8 Oracle Database Applianceへのパッチ適用
Oracle Database Applianceで最新ソフトウェアの動作を継続するには、Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを確認し、リリースされている場合は適用します。
Oracle Database Applianceリリース19.18、19.19または19.20にデプロイされている場合は、データ・プロビジョニングの再プロビジョニングを使用してアプライアンスをアップグレードしてください。手順については、データ保持再プロビジョニングの使用によるリリース19.22へのOracle Database Applianceのアップグレードを参照してください。
Oracle Database Applianceリリース19.21にデプロイされている場合は、この章で説明されているようにアプライアンスにパッチを適用してください。
- Oracle Database Applianceへのパッチ適用について
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して、アプライアンスにパッチを適用します。 - パッチ適用の事前チェックについて
パッチ適用の事前チェックは、パッチ適用中に発生する可能性がある問題を検出し、フラグを付けるように設計されています。 - Oracle Database ApplianceでのNUMAの有効化について
Oracle Database Applianceのベア・メタル・システム、KVMシステムおよびDBシステムでNUMAを有効にする方法を理解します。 - Oracle Database Applianceにパッチを適用するときの停止時間の最小化
Oracle Database Applianceデプロイメントにパッチを適用するときの停止時間を最小限に抑えるためのベスト・プラクティスを理解します。 - データベースおよびデータベース・ホームの更新について
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacli
コマンドを使用してデータベースおよびデータベース・ホームを更新する方法を理解します。 - コマンドラインを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用
CLIコマンドを使用してOracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントおよび既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、ここに示すステップに従います。 - コマンドラインを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用
CLIコマンドを使用してOracle Database Appliance DBシステム・デプロイメントおよびDBシステムの既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、ここに示すステップに従います。 - ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントを更新します。 - ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCSエージェントおよびコンポーネントを更新します。 - ベア・メタル・システムにおけるデータベース・クローン・ファイルによるOracle Database Applianceリポジトリの更新
CLIコマンドを使用して最新リリースのOracle Databaseクローン・ファイルでOracle Database Applianceリポジトリを更新するには、ここに示すステップに従います。 - ODACLIコマンドまたはBUIを使用したデータベースへのパッチ適用
ODACLIコマンドまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベースをデプロイメントの最新リリースにパッチ適用します。 - ODACLIまたはBUIを使用した既存のデータベース・ホームへのパッチ適用
ODACLIまたはBUIを使用して、データベース・ホームをデプロイメント内の最新リリースにパッチ適用します。 - プロビジョニングされていないOracle Database Applianceシステムへのパッチ適用
Oracle Database Applianceでは、odacli update-server
コマンドを実行することにより、プロビジョニングされていない単一ノード・システムまたは高可用性システムへのパッチ適用をサポートします。 - ベア・メタル・システムでの追加のパッチおよび更新の適用
追加のパッチ・リポジトリを構成し、オペレーティング・システムとデータベースにパッチを適用して、最新の更新およびセキュリティ修正をデプロイメントに確実にインストールします。 - パッチ・リポジトリのクリーン・アップ
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、不要なパッチや古いパッチをリポジトリから削除します。 - 別のデータベース・ホームへのアップグレードについて
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacli
コマンドを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードする方法を理解します。 - 動的デフォルト・パラメータの設定
BUIを使用して、動的デフォルト・パラメータを設定できます。
Oracle Database Applianceへのパッチ適用について
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを使用して、アプライアンスにパッチを適用します。
パッチは新機能を提供し、さらに既存の機能の性能を向上させる場合もあります。
ホーム外パッチ適用について
Oracle Database Applianceリリース19.11以降、Oracle Database Applianceではホーム外パッチ適用モデルが使用されます。つまり、Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseホームにパッチを適用すると、ソフトウェアのOracleホームが新しく作成されます。Oracle Database Applianceリリース19.11以降では、Oracle Grid Infrastructure用およびOracle Database用のパッチをイメージとして入手できます。手順はすべて同じままです。
MySQLサーバーおよびDCSエージェントについて
Oracle Database Applianceリリース19.10以降、DCSエージェントはMySQLサーバーをメタデータ・ストアとして使用します。MySQLサーバーは、プロビジョニング中に、アプライアンスを作成すると自動的にインストールおよび構成されます。同様に、パッチ適用中には、odacli update-dcscomponents
コマンドによってMySQLサーバーが自動的にインストールおよび構成されます。MySQLサーバー・プロセスは、root
オペレーティング・システム・ユーザー・アカウントでは実行されません。かわりに、MySQLサーバー・プロセスは、odamysql
という新しいオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントで実行されます。odamysql
オペレーティング・システム・ユーザーは所有権のみを目的として作成され、odamysql
ユーザー・アカウントはMySQLディレクトリのみを所有します。odamysql
オペレーティング・システム・ユーザーはアプライアンスにログインできません。MySQLのodamysql
オペレーティング・システム・ユーザー・アカウントにより、アプライアンス上のOracleデータベースを所有するユーザーとDCS操作に使用されるメタデータを所有するユーザーの間で確実にロールが分離されます。
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルについて
Oracle Database Applianceパッチ・バンドルには、DCS管理、DCSコンポーネント、OAK、Oracle ILOM、ファームウェア、拡張および修正に関する最新のパッチが含まれています。
Oracle Database Applianceリリース・ノートには、最新のOracle Database Applianceパッチ・バンドルに関する情報と、パッチ・バンドル内のコンポーネント・バージョンのリストが含まれています。アプライアンスを最新のOracle Database Applianceソフトウェア・バージョンに更新して、新機能、修正、およびサポートされている最新のコンポーネント・バージョンを利用することをお薦めします。アップグレード・パスについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。
注意:
Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Linuxの汎用パッチを使用して、Oracle Database Applianceにパッチを適用しないでください。また、ファームウェアのパッチなど、各インフラストラクチャのパッチも使用しないでください。Oracle Database Applianceのパッチのみを使用してください。Oracle Database Applianceを対象としていないパッチを使用した場合、あるいはOPatchまたは同様のパッチ適用ツールを使用した場合は、Oracle Database Applianceによって保持されているメタデータが更新されず、その後のパッチ更新を完了できません。不定期のOracle Databaseリリース更新(RU)を適用する場合は、RUのReadmeに記載されている推奨事項にも必ず従ってください。パッチ・バンドルは、次に示すシステム全体に関連するすべてのパッチを提供します。
- Oracle Database Applianceサーバー
-
BIOS
-
ハードウェア・ドライバ
-
Hardware Management Pack (HMP)、および様々なコンポーネントのファームウェア・ドライバ
-
Oracle Appliance Manager
-
Oracle Linux
-
Java Runtime Environment (JRE)
-
Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)
-
Oracle Auto Service Request (Oracle ASR)
-
Oracle Intelligent Platform Management Interface (Oracle IPMI)
-
関連するハードウェア・モデルに対応するネットワーク・カード・パッチ
Oracle Linux RPMの更新について
お薦めはしませんが、Oracle Database Applianceについて一部のOracle Linux RPMを更新できます。Oracle Linuxカーネル、Oracle Optimal Flexible Architecture、Oracle InfiniBandまたは関連するソフトウェアを更新したり、カスタマイズしないでください。その他のソフトウェアはインストール、更新またはカスタマイズできます。ただし、Oracle Database Applianceの更新には、カスタマイズされたコンポーネントの新しいバージョンの依存関係が含まれないことがあります。したがって、将来、Oracle Database Applianceを正常に更新するには、サイト固有の変更を削除し、後で再適用することが必要になる場合があります。
注意:
Oracle Database Applianceについては、次のものを更新しないでください。
-
Oracle Linuxカーネル(
kernel
) -
Oracle Optimal Flexible Architecture (
ofa
) -
Oracle RDMAパッケージ(
oracle-rdma-release
)
ストレージについては、RPMの更新を適用しないでください。
パッチ適用の事前チェックについて
パッチ適用の事前チェックは、パッチ適用中に発生する可能性がある問題を検出し、フラグを付けるように設計されています。
事前チェックでは、バージョンおよびハードウェア固有のアップグレードを含め、アプライアンスの状態が表示され、アップグレードを試行する前に必要な条件を満たし、チェックが完了していることが検証されて、アップグレードが失敗する原因となる可能性がある状況が特定されます。パッチを適用する前に、そうした状況を修正して問題を解決することで、潜在的なパッチ適用の問題を回避できます。
事前チェック・コマンドは、Oracle Database Applianceリリース12.2.1.2.0以降で使用できます。これらのコマンドを実行するときに最新の更新された事前チェックを確実に使用できるように、DCSエージェントを更新してください。
パッチ適用の事前チェックで検証されるコンポーネント
チェック | 検証されるコンポーネント |
---|---|
システムへのパッチ適用の事前チェック |
DCSエージェントがすべてのノードでオンラインであることをチェックします 更新に十分な領域があることをチェックします エージェントの最小バージョンを確認し、パッチ適用タグを検証します |
サーバーへのパッチ適用の事前チェック |
オペレーティング・システムの場合:
Oracle ILOMの場合:
Oracle Grid Infrastructureの場合:
Oracle ORAchkの場合:
サーバーの場合:
DBシステムの場合、ベア・メタル・システムがアップグレードされていることを確認します。 データベースの起動/停止依存性が正しいことを検証および確認します。 パッチ適用ロックが存在しないことを確認します。 中央インベントリが正確であることを確認します。 |
データベース・ホームへのパッチ適用の事前チェック |
Oracle Grid Infrastructureがインストールされていることを確認します DCSエージェントが必要なバージョンであることを確認します Oracle Clusterwareがすべてのノードで実行されていることを確認します Oracle Grid Infrastructureがアップグレードされていることを確認します 使用可能なディスク領域が十分にあることを検証します Oracle ACFSのデータベース・ホームのディスク・グループが構成されているかどうかをチェックします クローン・ファイルがリポジトリに存在するかどうかをチェックします
|
ホーム外パッチ適用を使用したデータベース・ホームへのパッチ適用の事前チェック |
このチェックにより、データベース・ホームが作成され、すべてのデータベースをソース・ホームから新しいホームに移動できることが検証されます。 このチェックにより、 |
ストレージの事前チェック |
ストレージ・パッチの場所とタグを検証します パッチ適用の場所とタグを検証します コマンドの実行を検証します Oracle ASMディスク・グループのステータスを検証します ローリング・パッチを検証します(高可用性デプロイメントの場合) |
Oracle Database ApplianceでのNUMAの有効化について
Oracle Database Applianceのベア・メタル・システム、KVMシステムおよびDBシステムでNUMAを有効にする方法を理解します。
NUMA (不均一メモリー・アクセス)は、基盤となるNUMAハードウェアの効率的な使用を促進するのに役立ちます。Oracle Database Applianceでは、データベース、ベア・メタル・システム、DBシステム、CPUプールおよびKVMアプリケーションについてNUMAを有効にすることができます。
Oracle Database Applianceのプロビジョニング中におけるNUMAの有効化について
リリース19.22でOracle Database Applianceをプロビジョニングする場合、NUMAはデータベース、DBシステムおよびCPUプールで自動的に有効になります。したがって、Oracle Database Applianceリリース19.22のデプロイメントでデータベース、DBシステムまたはCPUプールを作成すると、NUMAが自動的に有効になり、追加の構成は必要ありません。アプリケーションVMについては、NUMAはデフォルトでは有効になりません。Oracle Database Applianceへのパッチ適用後におけるNUMAの有効化について
NUMAは、Oracle Database Applianceリリース19.12以降、デフォルトで有効になっています。Oracle Database Applianceにパッチを適用してリリース19.11以前から19.22に更新する場合は、odacli update-server
コマンドによってシステム・レベルでNUMAが設定されます。パッチ適用後に作成された新しいデータベースでは、NUMAが有効になっています。既存のデータベースについては、コマンドalter system set "enable_numa_support"=true
をデータベースで実行してNUMAを有効にします。
ベア・メタル・システムにパッチを適用してリリース19.11以前から19.22に更新した後は、コマンドodacli remap-cpupools
を実行して既存のすべてのCPUプール(BM、VM、dbsystem)でNUMAを有効にする必要があります(これは1回のみ実行する必要があります)。
既存のDBシステムについては、コマンドodacli modify-dbsystem --enable-numa
を実行して、dbsystemおよびDBシステムのデータベースについてNUMAを有効にします。
アプリケーションVMについては、NUMAはデフォルトでは有効になりません。新規および既存のアプリケーションVMについては、コマンドodacli modify-vm --enable-numa
を実行して、VM構成についてNUMAを有効にします。また、VM内で実行されているオペレーティング・システムやアプリケーションなど、VM内部のコンポーネントについてもNUMAを有効にする必要があります。コマンドodacli modify-dbsystem --enable-numa
は、CPUコアをNUMAノードに均等に分散できるように、CPUコア数が偶数のアプリケーションVMでのみサポートされています。Oracle Database Applianceでは、1つのCPUコアと2つのvCPUは同等です。
デプロイメントにパッチを適用し、NUMAを有効にするステップの詳細は、コマンドラインを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用のトピックを参照してください。
Oracle Database Applianceにパッチを適用するときの停止時間の最小化
Oracle Database Applianceデプロイメントにパッチを適用するときの停止時間を最小限に抑えるためのベスト・プラクティスを理解します。
パッチ適用中の停止時間を最小限に抑えるための推奨事項
- データベースへのパッチ適用の停止時間を最小限に抑えるために、Oracle Database Appliance高可用性システムではOracle RACまたはOracle RAC One Nodeを使用することをお薦めします。
- 使用可能な場合は、Oracle Data Guardを使用し、最初にスタンバイ・システムにパッチを適用します。スタンバイ・システムにパッチを適用したら、ワークロードをスタンバイ・システムに切り替え、プライマリ・システムにパッチを適用した後、ワークロードをプライマリ・システムに戻します。詳細は、このガイドの「Oracle Database ApplianceでのOracle Data Guardデータベースへのパッチ適用」を参照してください。
- パッチ適用操作が失敗した場合に容易にリストアできるように、常にOracle Database Appliance Backup and Recovery (ODABR)を使用してシステム・ディスクをバックアップしてください。ODABRによって、システム・ディスクがパッチ適用前の状態にリストアされます。
odacli update-storage
コマンドには、ストレージ・デバイス(SSDおよびHDD)についてパッチ適用の停止時間を最小限に抑えるための--rolling
オプションがあります。システムの再起動を必要とし、ローリングをサポートしていない他の共有ストレージ・コンポーネント・ファームウェアが存在する可能性があります。Oracle Database Applianceストレージへのパッチ適用を遅らせることもできますが、お薦めしません。単一ノードのOracle Database Applianceシステムでは、--rolling
オプションをodacli update-storage
コマンドで使用することはできません。
パッチ適用中の--local
オプションを使用した停止時間の最小化
odacli update-server
およびodacli update-dbhome
コマンドで--local
オプションを使用します。DCSコンポーネントを更新してから、odacli create-prepatchreport
コマンドを実行します。パッチ前プロセス中に停止時間はありません。パッチ前レポートを分析した後、--local
オプションを使用して、Oracle Database Applianceへのパッチ適用を続行します。
ノート:
データベースにパッチを適用する前に、両方のノードでサーバーのパッチ適用操作が正常に完了していることを確認してください。関連項目:
Oracle Database 19cのドキュメント・ライブラリにあるOracle Database高可用性概要およびベスト・プラクティス・ガイドデータベースおよびデータベース・ホームの更新について
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacli
コマンドを使用してデータベースおよびデータベース・ホームを更新する方法を理解します。
データベースおよびデータベース・ホームの更新について
- データベース・ホームごとに、パッチを適用するか更新します。データベース・ホームには、ホーム外パッチ適用が行われます。データベース・ホームにパッチを適用すると、Oracle Database Applianceは、必要に応じて宛先データベース・ホームを自動的にプロビジョニングし、ソース・データベース・ホーム、ターゲット・バージョンおよび宛先データベース・ホームのマッピングをメタデータ・リポジトリに記録してから、ソース・データベース・ホームで実行されているすべてのデータベースを宛先データベース・ホームに移動します。単一のソース・データベース・ホームのすべてのデータベースにパッチを適用して、単一の宛先データベース・ホームに更新するには、
odacli update-dbhome
コマンドまたはBUIを使用します。このオプションは、システムに領域の使用や新しいデータベース・ホームのプロビジョニングに関する制約がない場合に使用します。 - データベース・ホームでデータベースを選択してパッチを適用するか更新し、特定のデータベース・ホームに変更します。パッチ適用時に、ターゲット・データベースおよび宛先データベース・ホームを指定する必要があります。
odacli update-database
コマンドまたはBUIを使用すると、特定のデータベースにパッチを適用して特定のデータベース・ホームに更新したり、プロビジョニングするデータベース・ホームの数とタイミングを制御することができます。update-databaseワークフローを使用すると、パッチ適用操作が失敗した場合に操作を再実行するオプションも提供されます。ターゲット・データベースが単一インスタンス・データベースの場合、update-databaseワークフローで使用可能な、中断および元に戻すオプションはサポートされていません。
データベースまたはデータベース・ホームにパッチを適用する前に、データベース・バージョンのOracle Databaseクローン・ファイルをリポジトリにアップロードしてから、データベース・ホームを作成します。最新のOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新する手順については、CLIを使用したOracle Database Applianceへのパッチ適用を参照してください。
重要:
バックアップ構成とデータベースの関連付けを有効にするodacli update-database
コマンドは、Oracle Database Applianceリリース19.6で非推奨になりました。Oracle Database Applianceリリース19.17以降では、odacli update-database
コマンドによってデータベースへのパッチ適用が有効になります。これは、odacli update-dbhome
コマンドで提供されるパッチ適用機能に似ていますが、ご使用のハードウェア・モデル用のOracle Database Applianceデプロイメント・ガイドで説明されているように、いくつかの違いがあります。
odacli update-dbhome
コマンドを実行する前に、コマンドodacli create-prepatchreport -d
を実行して、データベース・ホームのパッチ前レポートを作成する必要があります。同様に、odacli update-database
コマンドを実行する前に、コマンドodacli create-prepatchreport -d
またはodacli create-prepatchreport -db
をそれぞれ実行して、ソース・データベース・ホームまたはターゲット・データベースのパッチ前レポートを作成する必要があります。ソース・データベース・ホームと宛先データベース・ホームは、パッチ前レポートとodacli update-database
コマンドで指定するものとで一貫している必要があります。パッチ適用操作の前にパッチ前レポートを作成しなかった場合、odacli update-database
およびodacli update-dbhome
コマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
update-dbhome
およびodacli update-database
コマンドのオプションの詳細は、「Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェース」の章を参照してください。
コマンドラインを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用
CLIコマンドを使用して、Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントおよび既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、次のステップに従います。
重要:
直近の4つのOracle Database Applianceリリースのパッチ適用パスはテスト済であるため、常にこれらのリリース内からパッチを適用することをお薦めします。それより前のOracle Database Applianceリリースからパッチを適用すると、エラーが発生する可能性があります。ノート:
この手順のステップは、記載されているとおりの順序で実行してください。odacli update-dcsadmin
、odacli update-dcscomponents
およびodacli update-dcsagent
コマンドを実行してから、odacli update-server
コマンドを実行します。
ノート:
DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponents
コマンドとodacli update-dcsagent
コマンドの両方を実行する必要があります。必ず、指定された順序で両方のコマンドを実行してください。
重要:
パッチをダウンロードするための十分な領域がアプライアンスにあることを確認してください。重要:
サードパーティ製ソフトウェアをOracle Database Applianceにインストールする場合は、そのソフトウェアによるOracle Database Applianceソフトウェアへの影響がないことを確認してください。サードパーティ製ソフトウェアによってOracle Database Appliance RPMのオーバーライドが試みられた場合は、Oracle Database Appliance RPMのバージョン・ロックで警告が表示されます。パッチ適用の正常な完了のためには、Oracle Database Applianceにパッチを適用する前に、影響を受けるRPMをリストアする必要があります。重要:
Oracle ASRを構成済で、アプライアンスにOracle Database Applianceリリース19.22にパッチを適用している場合は、DCSエージェントの更新後に、odacli update-server
コマンドを実行してアプライアンスにパッチを適用する前に、既存のOracle ASR構成を削除して再構成します。
関連項目
コマンドラインを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用
CLIコマンドを使用して、Oracle Database Appliance DBシステム・デプロイメントおよびDBシステムの既存のOracle Databaseホームにパッチを適用するには、次のステップに従います。
ノート:
このトピックのコマンドは、記載されているとおりの順序で実行してください。odacli update-dcsadmin
、odacli update-dcscomponents
およびodacli update-dcsagent
コマンドを実行してから、odacli update-server
コマンドを実行します。
ノート:
なお、DCSエージェントの更新を完了するには、odacli update-dcscomponents
コマンドとodacli update-dcsagent
コマンドを両方とも実行する必要があります。必ず、指定された順序で両方のコマンドを実行してください。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Applianceベア・メタル・システムへのパッチ適用
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントを更新します。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリの更新
-
My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチをダウンロードし、アプライアンス上のディレクトリに保存します。使用可能なパッチおよびそれらのパッチをダウンロードするためのリンクのリストについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。
-
ブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
-
「Repository Manager」をクリックします。
-
「Update Patch Repository」ページで、絶対ファイル・パスとパッチ名を入力し、「Update Repository」をクリックしてリポジトリの更新ジョブを開始します。複数のファイルをリストし、スペースを含めずにカンマで区切ったリストを使用してリポジトリを更新することも、それぞれのファイルを一度に1つずつ更新することもできます。
-
「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。
リポジトリ更新後のパッチ適用前のDCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントの更新
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してアプライアンスにパッチを適用する前に、CLIコマンドを使用してDCS管理、DCSエージェントおよびDCSコンポーネントを手動で更新する必要があります。
次のステップに従います。
- BUIで、「Appliance」をクリックし、左側のペインで「Infrastructure Patching」をクリックします。
- ODACLIコマンドを使用して、DCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントを更新します:
[root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.22.0.0.0 [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.22.0.0.0 [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsagent -v 19.22.0.0.0
DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"
が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正し、更新を続行します。ノート:
odacli update-dcscomponents
コマンドを実行したら、ブラウザ・ユーザー・インタフェースに再度ログインする必要があります。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ適用事前チェックの実行とサーバーおよびストレージへのパッチ適用
-
更新中に実行中または保留中のジョブがないようにしてください。
-
BUIで、「Appliance」タブをクリックし、左側のペインで「Infrastructure Patching」をクリックします。
-
「SERVER」セクションで、「Component Details」を表示します。パッチ・リポジトリを更新した直後である場合は、「Refresh」をクリックします。
パッチがパッチ・リポジトリにアップロードされると、ページの「Component Details」が各コンポーネントの「Installed Version」および「Available Version」で更新されます。
-
「Precheck」をクリックしてパッチ適用の事前チェックを実行します。サーバー・コンポーネントや他のコンポーネントを更新する前に、パッチ適用の事前チェックを実行する必要があります。「View Pre-check Reports」をクリックしてパッチ適用事前チェック・レポートを表示します。レポートにエラーがない場合は、「Apply Patch」をクリックして、サーバー・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。高可用性システムの場合は、ベア・メタル・システムでサーバーを更新するときに、「Node to Update」を選択できます。更新するノードを選択することも、両方のノードを更新することもできます。
ジョブが終了したら、次のステップに進みます。「View Jobs」をクリックしてそのジョブのステータスを確認します。
-
「STORAGE」セクションで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。「Precheck」をクリックしてパッチ適用の事前チェックを実行します。ストレージ・コンポーネントを更新する前に、パッチ適用の事前チェックを実行する必要があります。「View Pre-check Report」をクリックしてパッチ適用事前チェック・レポートを表示します。レポートにエラーがない場合は、「Apply Patch」をクリックして、ストレージ・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。「View Jobs」をクリックしてそのジョブのステータスを確認します。
高可用性環境については、「Rolling」チェック・ボックスを選択して、ストレージ・コンポーネントのローリング・パッチ適用を実行できます。
パッチ適用に関連する情報はすべて、/opt/oracle/dcs/log/dcs-agent.log
のdcs-agent
ログ・ファイルに記録されます。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したOracle Database Appliance DBシステムへのパッチ適用
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してOracle Database Applianceサーバー・パッチをパッチ・リポジトリにアップロードし、パッチ・バンドルをデプロイした後、CLIコマンドを使用してDCSエージェントおよびコンポーネントを更新します。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリの更新
-
My Oracle SupportからOracle Database Applianceパッチをダウンロードし、アプライアンス上のディレクトリに保存します。使用可能なパッチおよびそれらのパッチをダウンロードするためのリンクのリストについては、Oracle Database Applianceリリース・ノートを参照してください。
-
oda-adminユーザー名とパスワードでベア・メタル・システム内のブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
-
「Appliance」タブをクリックしてから、左側のペインで「Infrastructure Patching」をクリックします。
-
「Update Patch Repository」ページの「Update Repository」タブで、絶対ファイル・パスとパッチ名を入力し、「Update Repository」をクリックして、リポジトリの更新ジョブを開始します。複数のファイルをリストし、スペースを含めずにカンマで区切ったリストを使用してリポジトリを更新することも、それぞれのファイルを一度に1つずつ更新することもできます。
-
「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。
リポジトリ更新後のパッチ適用前のDCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントの更新
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してDBシステムにパッチを適用する前に、CLIコマンドを使用してDCS管理、DCSエージェントおよびDCSコンポーネントを手動で更新する必要があります。
次のステップに従います。
- BUIで、「Appliance」をクリックし、左側のペインで「Infrastructure Patching」をクリックします。
- ODACLIを使用して、DCS管理、DCSコンポーネントおよびDCSエージェントを更新します:
[root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsadmin -v 19.22.0.0.0 [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcscomponents -v 19.22.0.0.0 [root@oda1 opt]# /opt/oracle/dcs/bin/odacli update-dcsagent -v 19.22.0.0.0
DCSコンポーネントが更新されると、コマンドラインにメッセージ"status" : "Success"
が表示されます。失敗した更新については、エラーを修正し、更新を続行します。ノート:
odacli update-dcscomponents
コマンドを実行したら、ブラウザ・ユーザー・インタフェースに再度ログインする必要があります。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ適用事前チェックの実行とサーバーおよびストレージ・コンポーネントへのパッチ適用
-
更新中に実行中または保留中のジョブがないようにしてください。
-
oda-adminユーザー名とパスワードでDBシステム内のブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
-
「Appliance」タブをクリックしてから、左側のペインで「Infrastructure Patching」をクリックします。
-
「SERVER」セクションで、「Component Details」を表示します。パッチ・リポジトリを更新した直後である場合は、「Refresh」をクリックします。
パッチがパッチ・リポジトリにアップロードされると、ページの「Component Details」が各コンポーネントの「Installed Version」および「Available Version」で更新されます。
-
「Precheck」をクリックしてパッチ適用の事前チェックを実行します。サーバー・コンポーネントや他のコンポーネントを更新する前に、パッチ適用の事前チェックを実行する必要があります。「View Pre-check Reports」をクリックしてパッチ適用事前チェック・レポートを表示します。レポートにエラーがない場合は、「Apply Patch」をクリックして、サーバー・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。高可用性システムの場合は、ベア・メタル・システムでサーバーを更新するときに、「Node to Update」を選択できます。更新するノードを選択することも、両方のノードを更新することもできます。
ジョブが終了したら、次のステップに進みます。「View Jobs」をクリックしてそのジョブのステータスを確認します。
-
「STORAGE」セクションで、「Refresh」をクリックして「Component Details」をリフレッシュします。「Precheck」をクリックしてパッチ適用の事前チェックを実行します。ストレージ・コンポーネントを更新する前に、パッチ適用の事前チェックを実行する必要があります。「View Pre-check Report」をクリックしてパッチ適用事前チェック・レポートを表示します。レポートにエラーがない場合は、「Apply Patch」をクリックして、ストレージ・コンポーネントにパッチを適用するジョブを開始します。「View Jobs」をクリックしてそのジョブのステータスを確認します。
高可用性環境については、「Rolling」チェック・ボックスを選択して、ストレージ・コンポーネントのローリング・パッチ適用を実行できます。
-
「Activity」をクリックして進捗を監視し、ジョブが正常に完了したことを確認します。
ベア・メタル・システムにおけるデータベース・クローン・ファイルによるOracle Database Applianceリポジトリの更新
CLIコマンドを使用して最新リリースのOracle Databaseクローン・ファイルでOracle Database Applianceリポジトリを更新するには、ここに示すステップに従います。
ODACLIコマンドまたはBUIを使用したデータベースへのパッチ適用
ODACLIコマンドまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してデータベースにパッチを適用し、デプロイメントの最新リリースに更新します。
重要:
Oracleデータベースにパッチを適用する前にodacli create-prepatchreport
コマンドを実行する必要があります。そうしないと、odacli update-database
コマンドは失敗し、パッチ適用の事前チェックを実行するよう求めるエラー・メッセージが表示されます。
ODACLIコマンドを使用したOracle Database Applianceでのデータベースへのパッチ適用
CLIを使用してデータベースにパッチを適用するには、次のコマンドを実行します。
odacli update-database [-a] [-dp] [-f] [-i db_id] [-imp] [-l] [-n db_name] [-ni node] [-r] [-to db_home_id] [-j] [-h]
update-database
コマンドのオプションの詳細は、「Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェース」の章を参照してください。
BUIを使用したOracle Database Applianceでのデータベースへのパッチ適用
ODACLIまたはBUIを使用した既存のデータベース・ホームへのパッチ適用
ODACLIまたはBUIを使用して、デプロイメントのデータベース・ホームに最新リリースのパッチを適用します。
ODACLIコマンドを使用したOracle Database Applianceでのデータベース・ホームへのパッチ適用
CLIを使用してデータベース・ホームにパッチを適用するには、次のコマンドを実行します。
odacli update-dbhome -i dbhome_id -v version [-f] [-imp] [-p] [-l] [-u node_number] [-j] [-h]
update-dbhome
コマンドのオプションの詳細は、「Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェース」の章を参照してください。
BUIを使用したOracle Database Applianceでのデータベース・ホームへのパッチ適用
プロビジョニングされていないOracle Database Applianceシステムへのパッチ適用
Oracle Database Applianceでは、odacli update-server
コマンドを実行することにより、プロビジョニングされていない単一ノード・システムまたは高可用性システムへのパッチ適用をサポートします。
odacli create-appliance
コマンドを実行せずに、プロビジョニングされていないシステムでOracle ILOMおよびストレージ・ファームウェアをアップグレードするには、Oracle Databaseリリース19.18以降のベア・メタルISOイメージを使用してシステムを再イメージ化します。その後、odacli update-server
コマンドを実行して、ベア・メタルISOイメージと同じリリースのサーバー・パッチでシステムにパッチを適用します。システムを再イメージ化すると、DCSインフラストラクチャが自動的に更新されます。
- Oracle Database Applianceリリース19.18以降のベア・メタルISOイメージを使用して、Oracle Database Applianceを再イメージ化します。
- パッチを適用するOracle Database Applianceリリース(たとえば19.18以降)のサーバー・パッチでリポジトリを更新します。
- リリース19.18のISOを使用してイメージ化したOracle Database Applianceで
odacli update-server
を実行する場合は、次のようにします。odacli update-server -v 19.18.0.0.0 -sko -f
Oracle Database Applianceリリース19.18については、
-sko
オプションを使用してORAchkの失敗をスキップし、サーバーのパッチ適用を続行したり、-f
オプションを使用して事前チェックの失敗をオーバーライドし、サーバーのパッチ適用を完了できます。 - リリース19.11以降のISOを使用してイメージ化したOracle Database Applianceで
odacli update-server
を実行する場合は、次のステップに従います。-s
オプションを指定して、odacli update-server
コマンドのパッチ前レポートを作成します。odacli create-prepatchreport -v 19.11.0.0.0 -s
レポートに記載された警告とエラーを修正し、サーバーへのパッチ適用を続行します。
- サーバーを更新します。
odacli update-server -v 19.11.0.0.0 -f
Oracle Database Applianceリリース19.11以降については、
-f
オプションを使用して事前チェックの失敗をオーバーライドし、サーバーのパッチ適用を完了できます。
ベア・メタル・システムでの追加のパッチおよび更新の適用
追加のパッチ・リポジトリを構成し、オペレーティング・システムとデータベースにパッチを適用して、最新の更新およびセキュリティ修正をデプロイメントに確実にインストールします。
- カーネル更新の有効化
Oracle Kspliceを使用すると、最新のカーネル・セキュリティおよびバグ修正更新でシステムを更新できます。 - 不定期のデータベース・パッチの適用
不定期のパッチ適用機能を使用すると、管理者は、Oracle Database Applianceリリースに含まれていない最新のOracle Databaseリリース更新でOracle Database Applianceデプロイメント内のデータベースにパッチを適用できます。
カーネル更新の有効化
Oracle Kspliceを使用すると、最新のカーネル・セキュリティおよびバグ修正更新でシステムを更新できます。
関連項目:
Oracle Kspliceの構成の詳細は、次の場所にあるOracle Linux Kspliceユーザーズ・ガイドを参照してください。https://docs.oracle.com/cd/E37670_01/E39380/html/ksplice-enhanced-offline.html
親トピック: ベア・メタル・システムでの追加のパッチおよび更新の適用
不定期のデータベース・パッチの適用
不定期のパッチ適用機能を使用すると、管理者は、Oracle Database Applianceリリースに含まれていない最新のOracle Databaseリリース更新でOracle Database Applianceデプロイメント内のデータベースにパッチを適用できます。
ノート:
このトピックで説明するOPatchコマンドおよび手順は例であり、特定のOracle Databaseリリース更新(RU)に応じて変更が必要になる場合があります。必ず、Oracle Databaseリリース更新(RU)のReadmeで追加のコマンドおよびステップを参照してください。ノート:
可能であれば常に、Oracle Database Applianceリリースを通じてデプロイメントにパッチを適用することをお薦めします。ノート:
この手順を使用して、ベア・メタルおよびDBシステム・デプロイメントに不定期のパッチを適用できます。OPatchautoを使用したOracle Databaseリリース12c以降へのパッチの手動適用
dcs-agent
および他のコンポーネントが最新リリースに更新されていることを確認します。# odacli describe-component # odacli list-dbhomes
- OPatchを最新バージョンに更新します(使用可能な場合)。
- My Oracle Supportから最新のOPatchバージョンをダウンロードします。
- ファイルをローカル・ホストにコピーし、
ORACLE_HOME/OPatch
ディレクトリに抽出します。 oracle
ユーザーとしてOPatchツールを更新します。/bin/rm -rf $ORACLE_HOME/OPatch/ su - oracle -c /usr/bin/unzip -q -o OPatch_zip_location/p6880880_122010_Linux-x86-64.zip -d $ORACLE_HOME
- My Oracle Supportから最新のデータベース・パッチをダウンロードし、ファイルをローカル・ホストにコピーします。
scp patchfilename root@hostname:directory
oracle
ユーザーとしてパッチを空のディレクトリ(/tmp/patchesDir
など)に解凍します。これにより、バグ番号が付いたサブディレクトリが
/tmp/patchesDir
の下に作成されます。適用するパッチがリリース更新(RU)である場合、パッチ・ディレクトリには複数のサブディレクトリがあります。/usr/bin/unzip -o location_of_patches/p29301631_180000_Linux-x86-64.zip -d /tmp/patchesDir
- Oracle Database Appliance高可用性デプロイメントの場合は、セキュア接続用のSSHキーを設定します。
- パッチを分析します。
$ORACLE_HOME/OPatch/opatchauto apply directory_with_patches_extracted -analyze -oh $ORALCE_HOME -log /tmp/opatchAutoAnalyzePatch.log
root
ユーザーとして、パッチを適用します。$ORACLE_HOME/OPatch/opatchauto apply directory_to_extract_patches -oh $ORACLE_HOME -inplace
- 両方のノードでパッチの適用が完了したら、
utlrp.sql
およびcatcon.pl
スクリプトを実行して、データベース内の無効なオブジェクトを再コンパイルします。 - システム・コンポーネント値が登録されるように、レジストリを更新します。
# odacli update-registry -n dbhome -f
親トピック: ベア・メタル・システムでの追加のパッチおよび更新の適用
パッチ・リポジトリのクリーン・アップ
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、不要なパッチや古いパッチをリポジトリから削除します。
パッチ・リポジトリのクリーン・アップについて
最新のパッチでOracle Database Applianceにパッチを適用した後、使用されていない古いクローン・ファイルが残って、リポジトリ内の領域を消費することがあります。リポジトリのクリーン・アップでは、領域を再利用するために、使用されていないクローン/パッチ・ファイルが削除されます。ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用して、リポジトリをクリーン・アップできます。
ODACLIコマンドを使用したパッチ・リポジトリのクリーン・アップ
# odacli cleanup-patchrepo [-cl clones] | [-v version [-comp component]]| [-l local|-n NodeID]
クローン・ファイル名と、古いパッチを削除するノードを指定します。
このコマンドのオプションの詳細は、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースの章を参照してください。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したパッチ・リポジトリのクリーン・アップ
- ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Patch Manager」をクリックします。
- 「Cleanup Repository」タブをクリックし、「Refresh」をクリックして、リポジトリ内の使用可能なパッチのリストを表示します。
- コンポーネント(リポジトリからクリーン・アップする古いOracle Grid Infrastructureクローン・ファイルやOracle Databaseクローン・ファイルなど)とパッチ・バージョン(古いリリースのOracle Database Applianceなど)を選択します。
- 「Cleanup Clone Files」をクリックして、選択したコンポーネントのクローン・ファイルを
/opt/oracle/oak/pkgrepos/orapkgs/clones/
のリポジトリからクリーン・アップします。 - 「Cleanup Repository」をクリックして、リポジトリのクリーン・アップ・ジョブを発行します。
- 「Activity」をクリックして進捗を監視します。ジョブが正常に完了すると、パッチ・リポジトリが更新されます。
別のデータベース・ホームへのアップグレードについて
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはodacli
コマンドを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードする方法を理解します。
データベース・ホームをアップグレードするための前提条件
- Oracle Database 12.2から19cへ
- Oracle Database 12.1から19cへ
別のデータベース・ホームにアップグレードする前に、データベース・バージョンのOracle Databaseクローン・ファイルをリポジトリにアップロードし、データベース・ホームを作成します。最新のOracle Databaseクローン・ファイルでリポジトリを更新する手順については、CLIを使用したOracle Database Applianceへのパッチ適用を参照してください。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベース・ホームのアップグレードについて
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードするには、次のステップに従います。
- oda-adminユーザー名とパスワードでブラウザ・ユーザー・インタフェースにログインします。
https://Node0–host-ip-address:7093/mgmt/index.html
- 「Database」タブをクリックして、データベースを選択し、「Actions」をクリックした後、「Upgrade」をクリックします。
- データベース・アップグレード・ジョブが正常に完了したことを確認します。
コマンドライン・インタフェースを使用したデータベース・ホームのアップグレードについて
CLIを使用して別のデータベース・ホームにアップグレードするには、次のコマンドを実行します。
odacli upgrade-database -i Comma separated list of database ids -from source dbhome id -to destination dbhome id [-j] [-h]
upgrade-database
コマンドのオプションの詳細は、Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェースの章を参照してください。
動的デフォルト・パラメータの設定
BUIを使用して、動的デフォルト・パラメータを設定できます。
ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用した動的デフォルト・パラメータの設定
- 「Appliance」ページで、「Parameter Repository」をクリックします。
- 「Parameter Repository」ページには、リポジトリ内のすべてのパラメータがリストされます。現在、RDBMSタイプのパラメータがサポートされています。
- 「Update Parameter」を選択して、新しい構成プロパティを作成します。
- 「Update Parameter」ページで、「Parameter Name」および「Value」を指定し、オプションの「Description」を入力します。「Bare Metal」または「DB System」のどちらについてパラメータを作成するかを指定します。また、パラメータの適用対象を「All DB Systems」にするかどうかを指定したり、パラメータを作成するDBシステムを選択することもできます。
- 「OK」をクリックします。
- アクションを確認してジョブを発行します。ジョブの進捗を監視し、正常に完了したことを確認します。
- パラメータを更新するには、「Actions」メニューから「Update」オプションを選択します。
- 「Value」および「Description」を編集し、パラメータを「Bare Metal」または「DB System」のどちらに適用するかを選択できます。パラメータを更新するDBシステムを選択することも、パラメータの適用対象を「All DB Systems」にすることもできます。
- 「Update」をクリックします。
- パラメータを削除するには、「Actions」メニューから「Delete」オプションを選択します。パラメータは「Bare Metal」または「DB System」から削除できます。パラメータを削除するDBシステムを選択することも、パラメータの削除元を「All DB Systems」にすることもできます。
- 「Delete」をクリックします。