複数のOracle Databaseリリースの実行について

複数のOracle Databaseリリースを同時に実行するには、Optimal Flexible Architecture (OFA)標準に従います。

Optimal Flexible Architectureを使用したOracleソフトウェアの編成

Optimal Flexible Architecture構成ガイドラインを使用して、Oracleソフトウェア・バイナリを編成します。

Optimal Flexible Architecture (OFA)は、効率的で信頼できるOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのデプロイメントのための構成ガイドラインのセットです。Oracle DatabaseインストールのOFAアーキテクチャ標準に準拠するようにすべてのOracleソフトウェア・インストールをデプロイすることをお薦めします。OFA標準に準拠することで、インストール環境の管理が簡単になり、Oracleサポートからの迅速な支援を容易に受けることができます。

OFAには、次のメリットがあります。

  • ディスク上の大量の複雑なソフトウェアおよびデータを構成し、デバイスのボトルネックやパフォーマンスの低下を避けることができる

  • ソフトウェアやデータのバックアップ機能など、データ破損の危険性のある日常業務を簡単にする。

  • 複数のOracle Databaseの管理を簡略化する

  • データ・ディクショナリにおける空き領域の断片化を排除し、その他の断片化を特定し、リソース競合を最小限に抑える

  • 効果的なエンタープライズ・データ管理計画をデプロイするためにデータベース管理者を支援する

現在、OFA規格を使用していない場合、OFA規格への切替えには、ディレクトリ構造の修正とデータベース・ファイルの再配置が伴います。

OFAの詳細は、お使いのオペレーティング・システム個別のOracleのドキュメントを参照してください。制御ファイルと一時ファイルの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Databaseクライアントの各リリースとOracle Databaseとの相互運用性

Oracle DatabaseクライアントのどのバージョンがどのOracle Databaseリリースとの連携のためにサポートされているかを確認し把握してください。

Oracle Databaseの各リリースでのクライアントのサポートについては、様々なOracleバージョンのクライアント/サーバー相互運用性サポート・マトリックス(ドキュメントID 207303.1)を参照してください。

Optimal Flexible Architecture標準について

Oracle Optimal Flexible Architecture (OFA)ルールは、異なるユーザーが所有する異なるバージョンの複数のデータベースが共存できるように、データベース・ソフトウェアを編成してデータベースを構成する際に役立ちます。

以前のOracle Databaseリリースでは、OFAルールは、断片化を分離して競合を最小限に抑えることで、最適なシステム・パフォーマンスを実現していました。現行のリリースでは、OFAルールは、一貫性のあるデータベースの管理およびサポートを実現し、データベースの拡張または追加(あるいは他のハードウェアの追加)を簡略化します。

デフォルトで、Oracle Universal Installerによって、OFAルールに準拠する権限付きでOracle Databaseコンポーネントがディレクトリの場所に配置されます。OFAのガイドラインに従ってすべてのOracleコンポーネントを構成することをお薦めします。

OFAのデフォルトを受け入れることをお薦めします。データベースが大規模な場合や、複数データベースの使用を計画している場合は特に、OFAルールに従うことは有用です。

ノート:

OFAにより、インシデントを適切に収集するための自動診断リポジトリ(ADR)の診断データが含まれるORACLE_BASEの識別が支援されます。

複数のOracleホームのサポートについて

Oracle Databaseは、複数のOracleホームをサポートします。このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。

マウント・ポイント名を慎重に選択することで、Oracleソフトウェアの管理が簡単になります。Optimal Flexible Architecture (OFA)ルールに従って複数のOracleホームを構成することには、次のメリットがあります。
  • このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。ただし、Oracle Databaseのあるリリースの製品を別のリリースのOracleホーム・ディレクトリにはインストールできません。

  • 所有するユーザーおよびバージョンの異なる複数のデータベースの共存。

  • 複数のOracleホームにOracle Databaseソフトウェアをインストールするには、各Oracleホーム内のイメージ・ファイルを抽出し、各Oracleホームから設定ウィザードを実行する必要があります。

  • 新しいOracle Databaseリリースは、以前のリリースのOracle Databaseとは異なる新しいOracleホームにインストールする必要があります。

    1つのOracleホームに複数のリリースをインストールすることはできません。Optimal Flexible Architecture (OFA)のガイドラインに従って、リリースごとに異なるOracle DatabaseのOracleホームを作成することをお薦めします。

  • 本番では、Oracle Databaseサーバー・ソフトウェアのリリースは、メジャーおよびRUリリース番号の形式のリリース番号です。たとえば、リリース番号が21.3.0.0.0の場合、メジャー・リリースは21、RUリリース番号は3です。

  • より新しいOracle Databaseリリースは、より古いOracle Databaseリリースにアクセスできます。ただし、このアクセスは、アップグレード専用です。たとえば、Oracle Database 23cは、21cデータベースがアップグレード・モードで起動された場合にOracle Database 21cにアクセスできます。

  • 構造化されたディレクトリおよびファイルの配置、一貫性のあるデータベース・ファイルのネーミングによるデータベース管理の簡略化。

  • データベース管理者がOracleホーム・ディレクトリを追加、移動または削除する際にログイン・ホーム・ディレクトリに危険が及ばない。

  • リリース・サポートのタイムラインの詳細は、My Oracle SupportのドキュメントID 742060.1を参照してください。