ODBCプロシージャを使用したキャッシュのパージと保守
Oracle BIサーバーには、キャッシュ・エントリをパージするためのODBC拡張関数があります。
これらの関数の中には、抽出、変換およびロード(ETL)タスクに埋め込むのに特に役立つものがあります。たとえば、毎晩のETLの実行後に、すべてのOracle BIサーバー・キャッシュ・エントリをパージできます。ファクト表だけが変更された場合は、その表に関連するキャッシュのみをパージできます。場合によっては、特定のデータベースに関連するキャッシュ・エントリをパージする必要があります。
キャッシュをパージする権限を持つのは管理者だけです。したがって、このようなODBC拡張関数をコールするスクリプトは、管理者権限の資格証明の下で実行する必要があります。
次のODBC関数は、ODBC接続で指定されるリポジトリに関連するキャッシュ・エントリに影響します。
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SAPurgeCacheByQuery。指定された問合せに完全に一致するキャッシュ・エントリをパージします。たとえば、次の問合せを使用すると、給与が$100,000を超えるすべての従業員の名前を取得する、1つ以上の問合せキャッシュ・エントリが得られます。
SELECT lastname, firstname FROM employee WHERE salary > 100000;
次のコールによって、この問合せに関連するキャッシュ・エントリがパージされます。
Call SAPurgeCacheByQuery('SELECT lastname, firstname FROM employee WHERE salary > 100000' );
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SAPurgeCacheByTable。クライアントが接続されているリポジトリの、指定された物理表名(完全修飾)に関連するすべてのキャッシュ・エントリをパージします。
この関数は、完全修飾された物理表名の4つのコンポーネント(データベース、カタログ、スキーマおよび表名に固有)を表す、最大で4つのパラメータを使用します。たとえば、完全修飾名が
DBName.CatName.SchName.TabName
という表があるものとします。メタデータ・リポジトリの物理レイヤーにあるこの表に関連するキャッシュ・エントリをパージするには、スクリプト内で次のコールを実行します。Call SAPurgeCacheByTable( 'DBName', 'CatName', 'SchName', 'TabName' );
ノート:
Oracle BIサーバーでは、この関数でのワイルドカードがサポートされていません。また、DBNameとTabNameはnullにできません。どちらかがnullの場合は、エラー・メッセージが表示されます。
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SAPurgeAllCache。すべてのキャッシュ・エントリをパージします。この関数では、ノードの名前のカンマ区切りリストであるパラメータを取ります。次に、obis1およびobis2ノードのキャッシュ・エントリをパージするこのコールの例を示します。
Call SAPurgeAllCache('obis1,obis2');
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SAPurgeCacheByDatabase。特定の物理データベース名に関連するすべてのキャッシュ・エントリをパージします。キャッシュをパージするODBCプロシージャがコールされると、レコードが返されます。この関数では、物理データベース名を表すパラメータを1つ使用し、そのパラメータはnullにできません。このコールの構文を次に示します。
Call SAPurgeCacheByDatabase( 'DBName' );
ODBCプロシージャ構文について
プロシージャの文字列引数の中に一重引用符がある場合は、もう1つの一重引用符を使用してエスケープする必要があります。
たとえば:
Call SAPurgeCacheByQuery('SELECT TOPN("- Currency"."Markdown %", 10) saw_0,
"XX Line"."Order No" saw_1, "- Bill-To Site"."Customer Name" saw_2, "-
Currency"."Net USD" saw_3, "- Currency"."Markdown USD" saw_4, "-
Currency"."Markdown %" saw_5 FROM "Apps 11i - XX Lines" WHERE
("XX Line"."Open Flag" = ''Y'') AND ("Operating Unit"."Group Name" = ''Group'')
AND ("- Currency"."Net USD" >= 10000) ORDER BY saw_0');
太字の行は、''Y''
および''Group''
というアイテムのエスケープ文字として使用されている、追加の一重引用符を示しています。
プレゼンテーション・サービス問合せキャッシュの共有について
ユーザーがアンサーにアクセスして問合せを実行すると、プレゼンテーション・サービスは問合せの結果をキャッシュします。
プレゼンテーション・サービスでは、リクエスト・キーと論理SQL文字列を使用して、キャッシュされた結果を後続の問合せが使用できるかどうかを決定します。キャッシュを共有できる場合、後続の問合せは保存されません。
SAGetSharedRequestKey。プレゼンテーション・サービスから論理SQL文を受け取り、リクエスト・キー値を返すODBCプロシージャ。
このプロシージャの構文を次に示します。
SAGetSharedRequestKey('sql-string-literal')
リクエスト・キーの値は、次の要因の影響を受けます。
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リポジトリ物理データベース・オブジェクトで「仮想プライベート・データベース」オプションが選択されているかどうか
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セッション変数がリポジトリ内で「セキュリティ・センシティブ」とマークされているかどうか
プレゼンテーション・サービスは、仮想プライベート・データベースとしてマークされているデータベース・オブジェクトに対して、論理リクエストのリクエスト・キーを計算するときに、セキュリティ・センシティブな変数を考慮します。
プレゼンテーション・サービス・キャッシュ設定の管理を参照してください。