税金適用オプション

税金決定プロセスでは、税金構成設定およびトランザクションの詳細を使用して、トランザクションに適用可能な税金を決定します。

どのような場合に、次のことを行うかを決定する必要があります。

  • 税務処理基準の作成

  • 税金ゾーンの設定

  • 「税金適用の許可」オプションの使用

  • 「インポート済文書の追加適用の実行」オプションの使用

税務処理基準の作成

税務当局がすべての販売および購買トランザクションに対して同じ税率で税金を課し、税金適用や税率および控除率が、どの要素によっても変わらない場合は、税務処理基準を設定する必要はありません。Oracle Fusion Taxでは、税金に定義されたデフォルトの税金ステータス、税率および税金控除率をそのまま使用できます。ただし、税金の適用が特定の基準に依存する場合は、1つ以上の税務処理基準と組み合せてデフォルト値を使用し、税金決定プロセスで値を導出するために必要なロジックを定義する必要がある場合があります。

税金適用決定に使用される税務処理基準は次のとおりです。

  • 供給場所ルール

  • 税金適用ルール

供給場所ルール

供給場所ルールを使用して、この決定が特定の基準に基づいて行われる際に、トランザクションが発生したとみなされる場所を決定します。

たとえば、顧客が英国VATに登録されている、英国の顧客サイトの商品に関する作業など、物理的なサービスを供給するドイツの企業について考えてみます。供給場所のデフォルト値「出荷先」が設定されているので、顧客の税務登録番号がトランザクションで使用されます。

次に、同じドイツの会社が、顧客が英国VATに登録されていない、英国の顧客サイトで物理的サービスを提供する場合について考えてみます。供給場所のデフォルト値の「出荷先」では、顧客が英国VATに登録されていないため、税務登録番号が得られません。この場合は、顧客が登録されていないときに、「出荷元」を供給場所とみなす供給場所ルールを作成します。

表に示すように、トランザクション時に、トランザクションの供給場所が取得されます。税制の税計算で考慮されるイベント区分に供給場所がどのように変換されるかを考慮することが重要です。これにより、候補の税金が含められるか除外されるかが決まるためです。

供給場所

「オーダー-入金」トランザクション

「調達-支払」トランザクション

請求元

法的エンティティ住所

サプライヤ・サイト・ヘッダー・レベル住所

出荷元

倉庫住所

サプライヤ・サイト・ヘッダー・レベル住所

請求先

顧客サイト請求先住所

関連するパーティ税金プロファイルのビジネス・ユニット住所

出荷先

顧客サイト出荷先住所

明細レベルでの出荷先事業所

出荷先、出荷先が見つからない場合は請求先を使用

顧客サイト請求先または出荷先住所

明細レベルでの出荷先事業所

税金適用ルール

税金適用ルールを使用して、特定の税金を特定のトランザクション明細に適用するか、または反対に、特定の税金から特定のトランザクション明細を免税します。たとえば、特定の税金が、免税顧客への商品の国内供給に適用されない場合があります。

税金適用ルールを作成する際に考慮する重要な点は、税金が適用されないと判断された場合、税金明細が作成されないことです。ただし、免税または特別レートに基づいて免税とみなされる場合は、レポート目的のために税金明細が作成されます。

ノート: 税金コードを使用して税金、税金ステータスおよび税率を導出する、標準税分類コードのアプローチを使用して移行したデータの場合、税金の適用可能または適用不可をデフォルトで設定することも、税金適用ルールを使用して設定することもできます。

直接税率決定ルール

税務処理基準を作成する必要があるが、税金適用、税金ステータスおよび税率に対して個別のルールは不要な場合は、直接税率決定ルール・タイプを作成できます。直接レート・ルールとアカウント・ベースの直接レート・ルールでは、適用ルールとデフォルトを評価せずに、税金適用、税金ステータスおよび税率が決定されます。

直接税率決定ルールが正常に評価されると、税金は適用可能で、ルールに定義された税金ステータスおよび税率が税金決定で使用されます。直接税率決定ルールが正常に評価されない場合は、税金適用ルールを使用して税金決定プロセスが再開されます。

税金ゾーンの作成

税金ゾーンを使用して、同じ税金要件を共有する既存の地域をグループ化します。税制を設定した税金ゾーンを使用して、特別な地域に税金要件を指定できます。税金ゾーンを使用して、税金レポート目的の地域の関連グループを表す親税制を作成することもできます。特定の地理的な場所に適用する税務処理基準を作成するには、税務処理基準を設定した税金ゾーンを使用します。税金ゾーンの使用はオプションであり、全体的な税金設定プランニングによって異なります。

たとえば、国の一部に個別の経済コミュニティが存在する場合、次のいずれかを設定できます。

  • 税金ゾーンおよび該当する地域に対応する税制。

  • 国の税制。さらに適用ルールを使用して、税金要件が適用されない地域を国から除外。

「税金適用の許可」オプションの使用

「税金適用の許可」オプションを使用して、特定のイベント区分のトランザクションに関する税金をOracle Fusion Taxで計算するかどうかを決定します。このオプションは、「構成所有者税金オプション」ページで使用可能で、各アプリケーション・イベント区分のデフォルトの税金設定を確認できます。Oracle Fusion Taxでは、各イベント区分に属するトランザクションの税金の決定と計算の基準として、これらの設定を使用します。

「税金適用の許可」オプションが設定されている場合は、次のようにこのオプションを設定できます。

  • このイベント区分に属するトランザクションに関係するサプライヤまたはサプライヤ・サイトの役割を果たす第三者および第三者サイトのパーティ税金プロファイル内。

  • トランザクションのサプライヤとしての役割も果たす顧客用。

「インポート済文書の追加適用の実行」オプションの使用

「インポート済文書の追加適用の実行」オプションを使用して、Oracle Fusion Taxで税金適用プロセスを実行し、インポート済文書で欠落した税金を特定するかどうかを指定します。このオプションは、「構成所有者税金オプション」ページでも使用可能で、買掛/未払金イベント区分にのみ適用されます。トランザクションに自己申告が適用される場合は、インポート済文書に含まれていない税金が自己申告としてマークされます。