データ検証ルール

ADPグローバル給与との統合の異なるステージで、2種類のデータ検証ルール実装とこれらのルールの関連性を確認できます。これらのルールによって、データ処理のサイクルやエラー訂正を回避するために、データの品質と完全性が確保されます。

必須のHCMエクスペリエンス設計スタジオ検証ルールは、ADPグローバル給与統合が設定される国ごとに定義されます。国別にグループ化された詳細なルールの詳細は、「検証ルール」のトピックを参照してください。

次の表に、異なるステージにおけるこれらのルールの重要性の概要を示します。

ステージ

可能な操作

HCMエクスペリエンス設計スタジオ・ルール

ペイロード・ルール

新規採用

Oracle HCM Cloudで取得された新規採用データを使用して、ADPグローバル給与でリアルタイムに新規採用を作成します。

HCMエクスペリエンス設計スタジオを使用して、HCM Cloudでのデータ取得中に影響を受けるルールを構成します。これらのルールは、アプリケーション・ページ、REST APIまたはHCMデータ・ローダーといった方法を使用して取得されたデータに適用されます。

新規採用データが抽出され、ペイロードがADPに送信されるときのペイロード・ルールを構成します。属性が「必須」とマークされている場合、この必須属性に新規採用のための値が取得されている場合にのみ、新規採用ペイロードがADPに送信されます。

SSNは、米国従業員の必須属性です。

  • データを取得するためにHCMエクスペリエンス設計スタジオ・ルールを構成します。

  • ペイロードにSSNデータを含めるようにペイロード・ルールを構成します。

給与処理

給与処理中に適用された従業員詳細を更新します。Oracle HCM Cloudでの異動、退職などのイベント時にデータが取得されます。アプリケーションは、HCM抽出を使用して、この取得データを定期的にADPグローバル給与に送信します。

HCMエクスペリエンス設計スタジオを使用して従業員データを更新するためのデータ取得ルールは実装できません。ただし、実装プロジェクト・チームは、特定の要件に基づいてオートコンプリートの検証ルールを設計できます。

ノート: 新規採用プロセスで定義されたルールは、従業員データの変更に対しても有効です。

HCM抽出の実行により、給与処理のためにADPグローバル給与に送信されるバッチ・フィードが生成されたときに適用されるこれらのルールを構成します。属性が「必須」としてマークされているが、従業員に存在しない場合、この従業員データはADPグローバル給与に送信されません。

給与処理には従業員の銀行口座詳細が必要です。

  • ADPグローバル給与に送信されるペイロードに銀行口座情報を含めるようにペイロード・ルールを構成します。

  • オブジェクトの特定の属性を含めるか除外するようにペイロード・ルールを構成します。たとえば、優先度データをペイロードから除外できます。

サンドボックスのアクティブ化

HCMエクスペリエンス設計スタジオを使用して、サンドボックスをアクティブ化し、Oracle Payroll Connect統合固有の検証ルールを定義します。サンドボックスを定義する手順の詳細は、Oracle Learning Library.を参照してください。

オートコンプリートの検証ルールの構成

HCMエクスペリエンス設計スタジオを使用すると、実装に固有であり、Oracle HCM Cloudによって提供されない検証ルールを構成できます。新規採用データ取得フローなどのフローの検証ルールを構成して、新規採用データをリアルタイムで検証できます。たとえば、新規採用データがOracle HCM Cloudに入力されたときに新規採用者のEメール・アドレスを取得するルールを構成できます。HCMエクスペリエンス設計スタジオのオートコンプリート機能を使用して、これらの検証ルールを実装します。これらのルールは、すべてのデータ入力方法に対して有効です。

ノート: Oracleサポートでサービス要求を作成して、この機能を要求し、アカウント名およびビジネス要件を指定します。

この表は、各ルール・パターンでADPグローバル給与との統合を設定する例を示しています。

パターン・コード

パターン名

操作

疑似コード

M

必須

属性が必須要件である場合は、VOで使用可能な属性を使用して条件を追加することによって、この検証ルールを構成します。たとえば、雇用主または国の条件を追加できます。

IF (Gender is null) THEN
   IF (Country IN ['CA','GB','IN','MX','US']) THEN
     ShowError('Gender is required');
   END IF;
END IF;

L

長さの検証

属性に入力する値が指定した文字数を超えないようにする場合は、この検証ルールを構成します。

IF (LastName isn't null) THEN
   length := LengthOf(LastName);
   IF (length > 40) THEN
      ShowError('Last Name cannot have more than 40 characters');

ML

必須+長さの検証

属性が必須であり、入力する値が指定した文字数を超えないようにする場合は、この検証ルールを構成します。

IF (AddressLine2 isn't null) THEN
   length := LengthOf(AddressLine2);
   IF (length > 40) THEN
      ShowError('Address Line 2 cannot have more than 40 characters');
ELSE
   IF (Country IN ['MX']) THEN
      ShowError('Address Line 2 is required');

検証ルールの作成の詳細は、Oracle Learning Libraryを参照してください。

ペイロード・ルールの構成

リアルタイムおよびHCM抽出バッチ・モード統合のためのデータ・コンポーネントおよび属性を選択して、ADPグローバル給与と統合されたOracle HCM Cloudデータを構成します。

実行できる処理は次のとおりです。

  • リアルタイム処理フローとバッチ処理フローの両方のペイロード・コンテンツ、および両方のフローに適用される必須属性とオプション属性を選択します。

  • 特定のエンティティの特定のデータ・エレメントを含めるか、除外します。たとえば、ペイロードから呼称を除外できます(ADPグローバル給与での給与処理に必須でないか、使用されていない場合)。

  • ペイロードに特定のデータを含めるために使用可能なフィルタを定義します。たとえば、ADPグローバル給与へのペイロードから除外する自宅住所を選択できます。

ADPグローバル給与に送信するペイロードのオブジェクトおよびその属性を選択するペイロード・ルールを定義します。ソース・テンプレートであるHCM抽出テンプレートでは、選択可能なオブジェクトとその属性を定義します。これらのルールに関連付けられた国別仕様データ・グループによって、ペイロードの国別仕様固有のコンテンツが定義され、追加されます。

「HCM抽出」「ペイロード・ルール」タスクを使用して、次のタスクを実行します。

  • リアルタイム・フローおよびバッチ処理フローのペイロードに対してオブジェクトを含めるか除外します

  • 含まれるオブジェクトの必須属性を識別します

  • ペイロードに含まれるオブジェクトに使用可能なフィルタを識別します

「ペイロード・ルール」ページには、アプリケーションで定義されているすべての使用可能なルールがリストされます。LDGのルール・セットを作成することもできます。

ルール・セットの作成方法は次のとおりです。

  1. 「ペイロード・ルール」ページで「追加」をクリックします。

  2. ペイロード・ルール・セットの名前を指定します。この名前は、「給与統合」ページで給与に関連付けられます。

  3. ルールを定義する国別仕様データ・グループを選択します。

  4. ADPグローバル給与の給与インタフェースのオブジェクトおよび属性をリストするテンプレートを選択します。テンプレートがロードされると、テンプレートで使用可能なデフォルトのオブジェクトと属性のリストが表示されます。

  5. 左側のペインで「ビジネス・オブジェクト」、右側のペインで選択したオブジェクトの「属性」を確認できます。

    • ビジネス・オブジェクト: ADPグローバル給与への様々な方法のデータ・フィードを使用して、ADPに送信するデータに含めるビジネス・オブジェクトを選択できます。

      • リアルタイム・ペイロード: アプリケーションは、リアルタイム・ペイロードに含めるように選択したオブジェクトを送信し、新しい採用データをADPグローバル給与に作成します。ADPグローバル給与では、アプリケーションで新規採用レコードを確立するためにこれらのオブジェクトが必要です。リアルタイム・ペイロードのオブジェクトを選択すると、オブジェクトは自動的にバッチ・ペイロード(HCM抽出)に含まれ、後で選択を解除できません。

      • バッチ・ペイロード: アプリケーションは、HCM抽出に含めるために選択したオブジェクトをADPグローバル給与に送信します。ADPグローバル給与では、給与で従業員の給与処理を正常に実行するために、これらのオブジェクトが必要です。バッチ・ペイロードにのみ含めて、リアルタイム・ペイロードから除外するよう、オブジェクトを選択できます。

      ノート: 最善のアプローチは、HCM Cloudのデータ取得が最小限の検証ルールで最適化されるように、リアルタイム・ペイロードを最小に維持することです。このアプローチにより、ADPグローバル給与と、最も早く作成された新規採用との統合が正常に行われます。
    • 属性: 各ビジネス・オブジェクトで使用可能な属性を選択し、必須属性を「必須」としてマークします。統合プロセスは、「必須」としてマークされた属性が使用可能になるまで、ADPグローバル給与へのデータの送信を遅延させます。必須にする属性を選択しない場合、属性に値がない場合でもデータはADPグローバル給与に送信されます。「含める」チェック・ボックスを選択して、ペイロードに属性を含めることもできます。

    • フィルタ基準: フィルタ基準がリストされるペイロードで、送信するエンティティまたはオブジェクトの特定のタイプを選択できます。たとえば、「自宅住所」を選択すると、ADPグローバル給与に送信されるペイロードに自宅住所のみを含めることができます。

  6. 「保存」をクリックします。

給与へのペイロード・ルールの関連付けおよびペイロード生成

定義済ペイロード・ルールを給与に関連付けて、「給与統合の追加」ページの「給与詳細」セクションからこの関連付けを使用できます。