入金消込の勧告の計算方法

支払処理中に、Receivablesは、入金の送金参照情報をオープン・トランザクションと照合し、特定の入金をどのトランザクションに消し込むかについて勧告を提示します。この勧告処理は、手動入金、ロックボックス入金、およびスプレッドシートを使用してアップロードされた入金で動作します。

通常、Receivablesは、誤った請求書番号などのデータ入力エラーが存在する場合や、実装で定義されている自動入金消込の最小要件をトランザクションが満たさない場合、自動的に入金を消し込むのではなく、勧告を生成します。

入金消込の勧告に影響する設定

入金消込の勧告に影響する設定は、次のとおりです。

  • 「入金別照合」ルール: 「入金別照合」ルールによって、ロックボックスおよび手動入金の処理中に、入金をトランザクションと照合するために使用する文書タイプ参照が識別されます。入金の照合に使用できる6つの文書タイプは、次のとおりです。

    • トランザクション番号

    • 繰越残高請求番号(ロックボックスのみ)

    • 契約番号

    • 購買オーダー番号

    • 販売オーダー番号

    • 出荷参照(運送状番号やパッキング・スリップなど)

    文書タイプ参照の入金別照合ルールを、顧客サイト、顧客アカウント、ロックボックスおよび売掛/未収金システム・オプション・レベルで設定できます。Receivablesは、完全一致または近似一致が見つかるまでこれらの設定を検索します。

  • 文書タイプ自動更新: 「入金別照合の自動更新」オプションを顧客サイトまたは顧客アカウント・レベルで有効にし、最適な「入金別照合」ルールを自動で維持します。自動照合および自動適用がデフォルト設定とは異なる文書タイプに基づいて顧客または顧客サイトの入金を照合して消し込んだ場合(または、デフォルト設定が存在しない場合)、この新しい文書タイプがその顧客またはサイトのプライマリ入金別照合ルールになります。

  • 自動適用: ロックボックスの(手動入金の場合は売掛/未収金システム・オプション・レベルで)「自動適用の使用」オプションを設定します。このオプションを設定すると、自動適用により、自動的に入金が消し込まれて自動照合ルール・セットに基づいてトランザクション勧告が提示され、消込例外ルール・セットに基づいて例外が処理されます。

  • 自動照合ルール・セット: アクティブな自動照合ルール・セットによって、入金の自動消込の方法と手動消込でのトランザクションの勧告方法が決定されます。自動照合ルール・セットは、顧客サイト、顧客アカウント、ロックボックスおよびReceivablesシステム・オプション・レベルで割り当てることができます。

    自動照合ルール・セットによって、入金消込のトランザクション勧告に必要な最低限の適格パーセント・スコアが、割当済のしきい値に基づいて定義されます。ルール・セットにより、請求書番号などの参照文字列に対するトランザクション照合を検索するための文字列処理支援も提供されます。

  • 消込例外ルール・セット: アクティブな消込例外ルール・セットによって、入金消込後の超過支払および過少支払の処理が管理されます。

入金消込の勧告の計算方法

Receivablesは、アクティブな「入金別照合」ルールに基づいて、入金の送金参照をトランザクションと照合します。Receivablesは、比較のために使用する「入金別照合」ルールを、顧客サイト、顧客アカウント、ロックボックス(ロックボックス処理用)およびシステム・オプションの順に検索します。

たとえば、参照番号として請求書番号を入力し、顧客サイトの「入金別照合」ルールが「トランザクション番号」であるとします。Receivablesは、入力された番号に最も一致するトランザクションを検索して表示します。完全一致した場合、自動照合のしきい値設定の許容範囲であれば、入金がトランザクションに自動的に消し込まれます。完全一致していない場合、自動照合のしきい値に従って推奨トランザクションのリストが表示されます。

自動適用が使用可能になっている場合、Receivablesによって、アクティブな自動照合ルール・セットで計算された参照スコアの順でトランザクション勧告が提示され、最も一致するものがリストの先頭に表示されます。各勧告には、入金がトランザクションに自動的に消し込まれなかった理由を説明した事由コードが付属します。たとえば、勧告に「トランザクションしきいを下回る」という事由が付属する場合、トランザクション参照スコアが自動消込に必要な最小しきい値に達しなかったために入金が自動的に消し込まれなかったことを示します。

「自動照合を使用した入金の消込」プロセスを使用してトランザクションに対して入金を消し込む場合、「完全一致のみ」パラメータの設定によって、入金に対するトランザクションの消込方法が決まります:
  • はい: トランザクションに対する送金参照の完全一致のみが検索されます。完全一致が検出されるたびに、入金にトランザクションが消し込まれます。完全一致が見つからない場合、勧告は生成されません。
  • いいえ: 自動照合ルール・セットを使用して、送金参照に基づいて入金消込の勧告が計算されます。結果の勧告スコアが自動照合ルール・セットの結合加重しきい値より大きい場合、勧告されたトランザクションが入金に消し込まれます。

ロックボックスを発行すると、通常は、ロックボックス・プロセスによって自動的に入金がトランザクションと照合されて消し込まれます。入金が自動的に消し込まれない場合、入金消込プロセスを手動で完了するために、ロックボックスによって推奨トランザクションのリストが生成されます。文書タイプ参照が繰越残高請求番号である場合、ロックボックスは、この番号を使用して顧客を識別し、アクティブな自動消込ルールを使用して入金を消し込むことができます。

標準入金を手動で作成する場合、「すぐに発行して自動適用」ボタンを使用して入金を自動的に消し込みます。Receivablesには、処理された消込か、または入金消込の勧告が表示されます。勧告が提案された場合は、適切なトランザクションを選択して手動で入金を消し込みます。

入金がトランザクションに消し込まれると、Receivablesによって、入金額とトランザクション金額が更新され、消込例外ルール・セットの詳細に従って、処理のために超過支払または過少支払が表示されます。

参照なしで消し込まれる入金

Receivablesは、入金をトランザクションに消し込むか、次の条件において送金参照なしでトランザクション勧告を生成します。

  • 入金の顧客情報がトランザクションの顧客情報に一致している。

  • 入金額がトランザクション金額以上である。

  • ロックボックス処理の場合に、自動消込ルールで入金を消し込むことができない。