概要

別のアプリケーションからCloud Payrollに給与データを移行するとき、初期バランス値の設定が必要になる場合があります。これを実行するには、HCMデータ・ローダーを使用して、バランス値をバッチ・ビューにロードします。

バランス値をロードした後に、「初期バランスのロード」プロセスを送信します。このプロセスでは、バッチ・データを検証し、バッチを処理してバランス・データをロードします。次に、バランス調整を作成して、必要なバランス値を設定します。

「初期バランスのロード」プロセスでは、初期化するバランスごとに、バランス初期化分類を使用してこれらのエレメントを自動的に定義します。次に、バランス挿入としてバランスに追加します。

ノート: 従業員に対して給与計算が実行された後は、バランスを初期化できません。このような場合、給与計算をロールバックするか、またはバランス調整を実行する必要があります。

年度の途中に、会社は買収の一環として従業員のグループを採用しました。元の会社は、すでに支給項目を支払い、税金を源泉徴収しています。会社で引き継ぐ給与で、その年度のこれらの従業員の給与バランスを初期化できます。これによって、会社に勤務した期間のみでなく年度全体について、今後のすべての法定レポートが正確になります。

この図に示すように、期間累計、四半期累計および年累計の支給項目合計バランスを6月18日時点で初期化できます。

ここで、期間累計を100、四半期累計を250、年累計を 500と初期化します。

この図は、6月18日時点の初期化結果を示しています。

この図は、初期化結果を示しています。

InitializeBalanceBatchHeader.datファイルを使用してVisionBatchバッチを作成します。

METADATA|InitializeBalanceBatchHeader|LegislativeDataGroupName|BatchName|UploadDate
MERGE|InitializeBalanceBatchHeader|Vision Corporation US LDG|VisionBatch|2018/06/18|

InitializeBalanceBatchLine.datファイルで、支給項目合計バランスのこれら3つのバランス値を初期化します。

バランス

Total_Earnings_PTD

100

Total_Earnings_QTD

250

Total_Earnings_YTD

500

METADATA|InitializeBalanceBatchLine|LegislativeDataGroupName|BatchName|LineSequence|UploadDate|PayrollRelationshipNumber|PayrollName|BalanceName|DimensionName|Value
MERGE|InitializeBalanceBatchLine|Vision Corporation US LDG|VisionBatch|1|2018/06/18|10001|Monthly Payroll|Total Earnings|Core Relationship Period to Date|100
MERGE|InitializeBalanceBatchLine|Vision Corporation US LDG|VisionBatch|2|2018/06/18|10001|Monthly Payroll|Total Earnings|Core Relationship Quarter to Date|250
MERGE|InitializeBalanceBatchLine|Vision Corporation US LDG|VisionBatch|3|2018/06/18|10001|Monthly Payroll|Total Earnings|Core Relationship Year to Date|500

「初期バランスのロード」プロセスを実行すると、アップロード日を基準とした各バランスの値が設定されます。たとえば、アップロード日が6月18日の場合、バランス値には6月18日以前のすべての支払日が含まれます。このプロセスでは、国別仕様バランスが正しくなるように、有効日バランス・エントリ(調整)を作成します。

この表に示すように、バランス初期化プロセスでは、各ディメンションに関連する期間の最初の日に調整を作成します。

調整日

調整されたバランス

調整値

6月1日(支払期間の開始)

  • Total_Earnings_PTD

  • Total_Earnings_QTD

  • Total_Earnings_YTD

100

4月1日(四半期の開始)

  • Total_Earnings_QTD

  • Total_Earnings_YTD

150

1月1日(年度の開始)

Total_Earnings_YTD

250

ノート: バランス値(例: 通常給与)を初期化したときに、その他のバランス(例: 総支給項目)にデータは挿入されません。通常の給与計算の過程でアプリケーションによって保守されるため、これは問題ではありません。ただし、最初のバランス・アップロードから生成された実行結果は、そのロード先の特定のバランスにしかデータを挿入しません。

バランス・バッチに関する考慮事項と前提条件

バッチ・ヘッダーおよびバッチ・ラインを作成する際は、次の点を考慮してください:
  • 国別仕様データ・グループ(LDG)ごとに個別のバランス初期化バッチを作成します。
  • HCMデータ・ローダーのアップロードはマルチスレッドですが、後続のバランス処理はマルチスレッドではありません。そのため、複数のバッチを作成し、「初期バランスのロード」プロセスで同時処理されるようにすることをお薦めします。
  • 初期化する個人のすべてのバランスのラインを同一のバッチに含めます。同一個人のバッチ・ラインを複数のバッチに分散させないでください。
  • ライン・レベルで上書き日を入力しないかぎり、バッチ・ヘッダー・レコードに指定した日付がすべてのラインに適用されます。ライン・レベルの日付は、ヘッダーの日付以前である必要があります。
  • 給与処理を実行した後で、バランスを初期化することはできません。
  • 標準控除項目バランスを初期化する場合は、バランス初期化を処理する前に標準控除項目カードを作成する必要があります。