リソース・マッピングの計算方法

「マッピングの更新」プロセスは、実績コストおよび収益と、プロジェクト・プランニングおよび予測用に保存された最新のプランニング・リソースを一致させます。集計済実績コストおよび収益は、プロジェクト・パフォーマンス・レポート用に再計算されます。

リソース・マッピングに関する考慮事項

「マッピングの更新」プロセスを使用するときは、次のことを考慮します。

  • リソース・マッピングは、リソース書式の変更またはリソースの追加を行い、リソース・ブレークダウン・ストラクチャを保存した後に更新できます。

  • ベースライン・プロジェクト・プランの値は、「マッピングの更新」プロセスの影響を受けません。

  • 「マッピングの更新」プロセスは、プロジェクト・レベルでのリソース変更を許可しない場合にのみ適用されます。

    ヒント: プロジェクト・レベルでのリソース変更を許可する場合は、プロジェクト・プランに対して「実績金額の更新」処理を使用して、プロジェクト・プランに関するすべてのタスクの実績金額を更新します。プロジェクト・パフォーマンス・データをレポート用に集計するには、プロセス・モニターを使用してプロセスを開始します。
  • 「マッピングの更新」プロセスの実行後、新しい実績コストを反映するには、予測バージョンを再生成します。

リソース・マッピングの計算方法

プロジェクト・タスクに割り当てられているすべてのリソースのコスト影響を追跡し、リソース・ブレークダウン・ストラクチャを使用してこれらのコストの内訳を表示できます。プロジェクトでは、タスクに使用されるリソースのコストはリソース・ブレークダウン・ストラクチャの分岐およびレベルに関連付けられます。適切な関連付けを決定するプロセスは、優先度ルールによって管理されます。

プロジェクトでは、次のルールを使用して、コスト金額がリソースに関連付けられます。

  • トランザクションのマップ先となるリソース・ブレークダウン・ストラクチャの最下位レベルを選択します。

    • トランザクションのマップ先となるレベルが1つのみである場合、コスト金額はそのレベルにマップされます。

    • トランザクションが複数のレベルにマップされる場合は、分岐内のすべてのリソース・タイプの優先番号が合計され、合計が最も小さい分岐のリソース要素が優先されます。

    • 最も小さい優先番号が複数の分岐の最下位レベルにある場合は、1つ上のレベルの優先番号が使用されます。

  • 優先番号の合計が複数の分岐で同じ場合は、最下位レベルの番号が最も小さい分岐が優先されます。

    • ある分岐にユーザー定義リソース・タイプが含まれる場合は、ユーザー定義リソース・タイプが含まれていない分岐が優先されます。

リソース・ブレークダウン・ストラクチャに指定個人リソース書式が含まれ、プランニング・トランザクションにも指定個人が含まれている場合、指定個人のプロジェクト・コストが指定個人リソース書式にマップされます。たとえば、リソース・ブレークダウン・ストラクチャに「指定個人」および「ジョブ: 組織」リソース書式が含まれている場合、指定個人リソース書式が優先されます。ただし、指定個人リソース書式が複数ある場合は、すべてのリソース書式を考慮して、最も詳細なレベルが優先されます。たとえば、リソース・ブレークダウン・ストラクチャに「組織: 指定個人」および「組織: 指定個人: ジョブ」リソース書式が含まれている場合、マッピングは「組織: 指定個人: ジョブ」リソース書式に行われます。

プロジェクトでは、優先番号が小さいほど、優先度は高くなります。たとえば、優先番号が1のリソース要素は、優先番号が10のリソース要素より優先されます。

次の表に、優先度ルールを示します。

リソース・タイプ

「労務」リソース区分での優先度

「機材」リソース区分での優先度

「資材品目」リソース区分での優先度

「財務リソース」リソース区分での優先度

指定個人

1

1

1

1

プロジェクト非労務リソース

3

3

3

3

在庫品目

5

5

5

5

ジョブ

6

6

6

6

品目カテゴリ

8

8

8

8

支出タイプ

9

9

9

9

イベント・タイプ

10

10

10

10

支出カテゴリ

11

11

11

11

収益カテゴリ

12

12

12

12

組織

13

13

15

15

システム個人タイプ

14

14

14

14

サプライヤ

15

15

13

13

リソース区分

16

16

16

16

優先度ルールを使用したリソース・マッピングの例

この例に、優先番号の合計が複数の分岐で同じ場合に、最下位レベルの番号が最も小さい分岐が優先されることを示します。
優先番号の合計が複数の分岐で同じ場合に、最下位レベルの番号が最も小さい分岐が優先されることを示す図。

この例では、出張経費が発生しているプリンシパル・コンサルタントのタイム・カード・トランザクションが2つの分岐にマップされます。

  • 最初の分岐は、2つのレベルで構成されています(1-個人タイプ: 従業員1.1-ジョブ: プリンシパル・コンサルタント)。最上位レベルの優先番号は14、最下位レベルの優先番号は6であり、分岐での合計は20になります

  • 2番目の分岐も、2つのレベルで構成されています(2-支出カテゴリ: 経費2.1-支出タイプ: 出張)。最上位レベルの優先番号は11、最下位レベルの優先番号は9であり、分岐での合計は20になります。

トランザクション・コスト金額は、最下位レベルで最も小さい番号(6)のジョブ: プリンシパル・コンサルタントというリソース要素にマップされます。

タスクでリソースが計画されていない場合のコストの汎用リソースへのマッピング

一致するリソースがリソース・ブレークダウン・ストラクチャに存在するが、タスクで計画されていない場合、アプリケーションは未計画コストを作成するのではなく、コストを汎用リソースにマップします。

リソース・ブレークダウン・ストラクチャに次のリソース書式があるとします。

リソース書式

  • リソース区分
  • リソース区分: 支出タイプ
  • リソース区分: 支出タイプ: ジョブ
  • リソース区分: 支出タイプ: 指定個人
  • 労務
  • 労務: 専門
  • 労務: 専門: コンサルタント
  • 労務: 専門: Amy Marlin

リソースが指定個人レベルではなくジョブ・レベルで定義されている場合、アプリケーションでは、リソース・ブレークダウン・ストラクチャで使用可能な「労務: 専門: コンサルタント」リソースと実績コストが一致すると判断されます。次に、タスクに正確なリソースが計画されているかどうかが確認されます。その場合、コストがその計画リソースにマップされます。ここでは、「労務: 専門: コンサルタント」です。

リソースが個人レベルで定義され、上位レベルのリソースがタスクで計画されていない場合、リソース・ブレークダウン・ストラクチャで使用可能な「労務: 専門: Amy Marlin」リソースと実績コストが一致すると判断されます。次に、タスクに正確なリソースが計画されているかどうかが確認されます。完全一致がない場合は、上位レベルのリソース(「労務: 専門」または「労務」など)がタスクで計画されているかどうかがさらに確認されます。一致が見つからない場合、リソース・ブレークダウン・ストラクチャから最適な一致リソースが未計画リソースとして作成され、コストがその未計画リソースにマップされます。この場合、「労務: 専門: Amy Marlin」です。

リソースが個人レベルで定義され、上位レベルのリソースがタスクで計画されている場合、リソース・ブレークダウン・ストラクチャで使用可能な「労務: 専門: Amy Marlin」リソースと実績コストが一致すると判断されます。次に、タスクに正確なリソースが計画されているかどうかが確認されます。完全一致がない場合は、上位レベルのリソース(「労務: 専門」または「労務」など)がタスクで計画されているかどうかがさらに確認されます。労務に対して一致が存在することを検出し、その計画リソース(この場合は「労務」)にコストをマップします。