9 DBMCLIユーティリティの使用

Oracle Exadata Database Machineコマンドライン・インタフェース(DBMCLI)ユーティリティは、データベース・サーバーの管理に使用します。スクリプト・ファイルの使用など、SQL*Plusで提供される多数の機能があります。

9.1 DBMCLIユーティリティの概要

DBMCLIユーティリティは、データベース・サーバーの構成およびサーバー環境内のデータベース・サーバーの管理に使用するコマンドライン管理ツールです。

DBMCLIをそれぞれのサーバーで実行すると、個別のデータベース・サーバーを構成できます。DBMCLIを使用して、サーバーの開始および停止、サーバー構成情報の管理、およびサーバーの有効化または無効化が可能です。このコマンドライン・ユーティリティは、Oracle Exadataの出荷時にインストール済です。

9.1.1 DBMCLIの起動

DBMCLIは、管理するデータベース・サーバーでオペレーティング・システムのコマンドラインから起動できますが、ネットワーク接続されたクライアントからSecure Shell (SSH)を使用してリモートで起動することもできます。コマンドライン構文は次のとおりです。

dbmcli [-n] [-m] [-xml] [-x] [-e command]

次の表に、DBMCLIコマンドで使用できるオプションを示します。

オプション 説明

-n

DBMCLIユーティリティを非対話型モードで実行します。このオプションでは、コマンド・プロンプトが非表示になり、コマンドライン編集機能が無効になります。

-m

DBMCLIを監視モード(読取り専用)で実行します。

-xml

これにより、コマンドの出力がXML形式で表示されます。

-x

バナーを抑止します。

-e command

指定されたDBMCLIコマンドを実行します。たとえば:

$ dbmcli -e list dbserver detail
$ dbmcli -e "list dbserver attributes name where name like '.*dbm01'"

DBMCLIはコマンドの実行後に終了します。

DBMCLIでは、データベース・サーバーのオペレーティング・システム認証を使用します。DBMCLIには、ログイン・パラメータや接続コマンドはありません。DBMCLIが起動されるディレクトリは、DBMCLIのSPOOLおよびSTARTコマンドでのファイル・アクセスに制限がないデフォルト・ディレクトリです。

9.1.2 DBMCLIのコマンド構文およびオプションの理解

このトピックでは、DBMCLIの構文およびコマンド・オプションについて説明します。

DBMCLIの構文は次のとおりです。

{admin-command | object-command object} [options] ;

この構文では、次の引数が使用されます。

  • admin-commandは管理アクションです。

  • object-commandは、オブジェクトで実行されるアクションです。

  • objectは、コマンドでアクションを実行するオブジェクトまたはターゲットです。

  • optionsは、コマンドの追加パラメータを使用できるようにコマンドの組合せの使用範囲を拡大します。

DBMCLIユーティリティを使用する場合は、次のルールが適用されます。

  • コマンド、オブジェクトおよびオプションは、LIKE演算子のフィルタ文字列で使用される文字列パターンなど、明示的に指定されている場合を除き、大/小文字は区別されません。

  • 空白または記号を含むオブジェクトの名前は、一重引用符または二重引用符で囲みます。引用符を使用する場合は、開始と終了の引用符を同じにします。たとえば、"this is incorrect'は、最初の引用符が二重引用符で2番目の引用符が一重引用符のため正しくありません。

  • 現在のローカル・セルには、すべてのDBMCLIコマンドが適用されます。

  • DBMCLIコマンドの最後のセミコロン(;)は省略可能です。

  • 長いコマンドで次の行にまたがる場合は、行の最後でハイフン(-)を使用します。ハイフンを名前に使用する場合や負の値を示すために使用する場合は、そのハイフンの直後を英数字値にする必要があります。

9.1.3 予約語

DBMCLIの予約語は次のとおりです。

ALERTDEFINITION
ALERTHISTORY
ALL
ALTER
BMC
CONFIGUREBMC
CREATE
DESCRIBE
DETAIL
DROP
FORCE
LED
LIST
LUN
MAIL
MEMORY
METRICDEFINITION
METRICCURRENT
METRICHISTORY
MS
NULL
OFF
ON
PHYSICALDISK
RESTART
RS
SHUTDOWN
SNMP
STARTUP
THRESHOLD
VALIDATE

これらのキーワードをコマンドの値として使用する場合は、引用符で囲む必要があります。

9.1.4 DBMCLIのコマンド・ライン編集

DBMCLIユーティリティでは、コマンドラインの履歴および編集をサポートしています。この機能は、BSD editlineおよびGNU readline機能に似ています。DBMCLIのコマンド編集機能のほとんどは、bashtcshなどの最新のシェルに似ています。

9.1.5 DBMCLIの入力および出力オプション

データベースのコマンドライン・ユーティリティでは、標準入力からコマンドを読み取り、標準出力に出力を書き込みます。ホスト・オペレーティング・システムのオプションを使用すると、入力および出力をリダイレクトしてコマンド・スクリプトを構成および処理できます。たとえば、次のリダイレクションを実行できます。

$ dbmcli < command-script-in  > results-out

この例では、command-script-inファイルのDBMCLIコマンドからの出力がresults-outファイルに書き込まれます。

9.1.6 DBMCLIスクリプトのコメント

複数の書式を使用して1行コメントをDBMCLIスクリプトに追加できます。コメント行を開始するには、先頭にREMARK,REMまたは--(ハイフン2つ)を付けます。

たとえば、次の行はコメントとして有効な構文です。

REMARK This is a comment
REM This is a comment
-- This is a comment

9.1.7 DBMCLIコマンドの行継続文字

コマンドが長く次の行にまたがる場合は、行の最後にハイフン(-)を挿入します。次に、[Enter]を押してコマンド入力を続行します。

たとえば:

DBMCLI> LIST dbserver WHERE name LIKE '*.dbm04' -
        attributes name, status, comment

9.2 DBMCLIの管理コマンドについて

DBMCLI管理コマンドでは、オブジェクトに対して直接アクションが実行されることはありません。

DBMCLIでは、次の管理コマンドを使用します。

ノート:

データベース・サーバーですべてのサービスを実行するには、dbmadminユーザーを使用する必要があります。dbmmonitorユーザーは監視用です。dbmmonitorユーザーは、次のコマンドを実行できます。

  • DESCRIBE

  • EXIT

  • HELP

  • LIST

  • REMARK

  • SET

  • START

9.3 DBMCLIのオブジェクト・コマンドについて

DBMCLIには、オブジェクト・コマンド、オブジェクト・タイプおよびオブジェクト属性があります。

Oracle Databaseのオブジェクトで動作するDBMCLIコマンドは次のとおりです。

9.4 DBMCLIオブジェクト・タイプについて

次に示すOracle Exadata System Softwareオブジェクト・タイプは、DBMCLIオブジェクト・コマンドで使用できます。

  • ALERTDEFINITION — アラート定義では、データベース・サーバーで生成可能なすべてのアラートの定義が提供されます。アラートはメトリックおよびその他のアラートのソースで定義されます。

  • ALERTHISTORY — アラート履歴では、データベース・サーバーで発生したアラートのリストが提供されます。

  • DBSERVER — 現行のデータベース・サーバーまたはローカル・データベース・サーバー。

  • DBSERVER — diagpackは$LOG_HOMEの圧縮ファイルを表し、ログ・ファイルおよびトレース・ファイルを含みます。

  • IBPORT — データベース・サーバーに対するInfiniBandネットワーク・ファブリック・ポート。

    ノート:

    このコマンドは、RoCEネットワーク・ファブリックを使用するOracle Exadataサーバーでは機能しません。
  • LUN — 論理ユニット番号(LUN)は、物理ディスク・デバイスのRAIDセットに対するアドレスです。LUNは、サーバーの起動時に自動的に検出されます。LUNは、ディスクを最初に作成した際、またはシステムの再起動後にディスクが検出された際に、対応するディスクに割り当てられます。ディスクに未割当てのLUNは、NULL値です。

  • METRICCURRENT — 現在のメトリックは、各メトリックの現在値の観測データのセットです。

  • METRICDEFINITION — メトリック定義は、メトリックの構成です。

  • METRICHISTORY — メトリック履歴は、すべてのメトリック値の過去の各観測データを収集したものです。

  • PHYSICALDISK — ディスクは、サーバー上の物理ディスクと呼ばれます。

  • PRIVILEGE — ロールに割り当てられた権利または権限。

  • ROLE — 関連する権限の名前付きグループ。

  • SOFTWAREHISTORY — ソフトウェア履歴は、過去のソフトウェア更新の最終ステータスのリストです。

  • SOFTWAREUPDATE — ソフトウェア更新をスケジュールするためのソフトウェアの場所と時間パラメータを含むオブジェクト

  • THRESHOLD — しきい値は、特定のメトリックに基づいてステートフル・アラートを生成するためのルールです。このルールでは、境界値(しきい値)が設定され、メトリック値がこれらの境界値を超えた場合にアラートが生成されるまでの時間が設定されます。

  • USER — DBMCLIを使用してコンピュート・ノードを管理できるアカウントです。

コマンド・オブジェクトには、組み合せることができないものがあります。コマンド・オブジェクトの有効な組合せについては、それぞれのオブジェクト・コマンドの構文を確認してください。

9.5 DBMCLIのオブジェクト属性

DBMCLIの各オブジェクトには、オブジェクトの作成時または変更時に割り当てられる属性のセットがあります。属性フィルタおよびリストは、LISTコマンドの出力に表示される属性およびオブジェクトの指定に使用されます。

属性はすべて表示できますが、ユーザー側で直接変更できるのは一部の属性のみです。属性のリストを表示して、変更可能な属性を確認するには、DESCRIBEコマンドを使用します。

関連トピック

9.5.1 共通の属性値の制限

複数のDBMCLIオブジェクトに使用する属性値について、次の制限事項を確認してください。

  • name属性の値は256文字未満にし、次のASCII文字のみで構成する必要があります。

    • 小文字の英字(aからz)
    • 大文字の英字(AからZ)
    • 数字(0から9)
    • アンダースコア(_)
    • ハイフン(-)

      ノート:

      Oracle Exadata System Softwareリリース19.2.0以前では、文字列を二重引用符で囲む必要があります。たとえば: "hyphenated-string"
  • comment属性の値は256文字未満にする必要があります。

属性値の追加の制限については、DBMCLIの各コマンドの構文を参照してください。

9.5.2 LISTコマンドの属性リスト

LISTコマンドで表示する属性は、次のオプション句で指定できます。

ATTRIBUTES { ALL | attribute1 [, attribute2] ... }

ALLを指定すると、LISTオブジェクトで組合せ可能なすべてのオブジェクト属性が表示されます。

9.5.3 LISTおよびALTERコマンドでの属性フィルタ

attribute_filters句を使用して、LISTコマンドで表示するオブジェクトを指定できます。一部のALTERコマンドでも、attribute_filters句がサポートされています。

attribute_filters句の構文は次のとおりです。

WHERE attribute_filter1 [ AND attribute_filter2 ... ]

attribute_filterNの構文は、次のとおりです。

attribute [ NOT | ! ] operator comparison_value

attributeプレースホルダは、フィルタ処理に使用される属性の名前を表します。次の表に、サポートされている演算子のタイプを示します。これらの演算子は、NOTまたは!と組合せ可能です。

表9-1 属性フィルタでサポートされる演算子

演算子 説明

=

文字列、ステータスまたは数値の属性間の等号をテストします。たとえば:

status NOT = normal

>

数値属性より大きい値かどうかをテストします。たとえば:

size > 139920M

<

数値属性より小さい値かどうかをテストします。たとえば:

freeSpace !< 100M

LIKE

大/小文字を区別する一致を使用して、正規表現が文字列属性に一致するかどうかをテストします。たとえば:

LIKE 'GD_IO_RQ.*'

サポートされる演算子で使用される場合、comparison_valueは次のデータ型のいずれかです。

  • 数値
  • リテラル: activenormalなどの値
  • 日時: ALERTHISTORYでのみサポートされる時間値
  • 文字列: 一重引用符('')または二重引用符(" ")で区切られる値
  • NULL: 未割当ての文字列または空のリスト

9.6 メトリックを使用したデータベース・サーバーの監視

メトリックを表示することにより、データベース・サーバーを監視できます。

メトリックには次のタイプがあります。

  • cumulative: メトリックが作成されてからの統計。
  • instantaneous: メトリックが収集される時点の値。
  • rate: 特定の時間の統計を平均して計算される値。

9.6.1 メトリックについて

Exadataメトリックは、Exadataシステム・ソフトウェアに関連する重要なプロパティまたは値の観測データを記録したものです。

Exadataメトリックには、ほとんどのExadataコンポーネントの詳細な統計が含まれます。

メトリックには次のタイプがあります。

  • 累積メトリックは、メトリックが作成されてから、またはサーバーが再起動されてから一定期間累積される統計です。

  • 即時メトリックには、メトリックの観測時点の現在の値が含まれます。

  • 率メトリックは、値を経時的に観測する、計算された統計です。

デフォルトでは、メトリック収集は1分間隔で実行されます。ただし、Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、オプションでファイングレイン・メトリックを構成できます。ファイングレイン・メトリックを有効にするには、1から60秒までの収集間隔を指定する必要があります。ファイングレイン収集に含めるメトリックを選択することもできます。

ファイングレイン・メトリック収集は、リアルタイム・メトリック・ストリーミングの基盤です。そのため、ファイングレイン・メトリックは、外部収集へのストリーミングをサポートするためにメモリーにのみ記録されます。通常の(ファイングレインでない)メトリックは、最初にメモリーに記録され、後でディスクベースのリポジトリに書き込まれます。デフォルトでは、通常のメトリックについては、7日間のメトリック履歴が保持されます。

9.6.2 メトリックの表示

DBMCLIのLISTコマンドを使用すると、データベース・オブジェクトのメトリックを表示および監視できます。 LISTコマンドを使用して、メトリック定義、現在のメトリック、およびメトリック履歴を表示できます。
9.6.2.1 メトリックの特定の属性の表示

特定の属性を出力に表示するには、ATTRIBUTESキーワードを使用します。

この例は、name属性、metrictype属性およびalertState属性を指定したLIST METRICHISTORYコマンドを示しています。この出力は、1時間の間隔に制限されています。コマンドに続けて、出力の一部を示します。

LIST METRICHISTORY ATTRIBUTES name, metrictype, alertState -
WHERE collectionTime > '2019-07-12T13:00:00-05:00' -
AND collectionTime < '2019-07-12T14:00:00-05:00'
         DS_TEMP                 Instantaneous   normal
         DS_FANS                 Instantaneous   normal
         DS_BBU_CHARGE           Instantaneous   normal
         DS_BBU_TEMP             Instantaneous   normal
         DS_CPUT                 Instantaneous   normal
         DS_CPUT_MS              Instantaneous   normal
         DS_FSUT                 Instantaneous   normal
         DS_FSUT                 Instantaneous   normal
         DS_FSUT                 Instantaneous   normal
         DS_MEMUT                Instantaneous   normal
         DS_MEMUT_MS             Instantaneous   normal
         DS_RUNQ                 Instantaneous   normal
         DS_SWAP_IN_BY_SEC       Instantaneous   normal
         DS_SWAP_OUT_BY_SEC      Instantaneous   normal
         DS_SWAP_USAGE           Instantaneous   normal
         DS_VIRTMEM_MS           Instantaneous   normal
         N_HCA_MB_RCV_SEC        Rate            normal
         N_HCA_MB_TRANS_SEC      Rate            normal
         N_IB_MB_RCV_SEC         Rate            normal
         N_IB_MB_RCV_SEC         Rate            normal
         N_IB_MB_RCV_SEC         Rate            normal
 ...
9.6.2.2 メトリック定義の表示

データベース・サーバーのメトリック定義を表示するには、LIST METRICDEFINITIONコマンドを使用します。

メトリック定義のリストには、メトリックの構成が表示されます。例9-1は、METRICDEFINITIONオブジェクトの属性を表示する方法を示しています。

例9-1 メトリック定義の表示

DBMCLI> LIST METRICDEFINITION DS_CPUT DETAIL

DBMCLI> LIST METRICDEFINITION WHERE name LIKE 'DS_SWAP_*' -
         ATTRIBUTES name, metricType, description
9.6.2.3 現在のメトリックの表示

データベース・サーバーの現行のメトリック値を表示するには、LIST METRICCURRENTコマンドを使用します。

現在のメトリックのリストには、各メトリックの現在値の観測データのセットが表示されます。例9-2は、METRICCURRENTオブジェクトの属性を表示する方法を示しています。

例9-2 現在のメトリック値の表示

DBMCLI> LIST METRICCURRENT DS_FANS DETAIL


DBMCLI> LIST METRICCURRENT WHERE objectType = 'DBSERVER' AND                 - 
         metricValue != 0 ATTRIBUTES name, metricObjectName,                  -
         metricValue, collectionTime

9.6.2.4 メトリック履歴の表示

データベース・サーバーのメトリック履歴を表示するには、LIST METRICHISTORYコマンドを使用します。

メトリック履歴のリストは、すべてのメトリック値の過去の各観測データを収集したものです。例9-3は、METRICHISTORYオブジェクトの属性を表示する方法を示しています。

ほとんどのメトリック履歴ファイルの保存期間は、metricHistoryDays属性で指定されます。デフォルトの保存期間は7日です。この設定は、DBMCLIのALTER DBSERVERコマンドで変更できます。

metricHistoryDays属性によって管理されるメトリックに加えて、主要なメトリック観測データのサブセットが最大1年間保持されます。どのような場合でも、サーバーがストレージ領域の不足を検出すると、履歴メトリック観測データが自動的にパージされます。

例9-3 メトリック履歴の値の表示

DBMCLI> LIST METRICHISTORY DS_TEMP WHERE alertState='critical' DETAIL

DBMCLI> LIST METRICHISTORY WHERE objectType = 'DBSERVER' AND metricValue != 0   -
         AND collectionTime > '2014-08-12T09:10:51-07:00' -ATTRIBUTES name,      -
         metricObjectName, metricValue, collectionTime

関連トピック

9.6.3 データベース・サーバーのメトリック

データベース・サーバーのメトリックでは、CPU使用率、メモリー、ネットワーク・インターコネクトなど、サーバーに関する情報が提供されます。

セル・ディスクのメトリックを表示するには、METRICCURRENTオブジェクト、METRICDEFINITIONオブジェクトおよびMETRICHISTORYオブジェクトでDBSERVERと同等のオブジェクト・タイプ属性を使用します。例9-4は、データベース・サーバー・メトリックを表示する方法を示しています。

次のリストは、データベース・サーバー・メトリックのメトリック名および説明を示しています。メトリックを表示するデータベース・サーバーは、METRICCURRENTオブジェクトおよびMETRICHISTORYオブジェクトのmetricObjectName属性で指定されます。

  • DS_BBU_CHARGE: ディスク・コントローラのバッテリの充電。

  • DS_BBU_TEMP: ディスク・コントローラのバッテリの温度。

  • DS_CPUT: サーバーのCPU使用率(システムCPUがアイドル状態でなくなる直前の1分間のCPU使用率(/proc/statで取得))。

  • DS_CPUT_MS: MSが使用しているCPU時間の割合(%)。

  • DS_FANS: サーバーで動作中のファンの回転数。

  • DS_FSUT: 現在使用中のファイル・システムで使用されている合計領域の割合。このメトリックは、サーバーの様々なファイル・システムの領域使用率を示します。

  • DS_MEMUT: サーバーにおける合計の物理メモリー使用率。

  • DS_MEMUT_MS: MSが使用している物理メモリーの割合(%)。

  • DS_RUNQ: running (実行中)またはuninterruptible (無停止)とマークされるLinuxの実行キューの(直前の1分間の)プロセスの平均数(/proc/loadavgで取得)。

  • DS_SWAP_IN_BY_SEC: 1秒当たりの読み取られたスワップ・ぺージのKB数。

  • DS_SWAP_OUT_BY_SEC: 1秒当たりの書き込まれたスワップ・ぺージのKB数。

  • DS_SWAP_USAGE: 使用済のスワップ領域の割合(%)。

  • DS_TEMP: ベースボード管理コントローラ(BMC)で提供されるサーバーの瞬間温度(摂氏)。

  • DS_VIRTMEM_MS: MSが使用している仮想メモリー量(MB)。

  • N_NIC_KB_RCV_SEC: イーサネット・インタフェースが1秒当たりに受信したKB数。

  • N_NIC_KB_TRANS_SEC: イーサネット・インタフェースが1秒当たりに送信したKB数

  • InfiniBandネットワーク・ファブリック・メトリック(RoCEネットワーク・ファブリックを使用するOracle Exadataサーバーには適用されない)。:
    • N_HCA_MB_RCV_SEC: InfiniBandインタフェースが1秒当たりに受信したMB数。
    • N_HCA_MB_TRANS_SEC: InfiniBandインタフェースが1秒当たりに送信したMB数。
    • N_IB_MB_RCV_SEC: InfiniBandポートが1秒当たりに受信したMB数。
    • N_IB_MB_TRANS_SEC: InfiniBandポートが1秒当たりに送信したMB数。
    • N_IB_UTIL_RCV: データ受信で使用されるInfiniBandポート容量のパーセンテージ。
    • N_IB_UTIL_TRANS: データ送信で使用されるInfiniBandポート容量のパーセンテージ。

例9-4 データベース・サーバーのメトリックの表示

CellCLI> LIST METRICCURRENT DS_CPUT DETAIL

         name:                   DS_CPUT
         alertState:             normal
         collectionTime:         2014-12-17T15:54:25-08:00
         metricObjectName:       abcd2x3
         metricType:             Instantaneous
         metricValue:            6.7 %
         objectType:             DBSERVER

9.6.4 リアルタイム・インサイト

リアルタイム・インサイト機能を使用すると、Exadataシステムをリアルタイムで監視できます。

Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、リアルタイム・インサイトにより、インフラストラクチャで次のことが可能になります:

  • 特定のメトリックをファイングレインとして分類し、ファイングレイン・メトリックを毎秒収集できます。

  • プッシュ(アップロード)またはプル(ダウンロード)伝送モデルを使用して、ユーザーが定義した場所にリアルタイムでメトリック観測データをストリーミングします。

9.6.5 リアルタイム・インサイトの使用

リアルタイム・インサイト機能を使用すると、外部のメトリック収集プラットフォームを使用してExadataシステムをリアルタイムで監視できます。

9.6.5.1 ファイングレイン・メトリックの使用

従来、Exadataメトリックの収集は1分間隔で実行されていました。しかしながら、リアルタイム監視には、よりタイムリーなメトリックが必要です。Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、ファイングレイン・メトリック収集を構成できます。

ファイングレイン・メトリック収集は、リアルタイム・インサイト機能の基盤です。ファイングレイン・メトリック収集は、外部のメトリック収集プラットフォームと連携して機能します。このプラットフォームで、ファイングレイン・メトリック観測データが収集され、可視化のために処理されます。ファイングレイン・メトリック観測データは、サーバー・メモリーにのみ存在し、サーバー上には保持されません。そのため、ファイングレイン・メトリックの履歴は各サーバー上に保持されません。

9.6.5.1.1 ファイングレイン・メトリック収集の制御

metricFGCollIntvlInSec属性により、ファイングレイン・メトリック収集を制御します。

  • ファイングレイン・メトリック収集を有効にするには、収集間隔を1から60秒までの値に設定する必要があります。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricFGCollIntvlInSec=1

    metricFGCollIntvlInSec設定は、metricStreamIntvlInSec属性で指定された自動アップロード頻度に関連します。自動メトリック・アップロードとファイングレイン収集の両方が有効な場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec>0)、metricStreamIntvlInSecmetricFGCollIntvlInSecの5から30倍である必要があります。たとえば、metricStreamIntvlInSecが60に設定されている場合、metricFGCollIntvlInSecは2から12までである必要があります。

  • サーバーでファイングレイン・メトリック収集を無効にするには、metricFGCollIntvlInSec=0に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricFGCollIntvlInSec=0

    ファイングレイン・メトリック収集を無効にできるのは、自動メトリック・アップロードが無効(metricStreamIntvlInSec=0)であるか、自動アップロード頻度が5分から30分(metricStreamIntvlInSecが300から1800の間)の場合のみです。

9.6.5.1.2 ファイングレイン・メトリック収集のカスタマイズ

デフォルトで、ファイングレイン収集に対して自動的に一連のキー・パフォーマンス・メトリックが有効になります。ただし、特定のメトリックを有効または無効にすることで、ファイングレイン・メトリック収集をカスタマイズできます。

  • メトリックのファイングレイン収集を有効にするには、ALTER METRICDEFINITIONコマンドを使用してfinegrained=enabledを指定します。たとえば:

    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_NIC_KB_TRANS_SEC finegrained=enabled
    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_MB_SENT,N_MB_RECEIVED finegrained=enabled
    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION finegrained=enabled WHERE name LIKE 'N_NIC.*'
  • メトリックのファイングレイン収集を無効にするには、ALTER METRICDEFINITIONコマンドを使用してfinegrained=disabledを指定します。たとえば:

    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_MB_SENT finegrained=disabled
  • ファイングレイン収集が有効になっているメトリックを表示するには、次のコマンドを使用します。これはいつでも実行できます。

    DBMCLI> LIST METRICDEFINITION WHERE finegrained=enabled
  • 各メトリックの説明や、そのメトリックのファイングレイン収集が有効になっているかどうかなど、メトリック定義の詳細をすべて表示するには、次のコマンドを使用します。これはいつでも実行できます。

    DBMCLI> LIST METRICDEFINITION DETAIL
9.6.5.2 収集プラットフォームへのメトリック観測データのアップロード

Exadataサーバーを使用すると、メトリック観測データを外部のメトリック収集プラットフォームに自動的にアップロード(プッシュ)できます。

9.6.5.2.1 自動メトリック・アップロード頻度の制御

metricStreamIntvlInSec属性により、metricStreamEndPoint属性で指定されたメトリック・ストリーミング・エンドポイントへの自動アップロードのアップロード間隔(秒)を設定します。

  • 自動メトリック・アップロードを有効にするには、metricStreamIntvlInSec属性を0以外の値に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamIntvlInSec=25

    metricStreamIntvlInSec設定は、metricFGCollIntvlInSec属性で指定されたファイングレイン収集頻度に関連しています:

    • 自動メトリック・アップロードとファイングレイン収集の両方が有効な場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec>0)、metricStreamIntvlInSecmetricFGCollIntvlInSecの5から30倍である必要があります。たとえば、metricFGCollIntvlInSecが5に設定されている場合、metricStreamIntvlInSecは25から150までである必要があります。

    • 自動メトリック・アップロードが有効で、ファイングレイン収集が無効になっている場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec=0)、自動アップロード頻度は5分から30分の間である必要があります(metricStreamIntvlInSecは300から1800の間である必要があります)。

  • 自動メトリック・アップロードを無効にするには、metricStreamIntvlInSec=0に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamIntvlInSec=0
9.6.5.2.2 メトリック・ストリームのカスタマイズ

デフォルトでは、ストリーミングに対して自動的に一連のキー・パフォーマンス・メトリックが有効になります。ただし、特定のメトリックを有効または無効にすることで、メトリック・ストリームをカスタマイズできます。

  • メトリック・ストリームにメトリックを含めるには、ALTER METRICDEFINITIONコマンドを使用し、streaming=enabledを指定します。たとえば:

    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_NIC_KB_TRANS_SEC streaming=enabled
    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_MB_SENT,N_MB_RECEIVED streaming=enabled
    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION streaming=enabled WHERE name LIKE 'N_NIC.*'
  • メトリック・ストリームからメトリックを削除するには、ALTER METRICDEFINITIONコマンドを使用してstreaming=disabledを指定します。たとえば:

    DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_MB_SENT streaming=disabled
  • メトリック・ストリームに含まれているメトリックを表示するには、常に次のコマンドを使用します:

    DBMCLI> LIST METRICDEFINITION WHERE streaming=enabled
  • 各メトリックの説明や、メトリックがメトリック・ストリームに含まれているかどうかなど、すべてのメトリック定義の詳細を表示するには、次のコマンドを使用します:

    DBMCLI> LIST METRICDEFINITION DETAIL
9.6.5.2.3 自動メトリック・アップロードのエンドポイントの構成

metricStreamEndPoint属性を次のように設定すると、メトリック・ストリームを1つ以上の収集エンドポイントに自動的にアップロード(プッシュ)できます。

metricStreamEndPoint[+]=((host="endpoint-URL"[,type="stream-format"][,token="authentication-token"][,{httpProxy|httpsProxy}="proxy-server"])
                          [,(host="endpoint-URL"[,type="stream-format"][,token="authentication-token"][,{httpProxy|httpsProxy}="proxy-server"])]...)

metricStreamEndPoint定義の内容:

  • host: 収集エンドポイントのURLを指定します。このURLでは、HTTPまたはHTTPSを使用できます。

  • type: オプションで、ストリームの形式を指定します。サポートされている値は次のとおりです。

    • JSON: ストリームをJSON形式で提供します。

    • plaintext: ストリームをプレーン・テキスト形式で提供します。

    デフォルト値はjsonです。

  • token: オプションで、収集エンドポイントの認証トークンを指定します。トークンの生成の詳細は、メトリック収集プラットフォームを参照してください。

  • httpProxyまたはhttpsProxy: オプションで、収集エンドポイントへのネットワーク接続を容易にするためのプロキシ・サーバーを指定します。Exadataシステムと収集エンドポイントの間にファイアウォールが存在する場合は、プロキシ・サーバーが必要です。

オプションの+=演算子を使用すると、収集エンドポイントを既存のmetricStreamEndPoint定義に追加できます。それ以外の場合は、=演算子を使用すると前の属性値が上書きされます。

例9-5 JSONストリームの設定

この例では、JSONストリームを設定する方法を示します。この例のコマンドでは、hostおよびtokenの値が収集プラットフォームから取得されます。ネットワーク接続は、指定されたプロキシを介していると想定しています。

DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamEndPoint=((host="https://ingest.stream.example.com/v2/datapoint",type="json",token="wcfA_**********Z58QpKg",httpProxy="www-proxy.example.com:80"))

例9-6 プレーン・テキスト・エンドポイントの追加

この例では、プレーン・テキスト・エンドポイントを既存のmetricStreamEndPointに追加する方法を示します。この例のコマンドでは、hostおよびtokenの値が収集プラットフォームから取得されます。また、ネットワーク・プロキシを必要としない企業ネットワーク内に収集プラットフォームがあると想定しています。

DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamEndPoint+=((host="http://idbsrv.example.com:8086/api/v2/write?org=Exadata&bucket=Metrics&precision=ns",type="plaintext",token="6unif**********rOXwtfkG0gWGENyePd6uN6OLR_deTZL4IuG9VTfDWwvpB-QvJcCcFs_NVjmpsyANz0Q8psA=="))
9.6.5.3 Exadataサーバーからのメトリック観測データのダウンロード

指定したRESTエンドポイントを使用することでExadataサーバーからメトリック・ストリームをダウンロード(プル)できます。これには、システムがファイングレイン・メトリック収集に対して有効になっているか、自動メトリック・アップロード用に構成されているかに関係なく、ストリーミングに対して有効になっているすべてのメトリック(streaming=enabled)が含まれます。

各ストレージ・サーバーでは、RESTエンドポイントのURLは次のようになります。

https://server-name/metricstream/list?stream=true

各データベース・サーバーでは、エンドポイントによってポート7879が使用されます。そのため、URLは次のようになります。

https://server-name:7879/metricstream/list?stream=true

効率を最大にするには、ダウンロード間隔をメトリック収集間隔の倍数にする必要があります。サーバーでファイングレイン・メトリック収集が有効になっている場合(metricFGCollIntvlInSec>0)、ダウンロード頻度をファイングレイン収集間隔で調整します。それ以外の場合は、ダウンロード頻度を標準の1分の収集間隔で調整します。

メトリック・ストリームへのアクセスを容易にするために、ストリームへのアクセス権のみを持つ専用ユーザー・アカウントを使用する必要があります。DBMCLIで次のコマンド・シーケンスを使用するとユーザー・アカウントを適切に構成できます。これは後でRESTエンドポイントへの認証に使用できます。このコマンド・シーケンスにおいては、自分のユーザー名とロール名に置き換えます。

CREATE ROLE metric_collector_role
GRANT PRIVILEGE LIST ON METRICSTREAM ALL ATTRIBUTES WITH ALL OPTIONS TO ROLE metric_collector_role
CREATE USER metric_collector PASSWORD=<password>
GRANT ROLE metric_collector_role TO USER metric_collector
9.6.5.4 メトリック観測データのタグ付け

各Exadataデータベース・サーバーおよびストレージ・サーバーで、メトリック・ストリーム内のすべての観測データに含める、一連のメトリック・タグを定義できます。これらのタグは、多数のExadataサーバーによって生成された観測データを整理およびグループ化するために役立ちます。

メトリック・タグを構成するには、metricStreamTags属性を、次のような、タグと値のペアを含む有効なJSON文字列に設定します。

metricStreamTags='{"tag1":"value1"[,"tag2":"value2"]...}'

たとえば:

DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamTags='{"application":"personnel","department":"HR"}'
9.6.5.5 メトリック・ストリーム形式の理解

リアルタイム・メトリック観測データには、中心的な一連の属性が含まれています。ただし、メトリック・ストリームの形式は、アクセスのモードによって異なります。

メトリック・ストリームをメトリック収集プラットフォームに自動的にアップロードする場合は、メトリック・エンドポイント構成でメトリック・ストリーム形式を指定できます。使用可能な形式は、JSONまたはプレーン・テキストです。

次に、JSON形式の例を示します。

json: {
    "gauge": [{
            "metric": "OS_NET_RX_BY_SEC",
            "value": "0.0012989044189453125",
            "timestamp": 1652473286000,
            "unit": "MB/sec",
            "dimensions": {
                "server": "celadm09.example.com",
                "objectName": "eth0",
                "nodeType": "STORAGE",
                "fleet": "example-fleet",
                "pod": "dbm01",
                "cluster": "c01"
            }
        }, {
            "metric": "SIO_IO_RD_FC_HD_SEC",
            "value": "0.0",
            "timestamp": 1652473286000,
            "unit": "MB/sec",
            "dimensions": {
                "server": "celadm09.example.com",
                "objectName": "SMARTIO",
                "nodeType": "STORAGE",
                "fleet": "example-fleet",
                "pod": "dbm01",
                "cluster": "c01"
            }
        }
    ]
}

プレーン・テキスト形式には、基本的に、JSONストリームと同じ情報が含まれています。ただし、プレーン・テキスト形式では、各メトリック観測データが別々の行で示されます。次に、プレーン・テキスト形式の例を示します。

metrics,name=OS_NET_RX_BY_SEC,objectName=eth0,server=celadm09.example.com,unit=MB/sec,nodeType=STORAGE,fleet=example-fleet,pod=dbm01,cluster=c01 value=9.441184615324398E-4 1652473456000000000
metrics,name=OS_NET_RX_BY_SEC,objectName=eth0,server=celadm09.example.com,unit=MB/sec,nodeType=STORAGE,fleet=example-fleet,pod=dbm01,cluster=c01 value=0.002647613311980988 1652473457000000000

指定したRESTエンドポイントを使用することでメトリック・ストリームをダウンロードする場合、データはプレーン・テキスト・アップロード形式に似た形式で示され、各メトリック観測データが別々の行で示されます。次に、ダウンロード形式の例を示します。

DS_CPUT{objectName="dbadm05",unit="%",server="dbadm05.example.com",nodeType="KVMHOST",fleet="example-fleet",pod="dbm01",cluster="c01"} 23.10906363831155 1652485449597
DS_MEMUT{objectName="dbadm05",unit="%",server="dbadm05.example.com",nodeType="KVMHOST",fleet="example-fleet",pod="dbm01",cluster="c01"} 99 1652485449597
DS_MEMUT_MS{objectName="dbadm05",unit="%",server="dbadm05.example.com",nodeType="KVMHOST",fleet="example-fleet",pod="dbm01",cluster="c01"} 0.12396045794483294 1652485449597

次のリストでは、メトリック・ストリームに含まれる属性を説明します。

  • メトリック名は、次のように特定します。

    • JSONアップロード形式では、メトリック名はmetricタグの後に続きます。

    • プレーン・テキスト・アップロード形式では、メトリック名は、name=の後に続く値です。

    • ダウンロード形式では、メトリック名は、各行の最初の要素であり、左中カッコ({)の前にあります。

  • メトリック値は、次のように見つけます。

    • JSONアップロード形式では、メトリック値はvalueタグの後に続きます。

    • プレーン・テキスト・アップロード形式では、メトリック値はvalue=の後に続きます。

    • ダウンロード形式では、メトリック値は、各行の最後から2番目の要素であり、右中カッコ(})の後に続きます。

  • メトリック観測の時間は、次のように見つけます。

    • JSONアップロード形式では、タイムスタンプはtimestampタグの後に続きます。タイムスタンプは、1970年1月1日のグリニッジ標準時(GMT) 00:00:00からのミリ秒数(1 x 10-3秒)で表されます。

    • プレーン・テキスト・アップロード形式では、タイムスタンプは各行の最後の要素です。タイムスタンプは、1970年1月1日のグリニッジ標準時(GMT) 00:00:00からのナノ秒数(1 x 10-9秒)で表されます。

    • ダウンロード形式では、タイムスタンプは各行の最後の要素です。タイムスタンプは、1970年1月1日のグリニッジ標準時(GMT) 00:00:00からのミリ秒数(1 x 10-3秒)で表されます。

  • unit値では、メトリック観測の測定単位が示されています。

  • server値には、メトリック観測データを生成したExadataサーバーの名前が含まれています。

  • objectName値には、メトリックに関連付けられているExadataオブジェクトの名前が含まれています。

  • nodeType値には、メトリック観測データを生成したExadataサーバーのタイプが含まれています。

  • fleetpodおよびcluster属性は、ユーザーが定義したメトリック・タグの例であり、多数のExadataサーバーによって生成された観測データを整理およびグループ化するために使用できます。メトリックにタグ付けするには、metricStreamTagsDBSERVER属性を設定します。

9.7 DBMCLIコマンド・リファレンス

DBMCLIには、管理コマンドとオブジェクト・コマンドの両方があります。

DBMCLIユーティリティには次のコマンドがあります。

9.7.1 ALTER

用途

ALTERコマンドは、単一のオブジェクトまたは複数のオブジェクトでアクションを実行したり、それらのオブジェクトの属性を変更したりします。ALTERコマンドは、オブジェクトに対して属性を変更したり、アクションを実行するために使用できます。

構文

ALTER { object_type object_name[, object_name]... operation
      | attribute_name = attribute_value 
        [, attribute_name = attribute_value]...
     }

使用上のノート

このコマンドでは、次の引数を使用できます。

  • object_typeは次のとおりです。
    • ALERTHISTORY
    • DBSERVER
    • IBPORT (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
    • THRESHOLD (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
    • USER (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
  • object_nameは、アラート履歴、データベース・サーバー、LUNまたはしきい値の名前であるか、識別子です。
  • operationは、指定したobject_typeの有効なアクションです。

複数のオブジェクトがALTERコマンドのターゲットである場合は、正常に実行されない場合があります。エラーが発生するとコマンドが中断され、残りのオブジェクトは変更されません。

9.7.1.1 ALTER ALERTHISTORY

用途

ALTER ALERTHISTORYコマンドは、すべてのアラート履歴または指定したアラート履歴の属性を変更します。

構文

ALTER ALERTHISTORY { ALL | alertid1  [,alertid2 ...]}
       examinedBy=user_name

使用上のノート

このコマンドでは、次の引数を使用できます。

  • alertidn: 変更するアラートの識別子です。

  • user_name: アラートを確認したユーザーの名前です。

例9-7は、examinedBy属性を更新するためにALERTHISTORYオブジェクトで使用したALTERコマンドを示しています。examinedBy属性は、変更可能な唯一のALERTHISTORY属性です。

例9-7 ALERTHISTORY属性の変更

DBMCLI> ALTER ALERTHISTORY 1671443714 -
                            examinedBy="jdoe"

DBMCLI> ALTER ALERTHISTORY ALL examinedBy="jdoe"
9.7.1.2 ALTER DBSERVER

ALTER DBSERVERkコマンドは、データベース・サーバーの属性を変更します。

構文

ALTER DBSERVER  {
  | SHUTDOWN SERVICES { RS | MS | ALL }
  | RESTART SERVICES { RS | MS | ALL }
  | RESTART BMC
  | STARTUP SERVICES { RS | MS | ALL }
  | LED { ON | OFF }
  | VALIDATE { MAIL | SNMP | CONFIGURATION }
  | VALIDATE SYSLOGCONF facility.priority
  | CONFIGUREBMC
  | { snmpuser=((user_clause)[,(user_clause)[,..]]) | snmpuser.name=(user_clause) }
  | attribute_name = attribute_value 
        [, attribute_name = attribute_value]...
  }

使用上のノート

次の表は、ALTER DBSERVERコマンドの引数およびオプションを示しています。

引数 オプション 説明

SHUTDOWN SERVICES

MS (管理サーバー)

RS (再起動サーバー)

ALL

MSサービスが停止します。

RSサービスが停止します。

ALLオプションでは、MSおよびRSサービスが停止します。

RESTART SERVICES

MS

RS

ALL

MSサービスが停止し、それから開始します。

RSサービスが停止し、それから開始します。

ALLオプションでは、MSおよびRSサービスが停止してから開始します。

RESTART BMC

なし

ベースボード管理コントローラ(BMC)を再起動します。

STARTUP SERVICES

MS

RS

ALL

MSサービスが開始します。

RSサービスが開始します。

ALLオプションでは、MSおよびRSサービスが開始します。

LED

ON

OFF

LED ON操作ではシャーシのLEDを点灯し、LED OFF操作ではシャーシのLEDを消灯します。

データベース・サーバーでメンテナンスが必要になった場合にLEDを点灯するように手動で設定できます。コンポーネントに障害が発生した場合にLEDが自動的に点灯するように設定することもできます。

VALIDATE

MAIL

SNMP

CONFIGURATION

VALIDATE MAIL操作では、データベース・サーバーに設定した電子メール属性を使用して、テスト・メッセージを送信します。

VALIDATE SNMP操作では、データベース・サーバーに設定したSNMP属性を使用して、テスト・メッセージを送信します。VALIDATE SNMP TYPE=ASR操作では、Oracle Exadata Storage ServerでASRを検証します。

VALIDATE CONFIGURATION操作では、サーバー構成を検証します。

VALIDATE SYSLOGCONF

facility.priority

VALIDATE SYSLOGCONF facility.priorityでは、指定したfacility(機能)とpriority(重要度)のテスト・メッセージを送信します。

CONFIGUREBMC

なし

管理サーバーでアラートを検出できるように、ローカル・データベース・サーバーにハードウェア・アラートを設定するようBMCを構成します。

snmpuserまたはsnmpuser.name

user_clause

SNMPアラートを受信するユーザーを定義します。すべてのSNMPユーザーについてのuser clausesのリストを指定することも、属性snmpuser.nameを使用して個別のuser clausesを指定することもできます。user_clauseの形式は次のとおりです。

([name=user1,] authProtocol=auth_type, authPassword=*,                   \
privProtocol=priv_type, privPassword=*) ,                               \
(name=user2, authProtocol=auth_type, authPassword=*,                    \
privProtocol=priv_type, privPassword=*, )

単一のユーザーを更新する場合は、user_clauseにフレーズname=user1, を含めないでください。

属性

該当なし

ALTER DBSERVERコマンドで変更可能な属性は、例9-43modifiableとして示されます。

ノート:

ユーザー・ドメイン(domU)環境では、次のコマンドは許可されません。

  • ALTER DBSERVER CONFIGUREBMC
  • ALTER DBSERVER RESTART BMC
  • ALTER DBSERVER LED { ON | OFF }

ALTER DBSERVERコマンドについて、その他の使用上のノートは次のとおりです。

  • 次の場合は、データベース・サーバーを再起動、停止または起動する必要がありません。
    • ソフトウェアのアップグレード
    • サービス停止(データベース・サーバーがサービス・リクエストに応答していない状態を含む)
  • アラート通知を送信するようにデータベース・サーバーを設定する場合、次のデータベース・サーバー属性を構成する必要があります。
    • mailServer
    • smtpPort
    • smtpUseSSL
    • smtpFrom
    • smtpFromAddr
    • smtpToAddr
    • snmpSubscriber
    • snmpUser
    • snmpEngineID
    • notificationMethod
    • notificationPolicy
    • emailSubscriber

    smtpToAddr属性は、アラート通知の受信先のカンマ区切りの電子メール・アドレス・リストに設定できます。このリストは引用符で囲む必要があります。

    snmpSubscriber属性は、SNMPアラート通知を送信するSNMPターゲットのリストに設定できます。これらのターゲットは次のように指定されます。

    snmpSubscriber=(
      (host=host[,port=port][,community=community][,type=user_type][,fromIP="ip"]
    [,asrmPort="ASRManager_port"])
    [,(host=host[,port=port][,community=community][,type=user_type][,fromIP="ip"]
    [,asrmPort="ASRManager_port"])] ...)
    

    ノート:

    • ALTER DBSERVER ... smnpSubscriberコマンドでは、smnpSubscriberに設定されている既存の値を置き換えます。SNMPターゲットのリストを追加するには、既存の値がコマンドに含まれるようにします。コマンドを実行すると、次のメッセージが表示されます。

      snmpSubscriber {0} has been replaced with {1}.
      
    • snmpSubscriber属性はOracle自動サービス・リクエスト(ASR)の構成に使用します。

    • SNMPアラートは、Oracle Exadata System Softwareの各インストールに含まれているMIB (管理情報ベース)に準拠しています。データベース・サーバーのMIBファイルは、/opt/oracle/dbserver/dbms/deploy/config/にあります。

      タイプASRおよびv3ASRのアラートは、SUB-HW-TRAP-MIB.mibファイルにあるSUN-HW-TRAP-MIBに準拠しています。

      その他のアラート・タイプは、cell_alert.mibファイルにあるcell_alert MIBに準拠しています。

      SNMPアラートとMIBはSNMPバージョン 1(SNMPv1)に準拠しています。ただし、自動サービス・リクエストのアラートはSNMPバージョン2c(SNMPv2c)に準拠しています。

    portのデフォルト値は162です。communityのデフォルト値はpublicです。

    notificationMethod属性の値は、mailsnmpnone、またはmailsnmpの組合せ(notificationMethod='mail,snmp'など)が可能です。デフォルト値はmailです。

    snmpSubscriberタイプは、ASRv3およびv3ASRです。v3およびv3ASRタイプの場合、snmpUserを定義する必要があり、communityのかわりにユーザー名を指定します。

    v3ASRタイプの場合、authProtocol=SHAおよびprivProtocol=AESを使用してユーザーを定義する必要があります。ASR Managerによってサポートされるプロトコルはこれらのみです。snmpSubscriberv3ASRタイプとして設定すると、ILOMによって送信されるトラップのILOMプロパティおよびルールも設定されます。

    タイプが指定されない場合、デフォルトはバージョン1、cell_alert trapsです。このタイプを指定する文字列はありません。このタイプを使用するにはタイプ・フィールドを省略してください。

    fromIPフィールドで、トラップが送信されるIPアドレスを指定できます。このフィールドが指定されていない場合、デフォルトで、eth0に関連付けられているIPアドレスが設定されます。Oracle ASR ManagerにデフォルトのIPアドレスが登録されていなければ、このフィールドを使用します。Oracle ASR Managerは、認識できるIPアドレスから送信されたSNMPトラップのみを処理します。

    fromIPフィールドは、タイプがASRまたはv3ASRに設定されているsnmpSubscriberに対してのみ使用できます。

    たとえば:

    DBMCLI> alter dbserver snmpSubscriber=((host=asrhost,port=162,community=public,fromIP="1.1.1.1",type=ASR))
    

    次の例では、タイプがASRまたはv3ASRではないため、エラーが返されます。

    DBMCLI> alter dbserver snmpSubscriber=((host=localhost,port=162,community=public,fromIP="1.1.1.1"))
    DBM-00068: The fromIP field is only supported for ASR SNMP subscribers.

    asrmPortフィールドにより、Oracle ASR Managerとの通信のためにMSで使用されるOracle ASR Managerマシンのポート番号を指定できます。このポートは、Oracle ASR ManagerのHTTP受信機能のHTTPポートと同じにする必要があります。これを確認するには、Oracle ASR Managerマシンでasr show_http_receiverを実行します。

    asrmPortフィールドは、タイプがASRまたはv3ASRに設定されているsnmpSubscriberに対してのみ使用できます。このポートのデフォルト値は16161です。

    snmpUser属性では、SNMPアラートを受信するユーザーを定義します。このコマンドは、対話型モードでのみ実行できます。この属性の構成方法は2通りあります。

    snmpuser=((user_clause)[,(user_clause)[,..]])
    
    snmpuser.name=(user_clause) 
    • snmpuserを指定する場合は、すべての構成対象ユーザーのuser_clauseを指定します。ユーザーを省略すると、そのユーザーはSNMPアラートを受信しなくなります。((user_clause)[,(user_clause)[,..]])文字列を指定すると、その前にsnmpuser属性に使用していた文字列が上書きされます。

    • snmpuser.name指定する場合は、特定のユーザーのみのuser_clauseを指定する必要があります。これにより、各ユーザーを個別に追加、削除または変更できるようになり、snmpuser属性文字列全体を毎回指定する必要がなくなります。

    • snmpuser=''を使用すると、すべてのSNMPユーザーが削除されます。snmpuser.name=''を使用すると、指定のユーザーのみが削除されます。SNMPユーザーは、V3 SnmpSubscriberによって参照されている間は削除できません。

    それぞれの方法で、次の形式のuser_clauseを使用します。

    (([name=user1,] authProtocol=auth_type, authPassword=*,               \
    privProtocol=priv_type, privPassword=*) ,                            \
    (name=user2, authProtocol=auth_type, authPassword=*,                 \
    privProtocol=priv_type, privPassword=*, ), ...) 

    単一のユーザーを更新する場合は、user_clauseにフレーズname=user1, を含めないでください。これは、すでにsnmpuser.nameの一部として名前を指定しているためです。

    • nameはユーザー名です。

    • コマンド内のパスワード値には*のみが使用可能です。パスワードは格納または表示されません。セキュア・ハッシュ・キーが計算され、トラップの認証および暗号化用として使用されます。

    • authProtocolは認証プロトコルです。オプションはMD5またはSHAです。

      snmpUser属性にはauthProtocolを指定する必要があります。

      認証パスワードの入力が求められます。認証パスワードは、8から12文字の英数字にする必要があります。

    • privProtocolは暗号化プロトコルです。オプションはnoneAESまたはDESです。privProtocol属性を指定しない場合、デフォルトのnoneを使用します。

      暗号化プロトコルが指定されている場合、暗号化パスワードの入力が求められます。パスワードは正確に8文字の英数字であり、大文字小文字が区別されます。

    smtpUseSSL属性では、属性をtrueに設定すると、電子メール通知でSecure Socket Layer(SSL)暗号化が有効になります。

    notificationPolicy属性の値は、none、またはcriticalwarningclearの組合せ(notificationPolicy='warning,clear'など)が可能です。

    • critical値は、ハードウェア生成のアラートか、自動診断リポジトリ(ADR)またはベースボード管理コントローラ(BMC)で生成されるアラートを示します。また、critical値は、メトリック定義で指定したcriticalのしきい値を超えた場合のメトリック・アラートも示します。
    • warning値は、メトリック定義で指定したwarningのしきい値を超えた場合のメトリック・アラートを示します。
    • clear値は、値がwarningまたはcriticalのしきい値を超えた後に、そのしきい値の境界を下回った場合のメトリック・アラートを示します。
    • maintenance値は、ハードウェア関連のすべてのエラーを示します。ハードウェア・エラーは、電子メール・メッセージの件名の行に"Maintenance"としてレポートされます。
  • 各サブスクライバのホストは、ドメイン名またはIPアドレスとして指定する必要があります。英数字以外の文字が含まれる場合は、ホスト名またはIPアドレスは引用符で囲みます。ポート値およびコミュニティ値はオプションです。ポート値のデフォルトは162です。コミュニティのデフォルト値はpublicです。タイプ値はオプションです。タイプのデフォルト値はNULLです。サポートされているNULL以外の値は、ASRV3およびv3ASRタイプのみです。

  • Management Server (MS)を起動すると、ASRまたはv3ASRタイプのsnmpSubscriberリストのエントリは、データベース・サーバーのILOMに追加されます。これにより、ILOMが置き換えられると、エントリは新しいILOMに設定されます。エントリがILOMから削除された場合は、ALTER DBSERVER ... snmpUser=コマンドを使用して、それらのエントリを手動でILOMに追加する必要があります。

  • type=asrまたはtype=v3ASRsnmpSubscriberOracle ASR Managerの指定のみに構成する必要があります。

  • データベース・サーバー・アラートまたはイベントの電子メール・メッセージが正常に送信されるかどうかを検証するには、ALTERコマンドにVALIDATE MAILオプションを指定します。検証プロセスにより、設定した受信先にテスト用の電子メール・メッセージが送信されます。テスト用の電子メール・メッセージが受信されない場合は、電子メール構成の設定が有効になっていません。

  • emailFormat属性はhtmlまたはtextです。デフォルトでは、電子メール通知はHTML形式で送信されます。プレーン・テキストの電子メール通知を受信するには、値をtextに変更します。

  • ALTER DBSERVER snmpEngineIDコマンドをSNMPマネージャで使用すると、アラートがデータベース・サーバーからサブスクライブされます。snmpEngineIDパラメータは、最大20文字まで設定できます。これは、データ・センター内のターゲットごとに一意である必要があります。デフォルトは、サーバー名です。SNMPユーザーが定義される前にsnmpEngineID属性が設定されていない場合、このデフォルト値が使用されます。

    SNMPユーザーが定義された後は、エンジン識別子を変更しないでください。エンジン識別子を変更すると、ユーザー・キーが再計算されるため、ユーザーのパスワードを再入力する必要があります。

  • データベース・サーバー名を変更する場合、一意のデータベース・サーバー名を選択する必要があります。
  • ipaddressN属性の1つを変更すると、ネットワーク構成ファイル/etc/oracle/cell/network-config/cellinit.oraが変更されます。
  • ALTER DBSERVER snmpSubscriberコマンドは、Oracle ASRサブスクライバを構成し、トラップを送信します。
  • ALTER DBSERVER emailSubscriberコマンドは、特定の型のアラートのアラート通知の受信先のカンマ区切りの電子メール・アドレス・リストを設定します。この構文の例を次に示します。

    ALTER DBSERVER emailSubscriber = ((email="email_address1",                \ 
               alertType="alert_type")                               \
              [, (email="email_address2",alertType="alert_type"), ...])
    

    電子メール・アドレスは有効な電子メール・アドレスである必要があります。emailパラメータは必須です。alertTypeパラメータは、アラートのタイプを指定します。このパラメータはオプションです。アラート・タイプは、HARDWARESOFTWAREMETRICまたはADRです。アラート・タイプを指定しない場合、すべてのアラート・タイプがサブスクリプションの対象になります。

    入力文字列を空にすると、現在の一連のサブスクライバが削除されます。

    アラート通知を受信するには、通知ポリシーを設定する必要があります。ポリシーは、すべての電子メール・サブスクライバに適用されます。これらのアラートの通知ポリシーは、snmpSubscriberアラートの場合と同じです。

  • syslogconf属性によってデータベース・サーバーのsyslogルールが拡張されます。この属性を使用すると、指定した管理サーバーに対象のsyslogメッセージが転送されるように指定できます。管理サーバーでは、管理サーバーのsyslog構成に応じて、転送されたメッセージがファイル、コンソールまたは管理アプリケーションに渡されます。この属性の構文を次に示します。

    syslogconf = ('selector @node' [, 'selector @node']... )
    

    この構文のselectorはメッセージ・タイプで、nodeは指定したサーバーです。どちらの変数もsyslog.confの標準構文規則に準拠します。

    • syslogconf属性のfacilityオプションは、authauthprivcrondaemonftpkernlprmailmarknewssecuritysysloguseruucplocal0local1local2local3local4local5local6local7none*のいずれかである必要があります。

    • syslogconf属性のpriorityオプションは、alertcritdebugemergerrerrorinfonoticepanicwarnwarningnoneまたは* (アスタリスク)のいずれかである必要があります。

  • ALTER DBSERVER VALIDATE syslogconf selectorコマンドでは、テスト・ログ・メッセージを送信します。テスト・メッセージの送信先は、/etc/syslog.confファイルのルールによって指定されます。syslogconfの割当てによりsyslogのルールが拡張される場合は、指定の管理サーバーにテスト・メッセージが転送されます。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、syslogFormat属性を使用して、必要なフォーマット文字列に値を設定することでsyslogの標準フォーマットを任意のフォーマットに変更できます。syslogFormat属性を空の文字列に設定すると、フォーマットの変更が削除され、syslogフォーマットがデフォルト・フォーマットに戻されます。フォーマット文字列に制御文字が含まれている場合は、コマンドの入力時にバックスラッシュを前に付ける必要があります。

    例は、例9-24を参照してください。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース19.3.0以降では、syslogFormat属性を使用すると、暗号化形式でsyslogを送信できます。完全な構成ステップは、システム・ログ情報の暗号化を参照してください。

  • 電子メールへの診断パッケージの添付をオフにするには、次のコマンドを実行します。

    ALTER DBSERVER diagPackEmailAttach=FALSE
  • Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、httpsAccess属性を使用して、HTTPを介してRESTfulサービスにアクセスできるユーザーを制御するIPアドレスまたはIPサブネット・マスクのリストを指定できます。httpsAccessに指定する値は、以前の値を上書きします。httpsAccessに次の値を使用できます。

    • ALL — すべてのホストへのアクセスを許可します(デフォルト)
    • NONE — HTTPsポートを完全に無効化します
    • IP1, IP2,..., IPn — IPアドレスIP1、IP2...、IPnを持つホストへのアクセスのみを許可します。IPnはIPv4、IPv4サブネット、IPv6またはIPv4埋込みIPv6形式の有効なIPアドレスです。アクセス制御リストには、最大512個のIPアドレスを指定できます。

    また、1つのIPアドレスのかわりに、/文字を使用してサブネット・マスクでIPアドレスの範囲を指定できます。たとえば、範囲'192.168.10.0/24'は、192.168.10.1から192.168.10.255のIPアドレスを持つホストに対応します。IPアドレス範囲を指定する場合は、IPアドレス文字列を引用符で囲む必要があります。

  • ExaCLIで使用するためにセル上にCA認証のセキュリティ証明書を設定するには、次の属性を使用します。

    ノート:

    次の属性は、ExaCLIからALTER CELLコマンドを実行する場合にのみ使用できます。
    • securityPubKey - 公開キー・ファイルのURLを指定します。

    • securityPrivKey - 秘密キー・ファイルのURLを指定します。

    • securityPrivKeyPW - 秘密キー・ファイルが暗号化されている場合に使用するパスワードを指定します。

    たとえば:

    ExaCLI> alter cell securityPubKey="http://www.example.com/security/newkey.crt",  -
                       securityPrivKey="http://www.example.com/security/newkey.key", -
                       securityPrivKeyPW=*
    
    password=****************
    

    CA認証済セキュリティ証明書をアップロードした後、新しいセキュリティ証明書を表示するには、MSを再起動する必要があります。

    CellCLI> alter cell restart services ms
  • Oracle Exadata System Softwareリリース21.2.0以降、ilomSyslogClients属性は、Integrated Lights Out Manager (ILOM)サービス・プロセッサ(SP)からsyslogメッセージを転送するリモート宛先を指定します。

    ilomSyslogClients属性には、最大2つのloghostサーバーのカンマ区切りリストを指定できます。loghostサーバーごとに、有効なホスト名またはIPアドレスを指定する必要があります。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER ilomSyslogClients="192.0.2.101,192.0.2.201"

    ノート:

    ILOM syslogメッセージを受信するには、指定されたilomSyslogClientsがポート514でリスニングする必要があります。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース22.1以降、syslogInput属性を使用すると、ローカル・ホスト(データベース・サーバーまたはストレージ・サーバー)上のsyslogで追加のログをリモート・ログ・サーバーに転送できます。

    syslogInput属性を構成するための構文は、次のとおりです:

    syslogInput = ('selector @[@]node[:remote_port]' [, 'selector @[@]node[:remote_port]']... )
    

    前述の構文で、selectorは転送される追加のログを指定します。selector値には、次のエントリを含めることができます:

    • audit - /var/log/audit/audit.logで監査ログを指定します。

    • aide - /var/log/aide/aide.logでAdvanced Intrusion Detection Environment (AIDE)ログを指定します。

    • yum - /var/log/yum.logでYUMログを指定します。

    複数のselectorエントリは、セミコロン(;)文字で区切る必要があります。

    nodeは、1文字または2文字のアンパサンド(@)文字が前に付いたホスト名またはIPアドレスを使用して指定します。1つのアンパサンド(@)文字を指定して通信にUDPを使用するか、2つのアンパサンド(@@)文字を指定してTCPを使用することもできます。

    デフォルトでは、リモート・システムはポート514 (デフォルトのrsyslogdポート)で通信を受信します。コロン(:)文字とリモート・ポート番号をnodeの指定に追加することで、別のポート番号を指定できます

    次の例では、デフォルトのrsyslogdポート(514)でUDPを使用して監査ログおよびAIDEログを受信するようにloghost1が構成されています。また、loghost2は、ポート10514でTCPを使用してYUMログを受信するように構成されています。

    DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogInput=('audit;aide @loghost1','yum @@loghost2:10514')

    追加のログ転送を停止および削除するには、syslogInputを空の文字列に設定します。たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogInput=''
  • capacity-on-demandを使用して、Oracle Exadataのアクティブ・コアの数を増やすには、pendingCoreCount属性を設定します。

    関連項目:

例9-8は、snmpSubscriberasrmPortフィールドを設定する方法を示しています。

例9-9は、自動診断パックのアップロード機能を有効および無効にする方法を示しています。

例9-10は、データベース・サーバーに電子メール通知を設定する方法を示しています。

例9-11は、データベース・サーバー上の電子メール設定を確認する方法を示しています。

例9-12は、電子メールのメッセージの形式の変更方法を示しています。

例9-13は、データベース・サーバー上のSNMP設定を確認する方法を示しています。

例9-14は、電子メール・アラートのタイプの指定方法を示しています。この例では、1つのサブスクライバがハードウェアおよびソフトウェアを取得し、もう1つのサブスクライバがADRアラートを取得します。

例9-15は、SNMPユーザーを変更する方法を示しています。

例9-16は、単一のSNMPユーザーを変更する方法を示しています。

例9-17は、データベース・サーバー・サービスを起動および停止する方法を示しています。

例9-18は、データベース・サーバー上にLEDを設定する方法を示しています。

例9-19は、キャパシティ・オンデマンドの保留中のコア数の設定を示しています。

例9-20は、syslogconf属性を使用してルールを追加する方法を示しています。

例9-21は、テスト・メッセージを使用してルールを追加および検証する方法を示しています。

例9-22は、syslog.confのルールを削除する方法を示しています。

例9-23は、Exadata RESTfulサービスへのHTTPSアクセスを特定のIPアドレスの範囲に制限する方法を示しています。

例9-8 snmpSubscriberのasrmPortの設定

DBMCLI> ALTER DBSERVER snmpSubscriber=((host=host1,port=162,community=public,type=asr,asrmPort=16161))

例9-9 自動診断パックのアップロードの有効化と無効化

dbserverオブジェクトのdiagPackUploadEnabled属性を設定すると、この機能を有効化または無効化できます。

この機能を無効にする場合は属性をfalseに、有効にする場合はtrueに設定します。デフォルトはtrueです。

DBMCLI> ALTER DBSERVER diagPackUploadEnabled=FALSE

例9-10 データベース・サーバーへの電子メール通知の構成

DBMCLI> ALTER DBSERVER mailServer='mail_relay.example.com',            -
                    smtpFromAddr='john.doe@example.com',         -
                    smtpFrom='John Doe',                         -
                    smtpToAddr='jane.smith@example.com',         -
                    snmpSubscriber=((host=host1),(host=host2)),  -
                    notificationPolicy='clear',                  -
                    notificationMethod='mail,snmp'

例9-11 データベース・サーバー上の電子メール設定の確認

DBMCLI> ALTER DBSERVER VALIDATE MAIL

例9-12 電子メールのメッセージの形式の変更

DBMCLI> ALTER DBSERVER emailFormat='text'
DBMCLI> ALTER DBSERVER emailFormat='html'

例9-13 データベース・サーバー上のSNMP設定の確認

DBMCLI> ALTER DBSERVER VALIDATE SNMP

例9-14 電子メール・アラートのタイプの指定

ALTER DBSERVER emailSubscriber=                                             \
           ((email="email1@example.com",alertType="HARDWARE,SOFTWARE"), \
           (email="email2@example.com",alertType="ADR"))

例9-15 SNMPユーザーの変更

この例は、単一のSNMPユーザーの初期構成を示しています。ここでは、管理者がパスワードの入力を求められます。

CellCLI> ALTER CELL snmpuser = ((name=ASR, authprotocol=md5, authpassword=*,   \
                    privprotocol=AES, privpassword=*))
snmpUser ASR authpassword: password
Confirm snmpUser ASR authpassword: password
snmpUser ASR privpassword: password
Confirm snmpUser ASR privpassword: password

例9-16 単一のSNMPユーザーの変更

次のコード例は、SNMPユーザーの追加、そのユーザーのパスワードの変更、そのユーザーの削除を示しています。

## adding users individually
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2=(authprotocol=SHA,authpassword=*)

snmpUser user2 authpassword: password
Confirm snmpUser user2 authpassword: password

snmpUser ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES)) has been replaced with 
((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES),(name=user2, authProtocol=SHA)).
Cell cel01 successfully altered

## changing a password of an existing user
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2 = (authprotocol=SHA,authpassword=password)

Cell cel01 successfully altered

## delete a user individually
CellCLI> ALTER CELL snmpuser.user2=''

snmpUser ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES),(name=user2, authProtocol=SHA)) has
 been replaced with ((name=user1, authProtocol=SHA, privProtocol=AES)).
Cell cel01 successfully altered

例9-17 データベース・サーバー・サービスの起動および停止

DBMCLI> ALTER DBSERVER SHUTDOWN SERVICES MS

DBMCLI> ALTER DBSERVER RESTART SERVICES MS

表9-18 データベース・サーバーLEDの設定

DBMCLI> ALTER DBSERVER LED OFF
DBMCLI> ALTER DBSERVER LED ON

例9-19 保留コア数の設定

この例は、データベース・サーバーで保留中のコア数を設定する方法を示しています。正しい値が設定されていることを確認するには、LIST DBSERVERコマンドを使用します。

DBMCLI> ALTER DBSERVER pendingCoreCount=20

例9-20 syslogconf属性の使用

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogconf=('*.err;authpriv.none @loghost', -
         '*.emerg @loghost')

例9-21 ルールの追加および検証

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogconf=('kern.crit @loghost')
DBMCLI> ALTER DBSERVER VALIDATE syslogconf   'kern.crit'

例9-22 すべてのsyslog.confルールの削除

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogconf=''

例9-23 Exadata RESTfulサービスへのHTTPSアクセスの制限

次のコマンドは、192.168.10.1から192.168.10.255までの範囲でIPアドレスを持つホストへのHTTPsポート・アクセスを許可します。

DBMCLI> ALTER DBSERVER httpsAccess="192.168.10.0/24"

例9-24 Syslogフォーマットをカスタム文字列に設定してデフォルト・フォーマットに戻す

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogformat="%TIMESTAMP:::date-rfc3339% %HOSTNAME%%syslogtag%
%syslogseverity-text%:%msg:::sp-if-no-1st-sp%%msg:::drop-last-lf%\\n"

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogformat="%TIMESTAMP% %HOSTNAME% %msg%\\n"

DBMCLI> ALTER DBSERVER syslogformat=""
9.7.1.2.1 リアルタイム・インサイトの属性

Oracle Exadata System Software 22.1.0以降では、リアルタイム・インサイト機能を使用して、Exadataシステムをリアルタイムで監視できます。

ファイングレイン・メトリック収集

metricFGCollIntvlInSec属性により、ファイングレイン・メトリック収集を制御します。

  • ファイングレイン・メトリック収集を有効にするには、収集間隔を1から60秒までの値に設定する必要があります。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricFGCollIntvlInSec=1

    metricFGCollIntvlInSec設定は、metricStreamIntvlInSec属性で指定された自動アップロード頻度に関連します。自動メトリック・アップロードとファイングレイン収集の両方が有効な場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec>0)、metricStreamIntvlInSecmetricFGCollIntvlInSecの5から30倍である必要があります。たとえば、metricStreamIntvlInSecが60に設定されている場合、metricFGCollIntvlInSecは2から12までである必要があります。

  • サーバーでファイングレイン・メトリック収集を無効にするには、metricFGCollIntvlInSec=0に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricFGCollIntvlInSec=0

    ファイングレイン・メトリック収集を無効にできるのは、自動メトリック・アップロードが無効(metricStreamIntvlInSec=0)であるか、自動アップロード頻度が5分から30分(metricStreamIntvlInSecが300から1800の間)の場合のみです。

自動メトリック・アップロード

metricStreamIntvlInSec属性により、metricStreamEndPoint属性で指定されたメトリック・ストリーミング・エンドポイントへの自動アップロードのアップロード間隔(秒)を設定します。

  • 自動メトリック・アップロードを有効にするには、metricStreamIntvlInSec属性を0以外の値に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamIntvlInSec=25

    metricStreamIntvlInSec設定は、metricFGCollIntvlInSec属性で指定されたファイングレイン収集頻度に関連しています:

    • 自動メトリック・アップロードとファイングレイン収集の両方が有効な場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec>0)、metricStreamIntvlInSecmetricFGCollIntvlInSecの5から30倍である必要があります。たとえば、metricFGCollIntvlInSecが5に設定されている場合、metricStreamIntvlInSecは25から150までである必要があります。

    • 自動メトリック・アップロードが有効で、ファイングレイン収集が無効になっている場合(metricStreamIntvlInSec>0およびmetricFGCollIntvlInSec=0)、自動アップロード頻度は5分から30分の間である必要があります(metricStreamIntvlInSecは300から1800の間である必要があります)。

  • 自動メトリック・アップロードを無効にするには、metricStreamIntvlInSec=0に設定します。

    たとえば:

    DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamIntvlInSec=0

メトリック・アップロード・エンドポイント

metricStreamEndPoint属性により、メトリック・ストリームを自動的に受信する1つ以上の収集エンドポイントを指定します。metricStreamEndPointは次のように設定できます。

metricStreamEndPoint[+]=((host="endpoint-URL"[,type="stream-format"][,token="authentication-token"][,{httpProxy|httpsProxy}="proxy-server"])
                          [,(host="endpoint-URL"[,type="stream-format"][,token="authentication-token"][,{httpProxy|httpsProxy}="proxy-server"])]...)

metricStreamEndPoint定義の内容:

  • host: 収集エンドポイントのURLを指定します。このURLでは、HTTPまたはHTTPSを使用できます。

  • type: オプションで、ストリームの形式を指定します。サポートされている値は次のとおりです。

    • JSON: ストリームをJSON形式で提供します。

    • plaintext: ストリームをプレーン・テキスト形式で提供します。

    デフォルト値はjsonです。

  • token: オプションで、収集エンドポイントの認証トークンを指定します。トークンの生成の詳細は、メトリック収集プラットフォームを参照してください。

  • httpProxyまたはhttpsProxy: オプションで、収集エンドポイントへのネットワーク接続を容易にするためのプロキシ・サーバーを指定します。Exadataシステムと収集エンドポイントの間にファイアウォールが存在する場合は、プロキシ・サーバーが必要です。

オプションの+=演算子を使用すると、収集エンドポイントを既存のmetricStreamEndPoint定義に追加できます。それ以外の場合は、=演算子を使用すると前の属性値が上書きされます。

メトリック・タグ

metricStreamTags属性により、サーバーによって生成されるすべてのメトリック観測データに含める、一連のメトリック・タグを定義します。これらのタグは、多数のExadataサーバーによって生成された観測データを整理およびグループ化するために役立ちます。

metricStreamTags属性は、次のような、タグと値のペアを含む有効なJSON文字列に設定できます。

metricStreamTags='{"tag1":"value1"[,"tag2":"value2"]...}'

たとえば:

DBMCLI> ALTER DBSERVER metricStreamTags='{"application":"personnel","department":"HR"}'
9.7.1.3 ALTER IBPORT

用途

ALTER IBPORTコマンドは、すべてのInfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートまたは特定のポートに対するアクションを実行します。

ノート:

このコマンドは、RoCEネットワーク・ファブリックを使用するOracle Exadataサーバーでは機能しません。

構文

ALTER IBPORT {ALL | ibport_name [, ibport_name] ...} RESET COUNTERS

使用上のノート

RESET COUNTERSオプションは、InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポート上のすべてのカウンタをリセットします。

例9-25 IBPORT属性の変更

この例は、すべてのポートまたは特定のポートのIBPORTカウンタのリセット方法を示しています。

DBMCLI> ALTER IBPORT ALL RESET COUNTERS

         InfiniBand Port HCA-1:1 successfully altered.
         InfiniBand Port HCA-1:2 successfully altered.
 
DBMCLI> ALTER IBPORT "HCA-1:1" RESET COUNTERS

         InfiniBand Port HCA-1:1 successfully altered.
9.7.1.4 ALTER METRICDEFINITION

用途

ALTER METRICDEFINITIONコマンドは、メトリック・ストリームおよびファイングレイン収集に含まれるメトリックを制御します。

構文

ALTER METRICDEFINITION metric_name [, metric_name ]... attribute_name = attribute_value [, attribute_name = attribute_value]...
ALTER METRICDEFINITION attribute_name = attribute_value [, attribute_name = attribute_value]... attribute_filters

使用上のノート

  • コマンドで次のようにします。

    • metric_name: 変更する特定のメトリック定義を指定します。

    • attribute_filters: 属性値に従ってフィルタ処理することで、変更するメトリック定義を指定します。

    • attribute_name=attribute_value: 属性設定を指定します:

      • finegrained属性は、メトリックでファイングレイン収集を有効にするかどうかを制御します。

        finegrained=enabledを指定してメトリックでファイングレイン収集を有効にするか、finegrained=disabledを指定してメトリックでファイングレイン収集を無効にします。

      • streaming属性は、メトリックをメトリック・ストリームに含めるかどうかを制御します。

        streaming=enabledを指定してメトリック・ストリームにメトリックを含めるか、streaming=disabledを指定してメトリック・ストリームからメトリックを除外します。

  • デフォルトでは、一連のキー・パフォーマンス・メトリックがファイングレイン収集に対して自動的に有効になり、メトリック・ストリームに自動的に含まれます。ただし、finegrainedおよびstreaming属性は個別にカスタマイズできます。つまり、ファイングレイン収集のメトリックをメトリック・ストリームに含めることなく有効にできます。同様に、メトリックがファイングレイン収集に含まれていない場合はメトリック・ストリームに含めることができます。

  • ファイングレイン収集が有効になっているメトリックを表示するには、LIST METRICDEFINITIONコマンドを使用し、finegrained属性値を確認します。

  • メトリック・ストリームに含まれるメトリックを表示するには、LIST METRICDEFINITIONコマンドを使用してstreaming属性値を調べます。

例9-26 特定のメトリック定義の変更

この例では、イーサネット・ネットワーク・インタフェース転送速度(N_NIC_KB_TRANS_SEC)を示すメトリックのファイングレイン・メトリック収集を有効にするコマンドを示します。

DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_NIC_KB_TRANS_SEC finegrained=enabled

例9-27 メトリック定義のリストの変更

この例では、リストした一連のメトリックのファイングレイン・メトリック収集を無効にするコマンドを示します。

DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION N_MB_SENT,N_MB_RECEIVED finegrained=disabled

例9-28 フィルタの使用によるメトリック定義の変更

この例は、属性フィルタで指定されたすべてのメトリックをメトリック・ストリームに含めるコマンドを示しています。

DBMCLI> ALTER METRICDEFINITION streaming=enabled WHERE name LIKE 'N_NIC.*'
9.7.1.5 ALTER SOFTWAREUPDATE

Oracle Exadata System Softwareリリース19.3.0以降では、SoftwareUpdate属性を設定することで、データベース・サーバーのソフトウェア更新をスケジュールできます。

用途

ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドでは、変更可能なソフトウェア更新属性を変更して、ソフトウェア更新の前提条件を検証したり、アップグレードを即座に開始できます。

dcliまたはexacliを使用してALTER SOFTWAREUPDATEコマンドを実行することもできます。

ノート:

現在、データベース・ノードのローリング・アップグレードの自動化はサポートされていないため、サービス停止による停止時間を回避するためにアップグレードを計画する必要があります。

構文

ALTER SOFTWAREUPDATE {VALIDATE PREREQ [FORCE] | UPGRADE [FORCE] | attribute = attribute value 
[,attribute = attribute value...]}

ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドのオプション

  • VALIDATE PREREQ [FORCE]

    ソフトウェア更新の前提条件チェック・ステップを実行します。これにより、store属性で指定された更新に対して、ソフトウェア更新の前提条件コードがダウンロードされます。これらのチェックは、更新の一部として自動的に実行されます。事前要件チェックを明示的に実行する場合にのみ、このオプションを使用します。検出されたエラーが表示されます。VALIDATE PREREQコマンドでエラーが検出された場合、ステートフル・アラートが発生します。

    FORCEオプションを指定すると、dbnodeupdateコマンドは-modify_on_prereqオプションを指定して実行されます。

  • UPGRADE [FORCE]

    ソフトウェア更新のstore属性で指定されたソフトウェアの場所を使用して、ソフトウェア更新(前提条件ステップを含む)を実行します。ソフトウェア更新のtime属性で指定された時間待機するのではなく、即座に更新を実行する場合、このコマンドを使用します。

    FORCEを指定した場合、前提条件チェックでエラーが検出されても、アップグレードは続行します。

  • attribute = attribute value

    指定したソフトウェア更新属性を指定した値に変更します。

SOFTWAREUPDATEの属性

ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドの次の属性は変更可能です。

  • frequency: frequency属性を必要な頻度に設定すると、データベース・サーバーの定期更新が自動的に実行されます。{none | daily | weekly | biweekly }のいずれかの値を指定できます。frequencyに指定された値が''またはnoneの場合、スケジュールされた更新は1回のみ実行されます。
  • name: 更新で使用するパッチの名前。これには、19.3.1.0.0.190918などのソフトウェア・バージョンの文字列が含まれています。名前は、ISOファイルを含むARU形式のファイル名(たとえば、p28802069_193000またはp28802067_193000)にすることも、ラベルベースの名前(たとえば、exadata_ovs_19.3.0.0.0.190913またはexadata_ol7_19.3.0.0.0.190913)にすることもできます。これらのISO zipファイルをダウンロードすると、データベース・サーバー更新ソフトウェアが同じストアの場所から自動的にダウンロードされます。

    nameが設定されていない場合(unknownの値が設定されている場合)、UPGRADEまたはVALIDATE PREREQが指定されていると、ストアから最新バージョンのexadata_oxx_...zipパッチが選択されます。

    名前が設定されていない場合(値がunknownの場合)、ALTER SOFTWAREUPDATE UPGRADEまたはALTER SOFTWAREUPDATE VALIDATE PREREQコマンドを使用するときに、ソフトウェア・ストアがチェックされ、name属性が(まだ設定されていない場合は)ソフトウェア・ストア内の使用可能な最新バージョンに自動的に設定されます。ストア・サイトで複数のソフトウェア・バージョンが存在する場合、この属性を使用して、使用するバージョンを指定できます。

  • store: ソフトウェア・ストアの場所のURL。

    ネットワーク・ストアの場所の指定に、HTTPまたはHTTPSプロトコルを使用する場合:

    • 管理ネットワークまたはRDMAネットワーク・ファブリックを使用して、URLにアクセスできることが必要です。

    • MSによって、必要なソフトウェア更新ファイルが自動的に検出されてダウンロードされます。

    • ダウンロードされたソフトウェア更新ファイルのローカル・ステージングの場所は、システム構成によって異なります。

      • Oracle Exadata Database Machineが仮想マシン(VM)なしで構成されている場合(ベア・メタル構成とも呼ばれます)、ダウンロードされたソフトウェア更新ファイルのローカル・ステージングの場所は/u01/swupdateになります。

      • Oracle Exadata Database Machineが仮想マシン(VM)で構成されている場合、ダウンロードされたソフトウェア更新ファイルのローカル・ステージングの場所は次のとおりです。

        • VMサーバー(KVMホストまたはOracle VM管理ドメイン)内の/EXAVMIMAGES/swupdate

        • 各VM (KVMゲストまたはOracle VMユーザー・ドメイン)内の/u01/swupdate

    また、FILEプロトコルを使用して、ローカル・ストアのURLを指定することもできます。ローカル・ストアを使用する場合:

    • MSでは、パッチzipファイルのダウンロードや関連する領域チェックの実行は必要ありません。

    • MSでは、ローカルのソフトウェア・ストアのコンテンツが管理されません。パッチ適用前に必要なパッチ・ファイルをダウンロードして、その後でファイルを削除して領域を解放する必要があります。

    • ファイルURLには、次のいずれかの形式を使用する必要があります。

      • file:///localpath
      • file:/localpath
  • time: ソフトウェア更新を実行する未来の日時。時間は、"1 AM, next Tuesday"などのローカルの非公式な日時として指定できます。日時が有効な場合、この属性の設定による出力では、タイムゾーン・オフセットを使用した標準形式(2017-08-22T01:00:00-08:00など)で解釈された時間を表示します。

    この属性を空の文字列""に設定した場合、スケジュールされたソフトウェア更新は取り消されます。

  • timeLimitInMinutes: 更新は、ディスク・グループの冗長性を維持するために、他のデータベース・サーバーで更新が完了するのを待機する場合があります。デフォルトでは、更新の待機に費やすことができる時間に制限はありません。この属性には、データベース・サーバーが更新の待機に費やす時間(分)を表す正の最大整数を設定できます。更新が制限によって指定された時間内に開始しない場合、更新は取り消され、更新のアラートがレポートされます。

使用上のノート

  • 現在、ISOファイル・リポジトリのダウンロードのみがサポートされています。
  • ソフトウェアがダウンロードされると、前提条件チェックがスケジュールされた更新時間の前の週までに開始されます。
  • 更新の進行状況は、変更できないソフトウェア更新のstatus属性を表示することにより監視できます。
  • アップグレード・ソフトウェアがすでにインストールされている場合、ソフトウェア更新は行われません
  • dcliまたはexacliを使用して、ALTER SOFTWAREUPDATEコマンドで更新をスケジュールおよびインストールできます。
  • ソフトウェア更新では、ソフトウェアのダウンロード用にHTTPSトランスポートの使用をサポートしています。HTTPSを使用している場合、デフォルトでTLS証明書チェックが実行されます。リモート・サーバーの証明書を検証できない場合、次のエラーがレポートされます。

    CELL-00076: An error occurred during download of software update:
    source https://hostname:port is not available.
    CELL-00092: The store's TLS certificate cannot be authenticated with known CA certificates.

    これは、リモート・サーバーが自己署名した証明書を使用している場合、またはデータベース・サーバーのCAストアに含まれていない認証局(CA)によって署名された証明書をリモート・サーバーが使用している場合、発生する可能性があります。次の手順を使用して、CA証明書をデータベース・サーバーのCAストアに追加できます。これは、データベース・サーバーでrootとしてシェルにアクセスする必要があるセキュリティ設定ステップです。

    1. リモート・サーバーを検証できるCA証明書を取得します。証明書は、PEMまたはDERファイル形式で格納する必要があります。
    2. このファイルをデータベース・サーバーの/etc/pki/ca-trust/source/anchors/ディレクトリにコピーします。
    3. 次のコマンドを実行します。
      update-ca-trust enable
      update-ca-trust extract

    manを使用して、update-ca-trustコマンドの詳細情報を取得します。

例9-29 ソフトウェア更新のtime属性の変更

スケジュールした次回のソフトウェア更新の時間を2019年12月27日の午前12時30分に変更します。

ALTER SOFTWAREUPDATE time="2019-12-27T00:30"

例9-30 ソフトウェア更新のstore属性の設定

この例は、HTTPSプロトコルを使用する場所にstore属性を設定する方法を示しています。

ALTER SOFTWAREUPDATE store="https://my-exa-store/compute"

例9-31 ソフトウェア更新の即時起動

この例は、前提条件のチェックの実行後に、すでに指定した属性値を使用してソフトウェア更新を即座に開始する方法を示しています。

ALTER SOFTWAREUPDATE VALIDATE PREREQ

ALTER SOFTWAREUPDATE UPGRADE FORCE
9.7.1.6 ALTER THRESHOLD

用途

ALTER THRESHOLDコマンドは、すべてのしきい値または指定したしきい値の属性値を更新します。

構文

ALTER THRESHOLD { ALL |threshold_name [, threshold_name ...] }
   attribute_name = attribute_value 
   [, attribute_name = attribute_value]...

使用上のノート

ALTERコマンドで変更可能な属性は、例9-53modifiableとして示されます。

例9-32は、しきい値の属性を変更する方法を示しています。

例9-32 しきい値の属性の変更

DBMCLI> ALTER THRESHOLD temp  warning=30

DBMCLI> ALTER THRESHOLD ALL occurrences=3

関連項目:

しきい値の属性の設定の詳細は、「CREATE」を参照してください。

9.7.1.7 ALTER USER

用途

ALTER USERコマンドは、ユーザーの属性を変更します。

構文

ALTER USER username attribute_name = attribute_value      \
[, attribute_name = attribute_value, ...]

使用上のノート

  • usernamerootdbmadminまたはdbmmonitorにすることはできません。これらは予約されています。

  • ユーザー名は一意である必要があります。

  • 新しいユーザーのパスワードの入力が求められます。パスワードには、少なくとも1つの数字、1つの小文字および1つの大文字を使用した、12から40文字の英数字または特殊文字!@#$%^&*()である必要があります。Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0以降、パスワードの長さは8から40文字にすることができ、特殊文字(-および_)を使用することもできます。

  • 新しいパスワードをユーザーの現在のパスワードと同じにすることはできません。

例9-33 ALTER USERコマンドの使用

DBMCLI> ALTER USER scott password=TOPsecret2345

9.7.2 CREATE

用途

CREATEコマンドは、新規のオブジェクトを作成し、初期属性をオブジェクトに割り当てます。

構文

CREATE object_type [name] [attributename=attribute_value [, attributename=attribute_value]...]

使用上のノート

  • object_typeは次のとおりです。

    • DBSERVER

    • DIAGPACK

    • ROLE

    • THRESHOLD

    • USER

  • nameは、新規オブジェクトの名前です。

  • attribute_valueは、object_typeの変更可能な属性の名前です。

  • attribute_valueは、属性の初期設定です。

  • 複数のオブジェクトがCREATEコマンドのターゲットとして有効な場合は、正常に実行されない場合があります。エラーが発生するとコマンドが中断され、残りのオブジェクトは作成されません。

9.7.2.1 CREATE DBSERVER

用途

CREATE DBSERVERコマンドは、DBSERVERオブジェクト・タイプを作成します。

構文

CREATE DBSERVER [name] 
    [interconnect1=intValue1 [, interconnect2=intValue2 ...]] 
    [ { , ipaddress1=ipValue1 [, ipaddress2=ipValue2 ...] }]
    [, attributeName = attributeValue ...]

使用上のノート

設定可能な属性は、DESCRIBE DBSERVERmodifiableとして示されます。

  • このコマンドを使用すると、ASR値をsnmpSubscriber属性に割当てできます。

  • 名前を指定しない場合、デフォルトにより、データベース・サーバー名は、ネットワーク名のハイフンをアンダースコアで置換したサーバーのネットワーク・ホスト名に設定されます。ネットワーク名は、uname -nコマンドで表示できます。データベース・サーバー名を変更する場合、一意のデータベース・サーバー名を選択する必要があります。

    名前を指定する場合は、名前がガイドラインを満たしていることを確認します。

  • 1から4つのインターコネクトを指定できます。interconnect2属性が指定されている場合は、interconnect1属性を指定する必要があります。interconnect3が指定されている場合は、interconnect1属性とinterconnect2属性を指定する必要があります。

  • interconnectnipaddressnを指定すると、ipaddressnエントリが自動的に/etc/oracle/cell/network-config/cellinit.oraファイルに書き込まれます。

  • インターコネクトには、RDMAネットワーク・ファブリック(ibNまたはreN)が使用されます。

  • Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降では、httpsAccess属性を使用して、HTTPを介してRESTfulサービスにアクセスできるユーザーを制御するIPアドレスまたはIPサブネット・マスクのリストを指定できます。httpsAccessに指定する値は、以前の値を上書きします。httpsAccessに次の値を使用できます。

    • ALL — すべてのホストへのアクセスを許可します(デフォルト)
    • NONE — HTTPsポートを完全に無効化します
    • IP1, IP2,..., IPn — IPアドレスIP1、IP2...、IPnを持つホストへのアクセスのみを許可します。IPnはIPv4、IPv4サブネット、IPv6またはIPv4埋込みIPv6形式の有効なIPアドレスです。アクセス制御リストには、最大512個のIPアドレスを指定できます。

    また、1つのIPアドレスのかわりに、/文字を使用してサブネット・マスクでIPアドレスの範囲を指定できます。たとえば、範囲'192.168.10.0/24'は、192.168.10.1から192.168.10.255のIPアドレスを持つホストに対応します。IPアドレス範囲を指定する場合は、IPアドレス文字列を引用符で囲む必要があります。

例9-34は、interconnectn属性を指定したCREATE DBSERVERコマンドを示しています。

例9-35は、RESTfulサーバーへのHTTPsアクセスを一連のホストに制限するDBSERVERオブジェクトを作成する方法を示しています。

例9-34 DBサーバーの作成とDBSERVERオブジェクトのinterconnectn属性の設定

InfiniBandネットワーク・ファブリックを使用するラックの場合:

DBMCLI> CREATE DBSERVER interconnect1=ib0, interconnect2=ib1

RoCEネットワーク・ファブリックを使用するラックの場合:

DBMCLI> CREATE DBSERVER interconnect1=re0, interconnect2=re1

例9-35 制限されたHTTPsアクセスによるDBServerの作成

この例は、192.168.10.1から192.168.10.255までの範囲でIPアドレスを持つホストからのみHTTPsポート・アクセスを許可するDBSERVERオブジェクトを作成する方法を示しています。

InfiniBandネットワーク・ファブリックを使用するラックの場合:

DBMCLI> CREATE DBSERVER interconnect1=ib0, httpsAccess="192.168.10.0/24" 

RoCEネットワーク・ファブリックを使用するラックの場合:

DBMCLI> CREATE DBSERVER interconnect1=re0, httpsAccess="192.168.10.0/24"
9.7.2.2 CREATE DIAGPACK

用途

CREATE DIAGPACKコマンドは、診断パッケージを作成し、これにはシステムの問題のトラブルシューティングに使用できるログおよびトレースが含まれます。必要に応じて、このパッケージをOracleサポートに送信することもできます。

構文

CREATE DIAGPACK packStartTime=time, [durationInHrs=duration]

または

CREATE DIAGPACK alertName=alertName

使用上のノート

アラートが発生した場合、診断パッケージは自動的に作成されます。このパッケージには、アラートに関連するログおよびトレースが含まれます。

CREATE DIAGPACKコマンドを使用して、手動で診断パッケージを生成できます。

  • packStartTimeパラメータは、ログおよびトレースの収集を開始する時間を指定します。packStartTimeの書式は次のとおりです。

    yyyy_MM_ddTHH_mm_ss

    たとえば: 2015_07_07T09_00_00

    packStartTimeにキーワードnowを指定することもできます。packStartTimeには、将来の時間および7日より前の時間は指定できません。packStartTimeの値は、診断パッケージの名前の一部として使用されます。

  • durationInHrsパラメータは、診断パッケージに含めるログおよびトレースの時間数を指定します。有効な値は、1(デフォルト)から6です。

    すべての診断パッケージには、packStartTimeの1時間前および1時間後のログが含まれます。たとえば、時間として12_00_00を指定した場合、終了時間が将来でなければ、11_00_00から13_00_00のログが収集されます。

  • alertNameパラメータで、診断パッケージを作成するアラート名を指定します。LIST ALERTHISTORYコマンドを実行して、アラート名を表示できます。

診断パッケージの名前

診断パッケージの名前は、次の形式になります。

hostname + packStartTime + unique package ID

たとえば: scaqab04adm08_2016_05_17T11_58_54_5_1.tar.bz2

アラートの場合、診断パッケージの名前は次の形式になります。

hostname + timestamp of when the package was created + alert ID

たとえば: scaqab04adm08_2016_05_17T11_58_54_5_1.tar.bz

診断パッケージの場所

診断パッケージの場所は/opt/oracle/dbserver/dbms/deploy/logです。

診断パッケージのステータス

LIST DIAGPACKコマンドを実行して、システム内の診断パッケージのリストおよびそのステータスを取得できます。

診断パッケージの作成、リストおよびダウンロードに必要な権限

診断パッケージをダウンロードするには、事前にユーザーにロールを付与する必要があります。DBMCLIを使用して、次の権限をロールに付与します。
  • 診断パッケージを作成する権限:

    grant privilege CREATE ON DIAGPACK to ROLE role 
  • 診断パッケージをリストし、そのステータスをチェックする権限:

    grant privilege LIST ON DIAGPACK to ROLE role 
  • 診断パッケージをダウンロードする権限:

    grant privilege DOWNLOAD ON DIAGPACK to ROLE role 

その後、このロールをユーザーに付与できます。たとえば、ロールにdiagpack_role,という名前を付けた場合、次のコマンドでユーザーfredにロールを付与します。

DBMCLI> GRANT ROLE diagpack_role TO USER fred

デプロイ中、Oracle Exadata Deployment Assistant (OEDA)によってCELLDIAGという名前のExadataストレージ・ソフトウェア・ユーザーが作成されます。このユーザーを使用して、ExaCLIまたはREST API経由でリモートからセルに接続できます。このユーザーには診断パッケージの作成、表示およびダウンロードの権限があります。

診断パッケージのダウンロード

次のいずれかの方法で診断パッケージをダウンロードできます。診断パッケージをダウンロードする前に、DOWNLOAD ON DIAGPACK権限が必要であることに注意してください。
  • REST APIの使用

    • 名前によって診断パッケージをダウンロードするには、次のURLを使用します。ここで、hostnameにはサーバーのホスト名を、diagpacknameには診断パッケージの名前を指定します。URLは、セキュアなソケット・ポート(デフォルトは7879)を指している必要があります。

      https://hostname:7879/diagpack/download?name=diagpackname

      ユーザーがまだログインしていない場合、このURLでは、ユーザー名とパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

      診断パッケージには、次のようにアクセスすることもできます

      https://hostname:7879/diagpack

      たとえば:

      https://dbnode01.example.com:7879/diagpack

      このページでは、次のようにログインするユーザー名を要求されます。

      User: fred
      Password: *******

      ユーザーの権限に基づいて、このページの異なるセクションが非表示になります。ユーザーがCREATE ON DIAGPACK権限を持っていない場合は、新しいdiagpackを作成するためのフォームが表示されません。同様に、ユーザーがLIST ON DIAGPACK権限を持っていない場合は、アラートおよびその診断パッケージのリストが表示されません。

      アラート名によって診断パッケージをダウンロードするには、次のURLを使用します。ここで、hostnameにはサーバーのホスト名を、alertNameには診断パッケージのアラート名を指定します。

      https://hostname:7879/diagpack/download?alert=alertName

      これは、AlertHistoryで使用されるものと同じアラート名です。ステートレス・アラートでは1、2、3、ステートフル・アラートでは1_1、2_1、3_1、3_2のようになります。

  • ExaCLIのdownloadコマンドを使用する

    ExaCLIにより、計算ノードからリモートでストレージ・ノード上のCellCLIコマンドを実行できます。downloadコマンドを実行するには、計算ノードで次のコマンドを実行します。

    1. ExaCLIを起動し、診断パックが含まれるセルに接続します。次のようなコマンドを使用します。ここで、hostnameにはセルのホスト名を指定します。

      exacli -l celladministrator -c hostname
      Password=********
    2. downloadコマンドを実行します。次のようなコマンドを使用します。ここで、nameにはダウンロードする診断パッケージの名前を、destinationFolderには、ダウンロードされる診断パッケージを保存するディレクトリを指定します。

      exacli> download diagpack name destinationFolder 
  • アラートの電子メールから診断パッケージを取得する

    アラートの電子メールには、INFO、CLEARおよびWARNINGを除く、すべてのアラートの診断パッケージが含まれています。診断パッケージは、クリティカル・アラートのみに生成されます。

電子メールへの診断パッケージの添付をオフにする

電子メールへの診断パッケージの添付をオフにするには、コマンド alter dbserver diagPackEmailAttach=FALSEを使用します。診断パッケージは引き続き生成され、システムに格納されます。診断パッケージをダウンロードするには、「診断パッケージのダウンロード」の項を参照してください。

例9-36 packStartTimeでの「now」の使用

この例では、開始時間としてNOWを使用し、デフォルトの継続時間の1時間で診断パッケージを作成します。

出力は、ディレクトリ/opt/oracle/dbserver/dbms/deploy/logの単一の圧縮ファイルです。

DBMCLI> create diagpack packStartTime="now"
    Processing: dm01db01_diag_2015_07_08T17_53_58_1
    Use 'list diagPack' to check its status.

例9-37 継続時間の指定

この例では、/opt/oracle/dbserver/dbms/deploy/logに3つの診断パッケージが作成されます。

  • 最初のパッケージの開始時間は2015_07_07T09_00_00です。

  • 第2のパッケージの開始時間は2015_07_07T10_00_00です。

  • 第3のパッケージの開始時間は2015_07_07T11_00_00です。

DBMCLI> create diagpack packStartTime="2015_07_07T09_00_00", durationInHrs=3
    Processing: dm01db01_diag_2015_07_07T09_00_00_1
    dm01db01_diag_2015_07_07T10_00_00_1 (In queue...)
    dm01db01_diag_2015_07_07T11_00_00_1 (In queue...)
    Use 'list diagPack' to check its status.
9.7.2.3 CREATE ROLE

用途

CREATE ROLEコマンドは、データベース・サーバーにアクセスするユーザーのロールを作成します。

構文

CREATE ROLE  role_name1 [, role_name2, ...]

使用上のノート

ロールは一意である必要があります。

例9-38は、ロールの作成方法を示しています。

例9-38 ロールの作成

DBMCLI> CREATE ROLE dbmonitor
9.7.2.4 CREATE THRESHOLD

用途

CREATE THRESHOLDコマンドは、メトリック・アラートの生成条件を指定するしきい値オブジェクトを作成します。

構文

CREATE THRESHOLD name attributename=value [, attributename=value]...

使用上のノート

指定可能な属性は、comparisoncriticaloccurrencesobservationおよびwarningです。

  • name引数は必須です。名前はメトリック名とオブジェクト名で構成され、書式はmetricName.objectName (db_io_rq_sm_sec.db123ct_io_wt_rq.interactiveなど)になります。LIST METRICCURRENT metricコマンドを使用して、メトリックの使用可能なオブジェクト名を表示します。オブジェクト名はオプションです。

  • オブジェクト名が指定されない場合、指定のメトリックのすべてのメトリック・オブジェクトにしきい値が適用されます。

  • comparison属性は必須で、条件値が付きます。値は、'<''<=''=''>='または'>'にする必要があります。

  • occurrences属性では、状態変更をトリガーするしきい値を超える測定値の連続する数を指定します。

    発生および観測件数を指定する場合は、サンプル平均数の連続する発生数を、アラートの原因となった観測件数より多く指定する必要があります。たとえば、次の5つの観測(observations=5)がデータベース・サーバー上で発生した場合、連続する発生件数(occurrences=2)の値が5および15のため、平均サンプル数は10になります。

    Observation 1: 0
    Observation 2: 30
    Observation 3: 0
    Observation 4: 5
    Observation 5: 15
    
  • observation属性は、測定値の平均を計算するために使用される測定値の数です。

  • warningまたはcriticalに設定される値の状態変更により、ステートフル・アラートが生成されます。

例9-39 しきい値の作成

この例は、しきい値を作成する方法を示しています。

DBMCLI> CREATE THRESHOLD temp comparison='>', critical=30

関連項目:

9.7.2.5 CREATE USER

用途

CREATE USERコマンドは、ユーザーを作成します。

構文

CREATE USER name PASSWORD = *

使用上のノート

  • ユーザー名は一意である必要があります。

  • usernamerootdbmadminまたはdbmmonitorにすることはできません。これらは予約されています。

  • 新しいユーザーのパスワードの入力が求められます。パスワードには、少なくとも1つの数字、1つの小文字および1つの大文字を使用した、12から40文字の英数字または特殊文字!@#$%^&*()である必要があります。Oracle Exadata System Softwareリリース18.1.0.0.0以降、パスワードの長さは8から40文字にすることができ、特殊文字(-および_)を使用することもできます。

  • 新しいパスワードをユーザーの現在のパスワードと同じにすることはできません。

例9-40 ユーザーの作成

DBMCLI> CREATE USER jdoe PASSWORD = *
password: 
Confirm password: password
User jdoe successfully created.

9.7.3 DESCRIBE

用途

DESCRIBEコマンドは、引数として指定されるオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。modifiableというタグは、ALTERコマンドを使用して属性を変更できるかどうかを示しています。

構文

DESCRIBE object_type

使用上のノート

  • object_typeは、サポートされるオブジェクト・タイプの1つです。

  • 属性のリストは、LISTコマンドで引数として使用できます。

  • DESCRIBEでは、オブジェクトのすべての属性は表示されません。

9.7.3.1 DESCRIBE ALERTDEFINITION

用途

DESCRIBE ALERTDEFINITIONコマンドは、ALERTDEFINITIONオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE ALERTDEFINITION

使用上のノート

表9-2は、DESCRIBE ALERTDEFINITIONコマンドの属性を示しています。

表9-2 DESCRIBE ALERTDEFINITIONの属性

属性 説明

alertShortName

アラートの省略名。アラートの基準がメトリックの場合、省略名は対応するメトリックのname属性と同じになります。

alertSource

アラートのソース(BMCADRなど)。

alertType

アラートのタイプ。値はステートフルまたはステートレスです。

  • ステートフル・アラートは、normalに遷移すると自動的にクリアされます。

  • ステートレス・アラートはクリアされません。アラートは、examinedBy属性を設定して変更できます。

description

アラートの説明。

metricName

アラートの基準がメトリックの場合のメトリック名。

name

アラートの識別子。

例9-41は、ALERTDEFINITIONオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

例9-41 ALERTDEFINITIONオブジェクトの説明

DBMCLI> DESCRIBE ALERTDEFINITION

         name
         alertShortName
         alertSource
         alertType
         description
         metricName
9.7.3.2 DESCRIBE ALERTHISTORY

用途

DESCRIBE ALERTHISTORYコマンドは、ALERTHISTORYオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE ALERTHISTORY

使用上のノート

次の表は、DESCRIBE ALERTHISTORYコマンドの属性を示しています。

表9-3 DESCRIBE ALERTHISTORYの属性

属性 説明

alertAction

このアラートで実行する推奨操作。

alertMessage

アラートの簡単な説明。

alertSequenceID

アラートの一意の順序ID。warningからcritical、またはcriticalからclearなど、アラートにより状態が変更されると、同じ順序番号と遷移時点のタイム・スタンプで別のアラート発生が作成されます。

alertShortName

アラートの省略名。アラートの基準がメトリックの場合、省略名は対応するメトリックのname属性と同じになります。

alertType

アラートのタイプ。値はステートフルまたはステートレスです。

  • ステートフル・アラートは、normalに遷移すると自動的にクリアされます。

  • ステートレス・アラートはクリアされません。アラートは、examinedBy属性を設定して変更できます。

beginTime

アラートによる状態変更が開始された時点のタイム・スタンプ。

endTime

アラートによる状態変更が終了した時点のタイプ・スタンプ。

examinedBy

アラートを確認した管理者。

failedMail

通知が失敗した場合に送信する電子メールの受信者。

failedSNMP

通知が失敗した場合に送信するSNMPサブスクライバ。

metricObjectName

メトリックしきい値にアラートを発生させるデータベース・サーバー・ディスクなどのオブジェクト。

metricValue

アラートを生成するメトリックの値。

name

アラートの一意の識別子。

notificationState

サブスクライバにアラート・メッセージを通知する場合の状況を示す番号。

  • 0: 試行されなかった

  • 1: 送信に成功

  • 2: 再試行中(最大5回)

  • 3: 5回の再試行に失敗

sequenceBeginTime

アラートの順序IDが最初に作成された時点のタイム・スタンプ。

severity

重大度のレベル。値はclearinfowarningまたはcriticalです。

例9-42は、ALERTHISTORYオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

例9-42 ALERTHISTORYオブジェクトの説明

DBMCLI> DESCRIBE ALERTHISTORY

         name
         alertAction
         alertMessage
         alertSequenceID
         alertShortName
         alertType
         beginTime
         endTime
         examinedBy              modifiable
         failedMail
         failedSNMP
         metricObjectName
         metricValue
         notificationState
         sequenceBeginTime
         severity

関連トピック

9.7.3.3 DESCRIBE DBSERVER

用途

DESCRIBE DBSERVERコマンドは、DBSERVERオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE DBSERVER

使用上のノート

次の表は、DESCRIBE DBSERVERコマンドの属性を示しています。

表9-4 DESCRIBE DBSERVERの属性

属性 説明
accountLockInDays

パスワードが期限切れになってからユーザー・アカウントがロックされるまでの日数。

bbuStatus

ハード・ディスク・コントローラのバッテリ・バックアップ・ユニット(BBU)のステータス。

comment

ユーザー指定のテキスト文字列。

corecount

データベース・サーバー上のCPUコアの数。

n1/n2の形式を使用して表される場合、n1は現在有効なCPUコアの数で、n2はデータベース・サーバー内のCPUコアの合計数です。

cpuCount

オペレーティング・システムによって/proc/cpuinfoおよびその他のユーティリティでレポートされた、データベース・サーバー上のCPUの数。

この値はハイパー・スレッドに影響するため、常にcorecountの値の2倍になります。

n1/n2の形式を使用して表される場合、n1は現在有効なCPUコアの数の2倍で、n2はデータベース・サーバー内のCPUコアの合計数の2倍です。

diagHistoryDays

ADRファイルの保存日数。デフォルト値は7日間です。

diagPackEmailAttach

診断パッケージをアラート電子メールの添付として含めるかどうか。デフォルトはtrueです。

diagPackUploadEnabled

診断パッケージの自動アップロード機能を有効にするかどうか。デフォルトはtrueです。

emailFormat

電子メール・メッセージのファイル形式。値はHTMLまたはtextです。

fanCount

動作中のファンの数およびファンの合計数。working/totalとして表示されます。

fanStatus

ファンのステータス。値はnormalwarningcriticalです。

httpsAccess

Exadata RESTfulサービスへのHTTPsポート・アクセス用のIPアドレスの制御リスト

id

ハードウェア・ベンダーによって提供されるグローバル一意識別子(GUID)。

interconnect1-4

データベース・サーバーの1から4までのインターコネクト。たとえば、bondeth0です。

interconnectCount

ネットワーク・インターコネクトの数。

ipaddress1-4

データベース・サーバーの1から4までのIPアドレス。

kernelVersion

ホスト・カーネル・ソフトウェアのバージョン。

location

ユーザーが指定するセル・ハードウェアの物理ロケーション。

locatorLEDStatus

セルLOCATE LEDのステータス。値はonまたはoffです。

mailServer

アラート通知の送信に使用される電子メール・リレー・サーバーの完全修飾ドメイン名。この属性は、DNSによって、smtpToAddrで指定されている電子メール・サーバーについて到達不能または無効なメール交換(MX)レコードが返される場合にのみ、指定する必要があります。

makeModel

ベンダーにより提供されるセル・ハードウェアの型およびモデル。

metricCollection

管理サーバーがメトリック収集を実行するかどうかを示すインジケータ。値はTRUEまたはFALSEです。FALSEに設定すると、すべてのメトリック収集およびアラート・マイニングが停止します。デフォルトの設定はTRUEです。

metricHistoryDays

通常のメトリック履歴ファイルの保存日数。デフォルト値は7日間です。

msVersion

管理サーバーのバージョン。

name

データベース・サーバーの名前。

notificationMethod

アラートの通知メソッド。値はmailsnmpnone、またはmailsnmpの両方です。

notificationPolicy

サブスクライバに送信する重大度アラートのインジケータ。notificationPolicyの値は、none、またはcriticalwarningおよびclearの任意の組合せです。

powerCount

電源数。working/totalとして表示されます。

powerStatus

電源のステータス。値はnormalwarningcriticalです。

pwdExpInDays

ユーザーのパスワードが期限切れになるまでの日数。

pwdExpWarnInDays

ユーザーのパスワードが期限切れになる前に、ログイン時に警告メッセージが発行される日数。

releaseImageStatus

イメージングが成功したかどうかを判断するためのインジケータ。

releaseTrackingBug

セル・ソフトウェアのパッチ番号(11223344など)。

releaseVersion

セル・ソフトウェアのリリース番号(11.2.2.3.0など)。

remotePwdChangeAllowed

RESTサービスを介してリモートでユーザー・パスワードを変更できるかどうか。

rescuePlan

しきい値や通知などの設定を最後の既知の値にリストアするサーバー・レスキューの後で実行できるコマンドのリスト。

smtpFrom

アラート通知のFrom:ヘッダーに表示されるユーザー名。

smtpFromAddr

アラート通知のFrom:ヘッダーに表示される電子メール・アドレス。この電子メール・アドレスは電子メール・サーバーで認証されません。

smtpPort

アラート通知の送信に使用される電子メール・サーバーのポート。

smtpSubscriber

SNMPアラート通知をサブスクライブするホストのリスト。

smtpToAddr

電子メールの送信先のアドレス。電子メール・アドレスは、複数のサブスクライバにアラートを通知できるように、引用符で囲んだカンマ区切りのリストにできます。

smtpUseSSL

アラート通知にSecure Socket Layer (SSL)暗号化を使用するための仕様。

status

データベース・サーバーのステータス。

syslogConf

システム・ログイン・ユーティリティsyslogdのルール。

temperatureReading

BMCから取得されるセルの現在の温度(摂氏)。

temperatureStatus

温度のステータス。値はnormalwarningcriticalです。

traceLevel

トレース・メッセージの書込みレベル。このレベルは、有効なJavaロギング・レベル(SEVEREWARNINGINFOCONFIGFINEFINERFINEST)または有効なOracle Diagnostic Logging(ODL)のロギング・レベル(INCIDENT_ERROR:1ERROR:1WARNING:1NOTIFICATION:1NOTIFICATION:16TRACE:1TRACE:16TRACE:32)にできます。デフォルトは、FINEです。

upTime

システムが再起動してからの時間(days,hours:minutes)。

例9-43 DBSERVERオブジェクトの説明

DBMCLI> DESCRIBE DBSERVER

	name                   modifiable
	bbuStatus
	comment                modifiable
	coreCount
	cpuCount
	diagHistoryDays        modifiable
	diagPackEmailAttach    modifiable
	diagPackUploadEnabled  modifiable
	emailFormat            modifiable
	emailSubscriber        modifiable
	fanCount
	fanStatus
	httpsAccess            modifiable
	iaasIdleInUse          modifiable
	iaasMode               modifiable
	iaasReason             modifiable
	id
	interconnectCount
	interconnect1          modifiable
	interconnect2          modifiable
	interconnect3          modifiable
	interconnect4          modifiable
	interconnect5          modifiable
	interconnect6          modifiable
	interconnect7          modifiable
	interconnect8          modifiable
	ipaddress1
	ipaddress2
	ipaddress3
	ipaddress4
	ipaddress5
	ipaddress6
	ipaddress7
	ipaddress8
	kernelVersion
	locatorLEDStatus
	location               modifiable
	mailServer             modifiable
	makeModel
	metricCollection       modifiable
	metricHistoryDays      modifiable
	msVersion
	notificationMethod     modifiable
	notificationPolicy     modifiable
	pendingCoreCount       modifiable
	powerCount
	powerStatus
	releaseImageStatus
	releaseVersion
	releaseTrackingBug
	securityCert           modifiable
	smtpFrom               modifiable
	smtpFromAddr           modifiable
	smtpPort               modifiable
	smtpToAddr             modifiable
	smtpUseSSL             modifiable
	snmpSubscriber         modifiable
	snmpUser               modifiable
	status
	syslogConf             modifiable
	temperatureReading
	temperatureStatus
	traceLevel             modifiable
	upTime
	msStatus
	rsStatus
9.7.3.4 DESCRIBE IBPORT

用途

DESCRIBE IBPORTコマンドは、IBPORTオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

ノート:

このコマンドは、RoCEネットワーク・ファブリックを使用するOracle Exadataサーバーでは機能しません。

構文

DESCRIBE IBPORT

使用上のノート

表9-5 DESCRIBE IBPORTの属性

属性 説明

activeSlave

対象のポートが、ボンディングされたIPの現在アクティブなポートかどうかを示すインジケータ。

dataRate

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートのデータ率。

hcaFWVersion

ホスト・チャネル・アダプタのファームウェアのバージョン。

id

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートのグローバル一意識別子(GUID)。

lid

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートのローカル識別子。サブネット内で一意であり、スイッチによって16ビットの識別子がネットワーク内のルーティングに使用されます。

linkDowned

ポートのトレーニング・ステート・マシンがリンク・エラーのリカバリ処理に失敗し、リンクがダウンした回数。

linkIntegrityErrs

リンク完全性エラーの数。

linkRecovers

ポートのトレーニング・ステート・マシンがリンク・エラーのリカバリ処理を正常に完了した回数。

name

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートの名前。

physLinkState

物理リンクの状態。

portNumber

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートのポート番号。

rcvConstraintErrs

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで発生した受信制約エラーの数。

rcvData

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで受信した32ビット・データのワード数。

rcvErrs

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで受信した、エラーを含むパケットの数。

rcvRemotePhysErrs

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで発生した物理エラーの数。

状態

リンクの状態。

symbolErrs

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで発生した軽度なリンク・エラーの数。

vl15Dropped

リソースの制約(バッファ不足など)が原因で、InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートによって廃棄された着信のVL15パケットの数。

xmtConstraintErrs

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで発生した送信制約エラーの数。

xmtData

InfiniBandネットワーク・ファブリック・ポート上で送信した32ビット・データのワード数。

xmtDiscards

ポートのダウンまたは輻輳によってInfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートで破棄されたアウトバンド・パケットの数。

例9-44 IBPORTオブジェクトの説明

この例は、DESCRIBE IBPORTコマンドで得られる可能性のある出力を示しています。

DBMCLI> DESCRIBE IBPORT

        name
        activeSlave
        dataRate
        hcaFWVersion
        id
        lid
        linkDowned
        linkIntegrityErrs
        linkRecovers
        physLinkState
        portNumber
        rcvConstraintErrs
        rcvData
        rcvErrs
        rcvRemotePhysErrs
        status
        symbolErrs
        vl15Dropped
        xmtConstraintErrs
        xmtData
        xmtDiscards
9.7.3.5 DESCRIBE LUN

用途

DESCRIBE LUNコマンドは、LUNオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE LUN

使用上のノート

表9-6 DESCRIBE LUNの属性

属性 説明

deviceName

LUNのオペレーティング・システム・デバイス名。たとえば、/dev/c1d5

diskType

ディスクのタイプ。

errorCount

このLUNでのエラー数。

id

システムによって割り当てられる識別子。

lunSize

データベース・サーバー・ディスクに変換される前の、LUNのRawサイズ。

lunUID

システムによって割り当てられる一意の識別子。

name

LUNに割り当てられる一意の名前。IDが一意でない場合は、異なる(拡張形式)LUN IDになる場合があります。

overProvisioning

フラッシュ・ストレージ内のブロックうち、特定のLUNで今後も使用できるようにオーバー・プロビジョニングされたブロックの割合を示すインジケータ。この属性は、フラッシュ・ディスク専用です。

raidLevel

LUNで使用されるRAIDレベルの値。たとえば、RAID 0です。

状態

LUNのステータス。値はnormalwarningcriticalです。

例9-45 LUNオブジェクトの説明

この例は、LUNオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE LUN

         name
         deviceName
         diskType
         errorCount
         id
         lunSize
         lunUID
         overProvisioning
         raidLevel
         status
9.7.3.6 DESCRIBE METRICCURRENT

用途

DESCRIBE METRICCURRENTコマンドは、METRICCURRENTオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE METRICCURRENT

使用上のノート

表9-7 DESCRIBE METRICCURRENTの属性

属性 説明

alertState

アラート状態のインジケータ。値はnormalwarningcriticalです。

collectionTime

メトリック値が収集された時点のタイム・スタンプ。

metricObjectName

計測中のデータベース・サーバーなど、オブジェクトの名前。

metricType

統計がどのように作成または定義されたかを示す仕様。

metricValue

メトリックが収集された時点の値。

name

現在のメトリックの一意の名前。

objectType

オプションは、DBSERVERDBSERVER_FILESYSTEMおよびIBPORTです。

例9-46 METRICCURRENTオブジェクトの説明

この例は、METRICCURRENTオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE METRICCURRENT

         name
         alertState
         collectionTime
         metricObjectName
         metricType
         metricValue
         objectType

関連トピック

9.7.3.7 DESCRIBE METRICDEFINITION

用途

DESCRIBE METRICDEFINITIONコマンドは、METRICDEFINITIONオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE METRICDEFINITION

使用上のノート

表9-8は、DESCRIBE METRICDEFINITIONコマンドの属性を示しています。

表9-8 DESCRIBE METRICDEFINITIONの属性

属性 説明

description

メトリックの説明。

metricType

統計がどのように作成または定義されたかを示すインジケータ。次の2通りの場合があります。

  • cumulative: メトリックが作成されてからの累積統計。

  • instantaneous: メトリックが収集される時点の値。

  • rate: 特定の期間の観測データの統計を平均して計算される率。

  • transition: 遷移メトリックは、その値が変更された時点で収集され、通常はハードウェアのステータスで重要な遷移があった場合に取得されます。

name

メトリック定義の一意の名前。name属性の値は、省略語を組み合せたものになります。属性値は、メトリックが定義されるオブジェクト・タイプの省略語で開始します。略語は次のとおりです。

  • DS_ (データベース・サーバー)

  • N_ (ネットワーク)

objectType

オプションは、DBSERVERDBSERVER_FILESYSTEMおよびIBPORTです。

persistencePolicy

時間メトリック値が格納されます。

unit

メトリックの単位。収集される次のメトリックに明示的に関連付けられます。

  • 数値

  • % (パーセンテージ)

  • F (華氏)

  • C (摂氏)

例9-47 METRICDEFINITIONオブジェクトの説明

この例は、METRICDEFINITIONオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE METRICDEFINITION

         name
         description
         metricType
         objectType
         persistencePolicy
         unit
9.7.3.8 DESCRIBE METRICHISTORY

用途

DESCRIBE METRICHISTORYコマンドは、METRICHISTORYオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE METRICHISTORY

使用上のノート

表9-9は、DESCRIBE METRICHISTORYコマンドの属性を示しています。

表9-9 DESCRIBE METRICHISTORYの属性

属性 説明

alertState

アラート状態のインジケータ。値はnormalwarningcriticalです。

collectionTime

メトリック値が収集された時点のタイム・スタンプ。

memory

管理サーバー・メモリーのメトリック。この属性は、収集時間が1時間未満の場合に、collectionTime属性のかわりに使用できます。

metricObjectName

計測中のデータベース・サーバー・ディスクなど、オブジェクトの名前。

metricType

統計がどのように作成または定義されたかを示す仕様。

metricValue

メトリックが収集された時点の値。

metricValueAvg

メトリックの平均値。

metricValueMax

メトリックの最大値。

metricValueMin

メトリックの最小値。

name

現在のメトリックの一意の名前。

objectType

オプションは、DBSERVERDBSERVER_FILESYSTEMおよびIBPORTです。

over

集計用の時間の指定(分単位)。この属性は、maxminおよびavgキーワードと組み合せることで機能します。

例9-48 METRICHISTORYオブジェクトの説明

この例は、METRICHISTORYオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE METRICHISTORY

         name
         alertState
         collectionTime
         memory
         metricObjectName
         metricType
         metricValue
         metricValueAvg
         metricValueMax
         metricValueMin
         objectType
         over
9.7.3.9 DESCRIBE PHYSICALDISK

用途

DESCRIBE PHYSICALDISKコマンドは、PHYSICALDISKオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE PHYSICALDISK

使用上のノート

次の表は、DESCRIBE PHYSICALDISKコマンドの属性を示しています。

表9-10 DESCRIBE PHYSICALDISKの属性

属性 説明

ctrlHwVersion

コントローラのバージョン。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

diskType

ディスクのタイプ(HARDDISKまたはFLASHDISK)。

enclosureDeviceId

ハード・ディスク・エンクロージャの識別子。この属性は、Oracle Exadata Storage Server上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errCmdTimeoutCount

ディスクでのコマンド・タイムアウトSCSIエラーの数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errHardReadCount

ディスクでのハード読取りエラーの数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errHardWriteCount

ディスクでのハード書込みエラーの数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errMediaCount

ハード・ディスクでのメディア・エラーの数。この属性は、Oracle Exadata Storage Server上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errOtherCount

ハード・ディスクでの未分類エラーの数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

errSeekCount

ディスクでのSCSIシーク・エラーの数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

hotPlugCount

ディスクがラックに挿入された回数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

lastFailureReason

ディスクでの最新のエラーのタイプ。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

luns

このディスクから変換されたLUNのリスト。

makeModel

システムによって提供されるモデルの説明。

name

物理ディスクの一意の名前。

physicalFirmware

ディスクのファームウェアのシステム割当て名。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

physicalInsertTime

ディスクが挿入された時刻。

physicalInterface

ハード・ディスクで使用されているインタフェース・タイプ。たとえば、SASです

physicalPort

このディスクのコントローラのポート。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

physicalRPM

ディスクの回転数(毎分)。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

physicalSerial

システムで割り当てられた一意のID。

physicalSize

ディスクのサイズ(バイト単位)。

physicalUseType

ディスクの用途。たとえば、Data Drive

sectorRemapCount

物理ディスクのすべてのセクター再マップ操作の回数。この属性は、HP Oracle Database Machine上のOracle Exadata System Softwareにのみ適用されます。

slotNumber

ディスクの物理的な場所。

status

物理ディスクのステータス。値は次のとおりです。

  • failed: ディスクで障害が発生しました。以前のリリースでは、このステータスはcriticalと呼ばれていました。

  • normal: ディスクは正常に動作しています。

  • not present: ディスクは取り外されました。

  • peer failure: フラッシュ・ディスク障害のみです。

  • poor performance: ディスクのパフォーマンスが低下しています。

  • predictive failure: ディスク障害の発生が予想されます。

  • write-through caching: フラッシュ・ディスク・キャッシングのみです。

例9-49 データベース・サーバーのハード・ドライブ上のPHYSICALDISKオブジェクトの説明

この例は、Oracle Exadata Storage Server上のPHYSICALDISKオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE PHYSICALDISK

         name
         ctrlFirmware
         diskType
         enclosureDeviceId
         errMediaCount
         errOtherCount
         luns
         makeModel
         physicalFirmware
         physicalInsertTime
         physicalInterface
         physicalSerial
         physicalSize
         slotNumber
         status
9.7.3.10 DESCRIBE ROLE

用途

DESCRIBE ROLEコマンドは、ROLEオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE ROLE

使用上のノート

表9-11 DESCRIBE ROLEの属性

属性 説明

name

ロールを割り当てられたユーザーの一意の名前。

privileges

ロールに付与されている権限。

例9-50 ROLEオブジェクトの説明

この例は、ROLEオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE ROLE
        name
        privileges
9.7.3.11 DESCRIBE SOFTWAREHISTORY

用途

DESCRIBE SOFTWAREHISTORYコマンドは、ALERTHISTORYオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE SOFTWAREHISTORY

使用上のノート

DESCRIBE SOFTWAREHISTORYコマンドの属性には、次のものがあります。

  • name: ソフトウェア更新の名前

  • status: ソフトウェア更新のステータス

例9-51 SOFTWAREHISTORYオブジェクトの説明

CellCLI> DESCRIBE SOFTWAREHISTORY
        name
        status
9.7.3.12 DESCRIBE SOFTWAREUPDATE

用途

DESCRIBE SOFTWAREUPDATEコマンドは、SOFTWAREUPDATEオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE SOFTWAREUPDATE

使用上のノート

DESCRIBE SOFTWAREUPDATEコマンドの属性には、次のものがあります。

  • frequency: このソフトウェア更新が自動的に実行される期間。値には、nonedailyweeklyまたはbiweeklyを指定できます。値noneは、Oracle Exadata System Softwareリリース19.1.0以降で使用できます。
  • name: 更新に使用するパッチの名前またはunknown。名前がunknownにデフォルト設定された場合、ソフトウェアのアップデートが実行されたときに、最新のパッチがアップグレード用に選択されます。
  • status: このソフトウェア更新のステータス。
  • store: ソフトウェア更新ファイルの場所のURL
  • time: ソフトウェア更新を実行する特定の日時
  • timeLimitInMinutes: アラートを取り消して発行するまでにセルがソフトウェアの更新を待機する分数。

例9-52 SOFTWAREUPDATEオブジェクトの説明

CellCLI> DESCRIBE SOFTWAREUPDATE
        name                   modifiable
        status
        store                  modifiable
        time                   modifiable
        timeLimitInMinutes     modifiable
9.7.3.13 DESCRIBE THRESHOLD

用途

DESCRIBE THRESHOLDコマンドは、THRESHOLDオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE THRESHOLD

使用上のノート

表9-12は、DESCRIBE THRESHOLDコマンドの属性を示しています。

表9-12 DESCRIBE THRESHOLDの属性

属性 説明

comparison

メトリック値としきい値を比較して、値がしきい値に違反しているかどうかを確認する演算子(>、>=、=、<、<=)。

critical

メトリック値がクリティカルの状態であるとみなされる上限値。この値を超えるとアラートが生成されます。

name

しきい値の一意の名前。

observation

測定値の数。この数の測定値で率メトリックを平均し、しきい値と比較されます。

occurrences

メトリック値がしきい値を連続して超えた場合の上限数。この上限数を超えると指定したアラートが発行されます。

warning

メトリック値が警告の状態であるとみなされる上限値。この値を超えるとアラートが生成されます。

例9-53 THRESHOLDオブジェクトの説明

この例は、THRESHOLDオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE THRESHOLD

         name
         comparison              modifiable
         critical                modifiable
         observation             modifiable
         occurrences             modifiable
         warning                 modifiable
9.7.3.14 DESCRIBE USER

用途

DESCRIBE USERコマンドは、USERオブジェクト・タイプの属性のリストを表示します。

構文

DESCRIBE USER

使用上のノート

次の表は、DESCRIBE USERコマンドの属性を示しています。

表9-13 DESCRIBE USERの属性

属性 説明

name

ユーザーの一意の名前。

roles

ユーザーに割り当てられたロール。

例9-54 USERオブジェクトの説明

この例は、USERオブジェクトを指定したDESCRIBEコマンドを示しています。

DBMCLI> DESCRIBE USER

         name
         roles 

9.7.4 DROP

用途

DROPコマンドは、名前を指定したオブジェクトをデータベース・サーバーから削除するか、データベース・サーバーをリセットします。

構文

DROP object_type [object_name [, object_name]...] [options]

使用上のノート

  • object_typeは次のいずれかです。

    • ALERTHISTORY

    • DBSERVER

    • ROLE

    • THRESHOLD

    • USER

  • object_nameは、データベース・サーバー・ディスク、ロール、しきい値またはユーザーの名前です。

  • 複数のオブジェクトがDROPコマンドのターゲットの場合は、正常に実行されない場合があります。エラーが発生するとコマンドが中断され、残りのオブジェクトは削除されません。

9.7.4.1 DROP ALERTHISTORY

用途

DROP ALERTHISTORYコマンドは、データベース・サーバーのアラート履歴からアラートを削除します。

構文

DROP ALERTHISTORY {ALL | alert1 {, alert2}, ...}

使用上のノート

  • このコマンドのalertNは、履歴から削除されるアラートの名前です。

  • ステートフル・アラートを削除する場合は、同時にアラートの順序のメンバーをすべて削除する必要があります。すべてのメンバーを削除しないと、システムによりエラーが発行されます。

例9-55 データベース・サーバーのアラート履歴の削除

DBMCLI> DROP ALERTHISTORY 1, 2_1, 2_2
9.7.4.2 DROP DBSERVER

用途

DROP DBSERVERは、データベース・サーバー上のMSを元の状態にリセットします。

構文

DROP DBSERVER

使用上のノート

  • データベース・サーバーに設定されたいずれのしきい値も、データベース・サーバーから削除されます。

  • DBSERVER属性はデフォルト値に設定されます。

例9-56 データベース・サーバーの削除

DBMCLI> DROP DBSERVER
9.7.4.3 DROP ROLE

用途

DROP ROLEコマンドは、セルからユーザー・ロールを削除します。

構文

DROP ROLE  { ALL | role_name1 [, role_name2, ...]} [FORCE]

使用上のノート

FORCEオプションは、ユーザーにロールが付与されている場合でもロールを削除します。

例9-57 ロールの削除

DBMCLI> DROP ROLE r1,r2
9.7.4.4 DROP SOFTWAREHISTORY

用途

DROP SOFTWAREHISTORYコマンドは、すべての履歴または個々の更新履歴を削除します。

構文

DROP SOFTWAREHISTORY { ALL | 'update_name[,update_name...]'}

例9-58 スケジュール済ソフトウェア更新の履歴の削除

CellCLI> DROP SOFTWAREHISTORY '12.2.1.2.0.170509,12.2.1.2.0.17052'

CellCLI> DROP SOFTWAREHISTORY ALL
9.7.4.5 DROP THRESHOLD

用途

DROP THRESHOLDコマンドは、データベース・サーバーからすべてのしきい値または指定したしきい値を削除します。

構文

DROP THRESHOLD { ALL |threshold_name [, threshold_name ...] }

例9-59 しきい値の削除

DBMCLI> DROP THRESHOLD temp
9.7.4.6 DROP USER

用途

DROP USERコマンドは、データベース・サーバーからユーザーを削除します。

構文

DROP USER { ALL | user1 [, user2]... }

使用上のノート

  • user(n)は削除するユーザーの名前です。

例9-60 ユーザーの削除

DBMCLI>DROP USER jdoe

9.7.5 GRANT

用途

GRANTコマンドは、権限およびロールの属性を設定します。

構文

GRANT object_type [name] TO sub_object_type [sub_object_name]

使用上のノート

  • object_typeは次のとおりです。

    • PRIVILEGE
    • ROLE
  • PRIVILEGEオブジェクト・タイプには次の値を使用できます。

    • nameの書式は、次のとおりです。

      { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object }               \
      [{ ALL ATTRIBUTES | ATTRIBUTES attribute1 [, attribute2, ...] }]   \
      [{ WITH ALL OPTIONS | WITH OPTIONS option1 [, option2, ...] }]
      
    • sub_object_typeROLEである必要があります。

    • sub_object_nameはロールの名前です。

  • ROLEオブジェクト・タイプには次を使用できます。

    • nameはユーザー名です。

    • sub_object_typeUSERである必要があります。

    • sub_object_nameはユーザーの名前です。

9.7.5.1 GRANT PRIVILEGE

用途

GRANT PRIVILEGEコマンドは、ロールにアクセス権限を設定します。

構文

GRANT PRIVILEGE { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object }   \
{ ALL ATTRIBUTES | ATTRIBUTES attribute1 [, attribute2, ...] }         \
{ WITH ALL OPTIONS | WITH OPTIONS option1 [, option2, ...] }           \
TO ROLE { ALL | role1 [, role2, ...] }

使用上のノート

  • actionはコマンドです。例: ALTERCREATEDESCRIBEDROPEXPORTIMPORTLIST

    ノート:

    • GRANTおよびREVOKEコマンドは付与できません。
    • CREATE USERおよびDROP USERは付与できません。

    • CREATE ROLEおよびDROP ROLEは付与できません。

  • objectはアクションのオブジェクト・タイプです。これは、任意のDBMCLIオブジェクトを指定可能です。例: DBSERVERTHRESHOLDPHYSICALDISKALERTHISTORYROLE

  • attributeはオブジェクトの属性です。オブジェクトの属性リストを取得するには、LIST object_typeコマンドを実行します。

  • optionはオブジェクトのオプションです。例: DETAILLIMITORDER BYWHERE

  • roleは、権限を付与するロールの名前です。

  • ALL ACTIONS引数は、すべてのアクションの権限を付与します。

  • ALL OBJECTS引数は、すべてのオブジェクトの権限を付与します。

  • ALL ATTRIBUTES引数は、すべての属性の権限を付与します。

  • WITH ALL OPTIONS引数は、すべてのオプションの権限を付与します。

  • 属性とWITH OPTIONSの指定はオプションです。これらが指定されない場合、すべての属性とオプションの権限を付与します。

例9-61 ロールへの権限の付与

この例は、ロールに権限を付与する方法を示しています。

DBMCLI> GRANT PRIVILEGE list on alerthistory ATTRIBUTES alertAction,alertMessage  \
        WITH OPTIONS detail TO ROLE dbmonitor

例9-62 すべての属性とオプションのロールへの付与

この例は、指定されたアクションとオブジェクトのすべての属性およびオプションをロールに付与する方法を示します。

DBMCLI> GRANT PRIVILEGE { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object } to ROLE role1

例9-63 指定のアクション、オブジェクトおよび属性のすべてのオプションの付与

この例は、指定されたアクション、オブジェクトおよび属性のすべてのオプションをロールに付与する方法を示します。

DBMCLI> GRANT PRIVILEGE { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object }  \
ATTRIBUTES attribute1 [, attribute2, ...] to ROLE role1

例9-64 指定のアクション、オブジェクトおよびオプションのすべての属性の付与

この例は、指定されたアクション、オブジェクトおよびオプションのすべての属性をロールに付与する方法を示します。

DBMCLI> GRANT PRIVILEGE { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object }   \
WITH OPTIONS option1 [, option, ...] to ROLE role1
9.7.5.2 GRANT ROLE

用途

GRANT ROLEコマンドは、ユーザーにロールを設定します。

構文

GRANT ROLE { ALL | role1 [, role2, ...] } TO USER { ALL | user1 [, user2...] }

使用上のノート

  • roleはロールの名前です。

  • ALL引数は、ユーザーにすべてのロールを付与します。

  • TO USER ALL引数は、すべてのユーザーにロールを付与します。

例9-65 ユーザーへのロールの付与

この例は、ユーザーにロールを付与する方法を示しています。

DBMCLI> GRANT ROLE dbmonitor TO USER agarcia

9.7.6 HELP

用途

HELPコマンドは、すべてのDBMCLIコマンドの構文および使用方法に関する説明を表示します。

構文

HELP [help_topic]

HELPでトピック引数を指定しない場合は、用意されているすべてのトピックの名前が表示されます。トピックを指定した場合は、そのトピックの詳細なヘルプ・テキストが表示されます。

例9-66は、HELPコマンドの例を示しています。

例9-66 HELPコマンドを使用したヘルプ・テキストの表示

DBMCLI> HELP
DBMCLI> HELP ALTER
DBMCLI> HELP DROP ALERTHISTORY

9.7.7 LIST

用途

LISTコマンドは、データベース・サーバー・オブジェクトの属性のリストを表示します。表示されるオブジェクトは、名前またはフィルタで識別されます。表示される各オブジェクトの属性は、指定した属性リストで決定されます。

構文

LIST object_type  [ name |  attribute_filters] [attribute_list] 
[DETAIL] [ORDER BY order_by_attribute_list] [LIMIT integer]

使用上のノート

  • object_typeは次のとおりです。

    • ALERTDEFINITION
    • ALERTHISTORY
    • DBSERVER
    • IBPORT (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
    • LUN (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
    • METRICCURRRENT
    • METRICDEFINITION
    • METRICHISTORY
    • PHYSICALDISK (ユーザー・ドメイン(domU)環境では使用できません)
    • ROLE
    • THRESHOLD
    • USER
  • DETAILオプションまたは属性リストを指定せずにobject_typeのみを指定してLISTを使用すると、このタイプの既存のオブジェクトの名前または属性のデフォルト・リストが表示されます。

    • status属性を持つオブジェクト・タイプの場合は、オブジェクト名およびステータスが表示されます。
    • METRICHISTORYオブジェクト・タイプの場合は、収集時間、オブジェクト名および値が表示されます。
    • PHYSICALDISKおよびLUNオブジェクト・タイプの場合は、ID属性が表示されます。
    • ALERTHISTORYオブジェクト・タイプの場合は、時間およびアラート・メッセージが表示されます。
    • KEYオブジェクト・タイプの場合は、キー値が表示されます。
  • 表示される各オブジェクトの属性は、指定した属性リストで決定されます。空白またはタブを含む文字列である属性値は、引用符で囲む必要があります。

  • 表示されるオブジェクトは、属性フィルタにより決定されます。メトリックの数は多いため、コマンドの出力を絞り込む場合はLIST METRICCURRENTまたはLIST METRICHISTORYコマンドの使用時にフィルタを使用してください。

  • DETAILオプションのないデフォルトの書式では、各オブジェクトが個別の行に表示され、指定した属性リストの順にタブで区切られた属性値が続きます。

  • DETAILを使用した書式の場合は、特定のオブジェクトの各属性が個別の行に表示され、属性名の後に値が表示されます。属性リストが指定されていない場合は、値を持つすべての属性が表示されます。表示される各オブジェクトは、空白行で区切られます。DETAILATTRIBUTES ALLオプションに似ていますが、書式のみが異なります。

  • 設定されていない属性は、DETAILオプションでは表示されません。これに対し、空の値に設定されている属性はDETAILオプションで表示されます。

  • ORDER BYにより、属性の昇順または降順でオブジェクトに順序が付けられます。デフォルトは昇順です。

  • LIMITにより、表示するオブジェクト数の制限が設定されます。

9.7.7.1 LIST ALERTDEFINITION

用途

LIST ALERTDEFINITIONコマンドは、データベース・サーバー上で使用可能なすべてのアラートのソースを示します。

構文

LIST ALERTDEFINITION [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

表示可能な属性のリストは、例9-41に示されています。

例9-67は、ALERTDEFINITIONオブジェクトを指定したLISTコマンドを示しています。

例9-67 ALERTDEFINITIONの属性の表示

DBMCLI> LIST ALERTDEFINITION HardwareAlert DETAIL
         name:                   HardwareAlert
         alertShortName:         Hardware
         alertSource:            Hardware
         alertType:              Stateless
         description:            "Hardware Alert"
         metricName:            
9.7.7.2 LIST ALERTHISTORY

用途

LIST ALERTHISTORYコマンドは、データベース・サーバーで発生したすべてのアラートを表示します。

構文

LIST ALERTHISTORY [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

  • DESCRIBE ALERTHISTORYコマンドを使用すると、ALERTHISTORYの属性をすべて一覧表示できます。

  • WHERE句にageInMInutes属性を追加すると、経過時間が指定範囲内のアラートのみをリスト表示するように指定できます。たとえば、次のコマンドでは、直前の15分間に作成されたアラートが表示されます。

    DBMCLI> LIST ALERTHISTORY WHERE ageInMinutes < 15
    

例9-68は、ALERTHISTORYオブジェクトを指定したLISTコマンドを示しています。

例9-68 ALERTHISTORYの属性の表示

DBMCLI> LIST ALERTHISTORY 1_1 DETAIL
        name:                   1_1
        alertDescription:       "Data hard disk of size 300GB in slot 3 entered
                                 predictive failure status"
        alertMessage:           "Data hard disk entered predictive failure status.
                                 Status        : WARNING - PREDICTIVE FAILURE 
                                 Manufacturer  : HITACHI  Model
                                 Number  : H103030SCSUN300G  Size          : 300GB 
                                 Serial Number : 1026GZKMDE 
                                 Firmware      : A2A8  Slot Number   : 3"
        alertSequenceID:        1
        alertShortName:         Hardware
        alertType:              Stateful
        beginTime:              2014-09-22T20:18:23-05:00
        examinedBy:            
        metricObjectName:       252:3
        notificationState:      0
        sequenceBeginTime:      2014-09-22T20:18:23-05:00
        severity:               critical
        alertAction:            "Informational. The hard disk has entered
predictive failure status. A white DB server locator LED has been turned on to
help locate the affected cell, and an amber service action LED has been lit on the
drive to help locate the affected drive. Detailed information on this problem can
be found at
https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1112995.1
Automatic Service Request has been notified with Unique Identifier:
c84839be-e8d8-4e5e-b315-e145ccd7cbc8."
9.7.7.3 LIST DBSERVER

用途

LIST DBSERVERコマンドは、データベース・サーバーで発生したすべてのアラートを表示します。

構文

LIST DBSERVER [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

DESCRIBE DBSERVERコマンドを使用すると、DBSERVERの属性をすべて一覧表示できます。

例9-69は、LIST DBSERVER DETAILコマンドの出力を示しています。

例9-70は、rescuePlan属性の値を表示する方法を示しています。

例9-71は、httpsAccess属性の値を取得する方法を示しています。

例9-69 DBSERVERの属性の表示

DDBMCLI> LIST DBSERVER DETAIL
         name:                   myexadb03
         bbuStatus:              normal
         cpuCount:               24
         diagHistoryDays:        7
         fanCount:               16/16
         fanStatus:              normal
         httpsAccess             ALL
         id:                     1029FMM085
         interconnectCount:      2
         ipaddress1:             192.168.10.25/22
         kernelVersion:          2.6.39-400.220.0.el6uek.x86_64
         locatorLEDStatus:       on
         makeModel:              Oracle Corporation SUN FIRE X4170 M2 SERVER
         metricHistoryDays:      7
         msVersion:              OSS_MAIN_LINUX.X64_140921
         powerCount:             2/2
         powerStatus:            normal
         releaseImageStatus:     success
         releaseVersion:         12.1.2.1.0.140728
         releaseTrackingBug:     17885582
         snmpSubscriber:          
         host=10.133.131.130,port=162,community=public,type=asr
         status:                 online
         temperatureReading:     20.0
         temperatureStatus:      normal
         upTime:                 55 days, 5:12
         msStatus:               running
         rsStatus:               running

DBMCLI> LIST DBSERVER ATTRIBUTES status,uptime
         online  161 days, 3:11

例9-70 rescuePlan属性の表示

DBMCLI> LIST DBSERVER ATTRIBUTES rescuePlan

CREATE ROLE "listdbserverattrs"

GRANT PRIVILEGE list ON DBSERVER ATTRIBUTES bbuStatus, coreCount WITH ALL OPTIONS TO ROLE "listdbserverattrs"

ALTER DBSERVER diagHistoryDays="7", metricHistoryDays="7", bbuLearnSchedule="MONTH 1 DATE 17 HOUR 2 MINUTE 0", alertSummaryStartTime="2016-09-26T08:00:00-07:00", alertSummaryInterval=weekly, pendingCoreCount="128" force

例9-71 HTTPsアクセス制御リストの表示

この例は、Exadata RESTfulサービスのHTTPsアクセス制御リストを表示する方法を示しています。

DBMCLI> LIST DBSERVER ATTRIBUTES httpsAccesss
         ALL

ALLの値はデフォルト値で、すべてのホストへのアクセスを許可します。

9.7.7.4 LIST DIAGPACK

用途

LIST DIAGPACKコマンドは、システムの診断パッケージをそのステータスとともにリストします。

構文

LIST DIAGPACK [DETAIL]

使用上のノート

診断パッケージの場所は/opt/oracle/dbserver/dbms/deploy/logです。

例9-72 LIST DIAGPACKコマンドの出力

この例は、LIST DIAGPACKコマンドの出力を示します。

DBMCLI> LIST DIAGPACK
dbm04adm01_2016_06_07T12_28_23_17_1.tar.bz2
dbm04adm01_2016_04_11T12_51_05_16_1.tar.bz2

例9-73 DETAILオプション付きのLIST DIAGPACKコマンドの出力

この例は、DETAILオプション付きのLIST DIAGPACKコマンドの出力を示します。

DBMCLI> LIST DIAGPACK DETAIL
   name:                   dbm04adm01_2019_08_07T12_28_23_17_1.tar.bz2
   alertDescription:       "Hard disk of size 600GB in slot 5 failed"
   alertName:              17_1
   diagPackHostName:       dbm04adm01
   packStartTime:          2016-06-07T12:28:23-07:00

   name:                   dbm04adm01_2019_08_11T12_51_05_16_1.tar.bz2
   alertDescription:       "InfiniBand Port HCA-4:1 may require attention. State:Down, Physical State:Disabled."
   alertName:              16_1
   diagPackHostName:       dbm04adm01
   packStartTime:          2016-04-11T12:51:05-07:00

   name:                   dbm04adm01_diag_2019_08_12T18_37_30_1
   alertDescription:       Processing...

関連トピック

9.7.7.5 LIST IBPORT

用途

LIST IBPORTコマンドは、指定した属性およびフィルタで決定されるInfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートの属性を表示します。

ノート:

このコマンドは、RoCEネットワーク・ファブリックを使用するOracle Exadataサーバーでは機能しません。

構文

LIST IBPORT  [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list] [DETAIL]

使用上のノート

  • DESCRIBE IBPORTコマンドを使用すると、IBPORTの属性をすべて一覧表示できます。

  • サーバー上の両方のInfiniBandネットワーク・ファブリック・ポートのactiveSlave属性が一覧表示されない場合は、アクティブ-アクティブ・ボンディングが使用されています。activeSlave属性がTRUEの場合は、アクティブ-パッシブ・ボンディングが使用されています。

例9-74 IBPORTの属性の表示

この例は、LIST IBPORTコマンドから得られる可能性のある出力を示しています。

DBMCLI> LIST IBPORT
         HCA-1:1         Active
         HCA-1:2         Active

DBMCLI> LIST IBPORT DETAIL
         name:                   HCA-1:1
         activeSlave:            TRUE
         dataRate:               "40 Gbps"
         hcaFWVersion:           2.7.0
         id:                     0x00212800013e8c67
         lid:                    20
         linkDowned:             0
         linkIntegrityErrs:      0
         linkRecovers:           0
         physLinkState:          LinkUp
         portNumber:             1
         rcvConstraintErrs:      0
         rcvData:                84653709
         rcvErrs:                0
         rcvRemotePhysErrs:      0
         status:                 Active
         symbolErrs:             0
         vl15Dropped:            0
         xmtConstraintErrs:      0
         xmtData:                84572496
         xmtDiscards:            0

         name:                   HCA-1:2
         activeSlave:            FALSE
         dataRate:               "40 Gbps"
         hcaFWVersion:           2.7.0
         id:                     0x00212800013e8c68
         lid:                    21
         linkDowned:             0
         linkIntegrityErrs:      0
         linkRecovers:           0
         physLinkState:          LinkUp
         portNumber:             2
         rcvConstraintErrs:      0
         rcvData:                79355427
         rcvErrs:                0
         rcvRemotePhysErrs:      0
         status:                 Active
         symbolErrs:             0
         vl15Dropped:            0
         xmtConstraintErrs:      0
         xmtData:                79274016
         xmtDiscards:            0
9.7.7.6 LIST LUN

用途

LIST LUNコマンドは、指定した属性およびフィルタで決定されるLUNの属性を表示します。

構文

LIST LUN [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list] [DETAIL]

使用上のノート

DESCRIBE LUNコマンドを使用すると、LUNの属性をすべて一覧表示できます。

例9-75は、LUNオブジェクトを指定したLISTコマンドおよび対応する出力を示しています。

例9-75 LUNの属性の表示

DBMCLI> LIST LUN
         0_0     0_0     normal
 
DBMCLI> LIST LUN 0_0 DETAIL
         name:                   0_0
         diskType:               HardDisk
         id:                     0_0
         lunSize:                556.9289999008179G
         lunUID:                 0_0
         raidLevel:              5
         lunWriteCacheMode:      "WriteBack, ReadAheadNone, Direct,   \
                                  No Write Cache if Bad BBU"
         status:                 normal
9.7.7.7 LIST METRICCURRENT

用途

LIST METRICCURRENTコマンドは、すべてのメトリックを収集したリストを表示します。

構文

LIST METRICCURRENT [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

  • DESCRIBE METRICCURRENTコマンドを使用すると、METRICCURRENTの属性をすべて一覧表示できます。

  • LIST METRICCURRENTコマンドの実行時の出力サイズを減らすには、フィルタを使用します。

例9-76は、METRICCURRRENTオブジェクトの情報を表示するため、フィルタを指定したLISTコマンドおよび対応する出力を示しています。

例9-76 METRICCURRENTの属性の表示

DBMCLI> LIST METRICCURRENT attributes name, objecttype
         DS_BBU_CHARGE           DBSERVER
         DS_BBU_TEMP             DBSERVER
         DS_CPUT                 DBSERVER
         DS_CPUT_MS              DBSERVER
         DS_FANS                 DBSERVER
         DS_FSUT                 DBSERVER_FILESYSTEM
         DS_FSUT                 DBSERVER_FILESYSTEM
         DS_FSUT                 DBSERVER_FILESYSTEM
         DS_MEMUT                DBSERVER
         DS_MEMUT_MS             DBSERVER
         DS_RUNQ                 DBSERVER
         DS_SWAP_IN_BY_SEC       DBSERVER
         DS_SWAP_OUT_BY_SEC      DBSERVER
         DS_SWAP_USAGE           DBSERVER
         DS_TEMP                 DBSERVER
         DS_VIRTMEM_MS           DBSERVER
         N_HCA_MB_RCV_SEC        DBSERVER
         N_HCA_MB_TRANS_SEC      DBSERVER
         N_IB_MB_RCV_SEC         IBPORT
         N_IB_MB_RCV_SEC         IBPORT
         N_IB_MB_TRANS_SEC       IBPORT
         N_IB_MB_TRANS_SEC       IBPORT
         N_IB_UTIL_RCV           IBPORT
         N_IB_UTIL_RCV           IBPORT
         N_IB_UTIL_TRANS         IBPORT
         N_IB_UTIL_TRANS         IBPORT
         N_NIC_KB_RCV_SEC        DBSERVER
         N_NIC_KB_TRANS_SEC      DBSERVER
         N_NIC_NW                DBSERVER

DBMCLI> LIST METRICCURRENT where objectType='IBPORT'
         N_IB_MB_RCV_SEC         HCA-1:1         0.026 MB/sec
         N_IB_MB_RCV_SEC         HCA-1:2         0.009 MB/sec
         N_IB_MB_TRANS_SEC       HCA-1:1         0.021 MB/sec
         N_IB_MB_TRANS_SEC       HCA-1:2         0.004 MB/sec
         N_IB_UTIL_RCV           HCA-1:1         0.0 %
         N_IB_UTIL_RCV           HCA-1:2         0.0 %
         N_IB_UTIL_TRANS         HCA-1:1         0.0 %
         N_IB_UTIL_TRANS         HCA-1:2         0.0 %

DBMCLI> LIST METRICCURRENT where name = DS_CPUT and metricobjectname= myexadb04 detail
         name:                   DS_CPUT
         alertState:             normal
         collectionTime:         2014-03-13T16:15:25-05:00
         metricObjectName:       myexadb04
         metricType:             Instantaneous
         metricValue:            0.9 %
         objectType:             DBSERVER
 
 
DBMCLI> LIST METRICCURRENT DS_FSUT
         DS_FSUT         /       50 %
         DS_FSUT         /boot   18 %
         DS_FSUT         /u01    82 %
9.7.7.8 LIST METRICDEFINITION

用途

LIST METRICDEFINITIONコマンドは、データベース・サーバーのメトリック定義のリストを表示します。

構文

LIST METRICDEFINITION [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

DESCRIBE METRICDEFINITIONコマンドを使用すると、METRICDEFINITIONの属性をすべて一覧表示できます。

例9-77は、METRICDEFINITIONオブジェクトを指定したLISTコマンドおよび対応する出力を示しています。

例9-77 METRICDEFINITIONの属性の表示

DBMCLI> LIST METRICDEFINITION
         DS_BBU_CHARGE
         DS_BBU_TEMP
         DS_CPUT
         DS_CPUT_MS
         DS_FANS
         DS_FSUT
         DS_MEMUT
         DS_MEMUT_MS
         DS_RUNQ
         DS_SWAP_IN_BY_SEC
         DS_SWAP_OUT_BY_SEC
         DS_SWAP_USAGE
         DS_TEMP
         DS_VIRTMEM_MS
         N_HCA_MB_RCV_SEC
         N_HCA_MB_TRANS_SEC
         N_IB_MB_RCV_SEC
         N_IB_MB_TRANS_SEC
         N_IB_UTIL_RCV
         N_IB_UTIL_TRANS
         N_NIC_KB_RCV_SEC
         N_NIC_KB_TRANS_SEC
         N_NIC_NW
9.7.7.9 LIST METRICHISTORY

用途

LIST METRICHISTORYコマンドは、各メトリックのリストを表示します。

構文

LIST METRICHISTORY [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  
                   {over_specification] [MEMORY] [DETAIL]

使用上のノート

  • DESCRIBE METRICHISTORYコマンドを使用すると、METRICHISTORYの属性をすべて一覧表示できます。

  • ほとんどのメトリック履歴ファイルの保存期間は、metricHistoryDays属性で指定されます。デフォルトの保存期間は7日です。この設定は、DBMCLIのALTER DBSERVERコマンドで変更できます。

    metricHistoryDays属性によって管理されるメトリックに加えて、主要なメトリック観測データのサブセットが最大1年間保持されます。どのような場合でも、サーバーがストレージ領域の不足を検出すると、履歴メトリック観測データが自動的にパージされます。

  • over_specificationの構文は次のとおりです。

    OVER number [aggregation_type [aggregation_type]...] 
    

    この構文で、numberは集計のための時間(分単位)です。aggregation_typeには、maxminまたはavgを指定できます。

  • WHERE句にageInMinutes属性を追加すると、経過時間が指定範囲内のメトリックのみをリスト表示するように指定できます。たとえば、次のコマンドでは、直前の15分間に作成されたメトリックが表示されます。

    DBMCLI> LIST METRICHISTORY WHERE ageInMinutes < 15
    

例9-78は、nameおよびcollectionTime属性を指定したLIST METRICHISTORYコマンドを示しています。

例9-79は、ds_cput属性を指定したLIST METRICHISTORYコマンドを示しています。

例9-78 NameおよびCollectionTime属性を使用したMETRICHISTORYの表示

DBMCLI> LIST METRICHISTORY WHERE name LIKE 'DS_.*' AND collectionTime > '2014-03-27T17:48:16-05:00'

         DS_FANS                 myexadb03       16              2014-03-27T17:49:15-05:00
         DS_TEMP                 myexadb03       20.0 C          2014-03-27T17:49:15-05:00
         DS_BBU_CHARGE           myexadb03       52.0 %          2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_BBU_TEMP             myexadb03       45.0 C          2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_CPUT                 myexadb03       0.3 %           2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_CPUT_MS              myexadb03       0.0 %           2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_FSUT                 /               73 %            2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_FSUT                 /boot           18 %            2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_FSUT                 /u01            43 %            2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_MEMUT                myexadb03       42 %            2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_MEMUT_MS             myexadb03       0.3 %           2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_MEMUT_MS             myexadb03       0.3 %           2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_RUNQ                 myexadb03       0.2             2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_SWAP_IN_BY_SEC       myexadb03       0.0 KB/sec      2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_SWAP_OUT_BY_SEC      myexadb03       0.0 KB/sec      2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_SWAP_USAGE           myexadb03       0 %             2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_VIRTMEM_MS           myexadb03       981 MB          2014-03-27T17:49:16-05:00
         DS_VIRTMEM_MS           myexadb03       981 MB          2014-03-27T17:49:16-05:00

例9-79 ds_cput属性のMETRICHISTORYの表示

DBMCLI> LIST METRICHISTORY ds_cput OVER 10 MIN MAX MEMORY
         DS_CPUT  myexadb03  1.0 %   2014-03-27T16:59:16-05:00       0.3 %   1.0 %
         DS_CPUT  myexadb03  0.7 %   2014-03-27T17:09:16-05:00       0.2 %   0.8 %
         DS_CPUT  myexadb03  0.7 %   2014-03-27T17:19:16-05:00       0.3 %   1.1 %
         DS_CPUT  myexadb03  0.7 %   2014-03-27T17:29:16-05:00       0.3 %   0.9 %
         DS_CPUT  myexadb03  0.7 %   2014-03-27T17:39:16-05:00       0.2 %   0.8 %
         DS_CPUT  myexadb03  0.8 %   2014-03-27T17:49:16-05:00       0.3 %   0.8 %
9.7.7.10 LIST METRICSTREAM

用途

LIST METRICSTREAMコマンドは、メトリック・ストリーム内のメトリックを表示します。

構文

LIST METRICSTREAM [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

  • LIST METRICSTREAMコマンドは、LIST METRICCURRENTコマンドと機能的に同等ですが、LIST METRICSTREAMは、メトリック・ストリームに含まれるメトリックのみを表示します。

例9-80 METRICSTREAMの属性の表示

この例では、セル・ディスク属性を表示するフィルタを使用したLIST METRICSTREAMコマンドを示します。

DBMCLI> LIST METRICSTREAM WHERE name LIKE 'N_NIC.*'
9.7.7.11 LIST PHYSICALDISK

用途

LIST PHYSICALDISKコマンドは、指定した属性およびフィルタで決定される1つ以上の物理ディスクの属性を表示します。

構文

LIST PHYSICALDISK [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list]  [DETAIL]

使用上のノート

DESCRIBE PHYSICALDISKコマンドを使用すると、PHYSICALDISKの属性をすべて一覧表示できます。

例9-81は、PHYSICALDISKオブジェクトを指定したLISTコマンドおよび対応する出力を示しています。

例9-81 物理ディスクの属性の表示

DBMCLI> LIST PHYSICALDISK
         252:0   G08VKE  normal
         252:1   GYVAXE  normal
         252:2   G07Z5E  normal
         252:3   G0889E  normal
9.7.7.12 LIST ROLE

用途

LIST ROLEコマンドは、ロールに指定した属性を表示します。

構文

LIST ROLE [name | filters] [attribute_list] [DETAIL] 

使用上のノート

  • nameはロールの名前です。

  • filtersは、表示するロールを決定する式です。

  • attribute_listは、表示する属性です。ALLオプションを使用して、すべての属性を表示できます。

  • DETAILオプションは、各値の前に属性ディスクリプタを付けて、各行で出力を属性としてフォーマットします。

例9-82は、LIST ROLEコマンドを示しています。

例9-82 ロールの表示

DBMCLI> LIST ROLE DETAIL

DBMCLI> LIST ROLE where name like 'db_*'
9.7.7.13 LIST SOFTWAREHISTORY

用途

LIST SOFTWAREHISTORYは、過去のソフトウェア更新の最終ステータスのリストを表示します。

構文

LIST SOFTWAREHISTORY [attribute_filters] [attribute_list] [DETAIL] 

例9-83 スケジュール済ソフトウェア更新の履歴の表示

デフォルトでは、更新名とステータスのみが表示されます。

CellCLI> LIST SOFTWAREHISTORY
  12.2.1.2.0.170509  Last update completed at: 2017-05-20T08:00:57-07:00
  12.2.1.2.0.170520  Last update completed at: 2017-05-21T06:39:54-07:00
  12.2.1.2.0.17052   Last update completed at: 2017-06-08T08:56:45-07:00
  12.2.1.2.0.170603  Last update completed at: 2017-06-08T16:03:17-07:00

例9-84 特定のソフトウェア更新の詳細な履歴の表示

この例は、名前で参照される特定の更新の詳細なソフトウェア更新履歴を示しています。

CellCLI> LIST SOFTWAREHISTORY WHERE name='12.2.1.2.0.170808.1' DETAIL
         name:                   12.2.1.2.0.170808.1
         status:                 Upgrade failed. See alerts at: 2017-08-10T10:56:15-07:00
9.7.7.14 LIST SOFTWAREUPDATE

用途

LIST SOFTWAREUPDATEコマンドは、最近スケジュールされた更新のステータスを表示します。

構文

LIST SOFTWAREUPDATE [attribute_list] [DETAIL] 

使用上のノート

ソフトウェア更新で想定される状態は、次のとおりです。

  • Ready to update at: update_time

  • Downloading

  • Checking prerequisites

  • Prerequisites failed. See alerts.

  • Last update completed at: update_time

  • Running

  • Upgrade failed. See alerts.

例9-85 スケジュール済ソフトウェア更新のステータスの表示

デフォルトでは、更新名とステータスのみが表示されます。

CellCLI> LIST SOFTWAREUPDATE
  12.2.1.2.0.170603   Last update completed at: 2017-06-08 16:03:17 -0700

例9-86 スケジュール済ソフトウェア更新の詳細ステータスの表示

デフォルトでは、更新名とステータスのみが表示されます。

CellCLI> LIST SOFTWAREUPDATE DETAIL
         name:                   12.2.1.2.0.170808.1
         status:                 Upgrade failed. See alerts
         store:                  https://mystore_url:4443
         time:                   2017-08-10T10:35:00-07:00
9.7.7.15 LIST THRESHOLD

用途

LIST THRESHOLDコマンドは、指定した属性およびフィルタで決定される1つ以上のしきい値の属性を表示します。

構文

LIST THRESHOLD [ name |  attribute_filters ]  [attribute_list] [DETAIL]

使用上のノート

DESCRIBE THRESHOLDコマンドを使用すると、THRESHOLDの属性をすべて一覧表示できます。

例9-87は、THRESHOLDオブジェクトを指定したLISTコマンドおよび対応する出力を示しています。

例9-87 しきい値の属性の表示

DBMCLI> LIST THRESHOLD                                               
         DS_CPUT.myexadb04
         DS_TEMP.myexadb04
 
DBMCLI> LIST THRESHOLD DS_CPUT.myexadb04 detail
         name:                   DS_CPUT.myexadb04
         comparison:             >
         warning:                90.0
 
DBMCLI> LIST THRESHOLD DS_TEMP.myexadb04 detail
         name:                   DS_TEMP.myexadb04
         comparison:             >
         critical:               30.0
9.7.7.16 LIST USER

用途

LIST USER コマンドは、ユーザーに指定した属性を表示します。

構文

LIST USER [name | filters] [attribute_list] [DETAIL] 

使用上のノート

  • nameはユーザー名です。

  • filtersは、表示するユーザーを決定する式です。

  • attribute_listは、表示する属性です。ALLオプションを使用して、すべての属性を表示できます。

  • DETAILオプションは、各値の前に属性ディスクリプタを付けて、各行で出力を属性としてフォーマットします。

例9-88は、LIST USERコマンドを示しています。

例9-88 LIST USERコマンドの使用

DBMCLI> LIST USER DETAIL

DBMCLI> LIST USER where name like 'jdoe' DETAIL
         name:                   jdoe
         roles:                  role=db_monitor
         Privileges:             object=dbserver 
                                 verb=list
                                 attributes=all attributes
                                 options= all options

9.7.8 REVOKE

用途

REVOKEコマンドは、権限およびロールを削除します。

構文

REVOKE object_type [name] FROM sub_object_type [sub_object_name]

使用上のノート

  • object_typeは次のとおりです。

    • PRIVILEGE

    • ROLE

  • PRIVILEGEオブジェクト・タイプには次を使用できます。

    • nameの書式は、次のとおりです。

      { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object }  { ALL ATTRIBUTES | \
      ATTRIBUTES attribute1 [, attribute2, ...] }  { WITH ALL OPTIONS |        \
      WITH OPTIONS option1 [, option2, ...] }
      
    • sub_object_typeROLEである必要があります。

    • sub_object_nameは、ロール名、ロール名のカンマ区切りのリストまたはキーワードALLです。

  • ROLEオブジェクト・タイプには次を使用できます。

    • nameは、ロール名、ロール名のカンマ区切りのリストまたはキーワードALLです。

    • sub_object_typeUSERである必要があります。

    • sub_object_nameは、ユーザー名、ユーザー名のカンマ区切りのリストまたはキーワードALLです。

9.7.8.1 REVOKE PRIVILEGE

用途

REVOKE PRIVILEGEコマンドは、ロールから権限を取り消します。

構文

REVOKE PRIVILEGE { ALL ACTIONS | action } ON { ALL OBJECTS | object } { ALL ATTRIBUTES | ATTRIBUTES attribute1 [, attribute2...] } { WITH ALL OPTIONS | WITH OPTIONS option1 [, option2, ...] } FROM ROLE { ALL | role1 [, role2, ...] }

使用上のノート

  • actionはコマンドです。

  • objectはアクションのオブジェクト・タイプです。

  • attributeはオブジェクトの属性です。

  • optionはオブジェクトのオプションです。

  • roleは、権限を取り消すロールの名前です。

  • ALL ACTIONS引数は、すべてのアクションの権限を取り消します。

  • ALL OBJECTS引数は、すべてのオブジェクトの権限を取り消します。

  • ALL ATTRIBUTES引数は、すべての属性の権限を取り消します。

  • WITH ALL OPTIONS引数は、すべてのオプションの権限を取り消します。

例9-89は、REVOKE PRIVILEGEコマンドを示しています。

例9-89 権限の取消し

DBMCLI> REVOKE PRIVILEGE ALL ACTIONS ON ALL OBJECTS ALL ATTRIBUTES -
         WITH ALL OPTIONS FROM ROLE ALL

DBMCLI> REVOKE PRIVILEGE list ON dbserver ATTRIBUTES name     -
         WITH OPTIONS detail FROM ROLE db_monitor
9.7.8.2 REVOKE ROLE

用途

REVOKE ROLEコマンドは、ユーザーのロールを取り消します。

構文

REVOKE ROLE { ALL | role1 [, role2, ...] } FROM USER { ALL | user1 [, user2...] }

使用上のノート

  • role1role2はロールの名前です。

  • user1user2はユーザーの名前です。

  • ALL引数は、ユーザーのすべてのロールを取り消します。

  • FROM USER ALL引数は、すべてのユーザーのロールを取り消します。

例9-90は、ユーザーからロールを取り消す方法を示しています。

例9-90 ユーザーのロールの取消し

DBMCLI> REVOKE ROLE db_monitor FROM USER jdoe 

9.7.9 SET

用途

SETコマンドは、現行のセッションに対するDBMCLI環境を変更する変数を設定します。

構文

SET DATEFORMAT {LOCAL | STANDARD}
SET ECHO [ON | OFF]

使用上のノート

SET DATEFORMATコマンドでは、表示される日付形式を制御します。日付を受け入れるコマンドでは、standardの日時形式をお薦めします。local形式も受け入れられます。スクリプトでstandard形式が推奨される理由は、この形式がスクリプトの実行時に発生する可能性があるタイムゾーン、地域およびロケールの変更に依存しないためです。

SET ECHOコマンドでは、@またはSTARTで実行されるスクリプトのコマンドにエコーを設定するかどうかを制御します。ONオプションを指定すると、コマンドが画面に表示されます。OFFオプションを指定すると非表示になります。対話的に入力したコマンドやオペレーティング・システムからリダイレクトされたコマンドの表示は、SET ECHOコマンドによって影響を受けません。

例9-91 SETコマンドを使用した日付形式の設定

SET DATEFORMAT STANDARD

9.7.10 SPOOL

用途

SPOOLコマンドは、コマンドの結果を指定したファイルに書き込み(スプール)ます。

構文

SPO[OL] [file_name [ CRE[ATE] | REP[LACE] | APP[END] ] | OFF]

使用上のノート

オプションを指定せずにSPOOL file_nameを発行すると、ファイルの有無に関係なく、指定したファイルに出力がスプールされます。デフォルトの動作はREPLACEオプションです。

表9-14 SPOOLオプション

オプション 説明

APPEND

指定したファイルの最後に結果を追加します。

CREATE

指定した名前で新しいファイルを作成し、このファイルが存在する場合、エラーが発生します。

file_name

結果が書き込まれるファイルの名前です。この名前は、完全修飾のパス名で指定できますが、現行ディレクトリの相対パスになる部分修飾のパス名で指定することもできます。

オプションなし

現在のスプールのターゲット・ファイルがある場合は、その名前を表示します。

OFF

ファイルへの書込み(スプール)出力を停止します。

REPLACE

指定した既存のファイルの内容を置き換えます。ファイルが存在しない場合は、REPLACEによってファイルが作成されます。これはデフォルトの動作です。

9.7.11 START

用途

STARTコマンドは、指定したスクリプト・ファイルでDBMCLIコマンドを実行します。

構文

STA[RT] file_name

使用上のノート

STARTオプションはfile_nameです。このオプションは、DBMCLIコマンドを含むスクリプト・ファイルの名前になります。ファイル名に完全修飾パスが含まれていない場合は、現行ディレクトリの相対パスが含まれるファイルがDBMCLIユーティリティによって検索されます。

STARTコマンドは、長いDBMCLIコマンドを入力する場合や、DBMCLIコマンドを複数入力する場合に便利です。たとえば、alter_dbserverが現行ディレクトリにある場合は、alter_dbserverという名前のテキスト・ファイルに例9-10のすべてのコマンドを入力して、次のように実行します。

START alter_dbserver