4 Oracle Formsのアップグレード
- まず、『Oracle Formsのインストール』の12.2.1.4バージョンのアップグレード手順に従って、12.2.1.4にアップグレードします。次に、この項に示されたステップに従って、12.2.1.19にアップグレードします。
- 12.2.1.19のインストールを新規に実行し、必要に応じて新しい環境を手動で構成します。
ノート:
Oracle Reportsはこのリリースに含まれていますが、非推奨になりました。Oracle Reports固有のアップグレード情報については、12.2.1.3.0ドキュメント・ライブラリを参照してください。次のトピックで構成されています:
Oracle Formsのアップグレードの計画
バージョン12.2.1.19.0へのアップグレードは、開始バージョンが12.2.1.3または12.2.1.4の場合のみサポートされています。
続行する前に、まず既存のインストールのバックアップを作成することをお薦めします。
アップグレードを計画するときは、ソフトウェアのインストール先を決定する必要があります。2つのオプションがあります。ソフトウェアを、以前のバージョンがインストールされていたのと同じOracleホーム・ディレクトリにインストールできます。これはインプレース・アップグレードと呼ばれます。
あるいは、新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールすることもできます。これはアウトオブプレース・アップグレードと呼ばれます。
インプレース・アップグレードのほうが簡単です: 既存のOracle Homeディレクトリの名前を変更し、以前に使用したディレクトリ・パスにソフトウェアをインストールしてから、バックアップ・ディレクトリから必要なファイルをコピーするだけです。このアップグレードは、ノードを1つずつ停止してアップグレードできるため、停止時間が最小限またはゼロに抑えられ、特にマルチノード環境で役立ちます。
アウトオブプレース・アップグレードは、Oracle Formsを新しいディレクトリにインストールする場合に使用します。このオプションでは、フレッシュ・インストールとしてソフトウェアをインストールしてから、WLS再構成ウィザードおよびアップグレード・アシスタントを使用してアップグレードを完了します。
どちらの場合も、この章で説明するように、アップグレード後に該当する構成ステップを完了する必要があります。
完了する必要があるステップは、実行しているアップグレードのタイプおよび開始バージョンによって異なります。次の各項を十分に確認して、現在の環境に必要な手順を判断してください。
現在のバージョンが12.2.1.3より前の場合は、まず12.2.1.4にアップグレードしてから先に進む必要があります。バージョン12.2.1.4へのアップグレード方法の詳細は、『Oracle Formsのインストール』のバージョン12.2.1.4を参照してください。
稼働中の12.2.1.4環境があると思われる場合は、このドキュメントに戻って続行してください。
アップグレード前の準備状況チェックの実行
アップグレードに関連する潜在的な問題を特定するために、アップグレード・アシスタントを使用して準備状況チェックを実行してからアップグレード・プロセスを開始することをお薦めします。
アップグレード・アシスタントをreadiness
モードで実行すると、ドメインに関連付けられたスキーマおよびコンポーネント構成に対してアップグレード前のチェックが実行されます。完了すると、準備状況チェックによって、フォーマットされ、タイムスタンプの付けられた準備状況レポートが生成されるため、実際のアップグレードを試みる前に潜在的な問題に対処できます。
アップグレードを実行する前に、このレポートを詳細に確認することをお薦めします。
問題が検出されない場合は、アップグレード・プロセスを開始できます。
ノート:
準備状況チェックでは、アップグレードの潜在的な問題をすべて発見できるわけではないことに注意してください。準備状況チェック・レポートが成功しても、アップグレードが失敗する場合があります。Oracle Formsテンプレート・ファイルのコピーの作成
最新の12cリリースへのアップグレードを開始する前に、既存のFormsテンプレート・ファイルのコピーを作成することをお薦めします。
これには、ディレクトリDOMAIN_HOME\user_projects\domains\base_domain\config\fmwconfig\components\FORMS\instances\<INSTANCE NAME>\server
のすべてのファイルが含まれます。以前の12cリリースから最新のリリースにアップグレードする場合、ファイルは前の行で述べたディレクトリと同じディレクトリ内に置かれます。
テンプレート・ファイルのコピーは、テンプレート・ファイルの新しい形式にユーザー固有のカスタマイズをリストアするのに役立ちます。
アップグレード・プロセスの完了後、前のバージョンで作成されたユーザー固有のカスタマイズを手動で新しいFormsテンプレート・ファイルにコピーまたはマージする必要があります。
Oracle Forms 12.2.1.19.0へのアップグレード
Oracle Forms 12.2.1.19.0にアップグレードするには、ソフトウェアを同じOracleホーム・ディレクトリにインストールするか、新しく作成したOracleホーム・ディレクトリにインストールします。アップグレード後、該当する構成ステップを完了します。
既存のOracleホーム・ディレクトリを使用する場合は、インプレース・アップグレードの手順に従います。この場合は、既存のディレクトリをバックアップし、ソフトウェアを既存のディレクトリにインストールしてから、バックアップ・ディレクトリから必要なファイルをコピーします。「インプレース・アップグレードの実行」を参照してください。
このアップグレードは、ノードを1つずつ停止してアップグレードできるため、停止時間が最小限またはゼロに抑えられ、特にマルチノード環境で役立ちます。
このインストールで新しいディレクトリを作成する場合は、かわりにアウトオブプレースの手順に従ってください。この場合は、フレッシュ・インストールとしてソフトウェアをインストールしてから、WLS再構成ウィザードおよびアップグレード・アシスタントを使用してアップグレードを完了します。「アウトオブプレース・アップグレードの実行」を参照してください。
どのアップグレード・パスを選択するかに関係なく、既存のWLSドメインがForms Application Deployment Services (FADS)を使用するように以前に構成されていた場合は、Oracleホーム・ディレクトリにあるOracle SQL Developerのバージョンを21.4.3にアップグレードする必要があります。
Oracle SQL Developer 21.4.3のダウンロード・ページから、このバージョンのOracle SQL Developerをダウンロードします。この表の「その他のプラットフォーム」のリンクを使用します。
警告:
Oracle SQL Developerを21.4.3より新しいバージョンにアップグレードしないでください。Oracle Fusion Middleware Infrastructure、Oracle FormsおよびOracle Reportsソフトウェアを入手するには、「Oracle Fusion Middlewareソフトウェアの入手」を参照してください。
12.2.1.19のインストールが終了したら、いくつかの追加タスクを実行してアップグレードを完了する必要があります。「アップグレードの完了」を参照してください。
この項は次の項目で構成されています。
インプレース・アップグレードの実行
インプレース・アップグレードを実行するには、既存のOracleホーム・ディレクトリをバックアップし、必要なソフトウェアの最新バージョンを既存のディレクトリにインストールしてから、バックアップ・ディレクトリから必要なファイルをコピーします。
インプレース・アップグレードでは、12.2.1.19.0ソフトウェアを、12.2.1.4.0または12.2.1.3.0で以前に使用されていたのと同じOracleホーム・パスにインストールします。マルチノード・ロード・バランシングのFormsデプロイメントには、このアップグレードをお薦めします。
この手順では、2ノード環境を例として使用します: "node1"という名前のプライマリ・ノードに、管理サーバー、Forms (管理対象サーバーWLS_FORMSとシステム・コンポーネントforms1)およびOracle HTTP Server (OHS)があり、"node2"という名前のセカンダリ・ノードにFormsインスタンス(管理対象サーバーWLS_FORMSとシステム・コンポーネントforms1)があります。
単一ノード構成の場合、ステップ1から8を実行します。追加のノードごとに、ステップ9から12を実行します。
インプレース・アップグレードを実行するには:
アウトオブプレース・アップグレードの実行
アウトオブプレース・アップグレードを実行するには、フレッシュ・インストールとしてソフトウェアをインストールしてから、WLS再構成ウィザードおよびアップグレード・アシスタントを使用してアップグレードを完了します。
アウトオブプレース・アップグレードでは、12.2.1.4.0または12.2.1.3.0インストールで使用されていたOracleホーム・ディレクトリではなく、新しいOracleホーム・ディレクトリに12.2.1.19.0ソフトウェアをインストールします。
新しいOracleホームへのソフトウェアのインストール
Oracle Fusion Middleware Infrastructure 12.2.1.4およびForms 12.2.1.19ソフトウェアを新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールします。
ソフトウェアをインストールしたら、追加のステップをスキップしてここに戻り、既存のWLSドメインを更新します。新しいリポジトリ・スキーマを作成しないでください。また、構成ウィザードを実行しないでください。
ソフトウェアをインストールするステップは、「Oracle Formsのインストールおよび構成」の章の「新規OracleホームへのOracle Formsのインストール」以降を参照してください。
アップグレード・アシスタントの実行によるコンポーネント構成のアップグレード
コンポーネント構成をアップグレードするには、12.2.1.19.0のアップグレード・アシスタントを使用して一連のステップを完了します。
コンポーネント構成をアップグレードするには:
アップグレード後のOracle Formsの起動
Oracle Fusion Middleware InfrastructureおよびOracle Formsソフトウェアをインストールし、WLS再構成ウィザードとアップグレード・アシスタントの両方を実行した後で、Oracle Formsを起動する必要があります。
アップグレードの完了
Oracle Formsを12.2.1.19.0にアップグレードした後は、構成に応じてこれらの追加ステップを実行する必要がある場合があります。
Forms Application Services (FADS)構成
12.2.1.4.0または12.2.1.3.0ドメインでForms Application Services (FADS)が構成されていた場合は、アップグレード・オプションを指定してFADS構成スクリプト(fads_config.py
)を実行する必要があります:
- 次のコマンドを実行します: ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh fads_config.py upgrade
- プロンプトを完了します。
useridの暗号化
12.2.1.3.0からアップグレードする場合は、userid
パラメータの暗号化を有効にして、Formsアプリケーションのキーストアへのアクセス権を付与します。
ノート:
12.2.1.4.0からアップグレードする場合、これらのステップは必要ありません。userid
パラメータの暗号化を有効にするには:
- (アウトオブプレース・アップグレードのみ)管理サーバーおよびForms管理対象サーバーで、
forms.userid.encryption.enabled
サーバー・パラメータをtrue
に設定します。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のドメイン全体のサーバー・パラメータのカスタマイズに関する項を参照してください。
次に、
forms.userid.encryption.enabled
パラメータが有効になっているsetUserOverridesLate.sh
ファイル(Windowsの場合はsetUserOverridesLate.cmd
を使用)のサンプルを示します。echo "" echo "*****************************************************" echo "** Executing setUserOverridesLate.sh" echo "*****************************************************" # specify additional java command line options for all servers EXTRA_JAVA_PROPERTIES="${EXTRA_JAVA_PROPERTIES} -Dforms.userid.encryption.enabled=true" export EXTRA_JAVA_PROPERTIES echo "USER_MEM_ARGS=\"${USER_MEM_ARGS}\"" echo "EXTRA_JAVA_PROPERTIES=\"${EXTRA_JAVA_PROPERTIES}\"" echo "" echo "*****************************************************" echo "** End of setUserOverrideLate.sh" echo "*****************************************************" echo ""
- WLST (オンライン・モード)を使用して次のコマンドを実行し、FormsアプリケーションのキーストアにアクセスするためのFormsアプリケーションまたはMBeanへの権限を付与します。
grantPermission(codeBaseURL="file:${common.components.home}/../forms/provision/forms-config-mbeans.jar", permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission",permTarget="stripeName=formsapp, keystoreName=formsks,alias=*", permActions="*") grantPermission(codeBaseURL="file:${domain.home}/servers/${weblogic.Name}/tmp/_WL_user/formsapp_12.2.1/-", permClass="oracle.security.jps.service.keystore.KeyStoreAccessPermission", permTarget="stripeName=formsapp, keystoreName=formsks,alias=*",permActions="*")
- ノード・マネージャ、管理サーバーおよびForms管理対象サーバーを再起動します。
Oracle Formsをアップグレードした後のアップグレード後のステップ
アップグレード・アシスタントを使用してOracle Formsをアップグレードした後で、いくつかのアップグレード後のタスクを実行する必要があります。
次のタスクを実行します:
- Oracle Forms Services 12.2.1.19.0で実行するFormsアプリケーション・ファイル(
fmx
、mmx
およびplx
)を再生成します。 - コンテキスト・ルートまたはFormsのサーブレットの別名をオーバーライドするために、Oracle Forms Services J2EEカスタム・アプリケーションの
ear
ファイル(formsapp.ear
)をデプロイする場合は、12.2.1.19.0 Oracle WebLogic Serverドメインで同様のステップを実行する必要があります。「Forms Java EEアプリケーションのカスタム・デプロイメント」を参照してください。詳細は、『Oracle Formsの操作』ガイドのOracle Forms構成ヘルパー・スクリプトに関する項を参照してください。 - 必要に応じて、指定したシェル・スクリプトに対して行ったカスタマイズを新しい環境に手動でコピーします。
- 古いOracleホームに格納されているカスタム・ファイルはすべて、新しいインストールの対応するディレクトリにコピーしてください。
ノート:
新しいサーバーがファイルの存在を認識できるように、サーバーを停止してから古いファイルを新しいディレクトリにコピーする必要がある場合があります。