8 プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultサーバーのアップグレード
このアップグレードには、関連付けられたエンドポイント・ソフトウェアを制御するOracle Key Vaultサーバー・ソフトウェアおよびユーティリティが含まれます
- プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultサーバーのアップグレードについて
Oracle Key Vaultサーバー・ソフトウェア・アプライアンスをアップグレードするときは、エンドポイント・ソフトウェアもアップグレードして、最新の拡張機能にアクセスできるようにします。 - ステップ1: アップグレード前のサーバーのバックアップ
Oracle Key Vaultサーバーをアップグレードする前に、アップグレードに失敗した場合にデータをリカバリできるように、リモート宛先に1回限りのバックアップを実行します。 - ステップ2: プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultのアップグレード前タスクの実行
Oracle Key Vaultにスムーズにアップグレードできるように、アップグレードするサーバーを準備する必要があります。 - ステップ3: リリース21.8アップグレード用にvg_rootを拡張するためのディスク領域の追加
Oracle Key Vaultリリース21.8にアップグレードする前に、vg_root
を拡張してディスク領域を増やす必要があります。 - ステップ4: Oracle Key Vaultプライマリ-スタンバイ・ペアのアップグレード
プライマリ-スタンバイ・デプロイメントのOracle Key Vaultサーバーのペアをアップグレードできます。 - ステップ5: スワップ領域を拡張するためのディスク領域の追加(必要な場合)
必要に応じて、プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方でスワップ領域を拡張します。 - ステップ6: 古いカーネルの削除(必要な場合)
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレード後に残された古いカーネルをクリーン・アップすることをお薦めします。 - ステップ7: SSH関連のDSAキーの削除(必要な場合)
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレード後に残されたSSH関連のDSAキーは、一部のコード分析ツールで問題を引き起こす可能性があるため削除する必要があります。 - ステップ8: エンドポイント・ソフトウェアのアップグレード
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレードの一環として、以前のリリースのOracle Key Vaultで作成されたエンドポイントを再エンロールするか、エンドポイント・ソフトウェアを更新する必要があります。 - ステップ9: アップグレードしたOracle Key Vaultサーバーのバックアップ
アップグレードが正常に完了した後、サーバー・バックアップおよびユーザー・パスワード・タスクを実行する必要があります。
8.1 プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultサーバーのアップグレードについて
Oracle Key Vaultサーバー・ソフトウェア・アプライアンスをアップグレードするときは、エンドポイント・ソフトウェアもアップグレードして、最新の拡張機能にアクセスできるようにします。
ただし、以前のOracle Key Vaultリリースからダウンロードしたエンドポイント・ソフトウェアは、引き続き、アップグレードされたOracle Key Vaultサーバーとともに機能します。古いエンドポイント・ソフトウェアはアップグレードしたOracle Key Vaultサーバーで引き続き動作しますが、新しいエンドポイント機能は動作しない可能性があることに注意してください。
アップグレードは、次に示す順序で実行する必要があります。最初にOracle Key Vaultのフル・バックアップを実行し、Oracle Key Vaultプライマリ-スタンバイ・サーバー・ペアをアップグレードし、エンドポイント・ソフトウェアをアップグレードして、最後に、アップグレードしたサーバーに対して再度フル・バックアップを実行します。アップグレードする場合は、Oracle Key Vaultサーバーの再起動が必要になることに注意してください。
アップグレード中の限られた時間、エンドポイントではOracle Key Vaultサーバーを使用できません。永続キャッシュ機能を有効にすると、アップグレード・プロセス中にエンドポイントで操作を継続できます。
アップグレードを始める前に、アップグレードするための詳細情報を『Oracle Key Vaultリリース・ノート』で参照してください。
8.2 ステップ1: アップグレード前のサーバーのバックアップ
Oracle Key Vaultサーバーをアップグレードする前に、アップグレードに失敗した場合にデータをリカバリできるように、リモート宛先に1回限りのバックアップを実行します。
注意:
このステップはスキップしないでください。アップグレードの実行前にサーバーをバックアップして、データを安全かつリカバリ可能な状態にします。
8.3 ステップ2: プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultのアップグレード前タスクの実行
Oracle Key Vaultにスムーズにアップグレードするために、アップグレードするサーバーを準備する必要があります。
8.4 ステップ3: リリース21.8アップグレード用にvg_rootを拡張するためのディスク領域の追加
Oracle Key Vaultリリース21.8にアップグレードする前に、vg_root
を拡張してディスク領域を増やす必要があります。
vg_root
をすでに拡張している場合は、このステップをバイパスできます。
8.5 ステップ4: Oracle Key Vaultプライマリ-スタンバイ・ペアのアップグレード
プライマリ-スタンバイ・デプロイメントのOracle Key Vaultサーバーのペアをアップグレードできます。
- Oracle Key Vaultサーバー・プライマリ-スタンバイ・ペアのアップグレードについて
プライマリ-スタンバイ・デプロイメントでは、プライマリとスタンバイの両方のOracle Key Vaultサーバーをアップグレードする必要があります。 - プライマリ-スタンバイOracle Key Vaultサーバーのペアのアップグレード
スタンバイをアップグレードした後にプライマリ・サーバーのアップグレードに数時間を割り当てる必要があります。
8.5.1 Oracle Key Vaultサーバー・プライマリ-スタンバイ・ペアのアップグレードについて
プライマリ-スタンバイ・デプロイメントでは、プライマリとスタンバイの両方のOracle Key Vaultサーバーをアップグレードする必要があります。
永続キャッシュを有効にすると、アップグレード・プロセス中にエンドポイントで操作を継続できます。
ノート:
RAMが4 GBのシステムからアップグレードする場合は、まずアップグレード前に12 GBのメモリーをシステムに追加してください。8.6 ステップ5: スワップ領域を拡張するためのディスク領域の追加(必要な場合)
必要に応じて、プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方でスワップ領域を拡張します。
swapon -s
コマンドを実行して、使用しているスワップ領域の量を確認できます。デフォルトでは、リリース18.1より前のOracle Key Vaultリリースは、約4 GBのスワップ領域でインストールされていました。リリース18.1以降へのアップグレードが完了したら、Oracle Key Vaultをアップグレードしたサーバーに割り当てられているスワップ領域を増やすことをお薦めします。Oracle Key Vaultの新しいインストールには十分なスワップ領域が自動的に構成されます。ただし、以前のリリースからアップグレードし、システムに必要な量のスワップ領域が構成されていない場合、特にアップグレードしたサーバーをマルチマスター・クラスタの最初のノードに変換することを意図している場合、ディスク領域を手動で追加してスワップ領域を拡張する必要があります。
8.7 ステップ6: 古いカーネルの削除(必要な場合)
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレード後に残された古いカーネルをクリーン・アップすることをお薦めします。
8.8 ステップ7: SSH関連のDSAキーの削除(必要な場合)
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレード後に残されたSSH関連のDSAキーは、一部のコード分析ツールで問題を引き起こす可能性があるため削除する必要があります。
8.9 ステップ8: エンドポイント・ソフトウェアのアップグレード
プライマリ・サーバーとスタンバイ・サーバーの両方について、アップグレードの一環として、以前のリリースのOracle Key Vaultで作成されたエンドポイントを再エンロールするか、エンドポイント・ソフトウェアを更新する必要があります。
Oracle Key VaultによるオンラインTDEマスター暗号化キー管理を使用するエンドポイントで、暗号化操作中にOracle Key Vaultからのオブジェクトの抽出を制御する機能を利用できるようにするには、Oracle Key Vaultリリース21.8にアップグレードする必要があります。