スプレッドシートでの勘定体系、元帳、法的エンティティおよびビジネス・ユニットの作成

財務目標を追跡およびレポートし、レポート要件を満たすために、企業体系を勘定体系、元帳、法的エンティティおよびビジネス・ユニットの構成で表します。これらのコンポーネントによって、財務情報およびレポートを編成するための基礎となる体系が提供されます。

元帳内の勘定体系によって、次のことが容易になります。

  • 異なる業務のデータ、業務内のデータおよび異なるビジネス・フローのデータの集計

  • 法的レポートおよび法人レポートの標準に準拠した一貫性のある定義を使用した利害関係者へのレポート、および管理上の決定における支援

高速実装は、ワークブック内のシートを使用して財務企業体系および財務レポート体系を迅速に構成し、次のリストをアップロードする方法です。

  • 会社(法的エンティティ)

  • 国別の元帳

  • ビジネス・ユニット

  • 勘定体系値およびセグメント値

  • セグメント値の階層

  • 財務連番

  • 必要な補助元帳勘定科目

シートのアップロードが完了すると、アプリケーションによって次のものが作成されます。

  • 勘定体系構造およびインスタンス

  • セグメント値の階層

  • 留保利益などの重要な勘定科目

  • 必要な補助元帳勘定科目

  • 会計カレンダ

  • 法的エンティティ・シートに示されている各国のプライマリ元帳

  • 法的エンティティおよびその事業所

  • ビジネス・ユニット

  • 文書および仕訳連番

  • 財務レポートのレポート・セット

  • 3つの勘定科目グループ

注意: 勘定体系、カレンダおよび元帳の使用を開始した後で、その基礎となる属性を変更することはお薦めしません。また、サポートもされていません。これには、勘定体系セグメント(セグメント・ラベルや、これらのセグメントの他の特性を含む)およびカレンダの構造やパターンが含まれます。

次の図は、企業体系設定のフローを示しています。

法的エンティティ(会社)では、ビジネス機能があるビジネス・ユニットによって識別されるトランザクションが発生します。補助元帳に記録されたトランザクションは、元帳に転送されます。元帳は、カレンダ、通貨および勘定体系という特徴があります。勘定体系はセグメントで構成され、そのうち一部にはセグメント・ラベル(コスト・センター、勘定科目、プライマリ貸借一致セグメントなど)が割り当てられています。法的エンティティにはプライマリ貸借一致セグメント値を割り当てることができます。

この図は、法的エンティティから元帳までの企業体系 設定のフローを示しています。

次の図に、一部の共通設定オブジェクトに関する追加情報を示します。

  • 法的エンティティ: 法律によって指定された権利と責任を有する認識されたパーティを識別し、財産を所有する権利と自らについて説明する責任を持ちます。

  • ビジネス・ユニット: 管理階層に積み上げることができる1つまたは多数のビジネス機能を実行します。ビジネス・ユニットは、多くの法的エンティティにかわってトランザクションを処理できます。通常、ビジネス・ユニットには、マネージャ、戦略目標、自律レベル、および損益に対する責任が含まれます。スプレッドシートで作成した場合、使用可能なすべてのビジネス機能がビジネス・ユニットに対して自動的に有効になります。

  • 元帳: 記録を保持する、構成の必須コンポーネントです。高速実装プロセスでは次を実行します。

    • 勘定体系、カレンダおよび通貨、さらに高速実装ワークブックで定義した他の必須オプションを組み合せて、プライマリ元帳を作成します。

    • 標準経過勘定補助元帳会計処理基準をプライマリ元帳に割り当てます。補助元帳会計処理基準を使用して補助元帳仕訳ルール・セットをグループ化し、一貫した会計処理を定義します。

    • 勘定体系とカレンダの一意の組合せを使用して、元帳ごとに一般会計残高キューブを作成します。各セグメントは、標準キューブ・ディメンションとともに残高キューブのディメンションとして作成されます。

  • 補助元帳: 詳細なトランザクションの情報(サプライヤ請求書、顧客支払、資産取得など)を取得します。補助元帳会計を使用して、トランザクション残高を元帳に転送します。トランザクション残高はここで転記されます。

  • 勘定体系: セグメントと呼ばれるコンポーネントで構成される勘定科目を構成します。勘定科目は、残高を記録する場合や、財務情報およびレポートを編成する場合に使用します。

  • セグメント: 勘定体系のいずれかのコンポーネントを識別し、他のセグメントと組み合せると、トランザクションおよび仕訳を記録するための勘定科目組合せが作成されます。セグメントは値セットと関連付けられます。値セットにより、そのセグメントの値のセットがそれらの値のフォーマットおよび検証とともに提供されます。

  • セグメント・ラベル: 勘定体系の特定のセグメントを識別し、それらのセグメントに特殊な機能を割り当てます。

    • 貸借一致セグメント: 財務プロセスおよびレポートにおいて各貸借一致セグメント値または複数の貸借一致セグメント値の組合せについてすべての仕訳の貸借を確実に一致させます。3つの貸借一致セグメント・ラベルは、「プライマリ貸借一致セグメント」、「第2貸借一致セグメント」および「第3貸借一致セグメント」です。

    • 勘定科目: 財務アクティビティの勘定科目タイプ(資産、負債、費用、収益または資本)と特定の分類を決定します。損益計算書勘定を新会計年度の期首留保利益にクローズするなどの一般会計プロセスを容易にします。

    • コスト・センター: 使用可能なコスト・タイプ別の勘定科目のグループ化を容易にし、勘定科目の特定のビジネス経費を追跡できるようにします。

高速実装ワークブックを使用すると、次のこともできます。

  • 初期設定時に任意の勘定体系セグメントに複数の階層を作成できます。初期設定後、高速実装スプレッドシート・データをアップロードすることにより、追加の階層および階層バージョンを作成したり、既存の階層バージョンを更新することもできます。

  • 事前定義済の国デフォルトに基づいて、各法的エンティティまたは元帳の連番を作成できます。文書連番は、買掛/未払金請求書、支払、売掛/未収金請求書、売掛/未収金クレジット・メモ、売掛/未収金修正活動に対して作成されます。レポートおよび会計の仕訳連番は、補助元帳仕訳および総勘定元帳仕訳のために作成されます。