使用状況トラッキングの情報を収集するための直接挿入の手動による設定
直接挿入は、使用状況トラッキングの設定における推奨方法です。
この項では、直接挿入を手動で設定する方法について説明します。内容は次のとおりです。
使用状況トラッキングの統計データベースの設定
使用状況トラッキングの直接挿入を使用する前に、使用状況トラッキングの統計を格納するデータベースを設定する必要があります。
ターゲット・データベースでリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を実行し、必要な統計スキーマを作成する必要があります。
通常、Oracle Analytics Serverとともに使用するためにインストールしたデータベースを統計データベースとして使用します。これは、このデータベースにはすでにRCUで作成したスキーマが存在するためです。使用状況トラッキング用にRCUで作成された表の名前は、S_NQ_ACCT
、S_NQ_DB_ACCT
およびS_NQ_INITBLOCK
です。使用状況トラッキング表の理解を参照してください。
また、そのデータベースを、リポジトリの物理レイヤーにインポートすることも必要です。
- 選択した外部データベース上でリポジトリ作成ユーティリティを実行します。Oracle Analytics Serverとともに使用するためにインストールしたデータベースを使用状況トラッキングの統計用に使用する場合は、RCUで作成したスキーマがこのデータベースにすでに存在するため、このステップをスキップできます。
- 管理ツールを開き、このデータベースを物理レイヤーにインポートします。Oracle Analytics Serverメタデータ・リポジトリの管理を参照してください。
- リポジトリを保存して閉じます。
直接挿入パラメータの設定
新しいインストールには、直接挿入のための特定のパラメータを設定できます。
新しい(アップグレードでない)インストールに直接挿入を設定するには、テキスト・エディタを使用します。
使用状況トラッキングの直接挿入を設定するには、次のステップを使用します。
オプションの直接挿入パラメータの設定
NQSConfig.INIファイルのUsage Trackingセクションには、いくつかのパラメータがあります。
前述の設定パラメータに加えて、次のオプションのパラメータもNQSConfig.INIファイルの使用状況トラッキング・セクションで更新できます。
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BUFFER_SIZE。このパラメータは、挿入文のバッファリング用にBIサーバーが割り当てるメモリー量を示します。このようなバッファにより、BIサーバーは複数の挿入文を1つのトランザクションに含めて発行でき、使用状況トラッキング挿入のスループットが向上します。また、通常の分析では使用状況トラッキング挿入を待つ必要がないため、問合せの平均レスポンス時間も向上します。サーバー・コンピュータ上の使用可能なメモリーとメモリーの使用状況に応じて、この値を調整します。
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BUFFER_TIME_LIMIT_SECONDS。このパラメータは、使用状況トラッキング・サブシステムが挿入文の発行を試行するまでの、挿入文がバッファ内に存続する最大時間を示します。この時間制限によって、静止状態が長く続いていても、BIサーバーは挿入文をすぐに発行できます。
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NUM_INSERT_THREADS。このパラメータは、バッファから挿入文を削除し、それを使用状況トラッキング・データベースに挿入するスレッドの数を示します。読取りと挿入で接続プールがそれぞれ別の場合、挿入スレッド数は通常、接続プールの最大接続設定に等しくなります。
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MAX_INSERTS_PER_TRANSACTION。このパラメータは、使用状況トラッキング・サブシステムが、1つのトランザクションの一部として発行を試みる挿入文の最大数を示します。この値が大きくなるほど、使用状況トラッキング挿入が長時間にわたって行われ、潜在的なスループットが増します。ただし、値が大きいと、デッドロックが原因でトランザクションが失敗する可能性も増します。
BUFFER_TIME_LIMIT_SECONDS
に小さい値を指定すると、トランザクション当たりの挿入数を制限できます。
「NQSConfig.INIファイルの構成設定」を参照してください。