ユーザー定義算式の管理

補助元帳会計ユーザー定義算式を使用して、仕訳金額や摘要など、仕訳で使用される値を導出できます。

算式の使用と割当て

ユーザー定義算式は、次の目的で使用できます。

  • 数値の計算

  • 英数値の導出

  • 日付値の戻し

次のいずれかの会計基準コンポーネントでも使用できます。

  • 仕訳明細ルール

  • 勘定科目ルール

  • マッピング・セット

  • 摘要ルール

  • サポート参照

算式の定義

選択したイベント区分のソースを使用してユーザー定義算式を定義します。事前定義済関数および条件を使用してソースを使用して結果値を導出することもできます。

  • ソースを二重引用符(")で囲んで入力します。

  • 定数値を一重引用符(')で囲んで入力します。

  • YYYY-MON-DDのフォーマットで日付値を入力します。

例1

請求書イベント区分の仕訳明細ルール・セットの摘要ルールで使用されるように、ユーザー定義算式が定義されています。

ステップ:

  1. 算式を定義します。

    • IF "Project Number" IS NOT NULL AND "Invoice Date" >= '2015-Jan-01'

      THEN Concatenate("Project Number", "Invoice Number")

      ELSE Concatenate("Supplier Name", "Invoice Number")

  2. 摘要ルールで算式を使用します。

  3. 仕訳ルール・セットに摘要ルールを割り当てます。

結果:

2つのプロジェクト請求書および1つの非プロジェクト請求書の会計が作成されます。

この表は、例1で作成された請求書を示しています。

請求書

請求書詳細

仕訳摘要

1

請求書番号= MA0024

請求書日付= 2014年12月11日

サプライヤ名= ABC Inc.

プロジェクト番号= 12345

ABC Inc.MA0024

2

請求書番号= MA0045

請求書日付= 2015年1月30日

サプライヤ名= ABC Inc.

プロジェクト番号= 12345

12345MA0045

3

請求書番号= MA0012

請求書日付= 2015年1月15日

サプライヤ名= ABC Inc.

ABC Inc.MA0012

例2

四半期ごとに実際の資金401kに対する仕訳が記録されます。次のユーザー定義算式を使用して、四半期の月別の月次計上済金額入力が作成されます。

見越入力は、翌月のはじめに見越逆仕訳機能によって逆仕訳されます。

ステップ:

  1. 算式を定義します。

    • "Fund Balance" / 3 * "Month Number in the Quarter"

  2. イベント区分の入力金額会計属性に算式を割り当てます。

  3. 算式を仕訳明細ルールの入力金額として使用します。

  4. 仕訳ルール・セットに仕訳明細ルールを割り当てます。

資金残高 = 1,200 USD

この表は、例2を使用して作成された月次入力を示しています。

結果

1

四半期の最初の月の見越金額: 1200 / 3 * 1 = 400

2

四半期の2番目の月の見越金額: 1200 / 3 * 2 = 800

3

四半期の3番目の月の見越金額: 1200 / 3 * 3 = 1200

事前定義済算式関数

次の事前定義済関数は、ユーザー定義算式で使用できます。

この表は、事前定義済算式関数を示しています。

タイプ

関数

説明

英数字

Concatenate

2つの文字列を1つの文字列に連結します。

Concatenate('This is ', 'a test.')は'This is a test'を戻します。

英数字

Substring

文字列の一部を抽出します。

Substring('How are you?', 3,5)は'w are'を戻します。

英数字

ToText

数値をテキストに変換します。

ToText("Tax Rate")では、税率がテキスト形式で返されます。

ノート: ToTextを含む式は、ルール条件では使用できません。

日付

FirstDayOfYear

パラメータに基づきカレンダ年の最初の日を戻します。

FirstDayOfYear('2013-Jul-11')は日付フォーマットで'01-Jan-2013'を戻します。

日付

LastDayOfYear

パラメータに基づきカレンダ年の最後の日を戻します。

LastDayOfYear('2013-Jul-11')は日付フォーマットで'31-Dec-2013'を戻します。

日付

FirstDayOfMonth

パラメータに基づき月の最初の日を戻します。

FirstDayOfMonth('2013-Jul-11')は日付フォーマットで'01-Jul-2013'を戻します。

日付

LastDayOfMonth

パラメータに基づき月の最後の日を戻します。

LastDayOfMonth('2013-Jul-11')は日付フォーマットで'31-Jul-2013'を戻します。

日付

AddMonth

パラメータ内の日付後の指定された月の日付を戻します。

AddMonth('2013-Jul-11',2)は日付フォーマットで11-Sep-2013を戻します。

数値

YearNum

日付ソースの年を4桁のフォーマットで戻します。

YearNum('2012-Feb-28')は数値2012を戻します。

数値

MonthNum

日付ソースの月を数値フォーマットで戻します。

MonthNum('2012-Feb-28')は数値2を戻します。

数値

DayNum

日付ソースの日を数値フォーマットで戻します。

DayNum('2012-Feb-28')は数値28を戻します。

数値

Round

数値を特定の小数点位置に端数処理します。

Round(183.1123, 2)は183.11を戻します。

Round(183.1123, -1)は180を戻します。

数値

RoundUp

数値を正数に切り上げます。

RoundUp(0.01)は1を戻します。

RoundUp(1.50)は2を戻します。

数値

RoundDown

数値を正数に切り下げます。

RoundDown(0.01)は0を戻します。

RoundDown(1.50)は1を戻します。

数値

Power

数値の累乗を戻します。

Power(3,2)は9を戻します。

数値

NumberOfGLPeriod

2つの日付の間の非修正会計期間の数を戻します。

  • 開始日が会計期間の最初の日ではない場合は、1つの期間としてカウントされます。

  • 終了日が会計期間の最後の日ではない場合は、1つの期間としてカウントされます。

会計カレンダが月次として定義されている場合、NumberOfGLPeriod('2013-Jul-11', '2013-Oct-10')は4を戻します。

数値

ToInteger

テキスト値を整数に変換します。

ToInteger("Cost Center Segment")は、コスト・センター・セグメント値を数値で返します。