9 データ保存再プロビジョニングを使用したOracle Database Applianceのアップグレード
中間リリースにアップグレードせずに、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースにOracle Database Applianceソフトウェアを直接アップグレードする方法を理解します。
- データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードについて
中間リリースにアップグレードせずに、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースにアプライアンスをアップグレードする方法を理解します。 - ステップ1: データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードのためのノードのデタッチ
Oracle Database Applianceノードは、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのアップグレードのステップ1でデタッチされます。 - ステップ2: データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードのためのノードの再イメージ化
Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのOracle Database Applianceのアップグレードのステップ2です。 - ステップ3: データ保存再プロビジョニング方法を使用したノードのプロビジョニング
Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのOracle Database Applianceのアップグレードのステップ3です。
データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードについて
中間リリースにアップグレードせずに、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースにアプライアンスをアップグレードする方法を理解します。
Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8からアップグレードする場合、最終的にアプライアンスにパッチを適用して最新リリースにできるように、中間リリースにアップグレードする必要があります。このプロセスにはアップグレード・パスに多くのステップが含まれるので、パッチ適用期間とアプリケーションの停止時間が長くなる可能性があります。データ保存再プロビジョニングを使用すると、アプライアンスを最新リリースに直接アップグレードできます。
データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードについて
データ保存再プロビジョニングを使用すると、アプライアンスのストレージおよびデータベースを変更せずに、すでにデプロイされているOracle Database Applianceシステムを再プロビジョニングできます。通常のアップグレード・プロセスと比べてこの方法が優れている点は、アップグレード・パスが非常に短いことです。これは、ソース・システムの情報を保存し、サーバー・データ・アーカイブ・ファイルとして取得することで実現します。その結果、アプライアンスはOracle Database Applianceリリース19.19以降などの目的のバージョンに再イメージ化され、保存されたメタデータを使用してシステムが直接再プロビジョニングされ、すべてのデータベースが復元されます。
- アップグレード・ユーティリティにより、非アクティブになっているデータベースの検出などの事前チェックがシステムに対して実行され、アプライアンスをアップグレードする前に警告が表示されます。このような障害に事前に積極的に対処できるので、アプライアンスの再プロビジョニング時に問題が発生することはありません。
- ノードをデタッチする最初のステップでは、VLAN、CPUおよびOracle AFD設定に関する情報など、システムに関する情報が収集および保存されます。これらの設定は再イメージ化の後で移行され、このプロセスの3つ目のステップでこれらの設定が再プロビジョニングされます。
- デプロイメントは、最初はOracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4または18.xです。ただし、再プロビジョニング・プロセスの後、ソフトウェアがOracle Database Applianceリリース19.19にアップグレードされ、デプロイメントが、必要に応じて新しい機能を使用して、自動的に開始されます。たとえば、データベース・ソフトウェアはOracle ACFSベースのストレージにインストールされます。
- 中間リリースにアップグレードせずに、アプライアンスを最新のOracle Database Applianceリリースに直接アップグレードできます。
アップグレード・プロセスのためのデータ保存再プロビジョニングのステップ
- Oracle Database Applianceアップグレード・ユーティリティを使用したアプライアンスのソース・バージョンからのノードのデタッチ: このステップでは、データベース、リスナー、ネットワークおよびその他の構成の詳細に関するメタデータをアーカイブ・ファイル(サーバー・データ・アーカイブ・ファイル)に保存します。次に、システムで実行されているサービスが停止およびアンインストールされ、ステップ2で再イメージ化するための環境を準備します。
サーバー・データ・アーカイブ・ファイルは、ノードが正常にデタッチされた後に生成されます。アップグレードするアプライアンス以外の場所にサーバー・データ・アーカイブ・ファイルを保存し、これらのファイルをアプライアンスにコピーして、ステップ3でシステムをリストアする必要があります。
- Oracle Database Appliance ISOイメージを使用したノードの再イメージ化: この手順は、アプライアンスのプロビジョニングに似ています。このステップでは、アップグレード先のOracle Database Applianceリリースでオペレーティング・システムおよびDCSソフトウェアを設定します。
- データ保存再プロビジョニング方法を使用したノードのプロビジョニング: このステップでは、ネットワーク、オペレーティング・システムのユーザーおよびグループを再構成し、Oracle Grid Infrastructureをインストールして、ライセンス供与されたCPUコアを構成します。その後、このステップでは、ステップ1でデタッチする前と同じ状態にデータベースを再プロビジョニングします。データベースは再起動され、Oracle Grid Infrastructureクラスタに追加されます。
各ステップの手順は、この章の後続のトピックで詳しく説明します。
アプライアンスへのカスタマイズとアップグレード後の永続性
- カスタムRPM: アプライアンスにOracle Linux Yumリポジトリからカスタム・オペレーティング・システムがインストールされている場合、事前チェック・レポートにはこれらのカスタムRPMがリストされます。これらのRPMをアンインストールしてから、アップグレード・プロセスの次のステップに進む必要があります。アップグレード後に、必要に応じてこれらのカスタムRPMを再インストールできます。
- STIGおよびCISスクリプトによって適用される修正: システムはアップグレードの進行中に再イメージ化されるため、セキュリティ技術導入ガイド(STIG)およびCenter for Internet Security (CIS)ベンチマークに準拠するようにアプライアンスに適用された修正は失われます。最新のISOイメージで再イメージ化すると、オペレーティング・システムはOracle Linux 7にアップグレードされます。その場合、STIGおよびCISスクリプトを再実行する必要があります。
- Oracle ASR: Oracle ASRは、再プロビジョニング・プロセス中にリストアされません。再プロビジョニング・プロセス後に、コマンド
odacli configure-asr
を使用して、最新のRPMでOracle ASRを手動で構成できます。
ステップ1: データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードのためのノードのデタッチ
Oracle Database Applianceノードは、Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのアップグレードのステップ1でデタッチされます。
重要:
このトピックのコマンドは、説明どおりの順序で実行してください。重要:
このプロセスを開始する前に、必ずデータベースのバックアップを作成してください。このプロセス中にノードは再イメージ化されるため、必ずバックアップをアプライアンス外の場所に格納します。警告:
odaupgradeutil detach-node
コマンドの実行前または実行後にcleanup.plを実行しないでください。cleanup.plを実行すると、ストレージ上のすべてのOracle ASMディスク・グループが消去され、Oracle Database Applianceシステムを再プロビジョニングできません。
警告:
これらのファイルは、必ずOracle Database Applianceシステム外の場所に保存してください。これらのファイルは、このプロセスのステップ2でアプライアンスを再イメージ化した後に、システムを再プロビジョニングするために必要です。これらのファイルがないと、ステップ3でシステムを再プロビジョニングできず、Oracle ASMディスク・グループに格納されたデータがすべて失われます。重要:
ソース・バージョンでDCSソフトウェアが実行されている場合、odaupgradeutil
コマンドではDCSメタデータを編集しません。これは、データベースなどのリソースの構成が解除されたとき、コマンドodacli list-databases
では引き続きステータスをCONFIGURED
と表示することを意味します。ただし、実際には、データベース・サービスは停止し、リスナーはアクティブでなくなります、これは、データベース・ホームからsrvctl
コマンドを使用して確認できます。これは予期された動作です。
ステップ2: データ保存再プロビジョニングを使用したアップグレードのためのノードの再イメージ化
Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのOracle Database Applianceのアップグレードのステップ2です。
警告:
ノードの再イメージ化の前または後にcleanup.plを実行しないでください。cleanup.plを実行すると、ストレージ上のすべてのOracle ASMディスク・グループが消去され、Oracle Database Applianceシステムを再プロビジョニングできません。- Oracle Database Applianceリリース19.19のベア・メタルISOイメージをダウンロードし、「Oracle Database Applianceベア・メタル・システムの再イメージ化」の説明に従ってアプライアンスを再イメージ化します。
- 「ネットワークのplumb」の説明に従って、ネットワークをplumbします。
重要:
高可用性システムの場合、serverarchive_node0_hostname.zip
およびserverarchive_node1_hostname.zip
にはファイルconfigure-firstnet.rsp
が格納されています。単一ノード・システムの場合、serverarchive_hostname.zip
にはファイルconfigure-firstnet.rsp
が格納されています。configure-firstnet.rsp
ファイルには、システムを再イメージ化した後にodacli configure-firstnet
を実行するときに指定する必要がある値が含まれています。ファイルconfigure-firstnet.rsp
を抽出し、任意のテキスト・エディタを使用してファイルを開き、ファイルに保存されたIPアドレスを指定します。
ステップ3: データ保存再プロビジョニング方法を使用したノードのプロビジョニング
Oracle Database Applianceリリース12.1.2.12、12.2.1.4、18.3、18.5、18.7および18.8から最新リリースへのOracle Database Applianceのアップグレードのステップ3です。
警告:
Oracle Database Applianceリリース19.19以降でシステムを再イメージ化した直後にファームウェアを更新します。ファームウェアの更新に失敗すると、再プロビジョニングのステップ中にエラーが発生する可能性があります。警告:
コマンドodacli restore-node -g
を実行する前に、cleanup.plを実行しないでください。cleanup.plを実行すると、ストレージ上のすべてのOracle ASMディスク・グループが消去され、すべてのデータベースがそのままの状態でOracle Database Applianceシステムを再プロビジョニングできません。ただし、コマンドodacli restore-node -g
を少なくとも1回実行し、再プロビジョニングのプロセスが開始されると、クリーン・アップは再プロビジョニングの試行だけに当てはまり、Oracle ASMディスク・グループは消去されません。コマンドodacli restore-node -g
が失敗した場合は、cleanup.plを使用してそのステップの失敗をクリーン・アップできます。このような場合は、プロビジョニングを完了するためにコマンドodacli restore-node -g
を再試行する必要があります。
警告:
アプライアンスの再イメージ化後は、ブラウザ・ユーザー・インタフェース(BUI)にログインしないでください。odacli restore-node -g
コマンドを実行すると、oda-admin
ユーザーのパスワードの入力を求められます。このパスワードを使用して、odacli restore-node -g
およびodacli restore-node -d
コマンドが正常に完了した後にBUIにログインします。odacli restore-node -g
およびodacli restore-node -d
操作を完了する前に、BUIを起動しないでください。