11 ストレージの管理
Oracle Database Applianceデプロイメントのストレージ・オプションと、ストレージの管理方法について説明します。
- ストレージの管理について
Oracle Database Applianceのストレージ・オプションを理解します。 - Oracle ASMディスクの管理について
Oracle Database ApplianceがサポートするOracle ASMディスク管理機能を理解します。 - 単一ノード・システムでのストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2SおよびX9-2Lシステムのストレージ・オプションを理解します。 - 高可用性システムでのストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2-HAシステムのストレージを理解します。
ストレージの管理について
Oracle Database Applianceのストレージ・オプションを理解します。
Oracle Database Applianceでは、RAWストレージを使用して、次の方法でデータを保護します。
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高速リカバリ領域(FRA)のバックアップ。FRAは、REDOログ、制御ファイル、アーカイブ・ログ、バックアップ・ピースとコピーおよびフラッシュバック・ログを含むストレージ領域(ディスクまたはOracle ASMディスクグループのディレクトリ)です。
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ミラーリング。双方向ミラーリングまたは3方向ミラーリングで、機械的な問題に対する保護が提供されます。
使用可能なストレージの量は、FRAバックアップの場所(外部または内部)と、双方向ミラーリングが使用されるか、3方向ミラーリングが使用されるかによって決定します。オンライン・バックアップ、データ・ステージングまたは追加のデータベース・ファイルのために、外部NFSストレージがサポートされています。
Oracle Database Appliance X9-2LおよびX9-2-HAモデルでは、基本構成にストレージ拡張オプションが用意されています。また、Oracle Database Appliance X9-2-HAマルチノード・プラットフォームでは、オプションのストレージ拡張シェルフを追加できます。
FLASHの冗長性レベルは、DATAおよびRECOの選択に基づきます。高冗長性(3方向ミラーリング)を選択した場合、FLASHも高冗長性になります。
親トピック: ストレージの管理
Oracle ASMディスクの管理について
Oracle Database ApplianceがサポートするOracle ASMディスク管理機能を理解します。
Oracle Database Applianceでは、Oracle ASMディスクを管理できます。
Oracle ASMディスク・グループの自動オンライン化
Oracle Database Applianceは、ディスク・グループ内のOracle ASMディスクのステータスを定期的にチェックします。一時的なディスク・エラーによっていずれかのOracle ASMディスクがオフラインになると、Oracle Database Applianceによってそのディスクのオンライン化が試行されます。
Oracle ASMディスク・グループの再バランス操作の最適化
odacli modify-agentconfig-parameters -n ASMRM_CPU_RQ -v 50 -d "CPU RUN QUEUE THRESHOLD" -u
odacli modify-agentconfig-parameters -n ASMRM_MAX_HDD_DISK_RQ -v 2 -d "HDD DISK QUEUE THRESHOLD" -u
odacli modify-agentconfig-parameters -n ASMRM_MAX_SSD_DISK_RQ -v 32 -d "SSD DISK QUEUE THRESHOLD" -u
odacli modify-agentconfig-parameters -n ASMRM_MAX_NVME_DISK_RQ -v 50 -d "NVME DISK QUEUE THRESHOLD" -u
前述のコマンド・オプションで、Oracle ASMディスクの再バランスを監視するためのカスタムのしきい値制限が設定されます。
再バランス操作は、odacli describe-schedule -i Schedule ID
およびodacli list-scheduled-executions
のコマンドを使用して監視できます。
親トピック: ストレージの管理
単一ノード・システムでのストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2SおよびX9-2Lシステムのストレージ・オプションを理解します。
- Oracle Database Appliance X9-2SおよびX9-2Lのストレージについて
Oracle Database Appliance単一ノード・システムのストレージを理解します。 - NVMeストレージ・ディスクの追加
使用可能なドライブに応じて、Oracle Database Appliance X9-2ストレージを拡張してNVMeディスクを追加するか、既存のNVMeディスクを交換できます。
親トピック: ストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2SおよびX9-2Lのストレージについて
Oracle Database Appliance単一ノード・システムのストレージを理解します。
Oracle Database Appliance X9-2Sには、DATAおよびRECOディスク・グループをホストする2つの6.8TB NVMeディスクがあります。Oracle ASMストレージ情報のためのパーティションが2つ(DATAとRECOに1つずつ)あります。ストレージ容量は固定されており、拡張できません。
Oracle Database Appliance X9-2Lには、DATAおよびRECOディスク・グループをホストする2つの6.8TB NVMeディスクがあります。Oracle ASMストレージ情報のためのパーティションが2つ(DATAとRECOに1つずつ)あります。このリリースでX9-2Lを初めてデプロイおよび構成する場合、NVMeドライブの2個パックの倍数(2個、4個、6個、8個、10個など、12個までのディスク)で、ストレージをX9-2Lに設定できます。
この表では、単一ノード・システムの拡張メモリーとストレージ・オプションを含むNVMeストレージ構成について説明します。
表11-1 Oracle Database Appliance X9-2SおよびX9-2Lのストレージ・オプション
構成 | Oracle Database Appliance X9-2S | Oracle Database Appliance X9-2L |
---|---|---|
基本構成 |
2台の6.8 TB NVMe = 13.6 TB NVMe |
2台の6.8 TB NVMe = 13.6 TB NVMe |
ストレージ追加オプション |
なし |
10台の6.8 TB NVMeストレージ・ドライブ(合計81.6 TBのNVMeのストレージ)。 7603394 (Oracle Database Appliance X9-2L用のcoral-dブラケット付きの6.8 TBの2.5インチNVMe PCIe 4.0 SSDの2個パック)を1つ注文します 6.8 TBのNVMeディスクの2個パック(最大で12個のディスク)。 |
親トピック: 単一ノード・システムでのストレージの管理
NVMeストレージ・ディスクの追加
使用可能なドライブに応じて、Oracle Database Appliance X9-2ストレージを拡張してNVMeディスクを追加するか、既存のNVMeディスクを交換できます。
ODAADMCLIコマンドを使用して、ストレージ診断の実行やストレージ・コンポーネントの診断ロジックの収集など、アプライアンス・ストレージのメンテナンス・タスクを実行します。
ストレージのアップグレードの準備
-
ストレージを拡張する前に、Oracle Database Applianceを最新のパッチ・バンドルに更新します。
# odacli describe-component
-
既存のストレージ・ディスクのディスクの状態を確認します。
# odaadmcli show disk
-
odaadmcli show diskgroup
コマンドを実行して、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループ情報を表示して確認します。 -
orachkを使用して、Oracle ASMおよびCRSの状態を確認します。
ストレージを追加する前に、これらのベスト・プラクティスを確認して実行します。
NVMeストレージ・ディスクの追加
Oracle Database Appliance X9-2SまたはX9-2Lのデフォルト構成には2台のNVMeディスクが含まれます。Oracle Database Appliance X9-2Sのストレージは拡張できません。
Oracle Database Appliance X9-2Lでは、2個、4個、6個、8個および10個のディスク(最大で12個のディスク)を追加して、ストレージを拡張できます。ストレージを拡張する場合、奇数のNVMeドライブを追加することはサポートされていません。
警告:
電源をオフにする前にドライブを引き出すと、カーネルがクラッシュし、データ破損が発生する可能性があります。LEDがオレンジ色または緑色の場合は、ドライブを引き出さないでください。 NVMeドライブを交換する必要がある場合は、ドライブをスロットから引き出す前に、ソフトウェアを使用して電源をオフにしてください。交換するディスクが複数ある場合は、1台目のディスクの交換を完了してから次のディスクの交換を開始してください。
NVMeストレージ・ディスクを追加するには、次のステップに従います。
- NVMeディスクを追加する前に、現在のディスクが
oakd
およびOracle ASMでオンラインになるようにします。そうしないと、事前チェックが不合格になります。たとえば、スロット2および3への2ディスク拡張では、スロット0および1のディスクがOracle ASMおよびoakd
でオンラインになっている必要があります。スロット0から5に装着される場合のスロット2から5への4ディスク拡張では、スロット0から1のすべてのディスクがオンラインになっている必要があります。スロット2から11への10ディスク拡張では、スロット0から1のすべてのディスクがオンラインになっている必要があります。 - スロットに一度に1つずつディスクを挿入し、デバイスの電源をオンにします。
たとえば、2台のNVMeディスクを追加するには、スロット2および3にディスクを挿入します。4台のNVMeドライブを追加するには、スロット2から5にディスクを挿入します。
# odaadmcli power disk on slot_number
たとえば、4台のNVMeディスクを追加する場合は、次のコマンドを実行します。# odaadmcli power disk on pd_02 # odaadmcli power disk on pd_03 # odaadmcli power disk on pd_04 # odaadmcli power disk on pd_05
ディスクを挿入してから次のディスクを挿入するまでに、少なくとも1分待ちます。
odaadmcli expand storage
コマンドを実行して、新しいストレージ・ドライブを追加します。# odaadmcli expand storage -ndisk number_of_disks
たとえば、2台のNVMeドライブを追加するには、次のコマンドを実行します。#odaadmcli expand storage -ndisk 2 Running precheck, it may take a few minutes. Precheck passed. Check the progress of expansion of storage by executing 'odaadmcli show disk' Waiting for expansion to finish. It may take several minutes to complete depending upon the number of disks being expanded
odaadmcli show disk
コマンドを実行して、すべてのディスクがリストされ、オンラインであり、良好な状態であることを確認します。# odaadmcli show disk
親トピック: 単一ノード・システムでのストレージの管理
高可用性システムでのストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2-HAシステムのストレージを理解します。
- Oracle Database Appliance X9-2-HAのストレージ・オプションについて
Oracle Database Appliance高可用性システムには、高パフォーマンスおよび大容量のストレージ構成のためのオプションがあります。 - データ・ストレージ用のソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の追加
データ・ストレージ用のソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のパックを既存のOracle Database Appliance X9-2-HAの基本構成に追加して、ベース・ストレージ・シェルフを完全に埋めるようにします。 - ストレージ拡張シェルフの追加
ベース・ストレージ・シェルフが完全に埋められたら、ストレージ拡張シェルフを追加して、マルチノード・プラットフォームのデータ・ストレージを拡張できます。
親トピック: ストレージの管理
Oracle Database Appliance X9-2-HAのストレージ・オプションについて
Oracle Database Applianceの高可用性システムには、高パフォーマンスおよび大容量のストレージ構成のためのオプションがあります。
Oracle Database Appliance X9-2-HAハードウェア・モデルの基本構成には、7.68 TBのSSD RAWストレージ・ドライブを備えた6つのスロット(スロット0-5)があります。最大限のストレージ容量を注文してデプロイする場合は、残りの18個のスロット(スロット6-23)にSSDドライブまたはHDDドライブを装着できます。さらにストレージを拡張するために、ストレージ拡張シェルフを追加してアプライアンスのストレージ容量を2倍にできます。
すべての構成で、ベースストレージとストレージ拡張シェルフにはそれぞれ、SSDオプションでのDATA/RECO用、またはHDDオプションでのFLASH用に6台のSSDがあります。
Oracle Database Appliance X9-2-HAでは、REDOディスク・グループ専用のSSDドライブは割り当てられません。かわりに、必要に応じて、SSDドライブでREDOログ用の領域が割り当てられます。
Oracle ASMストレージの場合、REDOログは、選択したデータベース・シェイプに基づいて、データベース作成時に使用可能なディスク・グループ領域に格納されます。Oracle ACFSストレージの場合、REDOログ用の領域が、データベース・ストレージの作成時に最小データベース・シェイプ(odb1s)を想定して割り当てられます。データベースなしでデータベース・ストレージを作成する場合、REDOログ用に割り当てられる領域は、最小データベース・シェイプ(odb1s)を想定して、4 GBです。その後、既存のデータベース・ストレージで必要なデータベース・シェイプを使用してデータベースを作成すると、REDOログ領域がデータベースのシェイプに基づいて拡張されます。
SSDドライブのみを使用するOracle Database Appliance X9-2-HA高パフォーマンス構成では、DATAおよびRECOディスク・グループは、6、12、18、24または48 (ストレージ拡張シェルフを使用)のいずれであっても、すべてのSSDドライブを使用します。REDOログはRECOディスク・グループに格納されます。
Oracle Database Appliance X9-2-HA大容量構成(HDDドライブとSSDドライブの両方を使用)では、DATAおよびRECOディスク・グループはHDDドライブを使用し、SSDドライブでFLASHディスク・グループが格納されます。REDOログはFLASHディスク・グループに格納されます。
高パフォーマンス構成と大容量構成の両方で、REDOログは、以前のOracle Database Applianceハードウェア・モデルと同様に、常にSSDドライブに作成されます。REDOログは、RECOまたはFLASHのいずれであっても、ディスク・グループの冗長性レベルに関係なく、常に高冗長性で作成されます。
高パフォーマンス
高パフォーマンス構成では、DATAおよびRECOストレージにソリッド・ステート・ドライブ(SSD)が使用されます。基本構成には6台のディスクがあり、それぞれにDATAおよびRECO用の7.68 TBのSSD RAWストレージがあります。
基本構成で、SSDの6個パックを最大で3つ追加して、合計184.32 TBのSSD RAWストレージにできます。さらにストレージが必要な場合は、SSDドライブの拡張シェルフを追加することで容量を2倍にできます。拡張シェルフで、それぞれにDATAおよびRECO用の7.68TBのRAWストレージがある追加の24台のSSDが提供されるため、合計で184.32 TBのSSD RAWストレージが追加されます。
拡張シェルフを追加するには、ベース・ストレージ・シェルフと拡張シェルフが、SSDドライブで完全に埋められている必要があります。ストレージを拡張する場合、停止時間は発生しません。
高パフォーマンス用に完全に構成されたシステムには、DATAおよびRECO用の368.64 TBのSSD RAWストレージがあります。
大容量
大容量構成では、SSDドライブとHDDドライブの組合せが使用されます。
基本構成には6台のディスクがあり、それぞれにFLASH用の7.68 TBのSSD RAWストレージがあります。
次の拡張オプションがあります。
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ベース・シェルフ: DATAおよびRECO用の追加の324 TBのHDD RAWストレージ(それぞれ18 TBのストレージを持つ18台のHDD)
-
拡張ストレージ・シェルフ: 追加のシェルフ・ストレージ構成は、ベース・シェルフのストレージ構成と同じである必要があります。
大容量用に完全に構成されたシステムには、DATA、RECOおよびFLASH用の合計740.16 TBのRAWストレージ(92.16 TBのSSDと648 TBのHDD)があります。
表11-2 Oracle Database Appliance X9-2-HAのストレージ・オプション
構成 | 高パフォーマンスのためのOracle Database Appliance X9-2-HAのSSDのみの構成 | 大容量のためのOracle Database Appliance X9-2-HAのSSDとHDDの構成 |
---|---|---|
基本構成 |
ベース・ストレージ・シェルフには、7.68 TBのSSDが6台含まれています。
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ベース・ストレージ・シェルフは、7.68 TBのSSDの6個パックと18個の18 TBのHDDドライブで完全に埋められています。
|
ストレージ追加オプション |
ベース・シェルフには6台のSSDが含まれています。追加の18台のSSDは、6個パックで追加する必要があります。
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該当なし。ベース・ストレージ・シェルフは完全に埋められています。 |
ストレージ・シェルフの拡張オプション |
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親トピック: 高可用性システムでのストレージの管理
データ・ストレージ用のソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の追加
データ・ストレージ用のソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のパックを既存のOracle Database Appliance X9-2-HAの基本構成に追加して、ベース・ストレージ・シェルフを完全に埋めるようにします。
ストレージを基本構成に追加する必要がある場合は、SSDの6個パックを1つ、2つまたは3つ注文して、Oracle Database Appliance X9-2-HAの基本構成を完全なものにできます。
拡張シェルフをOracle Database Appliance X9-2-HAに追加する前に、基本構成を完全に埋める必要があります。拡張シェルフを追加する場合は、そのシェルフに基本構成と同じディスク・ストレージ構成が必要です。
ノート:
高パフォーマンス構成では、ベース・ストレージ・シェルフにSSDを追加したり、ストレージ拡張シェルフを追加できます。6台のSSDがある大容量の基本構成の場合、HDDを使用するようにストレージを拡張する場合は、アプライアンスを再イメージ化してデプロイする必要があります。親トピック: 高可用性システムでのストレージの管理
ストレージ拡張シェルフの追加
ベース・ストレージ・シェルフが完全に埋められたら、ストレージ拡張シェルフを追加して、マルチノード・プラットフォームのデータ・ストレージを拡張できます。
拡張シェルフは、Oracle Database Appliance X9-2-HAなどのOracle Database Applianceマルチノード・プラットフォームで使用できます。ストレージ拡張シェルフの追加には、両方のノードを対象としたチェックが含まれます。SSHがノード全体で機能し、すべてのユーザーが共有パスワードを使用して期待どおりに接続できることを確認することが重要です。
拡張シェルフを追加する前に、基本構成を完全に埋める必要があります。拡張シェルフを追加する場合は、そのシェルフにベース・ストレージ・シェルフと同じディスク・ストレージ構成が必要です。
ノート:
データベースのアクティビティが比較的少ないときに、ストレージ拡張シェルフを追加することをお薦めします。システムが新しいストレージを検出すると、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)によって自動的にディスク・グループがリバランスされます。再バランス操作を行うと、操作が完了するまでパフォーマンスが低下する可能性があります。親トピック: 高可用性システムでのストレージの管理