バランスの概要
このトピックでは、給与バランスとそのプライマリ・コンポーネントについて説明します。
給与バランスは、特定の期間における値の累計として定義されます。バランスの3つの主要コンポーネントは次のとおりです:
- 名前
- 挿入を行うコンポーネント(バランス挿入と呼びます)
- 独自の特性を定義するディメンション
たとえば、通常バランスは、給与計算で処理されるすべての標準支給項目の累計です。ディメンションを使用することで、時間(期間累計や年累計など)、雇用レベル(アサイメントまたは給与関係)およびコンテキスト(税レポート・ユニット、エレメント、給与など、特定のバランスに対してのみ必要)の事前定義の組合せに基づいてバランスの値を表示できます。たとえば、ある従業員の現在の給与期間または年累計の総支給項目を表示できます。バランス初期化プロセスおよびバッチ・ローダーで参照されるこれらのコンテキスト値は、バランス・ビュー・ユーザー・インタフェース(UI)では参照とも呼ばれます。
バランスには次のようなコンポーネントがあります:
バランス名
これはバランスの実際の名前です(例: 総支給項目)。バランス・タイプには常に数値単位があり、場合によっては通貨コードが存在することもあります。
バランス挿入
バランス挿入ではバランスを構成するエレメント入力パラメータが定義されます。バランス挿入はバランスに対する加算(+)と減算(–)のいずれかにできます。
バランス・ディメンション
バランス・ディメンションでは、バランスを計算する期間、雇用関係およびコンテキストが定義されます。たとえば、「アサイメント税ユニット年累計」は、そのバランス値が特定の従業員の特定の税レポートユニットの年累計期間のものであることを示しています。バランス・ディメンションは事前定義されています。
コンテキスト
コンテキストは、バランス値に含まれている実行結果を制限する手段です。コンテキストは通常、Global Payrollまたはローカライゼーションのいずれかによって事前定義されています。コンテキストはディメンションの一部として指定されます。
定義済バランス
定義済バランスは、バランス・タイプとバランス・ディメンションの組合せを識別するために使用される名前です(例: REGULAR_ASG_TU_YTD)。バランス値は常に定義済バランスから取得されます。
バランス・モデル: 連携の仕組み
定義済バランス値は、特定のバランス・タイプの特定の日付の個人の値です。それぞれの定義済バランスには、雇用モデルの次のレベルのいずれかで個人の値が保持されます:
- 給与関係
- アサイメント
日付はバランス・ディメンションによって決まります(年累計など)。バランス・ディメンションではコンテキストが使用されることもあります。コンテキストは特定のバランス値の値を必要とするエンティティです。たとえば、定義済バランス定期支給項目税ユニットArea1年累計は、「定期支給項目」バランス・タイプと給与関係税ユニットArea1年累計バランス・ディメンションの組合せです。このディメンションに関連付けられているコンテキストは、「給与関係」、「税レポート・ユニット」および「州」(Area1)です。
バランス挿入は、バランス・タイプとエレメント入力パラメータの組合せです。たとえば、給与支給値で定期支給項目バランスへの挿入を行うことを指定した場合、従業員の給与計算の結果によりすべての定期支給項目定義済バランスへの挿入が行われます。これは、実行結果に関連付けられているコンテキストが、定義済バランスで使用されているコンテキストと一致していることが前提となります。