ADPグローバル給与向けOracle Payroll Connectの概要
ADPグローバル給与向けOracle Payroll Connectを使用してOracle HCM CloudをADPグローバル給与と統合します。この統合により、Oracle HCM Cloudの新規採用トランザクションをADPグローバル給与にリアルタイムで伝達できます。
HCM抽出を使用して、このトランザクションに対する更新およびメンテナンスをバッチ・モードでADPに送信することもできます。
次の方法で、ADPグローバル給与との統合を構成および保守できます。
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ADPグローバル給与にリアルタイムおよびバッチ・モードで送信するデータ・エレメントを定義する簡易構成ページ
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ADPグローバル給与に送信された様々なトランザクションのステータスをリアルタイムおよびバッチ・モードの両方でレビューするためのステータス・ページ
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Oracle HCM Cloud内から給与情報を管理するためのADPグローバル給与の埋込みページ
ADPグローバル給与向けOracle Payroll Connectを使用した新規採用フローの概要を次に示します。
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従業員の採用: ユーザー・インタフェース、ローダーまたはAPIを介してOracle HCM Cloudで従業員を採用します。ADP固有の検証を使用して従業員データを入力します。
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ADPへのデータの公開: アプリケーションが必要なデータを取得し、従業員レコードを確立するためにADPに対してリアルタイムAPIを呼び出すまで待機します。
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給与データの入力: 新規採用者は、セルフサービスを通じて給与データをADPに入力できます。給与管理者はADPの給与データに情報を追加できます。
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ADPグローバル給与の給与インタフェースV2の実行: HCM抽出を使用して、Oracle HCM CloudからADPに追加の変更を送信します。

両方のアプリケーションで、トランザクション・フローに対して様々な構成が必要になります。
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プロファイル・オプションの設定
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フェデレーションSSOの構成
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ADPで処理される給与の識別
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給与セキュリティ・プロファイルの定義および割当
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サンドボックスのアクティブ化
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データ検証ルールの構成
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ペイロード・ルールの構成
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給与統合の構成
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ESSジョブのスケジュール

始める前に
Oracle HCM CloudをADPグローバル給与と統合する前に、次のタスクを実行します。
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プロファイル・オプションの設定: 統合スペシャリストとしてOracle HCM Cloudにログインし、プロファイル・オプションを設定します。
プロファイル・オプション・コード
プロファイル・オプション名
プロファイル・レベル
値
ORA_PAY_ENABLE_EXT_PAY_INTEGRATION
給与処理のADPシステムとの統合使用可能
サイト
はい
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リアルタイム統合の認証: シングル・サインオン(SSO)とJSON Webトークン(JWT)を使用してこのリアルタイム統合を認証する必要があります。
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認証にSSOを使用: 給与管理者は、このSSO設定を使用して、Oracle HCM Cloud内からADPグローバル給与埋込みインタフェースにナビゲートできます。ここで、セッション資格証明はADPグローバル給与での認証の確立に使用されます。Oracle HCM Cloudと顧客アイデンティティ・プロバイダ(IdP)の間、および顧客IdPとADPのグローバル給与アプリケーションの間でフェデレーションSSOを構成します。
この実装について考慮する必要があるポイントは、次のとおりです。
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Oracle HCM CloudとADPグローバル給与の両方から信頼されるIdPが必要です。
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セキュリティ・コンソールを使用して、Oracle HCM Cloud (サービス・プロバイダ1)とIdPの間でSSOを確立します。
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ADP SRプロセスを使用して、ADP (サービス・プロバイダ2)とIdPの間でSSOを確立します。
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顧客IdP、Oracle HCM CloudおよびADPでEメールを同期する必要があります。
SSO設定が完了したら、シングル・ログアウト(SLO)設定も確認して完了する必要があります。このアプローチにより、Oracle HCM Cloudからログアウトすると、ADPグローバル給与でもユーザー・セッションが終了します。
SLO設定の確認方法は次のとおりです。
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セキュリティ・コンソールでIdPグローバルSLO URLを入力します。たとえば、ADFS IdPのログアウトURLは次のとおりです。
https://<external IDP>/adfs/ls/?wa=wsignout1.0
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ADPでは、ADPとIdPの信頼設定のために、PING SLO URLを指定する必要があります。たとえば、SLO URLは次のようになります。
https://portal00x.globalview.adp.com/federate2/sp/SLO.saml2
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JWTを使用した認証: Oracle Payroll Connect統合では、ADP REST APIを使用して新規採用データをリアルタイムで送信し、JWTトークンはこれらのAPIを認証します。
JWT認証の設定方法は次のとおりです。
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ADPグローバル給与統合のために、Oracle HCM Cloudからorakey_sign公開キーをエクスポートします。
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「セキュリティ・コンソール」、「API認証」タブにナビゲートします。
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「Oracle Public Certificate」をクリックして証明書をダウンロードします。
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キーを受信したら、対応するADPインスタンスにキーをインポートするためのADPのサービス要求を開きます。たとえば、ADPグローバル給与本番インスタンスにインポートされたOracle HCM Cloud本番インスタンスの公開キーなどです。ADP認証フロー用に生成されたJWTのサンプルを次に示します。
JWT HEADER { "alg": "RS256", "typ": "JWT", "x5t": "r2oR5F01a-a5cwAdgUAt6JfE4k0" } JWT PAYLOAD { "exp": 155364350, "tenant": "123456", "iss": "www.oracle.com", "aud": "globalview-prod", "jti": "1234-12345-123456-12345-1234", "iat": 1555363750 }
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ADPによって処理された給与の識別: ADPグローバル給与によって処理され、この統合を有効にする給与定義を識別します。
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データ・セキュリティのレビュー: 給与インタフェース・コーディネータには、ADPグローバル給与とインタフェースする特定の給与に関連付けられたデータをレビューするために必要なデータ・ロールが必要です。「データ・ロールおよびセキュリティ・プロファイルの管理」ページから、適切な給与セキュリティ・プロファイルを使用してデータ・ロールを作成できます。
ノート: 給与セキュリティ・プロファイルを使用したデータ・ロールの作成中は、「すべて表示」給与セキュリティ・プロファイルを使用できません -
給与管理者へのデータ・ロールの割当: ステップ4で生成したデータ・ロールを、識別された給与を管理する給与管理者に割り当てます。このステップにより、管理者はOracle HCM Cloudに埋め込まれたADPグローバル給与インタフェースへのナビゲーションにアクセスできます。