C.5 バックアップおよびリストアの問題

Oracle Key Vaultの操作時に、一般的なバックアップおよびリストア関連の問題に関する次のトラブルシューティングのヒントを確認します。

C.5.1 Oracle Key Vaultのバックアップの失敗エラー

Oracle Key Vaultのバックアップ操作中に、バックアップ操作が失敗し、Failed to pack filesエラーが発生します。

Oracle Key Vaultのバックアップが失敗し、次のエラーが表示されます。

Error: Failed to pack files

考えられる原因

Failed to pack filesエラーが原因で、Oracle Key Vaultのバックアップに失敗しました。

解決策

  1. サポートとしてsshを介してOracle Key Vault管理サーバーにログインします。
  2. rootユーザーに切り替えます。
  3. /var/okv/log/db/に移動して、output*okv_backup_run.logという名前の最新のバックアップ実行ログを開きます。
  4. permissions issues to access a fileエラーが発生した場合は、権限を修正し、バックアップを再度実行します。
  5. 問題が解決したかどうかを確認します。

C.5.2 新しいバックアップをスケジュールできない

Oracle Key Vaultが管理コンソールで新しいバックアップのスケジュールに失敗しました。

Oracle Key Vault管理コンソールでの新しいバックアップのスケジュールが失敗し、次のエラーが表示されます。

Error: Unable to schedule new backup 

考えられる原因

古いバックアップがまだ進行中であるか、数日間応答しない状態である可能性があります。

解決策

  1. Oracle Key Vaultサーバーを再起動し、古いバックアップが完了しているかどうかを確認します。
  2. 新しいバックアップをスケジュールします。
  3. 問題が解決したかどうかを確認します。

C.5.3 リモート・バックアップに失敗した

Oracle Key Vault管理コンソールでリモート・バックアップに失敗します。

Oracle Key Vault管理コンソールでリモート・バックアップのステータスが次のように表示されます。

Error: Remote Backup Failed

考えられる原因1

数日間「Ongoing」ステータスであるリモート・バックアップが存在する可能性があります。

解決策

  1. Oracle Key Vaultサーバーを再起動し、古いバックアップが完了しているかどうかを確認します。
  2. 問題が解決したかどうかを確認します。

考えられる原因2

リモート・バックアップの保存先にアクセスできません。

解決策

  1. リモートの保存先がアクセス可能であり、scpが構成済のリモートの保存先パスで動作しているかどうかを確認します。
  2. scpが正常に動作している場合:
    1. Oracle Key Vaultサーバーがアップグレードされているか、サーバー、CA証明書またはノード証明書が最近ローテーションされているかどうかを確認します。リモート・バックアップの保存先が再度構成されていないかどうかを確認します。
    2. システム管理者としてOracle Key Vault管理コンソールにログインします。
    3. 「System」「Settings」の順に移動します。
    4. 「Backup and Restore」ページに移動します。
    5. 「Remote backup destination」を編集し、公開キーをコピーします。
    6. 公開キーをリモートの保存先サーバーのknown_hostsファイルに貼り付けます。
  3. サーバー、CA証明書またはノード証明書がローテーションされると、Oracle Key Vaultサーバーまたはノードの公開キーが変更されます。
  4. 「Backup Destination Details」ページの「Public Key」フィールドに表示される新しい公開キーをコピーします。
  5. バックアップの保存先サーバーの適切な構成ファイル(authorized_keysなど)に公開キーを貼り付けます。
  6. 「System」「Settings」の順に移動します。
  7. 「System Configuration」領域で、「Backup and Restore」を選択します。
  8. 「Manage Backup Destination」をクリックして、すべてのバックアップの保存先を表示します。
  9. 「Create」をクリックします。「Public Key」フィールドに新しい公開キーが表示されます。
  10. この公開キーを、バックアップの保存先の構成で指定されたユーザーのauthorized_keyファイルにコピーします。
  11. 各バックアップの保存先の変更を適用します。
  12. 問題が解決したかどうかを確認します。

C.5.4 バックアップのリストアの失敗

Oracle Key Vaultのバックアップ・リストア操作に失敗し、Backup Restoration Failedエラーが発生します。

リモート・バックアップからのOracle Key Vaultのリストアに失敗しました。

Error: Backup Restoration Failed

考えられる原因

リモート・サーバーにアクセスできない場合、リストアは失敗します。

解決策

  1. リモート・バックアップの保存先からのバックアップ・ファイルがOracle Key Vaultサーバーからアクセス可能かどうかを確認します。
  2. アクセス可能でない場合は、Oracle Key Vaultサーバーがリモート・バックアップの保存先からバックアップ・ファイルにアクセスできることを確認します。
  3. 問題が解決したかどうかを確認します。

C.5.4.1 バックアップのサイズが急激に増加している

Oracle Key Vaultのバックアップ・サイズが、バックアップを実行するたびに指数関数的に増加しています。

Oracle Key Vault restoration failure.

リモート・サーバーにアクセスできない場合、リストアは失敗します。

解決策

  1. RMANを使用して、不要になったアーカイブ・ログおよびデータベース・バックアップを削除します。
  2. サポートとしてSSHを使用してOracle Key Vaultサーバーに接続し、rootユーザーに切り替えてから、ORACLEユーザーに切り替えます。
  3. RMANユーティリティを使用して接続し、次のコマンドを実行して、それまでに不要になったREDOログおよびバックアップ、および不要になったバックアップおよびアーカイブ・ログをリストします。
    rman target /
    RMAN> list backup summary;
    RMAN> report obsolete;
  4. RMANから次のコマンドを使用して、不要になったバックアップを削除します。
    :RMAN> delete noprompt obsolete;
  5. このアクション・プランで他の警告メッセージが生成される場合は、サポート・チームに連絡してください。
  6. これにより、リモートの場所でシステムによって取得されたバックアップは削除されません。これらのバックアップ・ファイルは手動で管理する必要があります。