プロジェクト契約請求書承認ワークフロー

承認のためにプロジェクト契約請求書が発行されると毎回、「プロジェクト契約請求書承認」ワークフローがトリガーされます。このワークフローにより構成済の割当先に通知され、その割当先は送信された請求書を承認または否認するか、必要に応じて詳細情報を調べる必要があります。

BPMワークリスト・ツールでは、このワークフローはInvoiceApprovalHumantaskと呼ばれ、このワークフローのデフォルトの受信者は請求書が発行された契約の管理者です。
ノート: UIまたはRESTコールを使用してプロジェクト契約請求書を送信するときに承認ワークフローをスキップするようにアプリケーションに指示するには、PJB_NO_INV_APPR_WFという名前のプロファイル・オプションを作成し、その値をYに設定します。

契約請求書承認プロセス

契約承認プロセス

エージェント 摘要 追加情報
請求スペシャリスト 「請求書の管理」、「請求書概要」または「請求書の編集」ページを使用して、承認のために請求書を発行します。 請求書の処理の詳細は、プロジェクト収益および請求の使用ガイドを参照してください。
契約請求書承認ワークフロー プロジェクト契約請求書を発行されるとすぐに、ワークフローにより、構成されているとおりに、構成済のすべての割当先にEメール通知またはアプリケーション内通知を使用して通知が送信されます。 承認ワークフロー通知をカスタマイズする方法の詳細は、共通アプリケーションの実装ガイドの「ワークフロー通知」を参照してください。
ワークフロー割当先 割当先が請求書をレビューして承認または否認するか、詳細情報を調べます。

ワークフローでパラレル承認者が使用されている場合、投票率ルールを使用して最終承認が決定されます。

BPMワークリストを使用して承認ワークフローを更新する方法の詳細は、共通アプリケーションの実装ガイドの「ワークフロー承認および通知」を参照してください。

契約請求書承認ワークフロー ワークフローにより、請求書ステータスが「承認済」または「否認済」に更新されます。 該当なし
契約請求書承認ワークフロー

請求書ステータスが更新されると、ワークフローによって次のタスクが実行されます。

  • 請求書が承認されると、ワークフローにより構成済受信者に通知が送信されます(構成されている場合)。それ以外の場合、ワークフローは終了します。
  • 請求書が否認されると、結果を示す通知が発行者(請求スペシャリスト)に送信されます。

請求書が承認されると、請求スペシャリストは請求書をリリースできます。

請求書が否認された場合、発行者(請求スペシャリスト)は請求書を「ドラフト」ステータスに戻し、適切に更新して、必要に応じて承認のために再発行します。このアクションによりワークフローがトリガーされ、指定された承認者は構成されているとおりに新しい通知を受け取ります。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの構成

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの構成方法の詳細は、分析とレポートの作成ガイドの次のトピックを参照してください。

  • 買掛/未払金ワークフロー通知の構成
  • Oracle Business Intelligence (BI) Publisherを使用した請求書承認ワークフロー通知の変更の例

ワークフローおよび通知のカスタマイズに関する一般的なガイダンスは、アプリケーションの実装ガイドのワークフロー承認および通知に関する項を参照してください。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの構成可能属性

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの動作を構成するために使用できる属性は多数あります。これらの属性は、次のものに関連付けられています。

  • 処理中の請求書(下の「請求書属性」を参照)
  • 請求書が関連付けられているプロジェクト(下の「プロジェクト属性」を参照)
  • プロジェクトが関連付けられている契約(下の「契約属性」を参照)

請求書属性

次に、プロジェクト契約請求書承認ワークフローの動作をカスタマイズするために使用できる主要なプロジェクト契約請求書属性がリストされた表を示します。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの変更に使用する主要請求書属性

属性 摘要
InvoiceId 請求書の一意の識別子。
InvoiceNum プロジェクト内のドラフト請求書を識別する連番。
ContractId 請求書に資金を提供する契約の識別子。
BillToCustAcctId 請求書の送信先となる顧客IDの識別子。
BillToDate プロジェクトの請求期限の日付。支出項目日が請求終了日以前の支出項目と、完了日が請求期日以前であるイベントは請求書に含めることができます。
InvoiceDate Oracle Receivablesに渡される請求書日付で、請求書支払期日の計算に使用されます。請求書のリリース時に、この日付はリリース日からデフォルト設定されます。ユーザーは、リリース時に請求書日付を上書きできます。
InvoiceStatusCode 請求書の支払ステータスに関連付けられたコード。指定できる値はY、NまたはPです。
InvoiceTypeCode 請求書のタイプに関連付けられたコード(「標準」、「クレジット・メモ」、「貸倒償却」、「正味請求書」、「取消済」など)。
ApprovedDate ドラフト請求書が承認された日付。
ApprovedByPersonId 請求書を承認した従業員の一意の識別子。
OrgId 請求書に関連付けられているビジネス・ユニットの一意の識別子。
ContractNumber 請求書に関連付けられた契約番号。
MajorVersion 請求書が作成される契約のメジャー・バージョン番号。
InvCurrInvAmt 請求書が作成される金額。
ContractAdminEmail 契約の管理者のEメール・アドレス。
BillToCustName 請求書が送信される顧客の名前。
InvoiceCurrencyCode 請求書が生成される金額に関連付けられた通貨コード。
ContractAdminName 契約の管理者の名前。
InvoiceTypeName 請求書に使用される、「標準」、「クレジット・メモ」、「貸倒償却」、「正味請求書」、「取消済」などなどの請求書タイプ。
BillFromDate プロジェクトの請求期限の日付。
CustPoNumber 請求書が発行される購買オーダー。
ContractTypeId 請求書に関連付けられた契約が属する契約タイプの一意のID。
InvoiceComment 請求書に印刷できるフリー・テキスト・コメント。請求書コメントは、プロジェクトに定義された請求書コメントからデフォルト設定されます。この値は、ドラフト請求書ごとにユーザーが上書きできます。
CreditMemoReasonCode クレジット請求書をリリースする事由コード。
InvoiceInstructions 請求書指示。
ContractStatusCode 契約の履行ステータスに関連付けられたコード。
CreditedInvoiceId クレジット・メモまたはデビット・メモによって完全に戻し処理可能な請求書の識別子。
BillingTypeCode プロジェクトで使用される請求タイプに関連付けられたコード。
ContractType これは、Oracleによって内部的に使用される一時表です。
BillingType プロジェクトで使用される請求タイプ。これは、「外部」、「会社間」または「プロジェクト間」のいずれかです。
CreditedInvoiceNumber クレジット・メモまたはデビット・メモによって完全な戻し処理が必要な請求書の番号。
BUName 請求書に関連付けられているビジネス・ユニットの名前。
CreditMemoReason 国の政府または中央銀行が提供するコード。これらのコードは、支払事由に関する追加詳細を支払システムまたは銀行に提供するものであり、規制レポートに使用されます。
ContractStatus 契約のステータス(ドラフト、取消済、承認待ちなど)。
ProjMgrsUserNames 請求書に関連付けられたプロジェクトに関連付けられたプロジェクト・マネージャの名前。
ParallelVotingPercentage 請求書の承認のために必要な投票の割合。
請求書ヘッダー・フレックスフィールド 請求書明細の作成に使用される、サプライヤ、サプライヤ・サイト、請求書番号、請求書日付およびデフォルト情報などの一般情報。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローで使用される主要プロジェクト属性

次に、プロジェクト契約請求書承認ワークフローの動作をカスタマイズするために使用できる主要なプロジェクト属性がリストされた表を示します。

ノート: ここにリストされている属性の一部は、BPMワークリストの「タスク構成」タブの条件エクスプローラのフォルダにあります。この表にあるそのような属性すべてに、このフォルダの名前が追加されます。したがって、たとえば、属性ProjectTeamMember > ProjectPartyIdは、ProjectTeamMemberフォルダにあります。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの変更に使用する主要プロジェクト属性

属性 摘要
ProjectId プロジェクトの一意の識別子。
ProjectName プロジェクトの名前。
ProjectNumber プロジェクト番号。
CarryingOutOrganizationId プロジェクトを実行している組織の一意の識別子。
ProjectOrganizationName プロジェクトを実装している組織の名前。
ProjectUnitId 請求書に関連付けられたプロジェクトを実装しているプロジェクト・ユニットの一意の識別子。
ProjectUnitName 請求書に関連付けられたプロジェクトを実装しているプロジェクト・ユニットの名前。
ProjectTypeId プロジェクト・タイプの一意の識別子。
ProjectTypeName プロジェクト・タイプの名前。
BusinessUnitId ビジネス・ユニットの一意の識別子。
BusinessUnitName ビジネス・ユニットの名前。
LegalEntityId プロジェクトを実装している法的エンティティの一意の識別子。
LegalEntityName プロジェクトを実装している法的エンティティの名前。
WorkTypeId 請求書が作成されるタスクに関連付けられた作業タイプの一意の識別子。
WorkTypeName 請求書が作成されるタスクに関連付けられた作業タイプの名前。
ProjectCurrencyCode プロジェクトの金額でデフォルトで使用される通貨コード。
ProjectLedgerCurrencyCode プロジェクト元帳の金額でデフォルトで使用される通貨コード。
SponsoredFlag プロジェクトがスポンサードかどうかを示すフラグ。
ProjectTeamMember > ProjectPartyId 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーのプロジェクトへのパーティ割当の一意の識別子。
ProjectTeamMember > TeamMemberRoleId 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーに割り当てられたロールの一意の識別子。
ProjectTeamMember > TeamMemberRoleName 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーに割り当てられたロールの名前。
ProjectTeamMember > TeamMemberPersonId 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーの一意のID。
ProjectTeamMember > TeamMemberEmailAddress 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーのEメール・アドレス
ProjectTeamMember > TeamMemberUserName 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーの名前
ProjectTeamMember > StartDateActive 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーの開始日。
ProjectTeamMember > EndDateActive 請求書が作成されたタスクに関連付けられたプロジェクト・チーム・メンバーの終了日。
プロジェクト・フレックスフィールド 組織で使用するために作成されたカスタムのプロジェクト関連フレックスフィールド。
ProjectClassification > ProjectClassCategory 請求書に関連付けられたプロジェクトが属するプロジェクト区分カテゴリ。
ProjectClassification > ProjectClassCode 請求書に関連付けられたプロジェクトが属するプロジェクト区分カテゴリに属するプロジェクト区分コード。

契約属性

次に、プロジェクト契約請求書承認ワークフローの動作をカスタマイズするために使用できる主要な契約属性がリストされた表を示します。

プロジェクト契約請求書承認ワークフローの変更に使用する主要契約属性

属性 摘要
ContractId 請求書に関連付けられている契約の一意の識別子。
契約ヘッダー・フレックスフィールド 組織で使用するために作成されたカスタムの契約関連フレックスフィールド。

プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知

プロジェクト契約請求書承認ワークフローは、次の場合に通知を送信します。

  • 請求書の承認が必要である。
  • 請求書が承認または否認された。
  • 請求書の詳細情報が必要である。

プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知の内容

プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知には、次の詳細が含まれます。

  • ヘッダー

    • 請求書承認の対象<Contract Number>

    • タスク番号: <請求書に関連付けられたタスク番号>。
  • 承認オプション(承認者に送信された場合)
    • 承認
    • 否認
    • 情報の要求
  • コンテンツ・セクション
    • 請求書番号
    • 契約番号
    • 請求先顧客
    • 請求書タイプ
    • 日付
    • 請求書通貨での請求額
    • 請求書通貨での税額
    • 請求日: 自
    • 請求日: 至
  • 請求書明細
    • 明細番号
    • 摘要
    • 請求書通貨での金額
  • 承認オプション(承認者に送信された場合)
    • 承認
    • 否認
    • 情報の要求
  • 承認履歴: 承認者ごとに1行。
    • 承認者
      • 割当先 / 承認者 / 棄却者 <承認者の名前>
      • 割当 / 承認 / 否認の日時
    • 送信者
      • 送信者<送信者の名前>
      • 送信の日時
    • 請求書へのリンク

プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知のカスタマイズ

プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知のカスタマイズの詳細は、Oracle Analytics Publisherを使用した請求書承認ワークフロー通知の変更の例を参照してください。

BPMワークリスト・ツールでワークフロー通知を使用する方法のガイダンスは、『共通実装アプリケーション』ガイドのワークフロー通知を参照してください。

通知テンプレートのカスタマイズ

プロジェクト契約請求書承認ワークフローで使用されるテンプレートおよびデータ・モデルは、Oracle BI Publisherカタログの「共有フォルダ」→「プロジェクト」→「ワークフロー通知」→「プロジェクト請求」フォルダにあります。このフォルダのProjectContractInvoiceApprovalReportファイルに、通知レポートで使用されるテンプレートが含まれています。「プロジェクト請求」→「データ・モデル」フォルダを展開して、通知レポートで使用されるデータ・モデルが含まれるProjectContractInvoiceApprovalDMファイルにアクセスします。

通知テンプレートをカスタマイズする方法については、共通実装ガイドの「構成可能な通知」を参照してください。プロジェクト契約請求書承認ワークフロー通知をカスタマイズする方法の詳細な手順は、Oracle Analytics Publisherを使用した請求書承認ワークフロー通知の変更の例を参照してください。

手順: プロジェクト契約請求書の自動承認の設定

このユース・ケースでは、プロジェクト契約請求書の自動承認を設定します。つまり、新規請求書をレビューおよび承認する必要があるデフォルトの関係者にすべての請求書をルーティングするのではなく、すべての新規請求書が自動的に承認され、処理のために転送されるようにInvoiceApprovalHumantaskを構成します。

プロジェクト契約請求書の自動承認を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 「設定および保守」→「プロジェクト財務管理用タスク構成の管理」にナビゲートします。

    BPMワークリスト・ツールが表示されます。

  2. InvoiceApprovalHumantaskを検索して開きます。
  3. 「タスクの編集」アイコンをクリックして、タスクを編集モードで開きます。
  4. 「タスク構成」ページの「割当て先」タブをクリックします。

    このタブには、ワークフローの関係者が表示されます。これらのユーザーの承認があって初めて、プロジェクト請求書の処理が可能となります。これらの各関係者をクリックして、それぞれの承認の選択に適用されるワークフロー・ルールをレビューします。

  5. ワークフローで「契約請求書単一承認関係者」をクリックし、「ルールに移動」アイコンをクリックし、表示される「ルールに移動」オプションをクリックします。

    選択した関係者に関連付けられたルールのリストが表示されます。

    デフォルトの場合、ワークフローではプロジェクト契約請求書を承認のために契約管理者に送信します。この要件は削除でき、その場合に承認要求はルーティングされません。

  6. ルールの「THEN」セクションの「最上位の参加者」フィールドの隣にあるチェック・ボックスを選択します。これにより、ルールの上の「アクションの削除」アイコンが有効になります。アクションを削除するには、このアイコンをクリックします。これでプロジェクト請求書のデフォルト承認者が削除され、すべての新規請求書が自動的に承認されるようにルールを構成する必要があります。
  7. 空になったルールの上の「アクションの挿入」アイコンをクリックし、表示されるドロップダウン・オプションから「承認者の追加」「スーパーバイザ」を選択します。
  8. 「レベル数」フィールドに1と入力します。
  9. 次のステップを実行して、「開始参加者」を追加します。これは、承認プロセスの最初の関係者(通常はマネージャ)です。
    1. 「開始参加者」の横にある「検索」アイコンをクリックします。

      「階層参加者の追加」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    2. 請求書を承認する必要があるユーザーを指定する場合は、「ユーザーの取得」ラジオ・ボタンを選択します。
    3. 「参照ユーザー」フィールドの隣にある「式ビルダー」アイコンをクリックします。

      「式ビルダー」ダイアログ・ボックスが表示されます。

    4. 式ビルダーで「タスク」→「作成者」オプションをクリックし、「式に挿入」をクリックします。

      「式」フィールドの値はタスク.作成者となります。

    5. 「OK」をクリックして式ビルダーを終了し、承認者の参照ユーザーとしてタスク.作成者を追加します。これにより、ワークフローにおいてタスクの作成者が承認者となります。
    6. 「階層タイプ」フィールドに""と入力して、タスク作成者が任意の階層タイプに属すことができることを示します。
    7. 「OK」をクリックして、これらの詳細を「開始参加者」フィールドに移入します。

      このフィールドの値は、HierarchyBuilder.getPrincipal(タスク.作成者、-1、""、"")となります。

  10. 「最上位の参加者」フィールドに同じ値を移入します。最上位の関係者は要求の最終承認者です。
  11. 「自動アクションの有効化」「True」に設定します。
  12. 「自動アクション」"APPROVE"(引用符を含む)を指定して、すべてのプロジェクト契約請求書承認要求を自動的に承認するようアプリケーションに指示します。
  13. 更新を「保存」して「コミット」し、必要に応じて「コメント」を入力します。「OK」をクリックします。

これで、タスク作成者の名前を承認者として使用して、すべての新規プロジェクト契約請求書承認要求を自動的に承認するようにInvoiceApprovalHumantaskワークフローを構成しました。