・インスタンスがOracleホームを共有しているときは、これらのインスタンスが複数の単一インスタンスであるかOracle RACデータベースの複数のインスタンスであるかどうかに関係なく、1つ以上のこれらのインスタンスがADRベースを異なる場所に設定している場合、最後に起動するインスタンスがADRCIのデフォルトADRベースを決定します。
ホームパス
すべてのADRCIコマンドは、カレントADRホーム内の診断データに対して動作します。常に複数のADRホームをカレントにできます。一部のADRCIコマンド(SHOW
INCIDENT
など)は、すべてのカレントADRホームから診断データを検索して表示します。その他のコマンドは、1つのADRホームをとカレントとし、カレントADRホームが複数存在している場合はエラー・メッセージを表示します。
ADRCIホームパスにより、カレントであるADRホームが決定されます。これは、ADRベース階層内のディレクトリを指定することによって決定されます。1つのADRホーム・ディレクトリが指定されている場合、そのADRホームが唯一のカレントADRホームとなります。ホームパスが階層内のADRホーム・ディレクトリ・レベルより上位のディレクトリを示している場合は、そのディレクトリより下位のすべてのADRホームがカレントになります。
デフォルトでは、ADRCI起動時のホームパスはNULLです。つまり、ADRベース下のADRホームはすべてカレントになります。
SHOW HOME
およびSHOW HOMEPATH
の各コマンドは、カレントであるADRホームのリストを表示し、SET HOMEPATH
コマンドはホームパスを設定します。
22.3 ADRCIの起動とヘルプの利用
ADRCIは対話方式モードまたはバッチ・モードで使用できます。
詳細は次の項を参照してください。
- 対話方式モードでのADRCIの使用方法
ADRCIを対話方式モードで使用してOracle Databaseのインシデントを診断する場合、一度に1つのコマンドを個別に入力するようにプロンプトが表示されます。 - ヘルプの表示
ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティの使用時にヘルプを取得する方法について説明します。 - バッチ・モードでのADRCIの使用方法
バッチ・モードを使用すると、入力を求めるプロンプトが表示されることなく、スクリプトまたはバッチ・ファイルを使用して一連のADRCIコマンドを一度に実行できます。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.3.1 対話方式モードでのADRCIの使用方法
ADRCIを対話方式モードで使用してOracle Databaseのインシデントを診断する場合、一度に1つのコマンドを個別に入力するようにプロンプトが表示されます。
親トピック: ADRCIの起動とヘルプの利用
22.3.2 ヘルプの利用
ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)ユーティリティの使用時にヘルプを取得する方法について説明します。
ADRCIヘルプ・システムを使用すると、次の項目を実行できます。
- ADRコマンドのリストの表示
- 個々のコマンドのヘルプの表示
- ADRCIコマンドライン・オプションのリストの表示
ADRCIコマンドのリストを表示するには
-
対話方式モードでADRCIを起動します。
-
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
HELP
特定のADRCIコマンドのヘルプを利用するには
-
対話方式モードでADRCIを起動します。
-
ADRCIプロンプトで、次のコマンドを入力します。
command
は、詳細情報が必要なADRCIコマンドです。HELP command
たとえば、
SHOW TRACEFILE
コマンドに関するヘルプを利用するには、次のように入力します。HELP SHOW TRACEFILE
コマンドライン・オプションのリストを表示するには
-
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI -HELP
ユーティリティによって、次のような出力が示されます。
Syntax: adrci [-help] [script=script_filename] [exec="command [;command;...]"] Options Description (Default) ----------------------------------------------------------------- script script file name (None) help help on the command options (None) exec exec a set of commands (None) -----------------------------------------------------------------
関連トピック
親トピック: ADRCIの起動とヘルプの利用
22.3.3 バッチ・モードでのADRCIの使用方法
バッチ・モードを使用すると、入力を求めるプロンプトが表示されることなく、スクリプトまたはバッチ・ファイルを使用して一連のADRCIコマンドを実行できます。
バッチ・モードを使用するには、ADRCI
の起動時にADRCIコマンドにコマンドライン・パラメータを追加します。バッチ・モードでは、シェル・スクリプトまたはMicrosoft Windowsバッチ・ファイルにADRCIコマンドを含めることができます。対話方式モードと同様、ADRCIを起動する前に、ORACLE_HOME
およびPATH
環境変数を設定する必要があります。
バッチ操作用のADRCIのコマンドライン・パラメータ
次のコマンドライン・パラメータは、バッチ操作に使用できます。
表22-1 ADRCIバッチ操作パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
ADRCIを起動するオペレーティング・システム・コマンドラインで、1つ以上のADRCIコマンドを発行できます。コマンドが複数ある場合は、セミコロン( |
|
ADRCIコマンドを含むスクリプトを実行できます。 |
コマンドラインでADRCIコマンドを発行する方法
-
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI EXEC="COMMAND[; COMMAND]..."
たとえば、
SHOW HOMES
コマンドをバッチ・モードで実行するには、オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。ADRCI EXEC="SHOW HOMES"
SHOW HOMES
コマンドを実行してから、SHOW INCIDENT
コマンドを実行するには、次のように入力します。ADRCI EXEC="SHOW HOMES; SHOW INCIDENT"
ADRCIスクリプトの実行方法:
オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ADRCI SCRIPT=SCRIPT_FILE_NAME
たとえば、adrci_script.txt
というスクリプト・ファイルを実行するには、オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトで次のコマンドを入力します。
ADRCI SCRIPT=adrci_script.txt
スクリプト・ファイルには、セミコロン(;
)または改行で区切られた一連のコマンドが含まれています。たとえば:
SET HOMEPATH diag/rdbms/orcl/orcl; SHOW ALERT -term
親トピック: ADRCIの起動とヘルプの利用
22.4 ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定
問題を診断するときは、複数のデータベース・インスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用する場合や、1つのインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを対象とする場合があります。
複数のインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用するには、これらのインスタンスまたはコンポーネントすべてのADRホームがカレントであることを確認する必要があります。1つのインスタンスまたはコンポーネントからの診断データを使用するには、そのインスタンスまたはコンポーネントのADRホームのみがカレントであることを確認する必要があります。ADRCIホームパスを設定してカレントのADRホームを制御します。
複数のホームがカレントになっている場合は、ADRディレクトリ構造におけるホームパスは、直下に複数のADRホーム・ディレクトリを含むディレクトリを示しています。1つのADRホームを対象とするには、ホームパスをディレクトリ階層の下部にある1つのADRホーム・ディレクトリを示すように設定する必要があります。
たとえば、orclbi
という名前のOracle RACデータベースが、SID orclbi1
とorclbi2
が指定された2つのインスタンスを持ち、Oracle RACが共有Oracleホームを使用している場合は、次の2つのADRホームが存在します。
/diag/rdbms/orclbi/orclbi1/ /diag/rdbms/orclbi/orclbi2/
すべてのADRCIコマンドおよび出力では、ADRホーム・ディレクトリ・パス(ADRホーム)は常にADRベースに対して相対的に示されます。したがって、ADRベースが現在/u01/app/oracleである場合、これら2つのADRホームの絶対パスは次のようになります。
/u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi1/ /u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi2/
SET
HOMEPATH
コマンドを使用して、1つ以上のADRホームをカレントに設定します。ADRベースが/u01/app/oracleである場合に、ホームパスを/u01/app/oracle/diag/rdbms/orclbi/orclbi2/に設定するには、このコマンドを次のように使用します。
adrci> set homepath diag/rdbms/orclbi/orclbi2
ADRCIの起動時には、ホームパスはデフォルトでNULLになります。つまり、ADRベース下のすべてのADRホームがカレントとなります。前述の例では、両方のOracle RACインスタンスのADRホームがカレントになります。
adrci> show homes ADR Homes: diag/rdbms/orclbi/orclbi1 diag/rdbms/orclbi/orclbi2
この場合、実行するADRCIコマンドはいずれも、複数のカレントADRホームをコマンドがサポートしていると想定して、両方のADRホームからの診断データを処理します。ホームパスを/diag/rdbms/orclbi/orclbi2に設定すると、orclbi2
のSIDを持つインスタンスのADRホームのみがカレントになります。
adrci> set homepath diag/rdbms/orclbi/orclbi2 adrci> show homes ADR Homes: diag/rdbms/orclbi/orclbi2
この場合、実行するADRCIコマンドはいずれも、この1つのADRホームからの診断データのみを使用します。
関連項目:
-
ADRホームの構造の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.5 アラート・ログの表示
ACRコマンド・インタプリタのアラート・ログ(ADRCI)を表示するには、この手順を使用してアラート・ログをデフォルト・エディタで表示します。
アラート・ログは、XML形式ファイルとテキスト・ファイルの両方として書き出されます。任意のテキスト・エディタでいずれかの形式のファイルを表示するか、ADRCIコマンドを実行してXMLタグを省略したXML形式のアラート・ログを表示することができます。
デフォルトでは、ADRCIはデフォルトのエディタにアラート・ログを表示します。SET EDITER
コマンドを使用すると、デフォルトのエディタを変更できます。
ADRCIでアラート・ログを表示するには:
SHOW
ALERT
コマンドのバリエーションを次に示します。
SHOW ALERT -TAIL
これは、ターミナル・セッションでのアラート・ログの最後の部分(最後の10エントリ)を表示します。
SHOW ALERT -TAIL 50
これは、ターミナル・セッションでのアラート・ログの最後の50エントリを表示します。
SHOW ALERT -TAIL -F
これは、アラート・ログの最後の10エントリを表示した後、アラート・ログに到着する追加メッセージを待機します。各メッセージは、到着時に表示に追加されます。このコマンドにより、アラート・ログのライブ監視を実行できます。待機を停止してADRCIプロンプトに戻るには、[Ctrl]を押しながら[C]を押します。
SPOOL /home/steve/MYALERT.LOG SHOW ALERT -TERM SPOOL OFF
これは、XMLタグのないアラート・ログを/home/steve/MYALERT.LOG
ファイルに出力します。
SHOW ALERT -P "MESSAGE_TEXT LIKE '%ORA-600%'"
これは、文字列ORA-600を含むアラート・ログ・メッセージのみを表示します。出力は次のようになります。
ADR Home = /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1/log/diag/rdbms/orclbi/orclbi: ****************************************************************************** 01-SEP-06 09.17.44.849000000 PM -07:00 AlertMsg1: ORA-600 dbgris01, addr=0xa9876541
関連トピック
関連項目:
-
Oracle Enterprise Managerまたはテキスト・エディタを使用してアラート・ログを表示する方法については、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.6 トレース・ファイルの検索
ADRCIにより、現在自動診断リポジトリ(ADR)に存在するトレース・ファイルの名前が表示できます。
ADR内に存在するすべてのトレース・ファイルの名前を表示することも、フィルタを適用して名前のサブセットを表示することもできます。たとえば、ADRCIのコマンドで、次の操作を行うことができます。
-
ファイル名が検索文字列と一致するトレース・ファイルのリストの取得
-
特定のディレクトリ内に存在するトレース・ファイルのリストの取得
-
特定のインシデントに関連するトレース・ファイルのリストの取得
適切なコマンドライン・パラメータを使用して、フィルタ処理機能を組み合せることができます。
SHOW
TRACEFILE
コマンドは、カレントADRホーム下のトレース・ディレクトリおよびインシデント・ディレクトリに存在するトレース・ファイルのリストを表示します。複数のADRホームがカレントの場合、すべてのADRホームからのトレース・ファイル・リストが順次出力されます。
次の文は、フィルタ処理を行わずに、カレントADRホームに存在するすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE
次の文は、ファイル名に文字列mmon
が含まれるすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。パーセント符号(%)はワイルドカード文字として使用されます。また、検索文字列では大/小文字が区別されます。
SHOW TRACEFILE %mmon%
この文は、/home/steve/tempディレクトリ内でファイル名に文字列mmon
を含むすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE %mmon% -PATH /home/steve/temp
この文は、トレース・ファイルの名前を、最終変更時間を逆にたどる順序でリストします。つまり、最近変更されたトレース・ファイルがリストの最初に示されます。
SHOW TRACEFILE -RT
この文は、インシデント番号1681に関連付けられているすべてのトレース・ファイルの名前を表示します。
SHOW TRACEFILE -I 1681
関連項目:
-
ADRのディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.7 インシデントの表示
ADRCIのSHOW INCIDENT
コマンドでは、未解決のOracle Databaseインシデントに関する情報が表示されます。
SHOW INCIDENT
コマンドを発行すると、ADRCIレポートには、インシデントごとに、インシデントID、問題キーおよびインシデント作成時間が表示されます。階層の場所に複数のカレントADRホームが存在するようにホームパス(ADRベース階層内のディレクトリ)を設定した場合、レポートにはすべてのADRホームからのインシデントが含まれます。ホームパスおよびその他のADRCI用語の詳細は、「Oracle Database ADRCの定義」を参照してください。
SHOW INCIDENT
コマンドのバリエーションを次に示します。
SHOW INCIDENT -MODE BRIEF SHOW INCIDENT -MODE DETAIL
これらのコマンドは、インシデント・レポートの詳細バージョンを生成します。たとえば、インシデント1681の詳細なインシデント・レポートを表示するには、次のコマンドを入力します。
SHOW INCIDENT -MODE DETAIL -P "INCIDENT_ID=1681"
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.8 インシデントのパッケージ化
Oracleサポート・サービスに送信して分析を依頼するために、ADRCIコマンドを使用して1つ以上のインシデントをパッケージ化できます。
詳細は、次の項目を参照してください。
- インシデントのパッケージ化
ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)インシデントのパッケージ化は、3つのステップからなるプロセスです。 - インシデント・パッケージの作成
次のトピックでは、インシデント・パッケージの作成方法を説明します。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.8.1 インシデントのパッケージ化
ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)インシデントのパッケージ化は、3つのステップからなるプロセスです。
ステップ1: 論理インシデント・パッケージの作成
インシデント・パッケージ(パッケージ)は、自動診断リポジトリ(ADR)内のメタデータとしてのみ存在するため、論理パッケージとして示されます。インシデント・パッケージは、論理パッケージから物理パッケージを生成するまではコンテンツが含まれません。論理パッケージにはパッケージ番号が割り当てられますので、以降のコマンドではこの番号を使用してパッケージを参照します。
論理パッケージは空のパッケージとして作成することも、インシデント番号、問題番号、問題キーまたは時間間隔に基づいたパッケージとして作成することもできます。パッケージを空のパッケージとして作成する場合は、ステップ2でパッケージに診断情報を追加できます。
インシデントに基づいてパッケージを作成する場合は、そのインシデントの診断データ(ダンプ、状態モニターのレポートなど)が含まれます。問題番号または問題キーに基づいてパッケージを作成する場合は、パッケージにその問題番号または問題キーを参照するインシデントの診断データが含まれます。時間間隔に基づいてパッケージを作成する場合は、その時間間隔内で発生したインシデントに関する診断データが含まれます。
ステップ2: インシデント・パッケージへの診断情報の追加
インシデント番号、問題番号、問題キーまたは時間間隔に基づいて論理パッケージを作成した場合、このステップはオプションとなります。パッケージにインシデントを追加したり、ADR内のファイルをパッケージに追加することができます。空のパッケージを作成した場合は、ADRCIコマンドを使用してパッケージにインシデントまたはファイルを追加する必要があります。
ステップ3: 物理インシデント・パッケージの生成
コマンドを送信して物理パッケージを生成するときに、ADRCIは必要なすべての診断ファイルを収集して、指定したディレクトリ内のZIPファイルに追加します。完全なZIPファイルまたは増分ZIPファイルを生成できます。増分ファイルには、同じ論理パッケージに対してZIPファイルが最後に作成されて以降に追加または変更された診断ファイルすべてが含まれます。増分ファイルは完全ファイルを作成した後にのみ作成でき、必要な数だけ作成できます。各ZIPファイルには順序番号が割り当てられるため、ファイルを正しい順序で分析できます。
ZIPファイルの名前は次の形式に従って指定されます。
packageName_mode_sequence.zip
説明:
-
packageName
は、問題キーの一部とその後のタイムスタンプで構成されます。 -
mode
は、COM
(完全)またはINC
(増分)のいずれかです -
sequence
は、整数です。
たとえば、2006年9月6日午後4時53分に作成した論理パッケージの完全なZIPファイルを生成してから、同じ論理パッケージに対して増分ZIPファイルを生成する場合、次のような名前のファイルを作成します。
ORA603_20060906165316_COM_1.zip ORA603_20060906165316_INC_2.zip
親トピック: インシデントのパッケージ化
22.8.2 インシデント・パッケージの作成
次のトピックでは、インシデント・パッケージの作成方法を説明します。
論理インシデント・パッケージ(パッケージ)の作成および物理パッケージの生成に使用するADRCIコマンドについて次に説明します。
- 論理インシデント・パッケージの作成
IPS CREATE PACKAGE
コマンドの変形を使用して、論理パッケージ(パッケージ)を作成します。 - 論理インシデント・パッケージへの診断情報の追加
インシデントをパッケージ化するために既存の論理パッケージ(パッケージ)を構成した後、そのパッケージに診断情報を追加できます。 - 物理インシデント・パッケージの生成
パッケージを生成するときは、既存の論理パッケージに対して物理パッケージ(ZIPファイル)を作成します。
関連項目:
親トピック: インシデントのパッケージ化
22.8.2.1 論理インシデント・パッケージの作成
IPS CREATE PACKAGE
コマンドの変形を使用して、論理パッケージ(パッケージ)を作成します。
IPS CREATE PACKAGE
コマンドのバリエーションを次に示します。
IPS CREATE PACKAGE
指定なしでコマンドを入力すると、空のパッケージが作成されます。生成する前にパッケージに診断データを追加するには、IPS ADD INCIDENT
またはIPS ADD FILE
コマンドを使用する必要があります。
IPS CREATE PACKAGE PROBLEM problem_ID
このコマンドは、パッケージを作成して、指定した問題IDを参照するインシデントの診断情報を含めます。(問題IDは整数です。)表示されているレポートからインシデントの問題IDを取得するには、SHOW INCIDENT -MODE BRIEF
コマンドを使用します。同じ問題IDを割り当てられたインシデントが数多く存在する場合もあるため、ADRCIは、90日を超えるインシデントを除き、この問題IDを持つインシデントで最初に発生した3つのインシデント(早期インシデント)と最後に発生した3つのインシデント(最新インシデント)の診断情報をパッケージに追加します。
ノート:
早期インシデントと最新インシデントの数と90日の経過日数制限はデフォルト値であり、変更が可能です。IPS SET CONFIGURATIONを参照してください。
また、ADRCIによって、すでに追加されているインシデントに時間その他の基準で密接に相関付けられている他のインシデントが追加される場合もあります。
IPS CREATE PACKAGE PROBLEMKEY "problem_key"
このコマンドは、パッケージを作成して、指定した問題キーを参照するインシデントの診断情報を含めます。表示されているレポートから問題キーを取得するには、SHOW INCIDENT
コマンドを使用します。同じ問題キーを割り当てられたインシデントが数多く存在する場合もあるため、ADRCIは、90日を超えるインシデントを除き、この問題キーを持つインシデントで最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントの診断情報のみをパッケージに追加します。
ノート:
早期インシデントと最新インシデントの数と90日の経過日数制限はデフォルト値であり、変更が可能です。IPS SET CONFIGURATIONを参照してください。
また、ADRCIによって、すでに追加されているインシデントに時間その他の基準で密接に相関付けられている他のインシデントが追加される場合もあります。
問題キーに空白や引用符が含まれている場合、問題キーを一重引用符(')または二重引用符(")で囲む必要があります。
IPS CREATE PACKAGE SECONDS sec
これは、パッケージを作成し、sec
秒前から現在までに発生したすべてのインシデントの診断情報を含みます。sec
は整数である必要があります。
IPS CREATE PACKAGE TIME 'start_time' TO 'end_time'
このコマンドは、パッケージを作成し、指定した時間範囲内で発生したすべてのインシデントの診断情報を含めます。start_time
およびend_time
は、YYYY-MM-DD HH24:MI:SS.FF TZR
書式で指定する必要があります。この文字列は、NLS_TIMESTAMP_TZ_FORMAT
初期化パラメータに対して有効なフォーマット文字列です。時間の小数(FF
)部分はオプションで、HH24:MI:SS
のデリミタにはコロンまたはピリオドを使用できます。
たとえば、次のコマンドは、2010年7月24日から7月30日に発生したインシデントを含むパッケージを作成します。
IPS CREATE PACKAGE TIME '2010-07-24 00:00:00 -07:00' to '2010-07-30 23.59.59 -07:00'
22.8.2.2 論理インシデント・パッケージへの診断情報の追加
インシデントをパッケージ化するために既存の論理パッケージ(パッケージ)を構成した後、そのパッケージに診断情報を追加できます。
論理パッケージに診断情報を追加すると、パッケージの作成後に次のようなインシデント情報を追加できます。
- 特定のインシデントに関するすべての診断情報
- 自動診断リポジトリ(ADR)内の名前付きファイル
親トピック: インシデント・パッケージの作成
22.8.2.3 物理インシデント・パッケージの生成
パッケージを生成するときは、既存の論理パッケージに対して物理パッケージ(ZIPファイル)を作成します。
親トピック: インシデント・パッケージの作成
22.9 ADRCIコマンド・リファレンス
自動診断リポジトリ・コマンド・インタプリタ(ADRCI)で使用できるコマンドについて学習します。
ADRCIには次の4種類のコマンドが用意されています。
- 1つ以上のカレントADRホームで動作するコマンド
- 1つのカレントADRホームのみで動作し、複数のカレントADRホームが存在する場合にはエラー・メッセージを発行するコマンド
- 複数のカレントADRホームが存在するときに、1つのADRホームを選択するように要求するコマンド
- カレントADRホームを必要としないコマンド
すべてのADRCIコマンドは、1つのカレントADRホームが存在する場合をサポートしています。
ノート:
特に指定されないかぎり、すべてのコマンドは複数のカレントADRホームで動作します。
- CREATE REPORT
ADRCICREATE REPORT
コマンドは、指定されたレポート・タイプと実行IDに関するレポートを作成し、そのレポートをADRに格納します。 - ECHO
ADRCIECHO
コマンドは、入力文字列を出力します。 - EXIT
ADRCIEXIT
コマンドはADRCIユーティリティを終了します。 - HOST
ADRCIHOST
コマンドは、ADRCIを離れることなく、オペレーティング・システムのコマンドを実行します。 - IPS
ADRCIIPS
コマンドはインシデント・パッケージング・サービス(IPS)をコールします。 - PURGE
ADRCIPURGE
コマンドは、現在の削除ポリシーに従って、カレントADRホーム内の診断データを削除します。 - QUIT
ADRCIQUIT
コマンドは、EXIT
コマンドとシノニムです。 - RUN
ADRCIRUN
コマンドは、ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)スクリプトを実行します。 - SELECT
ADRCISELECT
コマンドとその関数は、指定されたインシデントまたは問題の修飾診断レコードを取得します。 - SET BASE
ADRCISET BASE
コマンドは、カレントADRCIセッションで使用するADRベースを設定します。 - SET BROWSER
ADRCISET BROWSER
コマンドは、レポートを表示するためのデフォルト・ブラウザを設定します。 - SET CONTROL
ADRCISET CONTROL
コマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)の内容のパージ・ポリシーを設定します。 - SET ECHO
ADRCISET ECHO
コマンドは、コマンド出力をオンまたはオフにします。このコマンドは、スクリプトに表示される出力またはスプール・モードを使用する出力のみに影響します。 - SET EDITOR
ADRCISET EDITOR
コマンドは、アラート・ログおよびトレース・ファイルの内容を表示するためのエディタを設定します。 - SET HOMEPATH
ADRCISET HOMEPATH
コマンドは、1つ以上のADRホームをカレントにします。多くのADRコマンドが、カレントADRホームでのみ動作します。 - SET TERMOUT
ADRCISET TERMOUT
コマンドは、端末への出力をオンまたはオフにします。 - SHOW ALERT
ADRCISHOW ALERT
コマンドは、デフォルトのエディタにアラート・ログの内容を表示します。 - SHOW BASE
ADRCISET EDITOR
コマンドは、現在のADRベースを表示します。 - SHOW CONTROL
ADRCISHOW CONTROL
コマンドは、パージ・ポリシーなど、自動診断リポジトリ(ADR)に関する情報を表示します。 - SHOW HM_RUN
ADRCISHOW HM_RUN
コマンドは、状態モニターの実行に関するすべての情報を表示します。 - SHOW HOMEPATH
ADRCISHOW HOMEPATH
コマンドは、SHOW HOMES
コマンドと同じです。 - SHOW HOMES
ADRCISHOW HOMES
コマンドは、現在のADRCIセッションのADRホームを表示します。 - SHOW INCDIR
ADRCISHOW INCDIR
コマンドは、指定されたインシデントのトレース・ファイルを表示します。 - SHOW INCIDENT
ADRCISHOW INCIDENT
コマンドは、現在のADRホームに関連付けられているすべてのインシデントをリストします。未解決のインシデントとクローズしたインシデントの両方を含めます。 - SHOW LOG
ADRCISHOW LOG
コマンドは、診断ログ・メッセージを表示します。 - SHOW PROBLEM
ADRCISHOW PROBLEM
コマンドは、現在のADRホームの問題情報を表示します。 - SHOW REPORT
ADRCISET EDITOR
コマンドは、指定したレポート・タイプおよび実行名のレポートを表示します。 - SHOW TRACEFILE
ADRCISHOW TRACEFILE
コマンドは、トレース・ファイルをリストします。 - SPOOL
ADRCISET EDITOR
コマンドは、ADRCI出力をファイルに送ります。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ
22.9.1 CREATE REPORT
ADRCI CREATE REPORT
コマンドは、指定されたレポート・タイプと実行IDに関するレポートを作成し、そのレポートをADRに格納します。
用途
指定したレポート・タイプと実行IDのレポートを作成し、そのレポートをADRに格納します。現在は、hm_run
(状態モニター)レポート・タイプのみがサポートされています。
ノート:
状態モニターの実行の結果は、内部形式でADRに格納されます。これらの結果を表示するには、結果から状態モニター・レポートを作成した後に、このレポートを表示する必要があります。レポートは1回のみ作成する必要があります。その後は、このレポートを複数回表示できます。
構文および説明
create report report_type run_name
変数report_type
はhm_run
である必要があります。run_name
は状態モニターの実行名です。コマンドSHOW HM_RUN
を使用して実行名を取得します。
すでにレポートが存在する場合は、そのレポートが上書きされます。レポートを表示するには、SHOW REPORT
コマンドを使用します。
このコマンドは、複数のADRホームをサポートしていません。
例
この例では、実行名hm_run_1421
を使用した状態モニターの実行に対するレポートを作成します。
create report hm_run hm_run_1421
ノート:
CREATE REPORT
REPORT
は、複数のADRホームが設定されている場合には機能しません。1つのADRホームをコマンドのターゲットとして設定するには、コマンドを使用する前にADRCIホームのパスを設定します。
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.2 ECHO
ADRCI ECHO
コマンドは、入力文字列を出力します。
用途
入力文字列を出力します。このコマンドを使用すると、ADRCIスクリプトからカスタム・テキストを出力できます。
構文および説明
ECHO
quoted_string
文字列は、一重引用符または二重引用符で囲んで記述します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
次の例は、文字列Hello, world!を出力します。
ECHO "Hello, world!"
ECHO 'Hello, world!'
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.3 EXIT
ADRCI EXIT
コマンドはADRCIユーティリティを終了します。
用途
ADRCIユーティリティを終了します。
構文および説明
exit
EXIT
は、QUIT
コマンドのシノニムです。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.4 HOST
ADRCI HOST
コマンドは、ADRCIを離れることなく、オペレーティング・システムのコマンドを実行します。
用途
ADRCIを終了せずにオペレーティング・システム・コマンドを実行します。
構文および説明
host ["host_command_string"]
host
のみを使用すると、オペレーティング・システムのシェルに入り、複数のオペレーティング・システムのコマンドを入力できるようになります。シェルを終了してADRCIに戻るにはEXIT
を入力します。
同じ行でコマンド(host_command_string
)を二重引用符で囲んで指定することもできます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
host
host "ls -l *.pl"
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.5 IPS
ADRCI IPS
コマンドは、インシデント・パッケージング・サービス(IPS)をコールします。
用途
インシデント・パッケージング・サービス(IPS)をコールします。IPSコマンドは、論理インシデント・パッケージ(パッケージ)の作成、パッケージへの診断データの追加、およびOracleサポート・サービスへ送信する物理パッケージの生成を行うためのオプションを提供します。
ノート:
IPSコマンドは、複数のADRホームが設定されている場合には機能しません。1つのADRホームの設定については、「ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定」を参照してください。
- IPSコマンドでの <ADR_HOME> and <ADR_BASE>変数の使用
ADRCIIPS
コマンド・セットには、カレントADRホームとADRベース・ディレクトリを参照するためのショートカットがあります。 - IPS ADD
ADRCIIPS ADD
コマンドは、インシデントをパッケージに追加します。 - IPS ADD FILE
ADRCIIPS ADD FILE
コマンドは、ファイルを既存のパッケージに追加します。 - IPS ADD NEW INCIDENTS
ADRCIIPS ADD NEW INCIDENTS
コマンドは、指定されたパッケージ内のすべての問題の新しいインシデントを検索して追加します。 - IPS COPY IN FILE
ADRCIIPS COPY IN FILE
コマンドは、外部ファイル・システムからADRにファイルをコピーします。 - IPS COPY OUT FILE
ADRCIIPS COPY OUT FILE
コマンドは、ADRから外部ファイル・システムにファイルをコピーします。 - IPS CREATE PACKAGE
ADRCIIPS CREATE PACKAGE
コマンドは、新しいパッケージを作成します。ADRCIにより、新しいパッケージに対してパッケージ番号が自動的に割り当てられます。 - IPS DELETE PACKAGE
ADRCIIPS DELETE PACKAGE
コマンドは、ADRからパッケージおよびその内容を削除します。 - IPS FINALIZE
ADRCIIPS FINALIZE
コマンドは、アップロード前にパッケージをファイナライズします。 - IPS GENERATE PACKAGE
ADRCIIPS GENERATE PACKAGE
コマンドは、ターゲット・ディレクトリに物理パッケージ(zipファイル)を作成します。 - IPS GET MANIFEST
ADRCIIPS GET MANIFEST
コマンドは、パッケージzipファイルからマニフェストを抽出して表示します。 - IPS GET METADATA
ADRCIIPS GET METADATA
コマンドは、パッケージ・ファイルからADR関連のメタデータを抽出して表示します。 - IPS PACK
ADRCIIPS PACK
コマンドは、パッケージを作成し、すぐに物理パッケージを生成します。 - IPS REMOVE
ADRCIIPS REMOVE
コマンドは、既存のパッケージからインシデントを削除します。 - IPS REMOVE FILE
ADRCIIPS REMOVE FILE
コマンドは、既存のパッケージからファイルを削除します。 - IPS SET CONFIGURATION
ADRCIIPS SET CONFIGURATION
コマンドは、IPS構成パラメータの値を変更します。 - IPS SHOW CONFIGURATION
ADRCIIPS SHOW CONFIGURATION
コマンドは、IPS構成パラメータとその値のリストを表示します。 - IPS SHOW FILES
ADRCIIPS SHOW FILES
コマンドは、指定したパッケージ内に含まれているファイルを表示します。 - IPS SHOW INCIDENTS
ADRCIIPS SHOW INCIDENTS
コマンドは、指定したパッケージに含まれているインシデントをリストします。 - IPS SHOW PACKAGE
ADRCIIPS SHOW PACKAGE
コマンドは、指定したパッケージに関する情報を表示します。 - IPS UNPACK FILE
ADRCIIPS UNPACK FILE
コマンドは、物理パッケージ・ファイルを指定されたパスに解凍します。
関連項目:
パッケージ化の詳細は、「インシデントのパッケージ化」を参照してください
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.5.1 IPSコマンドでの<ADR_HOME>および<ADR_BASE>変数の使用
ADRCI IPS
コマンド・セットは、カレントADRホームおよびADRベースのディレクトリを参照するためのショートカットを提供します。
現在のADRホーム・ディレクトリにアクセスするには、<ADR_HOME>
変数を使用します。たとえば:
ips add file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
<ADR_BASE>
変数を使用してADRベース・ディレクトリにアクセスします。たとえば:
ips add file <ADR_BASE>/diag/rdbms/orcl/orcl/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
ノート:
山カッコ(< >
)は、ここに示すとおりに入力します。
親トピック: IPS
22.9.5.2 IPS ADD
ADRCI IPS ADD
コマンドは、インシデントをパッケージに追加します。
用途
インシデントをパッケージに追加します。
構文および説明
ips add {incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey pr_key | seconds secs | time start_time to end_time} package package_id
次の表では、IPS ADD
の引数について説明します。
表22-2 IPS ADDコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
インシデントの追加先となるパッケージを指定します。 |
例
この例では、インシデント22をパッケージ12に追加します。
ips add incident 22 package 12
この例では、90日を超えるインシデントを除き、問題IDが6の最初に発生した3つの早期インシデントおよび最後に発生した3つの最新インシデントをパッケージ2に追加します。
ips add problem 6 package 2
この例では、過去1分間に発生したすべてのインシデントをパッケージ5に追加します。
ips add seconds 60 package 5
この例では、2020年5月1日の午前10時から午後11時の間に発生したすべてのインシデントを追加します。
ips add time '2020-05-01 10:00:00.00 -07:00' to '2020-05-01 23:00:00.00 -07:00'
親トピック: IPS
22.9.5.3 IPS ADD FILE
ADRCI IPS ADD FILE
コマンドは、ファイルを既存のパッケージに追加します。
構文および説明
ips add file file_name package package_id
file_name
は、ファイルのフルパス名です。必要に応じて、<ADR_HOME>
および<ADR_BASE>
変数を使用できます。ファイルは、パッケージと同じADRベース下に存在する必要があります。
package_id
はパッケージのIDです。
例
この例では、トレース・ファイルをパッケージ12に追加します。
ips add file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
親トピック: IPS
22.9.5.4 IPS ADD NEW INCIDENTS
ADRCI IPS ADD NEW INCIDENTS
コマンドは、指定されたパッケージ内のすべての問題の新しいインシデントを検索して追加します。
構文および説明
ips add new incidents package package_id
package_id
は更新するパッケージのIDです。パッケージ内の問題の新しいインシデントのみが追加されます。
例
この例では、パッケージ12内の問題について新しい最新インシデントを3つまで追加します。
ips add new incidents package 12
ノート:
追加される最新インシデントの数はデフォルト値であり、変更が可能です。関連トピック
親トピック: IPS
22.9.5.5 IPS COPY IN FILE
ADRCI IPS COPY IN FILE
コマンドは、外部ファイル・システムからADRにファイルをコピーします。
用途
パッケージ内のファイルを編集するには、ファイルを指定したディレクトリにコピーし、そのファイルを編集してから、コピーして元のパッケージに戻す必要があります。たとえば、このコマンドを使用して、パッケージをOracleサポートに送信する前にファイル内の機密データを削除できます。
構文および説明
ips copy in file filename [to new_name][overwrite] package package_id
[incident incid]
外部ファイルfilename
(フルパス名で指定)をADRにコピーし、その際に既存のパッケージpackage_id
およびオプションでインシデントincid
と関連付けます。ADR内でコピーされたファイルに新しいファイル名を付ける場合は、to new_name
オプションを使用します。すでに存在するファイルを上書きする場合は、overwrite
オプションを使用します。
例
この例では、トレース・ファイルをファイル・システムからADRにコピーします。ファイルはパッケージ2およびインシデント4に関連付けます。
ips copy in file /home/nick/trace/orcl_ora_13579.trc to <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 2 incident 4
親トピック: IPS
22.9.5.6 IPS COPY OUT FILE
ADRCI IPS COPY OUT FILE
コマンドは、ADRから外部ファイル・システムにファイルをコピーします。
用途
パッケージ内のファイルを編集するには、ファイルを指定したディレクトリにコピーし、そのファイルを編集してから、コピーして元のパッケージに戻す必要があります。この作業は、パッケージをOracleサポート・サービスに送信する前にファイル内の機密データを削除するために行うことがあります。
構文および説明
ips copy out file source to target [overwrite]
ファイルsource
をADRの外の場所target
(フルパス名で指定)にコピーします。すでに存在するファイルを上書きする場合は、overwrite
オプションを使用します。
例
この例では、カレントのADRホームのトレース・サブディレクトリ内のファイルorcl_ora_13579.trc
をローカル・フォルダにコピーします。
ips copy out file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc to /home/nick/trace/orcl_ora_13579.trc
親トピック: IPS
22.9.5.7 IPS CREATE PACKAGE
ADRCI IPS CREATE PACKAGE
コマンドは、新しいパッケージを作成します。ADRCIにより、新しいパッケージに対してパッケージ番号が自動的に割り当てられます。
用途
新しいパッケージを作成します。ADRCIにより、新しいパッケージに対してパッケージ番号が自動的に割り当てられます。
構文および説明
ips create package {incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey prob_key | seconds secs | time start_time to end_time} [correlate {basic |typical | all}]
(オプション)指定されたオプションを使用して、インシデントを新しいパッケージに追加できます。
表22-3に、IPS CREATE PACKAGE
の引数を示します。
表22-3 IPS CREATE PACKAGEコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
パッケージに相関インシデントを指定する方法を選択します。この引数には3つのオプションがあります。
デフォルト値は |
例
この例では、インシデントを含まないパッケージを作成します。
ips create package
出力:
Created package 5 without any contents, correlation level typical
この例では、指定された日の午前10時から午後11時の間に発生したすべてのインシデントを含むパッケージを作成します。
ips create package time '2010-05-01 10:00:00.00 -07:00' to '2010-05-01 23:00:00.00 -07:00'
出力:
Created package 6 based on time range 2010-05-01 10:00:00.00 -07:00 to 2010-05-01 23:00:00.00 -07:00, correlation level typical
この例では、パッケージを作成し、90日を超えるインシデントを除いて、問題IDが3の最初に発生した3つの早期インシデントおよび最後に発生した3つの最新インシデントを追加します。
ips create package problem 3
出力:
Created package 7 based on problem id 3, correlation level typical
ノート:
追加される早期インシデントと最新インシデントの数と90日の経過日数制限はデフォルト値であり、変更が可能です。
親トピック: IPS
22.9.5.8 IPS DELETE PACKAGE
ADRCI IPS DELETE PACKAGE
コマンドは、ADRからパッケージおよびその内容を削除します。
構文および説明
ips delete package package_id
package_id
は削除するパッケージです。
例
ips delete package 12
親トピック: IPS
22.9.5.9 IPS FINALIZE
ADRCI IPS FINALIZE
コマンドは、アップロード前にパッケージをファイナライズします。
構文および説明
ips finalize package package_id
package_id
はファイナライズするパッケージのIDです。
例
ips finalize package 12
関連項目:
パッケージのファイナライズの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。親トピック: IPS
22.9.5.10 IPS GENERATE PACKAGE
ADRCI IPS GENERATE PACKAGE
コマンドは、ターゲット・ディレクトリに物理パッケージ(zipファイル)を作成します。
構文および説明
ips generate package package_id [in path] [complete | incremental]
package_id
は生成するパッケージのIDです。オプションで、ディレクトリpath
にファイルを保存できます。このオプションを指定しない場合、パッケージは現在の作業ディレクトリに生成されます。
complete
オプションを指定すると、ADRCIにより、すべてのパッケージ・ファイルがパッケージに強制的に含まれるようになります。これはデフォルトの動作です。
incremental
オプションを選択すると、このパッケージが最後に生成された後に追加または変更されたファイルのみが指定されます。したがって、incremental
オプションでのコマンドの動作はより短い時間で終了します。
例
この例では、パス/home/steve
に物理パッケージ・ファイルを生成します。
ips generate package 12 in /home/steve
この例では、物理パッケージが最後に生成された後に追加または変更されたファイルからパッケージを生成します。
ips generate package 14 incremental
関連項目:
物理インシデント・パッケージの生成親トピック: IPS
22.9.5.11 IPS GET MANIFEST
ADRCI IPS GET MANIFEST
コマンドは、パッケージzipファイルからマニフェストを抽出して表示します。
構文および説明
ips get manifest from file filename
filename
は、パッケージのZIPファイルです。マニフェストは、パッケージ・ファイルのXML形式のメタデータのセットで、ADR構成、相関ファイル、インシデントおよびパッケージが生成された方法に関する情報を含みます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
ips get manifest from file /home/steve/ORA603_20060906165316_COM_1.zip
親トピック: IPS
22.9.5.12 IPS GET METADATA
ADRCI IPS GET METADATA
コマンドは、パッケージ・ファイルからADR関連のメタデータを抽出して表示します。
構文および説明
ips get metadata {from file filename | from adr}
filename
は、パッケージのZIPファイルです。(metadata.xml
に格納されている)パッケージ・ファイルのメタデータには、ADRホーム、ADRベースおよび製品に関する情報が含まれています。
IPS UNPACK
を使用してADRホームに解凍されたパッケージZIPファイルからメタデータを取得するには、from adr
オプションを使用します。
from adr
オプションを使用する場合は、ADRホームを設定する必要があります。
例
この例では、パッケージ・ファイルからメタデータを表示します。
ips get metadata from file /home/steve/ORA603_20060906165316_COM_1.zip
次の例では、ディレクトリ/scratch/oracle/package1に解凍したパッケージ・ファイルからメタデータを表示します。
set base /scratch/oracle/package1
ips get metadata from adr
前述の例でADRCIは、SET BASE
コマンドを受け取ると、IPS UNPACK FILE
コマンドで/scratch/oracle/package1
に作成されたADRホームをホームパスに自動的に追加します。
関連項目:
パッケージ・ファイルの解凍の詳細は、「IPS UNPACK FILE」を参照してください親トピック: IPS
22.9.5.13 IPS PACK
ADRCI IPS PACK
コマンドは、パッケージを作成し、すぐに物理パッケージを生成します。
用途
すぐにパッケージを作成して、物理パッケージを生成します。
構文および説明
ips pack [incident first [n] | incident inc_id | incident last [n] | problem first [n] | problem prob_id | problem last [n] | problemkey prob_key | seconds secs | time start_time to end_time] [correlate {basic |typical | all}] [in path]
ADRCIにより、自動的に新しいパッケージに対してパッケージ番号が生成されます。パッケージの内容が指定されない場合、IPS
PACK
は空のパッケージを作成します。
表22-4に、IPS PACK
の引数を示します。
表22-4 IPS PACKコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
最初に発生した |
|
IDが |
|
最後に発生した |
|
最初に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題IDが |
|
最後に発生した 90日を超えるインシデントを除き、各問題について、最初に発生した3つの早期インシデントと最後に発生した3つの最新インシデントのみを追加します。(ノート: これらの制限はデフォルト値であり、変更可能です。詳細は、「IPS SET CONFIGURATION」を参照してください。 |
|
問題キーが |
|
現時点で過去 |
|
|
|
パッケージに相関インシデントを指定する方法を選択します。この引数には3つのオプションがあります。
デフォルト値は |
|
物理パッケージをディレクトリ |
例
この例では、空のパッケージを作成します。
ips pack
この例では、インシデント861に関するすべての情報を含む物理パッケージを作成します。
ips pack incident 861
次の例では、過去1分間のすべてのインシデントを完全な相関状態で含む物理パッケージを作成します。
ips pack seconds 60 correlate all
関連トピック
親トピック: IPS
22.9.5.14 IPS REMOVE
ADRCI IPS REMOVE
コマンドは、既存のパッケージからインシデントを削除します。
用途
既存のパッケージからインシデントを削除します。
構文および説明
ips remove {incident inc_id | problem prob_id | problemkey prob_key} package package_id
パッケージからインシデントを削除した後も、これらのインシデントは引き続きパッケージのメタデータ内で追跡され、(ADD NEW INCIDENTS
などを使用したときに)ADRCIが後から自動的にこれらのインシデントを追加してしまうのを防ぎます。
次の表では、IPS
REMOVE
の引数について説明します。
表22-5 IPS REMOVEコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
IDが |
|
問題IDが |
|
問題キーが |
|
IDが |
例
この例では、パッケージ12からインシデント22を削除します。
ips remove incident 22 package 12
関連トピック
親トピック: IPS
22.9.5.15 IPS REMOVE FILE
ADRCI IPS REMOVE FILE
コマンドは、既存のパッケージからファイルを削除します。
構文および説明
ips remove file file_name package package_id
file_name
はパッケージpackage_id
から削除するファイルです。ファイルの完全パスを指定する必要があります。(必要に応じて、<ADR_HOME>
および<ADR_BASE>
変数を使用できます。)
削除後も、このファイルは引き続きパッケージのメタデータ内で追跡され、(ADD NEW INCIDENTS
などを使用したときに)ADRCIが後から自動的にこのファイルを追加してしまうのを防ぎます。したがって、ファイルを削除しても、そのファイルのEXCLUDE
フラグがExplicitly excluded
に設定されるだけです。
例
この例では、パッケージ12からトレース・ファイルを削除します。
ips remove file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc package 12
Removed file <ADR_HOME>/trace/orcl_ora_13579.trc from package 12
ips show files package 12
.
.
.
FILE_ID 4
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace
FILE_NAME orcl_ora_13579.trc
LAST_SEQUENCE 0
EXCLUDE Explicitly excluded
.
.
.
関連項目:
-
パッケージのメタデータの詳細は、「IPS GET MANIFEST」を参照してください
-
<ADR_BASE>
ディレクトリ構文の詳細は、「IPSコマンドでの<ADR_HOME>および<ADR_BASE>変数の使用」を参照してください
親トピック: IPS
22.9.5.16 IPS SET CONFIGURATION
ADRCI IPS SET CONFIGURATION
コマンドは、IPS構成パラメータの値を変更します。
構文および説明
ips set configuration {parameter_id | parameter_name} value
parameter_id
は変更するパラメータのIDでparameter_name
は、変更するパラメータの名前です。value
は新規の値です。構成パラメータおよびそのIDのリストについては、IPS SHOW CONFIGURATION
を使用します。
例
ips set configuration 3 10
関連トピック
親トピック: IPS
22.9.5.17 IPS SHOW CONFIGURATION
ADRCI IPS SHOW CONFIGURATION
コマンドは、IPS構成パラメータとその値のリストを表示します。
用途
これらのパラメータは、タイムアウトおよびインシデント追加間隔など、IPSデータの各種しきい値を制御します。
構文および説明
ips show configuration {parameter_id | parameter_name}]
IPS SHOW CONFIGURATION
は、構成パラメータごとに次の情報を表示します。
-
パラメータID
-
名前
-
説明
-
パラメータを使用する単位(日数や時間数など)
-
値
-
デフォルト値
-
最小値
-
最大値
-
フラグ
オプションで、parameter_id
またはparameter_name
を指定して特定のパラメータに関する情報を取得できます。
例
次のコマンドは、すべてのIPS構成パラメータを示します。ips show configuration
出力:
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 1
NAME CUTOFF_TIME
DESCRIPTION Maximum age for an incident to be considered for
inclusion
UNIT Days
VALUE 90
DEFAULT_VALUE 90
MINIMUM 1
MAXIMUM 4294967295
FLAGS 0
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 2
NAME NUM_EARLY_INCIDENTS
DESCRIPTION How many incidents to get in the early part of the range
UNIT Number
VALUE 3
DEFAULT_VALUE 3
MINIMUM 1
MAXIMUM 4294967295
FLAGS 0
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 3
NAME NUM_LATE_INCIDENTS
DESCRIPTION How many incidents to get in the late part of the range
UNIT Number
VALUE 3
DEFAULT_VALUE 3
MINIMUM 1
MAXIMUM 4294967295
FLAGS 0
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 4
NAME INCIDENT_TIME_WINDOW
DESCRIPTION Incidents this close to each other are considered
correlated
UNIT Minutes
VALUE 5
DEFAULT_VALUE 5
MINIMUM 1
MAXIMUM 4294967295
FLAGS 0
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 5
NAME PACKAGE_TIME_WINDOW
DESCRIPTION Time window for content inclusion is from x hours
before first included incident to x hours after last
incident
UNIT Hours
VALUE 24
DEFAULT_VALUE 24
MINIMUM 1
MAXIMUM 4294967295
FLAGS 0
PARAMETER INFORMATION:
PARAMETER_ID 6
NAME DEFAULT_CORRELATION_LEVEL
DESCRIPTION Default correlation level for packages
UNIT Number
VALUE 2
DEFAULT_VALUE 2
MINIMUM 1
MAXIMUM 4
FLAGS 0
例
このコマンドは、構成パラメータNUM_EARLY_INCIDENTS
を示します。
ips show configuration num_early_incidents
このコマンドは、構成パラメータ3を示します。
ips show configuration 3
構成パラメータの説明
次の表では、IPS構成パラメータについて詳しく説明します。
表22-6 IPS構成パラメータ
パラメータ | ID | 説明 |
---|---|---|
|
1 |
インシデントが追加対象とみなされる最長期間(日単位)。 |
|
2 |
問題に基づいてパッケージを作成するときに、前半部分に含めるインシデントの数。デフォルトでは、ADRCIは最初の3つのインシデントと最新の3つのインシデントをパッケージに追加します。 |
|
3 |
問題に基づいてパッケージを作成するときに、後半部分に含めるインシデントの数。デフォルトでは、ADRCIは最初の3つのインシデントと最新の3つのインシデントをパッケージに追加します。 |
|
4 |
2つのインシデントが相関とみなされるためのインシデント発生の間隔(分数)。 |
|
5 |
インシデントをパッケージに追加するための時間ウィンドウとして使用時間数。たとえば、値が5の場合、パッケージ内でインシデントが最初に発生した5時間前、およびパッケージ内の最新のインシデントの発生から5時間後のインシデントを含めます。 |
|
6 |
パッケージ内のインシデントを相関付けるために使用するデフォルトの相関レベル。相関レベルは次のとおりです。
|
関連トピック
親トピック: IPS
22.9.5.18 IPS SHOW FILES
ADRCI IPS SHOW FILES
コマンドは、指定したパッケージ内に含まれているファイルを表示します。
用途
指定したパッケージ内に含まれているファイルを表示します。
構文および説明
ips show files package package_id
package_id
は表示するパッケージのIDです。
例
この例では、パッケージ1に関連付けられているすべてのファイルを示します。
ips show files package 1
出力:
FILE_ID 1
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/alert
FILE_NAME log.xml
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
FILE_ID 2
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace
FILE_NAME alert_adcdb.log
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
FILE_ID 27
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/incident/incdir_4937
FILE_NAME adcdb_ora_692_i4937.trm
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
FILE_ID 28
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/incident/incdir_4937
FILE_NAME adcdb_ora_692_i4937.trc
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
FILE_ID 29
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace
FILE_NAME adcdb_ora_692.trc
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
FILE_ID 30
FILE_LOCATION <ADR_HOME>/trace
FILE_NAME adcdb_ora_692.trm
LAST_SEQUENCE 1
EXCLUDE Included
.
.
.
親トピック: IPS
22.9.5.19 IPS SHOW INCIDENTS
ADRCI IPS SHOW INCIDENTS
コマンドは、指定したパッケージに含まれているインシデントをリストします。
構文および説明
ips show incidents package package_id
package_id
は表示するパッケージのIDです。
例
この例では、パッケージ1のインシデントを表示します。
ips show incidents package 1
出力:
MAIN INCIDENTS FOR PACKAGE 1:
INCIDENT_ID 4985
PROBLEM_ID 1
EXCLUDE Included
CORRELATED INCIDENTS FOR PACKAGE 1:
親トピック: IPS
22.9.5.20 IPS SHOW PACKAGE
ADRCI IPS SHOW PACKAGE
コマンドは、指定したパッケージに関する情報を表示します。
構文および説明
ips show package package_id {basic | brief | detail}
package_id
は表示するパッケージのIDです。
basic
オプションを使用して、最小限の情報を表示します。これは、package_id
が指定されていない場合のデフォルトです。
brief
オプションを使用して、basic
オプションよりも詳細なパッケージ情報を表示します。これは、package_id
が指定されている場合のデフォルトです。
detail
オプションを使用して、brief
オプションで表示される情報に加えて、パッケージ履歴および含まれているインシデントやファイルの情報を表示します。
例
ips show package 12
ips show package 12 brief
親トピック: IPS
22.9.5.21 IPS UNPACK FILE
ADRCI IPS UNPACK FILE
コマンドは、物理パッケージ・ファイルを指定されたパスに解凍します。
構文および説明
ips unpack file file_name [into path]
file_name
は、解凍する物理パッケージ(ZIPファイル)のフルパス名です。オプションで、ファイルをディレクトリpath
に解凍することもできます。このディレクトリはすでに存在している必要があり、書込み可能である必要があります。パスを省略すると、現在の作業ディレクトリが使用されます。解凍先のディレクトリはADRベースとして処理され、有効なADRホームが含まれるADRベースのディレクトリ階層が完全に作成されます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
ips unpack file /tmp/ORA603_20060906165316_COM_1.zip into /tmp/newadr
親トピック: IPS
22.9.6 PURGE
ADRCI PURGE
コマンドは、現在の削除ポリシーに従って、カレントADRホーム内の診断データを削除します。
用途
現在の削除ポリシーに従って、カレントADRホーム内の診断データを削除します。削除が予定されているADRの内容のみが削除されます。
ADR内の診断データにはデフォルトのライフサイクルが設定されています。たとえば、インシデントおよび問題に関する情報は1年後に削除されますが、関連するダンプ・ファイル(ダンプ)はわずか30日後に削除されます。
Oracle Databaseなどの一部のオラクル社の製品では、ライフ・サイクルの終了時に診断データが自動的に削除されます。その他の製品やコンポーネントでは、このコマンドを使用して診断データを手動で削除する必要があります。また、このコマンドで、自動削除される予定のデータも削除できます。
SHOW CONTROLコマンドでは、存続期間が短いADRの内容と存続期間が長いADRの内容に対して、デフォルトの削除ポリシーが表示されます。
構文および説明
purge [-i {id | start_id end_id} | -age mins [-type {ALERT|INCIDENT|TRACE|CDUMP|HM|UTSCDMP}]]
次の表では、PURGE
のフラグについて説明します。
表22-7 PURGEコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
特定のインシデントID( |
|
|
|
削除する診断データのタイプを指定します。 次のタイプを指定できます。
|
例
この例では、デフォルトの削除ポリシーに基づいて、カレントADRホーム内のすべての診断データを削除します。
purge
この例では、123から456の間のすべてのインシデントについて、診断データをすべて削除します。
purge -i 123 456
この例では、過去1時間より前のすべてのインシデント・データを削除します。
purge -age 60 -type incident
ノート:
PURGE
は、複数のADRホームが設定されている場合には機能しません。1つのADRホームの設定については、「ADRCIコマンドを使用する前のADRCIホームパスの設定」を参照してください。
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.8 RUN
ADRCI RUN
コマンドは、ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)スクリプトを実行します。
構文および説明
run script_name
@ script_name
@@ script_name
変数script_name
は、実行するADRCIコマンドが含まれているファイルです。フルパス名が指定されていないかぎり、ADRCIはカレント・ディレクトリ内のスクリプトを検索します。ファイル拡張子のないファイル名を指定すると、ADRCIはデフォルトの拡張子.adi
を使用します。
run
および@
コマンドはシノニムです。@@
コマンドは、run
および@
と同じです。ただし、スクリプト内で使用すると、@@
はカレント・ディレクトリではなく、コール元スクリプトのパスを使用してscript_name
を検索します。
run
コマンドの使用前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
run my_script
@my_script
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.9 SELECT
ADRCI SELECT
コマンドとその関数は、指定されたインシデントまたは問題の修飾診断レコードを取得します。
用途
問題の診断に役立つように、指定したインシデントまたは問題の修飾レコードを取得します。
構文および説明
select {*|[field1, [field2, ...]} FROM {incident|problem} [WHERE predicate_string] [ORDER BY field1 [, field2, ...] [ASC|DSC|DESC]] [GROUP BY field1 [, field2, ...]] [HAVING having_predicate_string]
表22-8 SELECTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
取得するフィールドをリストします。 |
|
インシデントまたは問題を問い合せるかどうかを示します。 |
|
SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントまたは問題のみを表示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 SHOW INCIDENTに、インシデントの述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 SHOW PROBLEMに、問題の述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
|
フィールドを指定順序、昇順( |
|
指定したフィールドごとにグループ化された結果が表示されます。
|
|
返される行のグループを、HAVINGの述語がtrueであるグループに制限します。 |
ノート:
WHERE
、ORDER BY
、GROUP BY
およびHAVING
フラグは、SELECT
SQL文の同名の句に似ています。
SELECT
SQL文における句の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドを使用する際は、次の制限事項があります。
- 結合できる表は、2つまでです。
- 表の別名は使用できません。
- 使用できる関数は、この項に示す一部の関数に限定されます。
- 表を結合するとき、または
GROUP BY
句を使用するときに、ワイルドカード(*
)は使用できません。 - 文を1つの行に収める必要があります。
- 文に副問合せを含めることはできません。
- 文に
WITH
句を含めることはできません。 - 一部の疑似列のみ、使用可能です。たとえば、
ROWNUM
は使用できますが、ROWID
は使用できません。
例
この例では、1
を超えるincident_id
を持つインシデントの、incident_id
およびcreate_time
を取得します。
select incident_id, create_time from incident where incident_id > 1
この問合せの出力例を次に示します。
INCIDENT_ID CREATE_TIME -------------------- ---------------------------------------- 4801 2011-05-27 10:10:26.541656 -07:00 4802 2011-05-27 10:11:02.456066 -07:00 4803 2011-05-27 10:11:04.759654 -07:00
この例では、problem_key
に600
が含まれる各問題の、problem_id
およびfirst_incident
を取得します。
select problem_id, first_incident from problem where problem_key like '%600%'
この問合せの出力例を次に示します。
PROBLEM_ID FIRST_INCIDENT -------------------- -------------------- 1 4801 2 4802 3 4803
関数
このセクションでは、SELECT
コマンドと一緒に使用できる関数について説明します。
これらの関数の目的と構文は、対応するSQL関数と似ていますが、SQL関数とADRCIユーティリティで使用される関数にはいくつかの違いがあります。
すべてのADRCI関数に次の制限事項が適用されます。
-
式は、単純式である必要があります。
単純式については、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
-
複数の関数コールを組み合せることはできません。たとえば、次の関数コールの組合せはサポートされません。
sum(length(column_name))
-
関数はオーバーロードされません。
-
すべての関数の引数は必須です。
-
関数は、他のADRCIユーティリティ・コマンドと一緒に使用できません。
- AVG
ADRC
SELECT
コマンドのAVG
関数は、式の平均値を返します。 - CONCAT
ADRC
SELECT
コマンドのCONCAT
関数は、2つの文字列を連結して返します。 - COUNT
ADRCSELECT
コマンドのCOUNT
関数は、問合せによって戻された行数を返します。 - DECODE
ADRC
SELECT
コマンドのDECODE
関数は、式と各検索値を1つずつ比較します。 - LENGTH
ADRC
SELECT
コマンドのLENGTH
関数は、入力文字セットによる定義を使用して、文字列の長さを返します。 - MAX
ADRC SELECT
コマンドのMAX
関数は、式の最大値を返します。 - MIN
ADRC SELECT
コマンドのMIN
関数は、式の最小値を返します。 - NVL
ADRC SELECT
コマンドのNVL
関数は、問合せ結果のnull (空白として返される)を文字データに置換します。 - REGEXP_LIKE
ADRC SELECT
コマンドのREGEXP_LIKE
関数は、指定された正規表現で指定したパターンに一致する行を返します。 - SUBSTR
ADRC SELECT
コマンドのSUBSTR
関数は、文字データの一部を返します。 - SUM
ADRC SELECT
コマンドのSUM
関数は、式の値の合計を返します。 - TIMESTAMP_TO_CHAR
ADRC SELECT
コマンドのTIMESTAMP_TO_CHAR
関数は、TIMESTAMP
データ型の値を、指定した書式でVARCHAR2
データ型の値に変換します。 - TOLOWER
ADRC SELECT
コマンドのTOLOWER
関数は、すべての文字を小文字にして文字データを返します。 - TOUPPER
ADRC SELECT
コマンドのTOUPPER
関数は、すべての文字を大文字にして文字データを返します。
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.9.1 AVG
ADRC
SELECT
コマンドのAVG
関数は、式の平均値を返します。
用途
式の平均値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のAVG
の説明を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでAVG
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
- 式は、数値型の列または正の数値定数である必要があります。
- この関数は、
DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。 - この関数は、
OVER
句をサポートしていません。
親トピック: SELECT
22.9.9.2 CONCAT
ADRC
SELECT
コマンドのCONCAT
関数は、2つの文字列を連結して返します。
用途
2つの文字列を連結して返します。データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のCONCAT
の説明を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでCONCAT
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。 -
この関数は、
NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語文字セットのデータ型をサポートしていません。
親トピック: SELECT
22.9.9.3 COUNT
ADRC SELECT
コマンドのCOUNT
関数は、問合せによって返された行数を返します。
用途
問合せによって返された行数を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のCOUNT
の説明を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでCOUNT
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
- この式は、列、数値定数または文字列定数である必要があります。
- この関数は、
DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。 - この関数は、
OVER
句をサポートしていません。 - この関数は、通常、重複およびNULLを含めて問合せのすべての行をカウントします。
例
この例では、flood_controlled
が0
(ゼロ)のインシデントの数を返します。
select count(*) from incident where flood_controlled = 0;
この例では、problem_key
にORA-600
が含まれる問題の数を返します。
select count(*) from problem where problem_key like '%ORA-600%';
親トピック: SELECT
22.9.9.4 DECODE
ADRC
SELECT
コマンドのDECODE
関数は、式と各検索値を1つずつ比較します。
用途
1つの式を各検索値と1つずつ比較します。式が検索値に等しい場合、Oracle Databaseは対応する結果を返します。一致する値が見つからない場合は、データベースは指定したデフォルト値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のDECODE
の説明を参照してください。
制限事項
SELECT
コマンドでDECODE
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
- 検索引数は、文字データである必要があります。
- デフォルト値を指定する必要があります。
例
次の例では、各incident_id
と、インシデントがフラッド制御されているかどうかを示します。この例では、DECODE
関数を使用して、flood_controlled
フィールドの数値のかわりにテキストを表示します。
select incident_id, decode(flood_controlled, 0, \
"Not flood-controlled", "Flood-controlled") from incident;
親トピック: SELECT
22.9.9.5 LENGTH
ADRC
SELECT
コマンドのLENGTH
関数は、入力文字セットによる定義を使用して、文字列の長さを返します。
用途
入力文字セットによる定義を使用して、文字列の長さを返します。この文字列のデータ型には、CHAR
、VARCHAR2
、NCHAR
、NVARCHAR2
、CLOB
、NCLOB
のいずれかを使用できます。戻り値のデータ型はNUMBER
です。文字列のデータ型がCHAR
の場合、長さにはすべての後続の空白が含まれます。文字列がNULLの場合、この関数は0(ゼロ)を返します。
ノート:
文字列がNULLの場合、SQL関数はNULLを戻します。構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のLENGTH
の説明を参照してください。
制限事項
ADRC
SELECT
コマンドは、LENGTHB
、LENGTHC
、LENGTH2
およびLENGTH4
関数をサポートしていません。
例
この例では、各問題のproblem_id
およびproblem_key
の長さを示します。
select problem_id, length(problem_key) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.9.6 MAX
ADRC SELECT
コマンドのMAX
関数は、式の最大値を返します。
制限事項
SELECT
コマンドでMAX
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。 -
この関数は、
OVER
句をサポートしていません。
例
この例では、すべての記録された問題の最大のlast_incident
値を示します。
select max(last_incident) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.9.7 MIN
ADRC SELECT
コマンドのMIN
関数は、式の最小値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のMINを参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでMIN
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。 -
この関数は、
OVER
句をサポートしていません。
例
この例では、すべての記録された問題に関する最小のfirst_incident
値を示します。
select min(first_incident) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.9.8 NVL
ADRC SELECT
コマンドのNVL
関数は、問合せ結果のnull (空白として返される)を文字データに置換します。
用途
指定した最初の式がNULLの場合、NVL
は指定した2番目の式を返します。指定した最初の式がNULLでない場合、NVL
は最初の式の値を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のNVLを参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでNVL
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
置換する値(2番目の式)は、文字データとして指定する必要があります。
-
この関数は、データ変換をサポートしません。
例
この例では、signalling_component
の出力のNULL
をテキスト"No component"に置換します。
select nvl(signalling_component, 'No component') from incident;
親トピック: SELECT
22.9.9.9 REGEXP_LIKE
ADRC SELECT
コマンドのREGEXP_LIKE
関数は、指定された正規表現で指定したパターンに一致する行を返します。
用途
SQLでは、REGEXP_LIKE
は関数ではなく条件です。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のREGEXP_LIKE条件を参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでREGEXP_LIKE
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
パターン一致では、常に大/小文字が区別されます。
-
この関数は、
match_param
引数をサポートしていません。
例
この例では、problem_key
が数値で終了するすべての問題のproblem_id
およびproblem_key
を表示します。
select problem_id, problem_key from problem \
where regexp_like(problem_key, '[0-9]$') = true
親トピック: SELECT
22.9.9.10 SUBSTR
ADRC SELECT
コマンドのSUBSTR
関数は、文字データの一部を返します。
用途
返されるデータ部分は、指定した部分から始まる、指定した文字長の部分文字列となります。SUBSTR
は、入力文字セットによって定義された文字を使用して、長さを計算します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のSUBSTRを参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでSUBSTR
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、正の整数のみをサポートします。負の値または浮動小数点数については、サポートしていません。
-
SELECT
コマンドは、SUBSTRB
、SUBSTRC
、SUBSTR2
およびSUBSTR4
関数をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
の5文字目以降を表示します。
select substr(problem_key, 5) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.9.11 SUM
ADRC SELECT
コマンドのSUM
関数は、式の値の合計を返します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』のSUMを参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでSUM
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この式は、数値型の列または数値定数である必要があります。
-
この関数は、
DISTINCT
またはALL
キーワードをサポートしていません。 -
この関数は、
OVER
句をサポートしていません。
親トピック: SELECT
22.9.9.12 TIMESTAMP_TO_CHAR
ADRC SELECT
コマンドのTIMESTAMP_TO_CHAR
関数は、TIMESTAMP
データ型の値を、指定した書式でVARCHAR2
データ型の値に変換します。
用途
形式を指定しない場合、値が関数によってデフォルトのタイムスタンプ形式に変換されます。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でTO_CHAR
関数(TO_CHAR (datetime))の構文を参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでTIMESTAMP_TO_CHAR
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
TIMESTAMP
データ型のみを変換します。TIMESTAMP WITH TIME ZONE
、TIMESTAMP WITH LOCAL TIME ZONE
などのデータ型はサポートされていません。 -
この関数は、
nlsparm
引数をサポートしていません。この関数は、セッションのデフォルト言語を使用します。
例
この例では、各インシデントのcreate_timeを、TIMESTAMP
データ型からVARCHAR2
データ型にDD-MON-YYYY
形式で変換します。
select timestamp_to_char(create_time, 'DD-MON-YYYY') from incident;
親トピック: SELECT
22.9.9.13 TOLOWER
ADRC SELECT
コマンドのTOLOWER
関数は、すべての文字を小文字にして文字データを返します。
用途
データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。データベースは、基礎となる文字セットに対して定義したバイナリ・マッピングに基づいて文字の形式を設定します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でLOWER
関数の構文(LOWER)を参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでTOLOWER
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。 -
この関数は、
NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語文字セットのデータ型をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
をすべて小文字で表示します。
select tolower(problem_key) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.9.14 TOUPPER
ADRC SELECT
コマンドのTOUPPER
関数は、すべての文字を大文字にして文字データを返します。
用途
データ型がCHAR
およびVARCHAR2
の文字データを使用できます。戻り値は、文字データと同じデータ型です。データベースは、基礎となる文字セットに対して定義したバイナリ・マッピングに基づいて文字の形式を設定します。
構文
『Oracle Database SQL言語リファレンス』でUPPER
関数の構文(UPPER)を参照してください
制限事項
SELECT
コマンドでTOUPPER
関数を使用する場合は、次の制限事項が適用されます。
-
この関数は、
BLOB
、CLOB
、NCLOB
、BFILE
データ型などのLOBデータ型をサポートしていません。 -
この関数は、
NCHAR
、NVARCHAR2
、NCLOB
データ型などの各国語文字セットのデータ型をサポートしていません。
例
この例では、各problem_key
をすべて大文字で表示します。
select toupper(problem_key) from problem;
親トピック: SELECT
22.9.10 SET BASE
ADRCI SET BASE
コマンドは、カレントADRCIセッションで使用するADRベースを設定します。
構文および説明
set base base_str
base_str
は、ディレクトリへのフルパスです。base_str
の形式は、オペレーティング・システムによって異なります。ベース・ディレクトリ下に有効なADRホームが存在する場合、これらのホームはカレントADRCIセッションのホーム・パスに追加されます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set base /u01/app/oracle
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.11 SET BROWSER
ADRCI SET BROWSER
コマンドは、レポートを表示するためのデフォルト・ブラウザを設定します。
構文および説明
ノート:
このコマンドは今後使用する目的で確保されています。現時点では、ADRCIはブラウザでHTML形式のレポートをサポートしていません。set browser browser_program
browser_program
は、ブラウザのプログラム名です(ブラウザはカレントのADR作業ディレクトリから起動可能であると想定されています)。ブラウザが設定されていない場合、ADRCIは端末またはスプール・ファイルへのレポートを表示します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
set browser mozilla
関連項目:
-
レポート表示の詳細は、「SHOW REPORT」を参照してください
-
スプールの詳細は、「SPOOL」を参照してください
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.12 SET CONTROL
ADRCI SET CONTROL
コマンドは、自動診断リポジトリ(ADR)の内容のパージ・ポリシーを設定します。
用途
ADRリポジトリ・ファイルのパージ時期を管理する時間制限およびサイズ制限コントロールを設定します。
構文および説明
set control (purge_policy = value purge_policy = value, ...)
前述の構文では、変数purge_policy
には、SHORTP_POLICY
、LONGP_POLICY
またはSIZEP_POLICY
を指定できます。
SHORTP_POLICY
およびLONGP_POLICY
では、value
はADRの内容が削除の対象となるまでの時間数です。制御SHORTP_POLICY
およびLONGP_POLICY
は相互に排他的ではありません。各ポリシーは、異なるタイプの内容を制御します。
SIZEP_POLICY
の場合、value
は、ADRホームに設定するサイズ制限です。値を設定しない場合、ADRホームは24時間ごとに削除されます。SIZEP_POLICY
の値を設定すると、MMON
タスクが設定され、4時間ごとにその制限の現行のステータスが確認されます。ADRホームのサイズがその制限に達すると、ADRホームは削除されます。
このコマンドは、1つのADRホームでのみ機能します。
SET CONTROLを使用して、次のパージ属性を設定します。
属性名 | 説明 |
---|---|
|
存続期間の短いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト: 720 (30日)。 0(ゼロ)を設定すると、存続期間の短い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の短いADRの内容を次に示します。
|
|
存続期間の長いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト値は8760 (365日)です。 0(ゼロ)を設定すると、存続期間の長い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の長いADRの内容を次に示します。
|
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(オプション)自動診断リポジトリ(ADR)ホームのサイズ制限を定義します。 Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降のリリースでは、
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|
PURGE_THRESHOLDを調整すると、ADRホームが頻繁にパージされていない場合でも、ADRデータの量を |
例
ADRパージ・ポリシーがデフォルト値の720 (存続期間の短いファイル(30日))、8760 (存続期間の長いファイル(365日))に設定され、ADRリポジトリにサイズベースのパージ・ポリシーが設定されていないとします。次の例では、ADRの存続期間の短いファイルのパージ・ポリシーが360 (15日)に変更され、パージ前の存続期間の短いファイルのサイズ制限が18ギガバイト(G)に設定され、サイズ・パージしきい値は12Gに設定されています。
set control (SHORTP_POLICY = 360 SIZEP_POLICY = 18G PURGE_THRESHOLD =12G)
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.13 SET ECHO
ADRCI SET ECHO
コマンドは、コマンド出力をオンまたはオフにします。このコマンドは、スクリプトに表示される出力またはスプール・モードを使用する出力のみに影響します。
構文および説明
SET ECHO ON | OFF
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SET ECHO OFF
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.14 SET EDITOR
ADRCI SET EDITOR
コマンドは、アラート・ログおよびトレース・ファイルの内容を表示するエディタを設定します。
構文および説明
SET EDITOR editor_program
editor_program
は、エディタのプログラム名です。エディタが設定されていない場合、ADRCIはオペレーティング・システムの環境変数EDITOR
で指定されているエディタを使用します。EDITOR
が設定されていない場合、ADRCIはデフォルトのエディタとしてvi
を使用します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SET EDITOR xemacs
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.15 SET HOMEPATH
ADRCI SET HOMEPATH
コマンドは、1つ以上のADRホームをカレントにします。多くのADRコマンドが、カレントADRホームでのみ動作します。
構文および説明
SET HOMEPATH homepath_str1 homepath_str2 ...
データを診断する場合、他のインスタンスまたはコンポーネントのデータを操作するには、これらすべてのインスタンスまたはコンポーネントのすべてのADRホームが最新であることを確認する必要があります。homepath_str
文字列は、カレントADRベースに対して相対的なADRホームのパスです。n
diag
ディレクトリ名はパスから省略可能です。指定したパスに複数のADRホームが含まれている場合、すべてのホームがホーム・パスに追加されます。
目的の新しいADRホームが現在のADRベース内にない場合は、SET BASE
を使用して新しいADRベースを設定してから、SET HOMEPATH
を使用できます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SET HOMEPATH diag/rdbms/orcldw/orcldw1 diag/rdbms/orcldw/orcldw2
次のコマンドは、前の例と同じホーム・パスを設定します。
SET HOMEPATH rdbms/orcldw/orcldw1 rdbms/orcldw/orcldw2
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.16 SET TERMOUT
ADRCI SET TERMOUT
コマンドは、端末への出力をオンまたはオフにします。
構文および説明
SET TERMOUT ON | OFF
この設定はスプールとは関係なく使用できます。つまり、出力は端末とファイル両方に同時に送信できます。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
関連項目:
スプールの詳細は、「SPOOL
」を参照してください
例
SET TERMOUT ON
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.17 SHOW ALERT
ADRCI SHOW ALERT
コマンドは、デフォルトのエディタにアラート・ログの内容を表示します。
用途
デフォルトのエディタにアラート・ログの内容を表示します。
構文および説明
show alert [-p "predicate_string"] [-tail [num] [-f]] [-term] [-file alert_file_name]
-term
フラグを使用している場合を除き、このコマンドは1つのカレントADRホームでのみ動作します。複数のADRホームが設定されている場合、ADRCIによって、使用するADRホームを選択するように要求されます。
表22-9 SHOW ALERTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるアラート・ログのエントリのみを表示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 この表に続く表に、述語文字列で使用できるフィールドを表示します。 |
|
アラート・ログの最新のエントリを表示します。
|
|
結果を端末に送信します。すべてのカレントADRホームからアラート・ログ全体を順次出力します。このオプションが指定されていない場合、結果はデフォルトのエディタに表示されます。 |
|
ADRの外のアラート・ファイルを指定できます。 |
表22-10 SHOW ALERTのアラート・フィールド
フィールド | 型 |
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例
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージをデフォルトのエディタに表示します。
show alert
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージを表示し、デフォルトのエディタではなく端末に出力を送信します。
show alert -term
この例では、カレントADRホームのすべてのアラート・メッセージを、インシデントを示すメッセージ・テキストとともに表示します。
show alert -p "message_text like '%incident%'"
この例では、最新の20個のアラート・メッセージを表示してから、アラート・ログをオープンしたままにし、新しいアラート・ログのエントリが到着すると、それらのエントリを表示します。
show alert -tail 20 -f
この例では、複数のADRホームが設定されているときに、1つのカレントADRホームのすべてのアラート・メッセージをデフォルトのエディタに表示します。
show alert Choose the alert log from the following homes to view: 1: diag/tnslsnr/dbhost1/listener 2: diag/asm/+asm/+ASM 3: diag/rdbms/orcl/orcl 4: diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11 Q: to quit Please select option: 3
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.18 SHOW BASE
ADRCI SET EDITOR
コマンドは、現在のADRベースを表示します。
構文および説明
SHOW BASE [-product product_name]
(オプション)特定の製品では、製品のADRベースの場所を表示できます。現在サポートされている製品は、CLIENT
とADRCI
です。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
次の例では、カレントADRベースを示します。
SHOW BASE
出力:
ADR base is "/u01/app/oracle"
次の例では、Oracle DatabaseクライアントのカレントADRベースを示します。
SHOW BASE -product client
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.19 SHOW CONTROL
ADRCI SHOW CONTROL
コマンドは、パージ・ポリシーなど、自動診断リポジトリ(ADR)に関する情報を表示します。
用途
ADRのメタデータ値を表示します。ADRは、リポジトリ内のメタデータをリポジトリ内のコントロール間の関係として保持します。SHOW CONTROL
を使用して、自動時間ベースのADRパージの現在の設定を確認します。
構文および説明
SHOW CONTROL
SHOW CONTROLでは、次のパージ・ポリシー属性などが示されます。
属性名 | 説明 |
---|---|
|
存続期間の短いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト: 720 (30日)。 0(ゼロ)を設定すると、存続期間の短い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の短いADRの内容を次に示します。
|
|
存続期間の長いADRの内容が削除可能になるまでの時間数。デフォルト値は8760 (365日)です。 0(ゼロ)を設定すると、存続期間の長い内容をすべて削除できます。設定の最大値は、35791394です。35791394を超える値を指定すると、この属性は0(ゼロ)に設定されます。 存続期間の長いADRの内容を次に示します。
|
|
(オプション)自動ワークロード・リポジトリ(AWR)ホームのサイズ制限を定義します。 Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降のリリースでは、
|
|
PURGE_THRESHOLDを調整すると、ADRホームが頻繁にパージされていない場合でも、ADRデータの量を |
ノート:
SHORTP_POLICY
およびLONGP_POLICY
属性は相互に排他的ではありません。各ポリシーは、異なるタイプの内容を制御します。
例
次の例では、SHOW CONTROLを使用して、CDB1のADRホームのパージ・ポリシー設定を表示します。関連する値はBoldフォントで強調表示されます。SHOW CONTROL出力の形式は、この例では少し変更されています。次の点に注意してください
- SHORTP_POLICYは、ADRが、トレース・ファイルなどの存続期間の短いファイルを30日(720時間)後に自動的にパージすることを示します。これはデフォルトの設定です。
- LONGP_POLICYは、ADRが、アラート・ファイルなどの存続期間の長いコンテンツを365日(8760時間)後にパージすることを示します。これはデフォルトの設定です。
- SIZEP_POLICYは、ADRホームの最大サイズ制限が18GB (19,327,352,832バイト)に設定されていることを示します。
- PURGE_THRESHOLDは、しきい値がSIZEP_POLICYの95パーセント(デフォルト)に設定されていることを示します。
ADRID SHORTP_POLICY LONGP_POLICY LAST_MOD_TIME
LAST_AUTOPRG_TIME LAST_MANUPRG_TIME ADRDIR_VERSION ADRSCHM_VERSION ADRSCHMV_SUMMARY
ADRALERT_VERSION CREATE_TIME SIZEP_POLICY PURGE_PERIOD FLAGS PURGE_THRESHOLD
. . .
1481481004 720 8760 2020-03-31...2020-03-31... 1 2 110 1 2020-03-25...
19327352832 0 0 95
-07:00 1 rows fetched
SHOW CONTROL
出力の特定の値はADRの管理には関係ありませんが、Oracleサポートに関係がある可能性があります。個々の結果を問い合せることもできることに注意してください。
adrci> select SHORTP_POLICY,LONGP_POLICY,LAST_AUTOPRG_TIME,LAST_MANUPRG_TIME from ADR_CONTROL;
ADR Home = /home/oracle/diag/rdbms/cdb1/cdb1:
*************************************************************************
SHORTP_POLICY LONGP_POLICY LAST_AUTOPRG_TIME LAST_MANUPRG_TIME
-------------------- -------------------- ---------------------------------------- ----------------------------------------
720 8760 2020-01-03 23:17:09.351760 +00:00
1 rows fetched
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.20 SHOW HM_RUN
ADRCI SHOW HM_RUN
コマンドは、状態モニターの実行に関するすべての情報を表示します。
用途
状態モニターの実行に関するすべての情報を表示します。
構文および説明
show hm_run [-p "predicate_string]
predicate_string
は、選択するフィールド名を指定するSQLに類似した述語です。次の表に、使用可能なフィールド名のリストを示します。
表22-11 状態モニターの実行に使用するフィールド
フィールド | タイプ |
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例
次の例では、すべての状態モニターの実行に関するデータを示します。
show hm_run
次の例では、123のIDを持つ状態モニターの実行に関するデータを示します。
show hm_run -p "run_id=123"
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.21 SHOW HOMEPATH
ADRCI SHOW HOMEPATH
コマンドは、SHOW HOMES
コマンドと同じです。
構文および説明
SHOW HOMEPATH | SHOW HOMES | SHOW HOME
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SHOW HOMEPATH
出力:
ADR Homes: diag/tnslsnr/dbhost1/listener diag/asm/+asm/+ASM diag/rdbms/orcl/orcl diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.22 SHOW HOMES
ADRCI SHOW HOMES
コマンドは、現在のADRCIセッションのADRホームを表示します。
構文および説明
SHOW HOMES | SHOW HOME | SHOW HOMEPATH
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SHOW HOMES
出力:
ADR Homes: diag/tnslsnr/dbhost1/listener diag/asm/+asm/+ASM diag/rdbms/orcl/orcl diag/clients/user_oracle/host_9999999999_11
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.23 SHOW INCDIR
ADRCI SHOW INCDIR
コマンドは、指定したインシデントのトレース・ファイルを表示します。
構文および説明
show incdir [id | id_low id_high]
1つのインシデントID(id
),またはインシデントの範囲(id_low
からid_high
)を指定できます。インシデントIDが指定されていない場合は、すべてのインシデントのトレース・ファイルが表示されます。
例
この例では、すべてのインシデントのすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir
出力:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_ora_23604_i3801.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_m000_23649_i3801_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3802/emdb_ora_23604_i3802.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3803/emdb_ora_23604_i3803.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3804/emdb_ora_23604_i3804.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_ora_23716_i3805.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_m000_23767_i3805_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3806/emdb_ora_23716_i3806.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3633/emdb_pmon_28970_i3633.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3633/emdb_m000_23778_i3633_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_smon_28994_i3713.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_m000_23797_i3713_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3807/emdb_ora_23783_i3807.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3807/emdb_m000_23803_i3807_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3808/emdb_ora_23783_i3808.trc
この例では、インシデント3713のすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir 3713
出力:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_smon_28994_i3713.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3713/emdb_m000_23797_i3713_a.trc
次の例では、3801から3804の間のインシデントのすべてのトレース・ファイルを表示します。
show incdir 3801 3804
出力:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_ora_23604_i3801.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3801/emdb_m000_23649_i3801_a.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3802/emdb_ora_23604_i3802.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3803/emdb_ora_23604_i3803.trc diag/rdbms/emdb/emdb/incident/incdir_3804/emdb_ora_23604_i3804.trc
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.24 SHOW INCIDENT
ADRCI SHOW INCIDENT
コマンドは、現在のADRホームに関連付けられているインシデントをすべてリストします。未解決のインシデントとクローズしたインシデントの両方を含めます。
構文および説明
show incident [-p "predicate_string"] [-mode {BASIC|BRIEF|DETAIL}] [-orderby field1, field2, ... [ASC|DSC]]
表22-12 SHOW INCIDENTコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントのみを示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 述語文字列で使用できるフィールドのリストは、「SHOW INCIDENTのインシデント・フィールド」表を参照してください。 |
|
インシデントの出力モードを選択します。
|
|
結果を指定した順序のフィールドでソートするだけでなく、昇順( |
表22-13 SHOW INCIDENTのインシデント・フィールド
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
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インシデントのID |
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インシデントが属する問題のID |
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インシデントが作成された時間 |
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インシデントがクローズされた時間 |
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このインシデントの状態 |
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内部使用のフラグ |
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インシデントのフラッド制御の状態をエンコード |
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インシデントの原因となったエラーのエラー機能 |
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インシデントの原因となったエラーのエラー番号 |
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インシデントの原因となったエラーに関する最初の引数 エラーの引数では、エラーを発行したコードの位置など、エラーの追加情報が提供されます。 |
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インシデントの原因となったエラーに関する2番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する3番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する4番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する5番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する6番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する7番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する8番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラー信号を出したコンポーネント |
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インシデントの原因となったエラー信号を出したサブコンポーネント |
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|
インシデントの原因の可能性があると自動的に識別されたコンポーネント |
|
|
インシデントの原因の可能性があると自動的に識別されたサブコンポーネント |
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実行コンテキストID |
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インシデントの影響のエンコード化 |
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インシデントの原因となったエラーに関する9番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する10番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する11番目の引数 |
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インシデントの原因となったエラーに関する12番目の引数 |
例
次の例では、このADRホームのすべてのインシデントを示します。
show incident
出力:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* INCIDENT_ID PROBLEM_KEY CREATE_TIME -------------------- -------------------------------------------- ---------------------------- 3808 ORA 603 2010-06-18 21:35:49.322161 -07:00 3807 ORA 600 [4137] 2010-06-18 21:35:47.862114 -07:00 3806 ORA 603 2010-06-18 21:35:26.666485 -07:00 3805 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 3804 ORA 1578 2010-06-18 21:35:08.483156 -07:00 3713 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:44.754442 -07:00 3633 ORA 600 [4136] 2010-06-18 21:35:35.776151 -07:00 7 rows fetched
次の例では、インシデント3805の詳細を示します。
adrci> show incident -mode DETAIL -p "incident_id=3805"
出力:
ADR Home = /u01/app/oracle/log/diag/rdbms/emdb/emdb: ************************************************************************* ********************************************************** INCIDENT INFO RECORD 1 ********************************************************** INCIDENT_ID 3805 STATUS closed CREATE_TIME 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 PROBLEM_ID 2 CLOSE_TIME 2010-06-18 22:26:54.143537 -07:00 FLOOD_CONTROLLED none ERROR_FACILITY ORA ERROR_NUMBER 600 ERROR_ARG1 4136 ERROR_ARG2 2 ERROR_ARG3 18.0.628 ERROR_ARG4 <NULL> ERROR_ARG5 <NULL> ERROR_ARG6 <NULL> ERROR_ARG7 <NULL> ERROR_ARG8 <NULL> SIGNALLING_COMPONENT <NULL> SIGNALLING_SUBCOMPONENT <NULL> SUSPECT_COMPONENT <NULL> SUSPECT_SUBCOMPONENT <NULL> ECID <NULL> IMPACTS 0 PROBLEM_KEY ORA 600 [4136] FIRST_INCIDENT 3805 FIRSTINC_TIME 2010-06-18 21:35:25.012579 -07:00 LAST_INCIDENT 3713 LASTINC_TIME 2010-06-18 21:35:44.754442 -07:00 IMPACT1 0 IMPACT2 0 IMPACT3 0 IMPACT4 0 KEY_NAME Client ProcId KEY_VALUE oracle@dbhost1 (TNS V1-V3).23716_3083142848 KEY_NAME SID KEY_VALUE 127.52237 KEY_NAME ProcId KEY_VALUE 23.90 KEY_NAME PQ KEY_VALUE (0, 1182227717) OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_ora_23716_i3805.trc OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/trace/emdb_ora_23716.trc OWNER_ID 1 INCIDENT_FILE /.../emdb/emdb/incident/incdir_3805/emdb_m000_23767_i3805_a.trc 1 rows fetched
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.25 SHOW LOG
ADRCI SHOW LOG
コマンドは、診断ログ・メッセージを表示します。
構文および説明
SHOW LOG [-l log_name] [-p "predicate_string"] [-term] [ [-tail [num] [-f]] ]
次の表に、SHOW
LOG
のフラグを示します。
表22-14 SHOW LOGコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
表示するログの名前。 ログ名を指定しない場合、このコマンドによって、カレントADRホーム以下のすべての診断ログに含まれるすべてのメッセージが表示されます。 |
|
SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるログのエントリのみを表示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表「SHOW LOGのログ・フィールド」に、述語文字列で使用できるフィールドを示します。 |
|
結果を端末に送信します。 このオプションを指定しない場合、このコマンドによってエディタに結果が表示されます。デフォルトでは、結果は |
|
ログの最新のエントリを表示します。
|
表22-15 SHOW LOGのログ・フィールド
フィールド | タイプ |
---|---|
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親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.26 SHOW PROBLEM
ADRCI SHOW PROBLEM
コマンドは、現在のADRホームの問題情報を表示します。
構文および説明
show problem [-p "predicate_string"] [-last num | -all] [-orderby field1, field2, ... [ASC|DSC]]
次の表に、SHOW
PROBLEM
のフラグを示します。
表22-16 SHOW PROBLEMコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
SQLに類似した述語文字列を使用して、述語がtrueであるインシデントのみを示します。述語文字列は、二重引用符で囲む必要があります。 表「SHOW PROBLEMの問題フィールド」に、述語文字列で使用できるフィールドを示します。 |
|
最新の |
|
結果を指定した順序のフィールド( |
表22-17 SHOW PROBLEMの問題フィールド
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
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問題のID |
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|
問題の問題キー |
|
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問題の最初のインシデントのインシデントID |
|
|
問題の最初のインシデントの作成時間 |
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問題の最後のインシデントのインシデントID |
|
|
問題の最後のインシデントの作成時間 |
|
|
この問題の影響のエンコード化 |
|
|
この問題の影響のエンコード化 |
|
|
この問題の影響のエンコード化 |
|
|
この問題の影響のエンコード化 |
|
|
問題のサービス・リクエスト(サポート・ワークベンチで入力) |
|
|
問題のバグ番号(サポート・ワークベンチで入力) |
例
次の例では、カレントADRホームのすべての問題を表示します。
show problem -all
次の例では、IDが4の問題を示します。
show problem -p "problem_id=4"
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.27 SHOW REPORT
ADRCI SET EDITOR
コマンドは、指定したレポート・タイプおよび実行名のレポートを表示します。
用途
現在は、hm_run
(状態モニター)レポート・タイプのみが、XML形式のみでサポートされています。HTML形式の状態モニター・レポートを表示するには、Oracle Enterprise ManagerまたはDBMS_HM
PL/SQLパッケージを使用します。
詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。
構文および説明
SHOW REPORT report_type run_name
report_type
はhm_run
である必要があります。run_name
は、レポートの作成元となる状態モニターの実行名です。CREATE REPORT
コマンドを使用して、最初にレポートを作成する必要があります。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SHOW REPORT hm_run hm_run_1421
関連トピック
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.28 SHOW TRACEFILE
ADRCI SHOW TRACEFILE
コマンドは、トレース・ファイルをリストします。
構文および説明
show tracefile [file1 file2 ...] [-rt | -t] [-i inc1 inc2 ...] [-path path1 path2 ...]
このコマンドは、-i
または-path
フラグが指定されていないかぎり、カレントADRホームのトレース・ディレクトリおよびすべてのインシデント・ディレクトリ下で1つ以上のファイルを検索します。
このコマンドの使用時に-i
オプションを指定しないかぎり、ADRホームを設定しておく必要はありません。
次の表に、SHOW TRACEFILE
の引数を示します。
表22-18 SHOW TRACEFILEコマンドの引数
引数 | 説明 |
---|---|
|
ファイル名で結果をフィルタ処理します。 |
表22-19 SHOW TRACEFILEコマンドのフラグ
フラグ | 説明 |
---|---|
|
トレース・ファイル名をタイムスタンプに従って並べ替えます。 このオプションを使用すると、タイムスタンプが各ファイル名の横に表示されます。 |
|
指定したインシデントIDに対して作成されたトレース・ファイルのみを選択します。 |
|
指定したパス名下のトレース・ファイルのみを問い合せます。 |
例
次の例では、カレントADRホーム下のすべてのトレース・ファイルを示します。
show tracefile
次の例では、すべてのmmon
トレース・ファイルを、タイムスタンプに従って降順で表示します。
show tracefile %mmon% -rt
次の例では、/home/steve/temp
下にある、インシデント1および4に対するすべてのトレース・ファイルを示します。
show tracefile -i 1 4 -path /home/steve/temp
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.9.29 SPOOL
ADRCI SET EDITOR
コマンドは、ADRCI出力をファイルに送ります。
構文および説明
SPOOL filename [[APPEND] | [OFF]]
filename
は、出力先のファイル名です。フルパス名が指定されていない場合、ファイルはカレントADRCI作業ディレクトリに作成されます。ファイル拡張子が指定されていない場合、デフォルトの拡張子.ado
が使用されます。APPEND
を指定すると、出力がファイルの末尾に追加されます。指定されていない場合は、ファイルが上書きされます。スプールをオフにするにはOFF
を使用します。
このコマンドを使用する前に、ADRホームを設定しておく必要はありません。
例
SPOOL myfile
SPOOL myfile.ado APPEND
SPOOL OFF
SPOOL
親トピック: ADRCIコマンド・リファレンス
22.10 ADRCIのトラブルシューティング
トラブルシューティングを支援するため、一般的なADRCIエラー・メッセージの一部と、考えられる原因および処置を確認します。
- ADRベースが設定されていません
- 原因:
ORACLE_HOME
環境変数にNULLまたは無効な変数を指定してADRCIを起動した可能性があります。 - DIA-48323: 指定されたパス名[string]は現行ADRホームの内部に存在する必要があります
-
原因: ADRホームの外のファイルは、このコマンドではインシデント・ファイルとして使用できません。
- DIA-48400: ADRCIの初期化に失敗しました
-
原因: ADRベース・ディレクトリが存在しません。
- DIA-48431: ADRホーム・パスを1つ以上指定する必要があります
-
原因: そのコマンドで、1つ以上のADRホームをカレントにする必要があります。
- DIA-48432: ADRホーム・パス[string]が無効です
-
原因: 指定されたADRホームが有効ではありません。パスが存在していない可能性があります。
- DIA-48447: 入力パス[path]にADRホームが含まれていません
-
原因:
SET
HOMEPATH
を使用してADRホームを設定する場合、カレントADRベースに対して相対的なパスを指定する必要があります。 - DIA-48448: このコマンドは、複数のADRホームをサポートしていません
-
原因: カレントADRCIセッションに複数のカレントADRホームが存在します。
親トピック: ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ