2 このリリースでの新機能

Oracle Formsの機能、拡張機能および変更について理解します

次の項では、Oracle Forms and Reportsの新機能および変更された機能を紹介し、追加情報の参照先を示します:

新機能

この項では、このリリースで導入される新機能および変更された機能、拡張された機能および既存機能に対する変更を示します。

Oracle Formsスタンドアロン・ランチャの改善

このリリースでは、Oracle Formsスタンドアロン・ランチャ(FSAL)が次のように改善されています。

SSL/TLS証明書インポータ

新しいForms証明書インポータによって、証明書のインポート・プロセスが自動化されます。サーバー証明書をユーザーのJavaキーストアに手動でインポートすると、問題が頻繁に発生し、管理者の介入が必要となることがよくありました。

このURLで、完全なFormsインストールに含まれている、提供されたHTMLページを参照してください:

http://<SERVER>:<FORMS PORT>/forms/html/fsal.htm

必要なJavaバージョンの指定

新しいForms Web構成パラメータfsalJavaVersionを使用すると、管理者はユーザー層で使用されるJavaバージョンを強制できます。『Oracle Formsの操作』Web構成パラメータに関する項を参照してください。

ユーザー言語の自動検出

ユーザーの言語設定に基づいた固有の構成設定がサポートされるようになりました。使用方法の詳細は、『Oracle Formsの操作』言語検出の有効化に関する項を参照してください。

拡張されたshowDetailsコマンドライン引数

最新のFSAL showDetailsパラメータは、アプリケーション実行時の問題のトラブルシューティングに役立ちます。このURLで、完全なFormsインストールに含まれている、提供されたHTMLページを参照してください:

http://<SERVER>:<FORMS PORT>/forms/html/fsal.htm

JARが見つからない場合にアプリケーションの実行を許可

新しいForms Web構成パラメータignoreMissingSaaArchivesを使用すると、オプションのリソースが見つからない場合にアプリケーションを実行できます。

他のクライアント構成で実行する場合とは異なり、FSALは、リソース(icons.jarファイルなど)が見つからない場合、起動中に処理を終了します。この動作では、トラブルシューティングを試みるときや、テストの実行時にコンテンツが適切でない場合には満足できない可能性があります。

テスト中または開発中にアプリケーションを続行できるようにするには、ignoreMissingSaaArchivesを設定します。『Oracle Formsの操作』Web構成パラメータに関する項を参照してください。

カスタム・プロトコル・ハンドラを使用したWebページからのFSALの起動

カスタム・プロトコルfsal (非SSL/TLSリクエストの場合)およびfsals (SSL/TLSリクエストの場合)を使用するためのサポートが追加されました。WebページからFormsアプリケーションを起動できます。

Forms変換ツール

このリリースには、Forms変換ツールのための次の新機能が含まれています。

Forms XLIFF抽出およびマージ変換ツール

新しいForms XLIFF抽出およびマージ変換ツールを使用すると、アプリケーションをすばやく簡単に他の言語に翻訳できます。このツールでは、ローカライゼーション・データ(翻訳)の格納に使用される業界標準のXMLファイル形式であるXLIFFが使用されます。ツールの出力は、任意のプレーン・テキスト・エディタまたはサード・パーティのXLIFF 1.0互換エディタで編集できます。

このツールでは、Formsのfmbmmbおよびolbファイルがサポートされています。

Forms Builderの拡張機能

PLSQLコード・エディタのエラーをクリップボードにコピー

このリリースには、Forms Builderに対する次の機能強化が含まれています。

Forms PLSQLコード・エディタに表示されたエラーは、マウスを使用してシステム・クリップボードにコピーできます。

FSALでのファイルへのロギング

新しいビルダー環境変数FORMS_BUILDER_FSAL_LOGGINGを使用すると、FSALを有効にしてOneButtonRunオプションを使用してビルダーからモジュールを実行するときに、実行時情報をログ・ファイルに出力できます。このログ・ファイルは、アプリケーションのステータスの確認や設計時の問題のトラブルシューティングに使用できます。

Formsランタイムの拡張機能

このリリースには、Formsランタイムに対する次の機能強化が含まれています。

新しいアプレット・パラメータ

新しいアプレット・パラメータclientDPIRatioを使用すると、管理者は表示サイズを基準にしてclientDPIパラメータを動的に設定できます。clientDPIRatioパラメータを使用すると、ユーザーはより大きな表示画面を使用できます。これは、モニターの解像度が高いためにアプリケーション・オブジェクトが非常に小さくなり、見にくくなるような場合に役立ちます。

WebUtilでのCLIENT_HOSTのロギングの機能強化

Formsで使用される基礎となるJavaレイヤーには、外部プロセスに送信されるコールの処理方法に関連する厳密な構文要件があります。この構文では、Formsがリクエストを個々の要素に分割する必要があります。Formsはエスケープを使用して、コマンドを配列要素に分割する位置を決定します。特殊文字、スペースおよびその他の文字の組合せは、正しくエスケープしてからでないと処理できません。そのため、WebUtil CLIENT_HOST関数またはWEBUTIL_HOST関数を使用するコールを適切に書式設定することが困難になる場合があります。

このようなコールに関する問題の診断を容易にするために、このようなコールに関する詳細がより多く表示されるようにWebUtilの「詳細」ロギング・レベルが拡張されました。つまり、コールが個々のコンポーネントに分割されて、配列として格納されます。最初の配列エントリはコマンドで、2番目のエントリはそのコマンドの引数です(指定されている場合)。

それ以降の配列エントリは、文字列値の形式になります。各文字列は完全である必要があります。つまり、たとえば、1つのディレクトリ・パスを複数の配列セルには分割できないということです。

出力の例:

WUH[HostCommand.execute()] cmd /c "dir C:\ > \"C:\tmp\my directory\dir.txt\"" 
WUH[HostCommand.execute() command array[0]] cmd 
WUH[HostCommand.execute() command array[1]] /c 
WUH[HostCommand.execute() command array[2]] "dir C:\ > "C:\tmp\my directory\dir.txt""

データベース・クライアント・ソフトウェアの更新

FormsおよびReportsとともにインストールされたデータベース・クライアント・ソフトウェアをバージョン19.14に更新。したがって、古いバージョンで以前に生成されたアプリケーション・モジュールは、この環境で実行するために再生成する必要があります。