作業オーダーにおけるファントム展開の概要

ファントムとは、製造の次のステージまたはレベルで使用される前の、物理的に作成されているが在庫保有されていない製品を表します。これは、同じ品目名を持つコンポーネントのグループを移動するための方法です。親製品品目の作業定義を作成するときに、コンポーネントの供給タイプをファントムとして指定できます。ファントムの作業定義は、他の製品品目と同様に定義できます。

作業定義を参照する作業オーダーの作成中には、次のことが発生します。

アプリケーションにより、指定された作業定義日に基づいて適切な作業定義バージョンが選択され、作業定義の工程、リソースおよびコンポーネント品目をコピーすることによって作業定義が展開されます。
工程に対してファントム供給を持つコンポーネント品目が必要な場合は、ファントム品目の作業定義が検索され、その構成コンポーネントおよびリソースを同じ工程にコピーすることで同じ作業定義が展開されます。
継承する必要があるのがコンポーネントのみか、またはコンポーネントとリソースの両方かは、工場パラメータの「ファントム工程継承」によって決定されます。
展開プロセス中に複数レベルのファントムが検出された場合は、それ以上子ファントムが検出されなくなるまですべてのレベルが展開されます。
どのレベルにおいても、ファントムの作業定義が展開プロセスによって見つけられない場合は、品目構成を使用してそのファントム・レベルおよび下位レベルが展開されます。ファントム品目に対して品目構成も定義されていない場合は、そのノードはそれ以上展開されません。

ノート: ファントム組立品は、トップ・レベル組立品を表す場合、つまりそれに対して作業オーダーを作成する場合は、通常の組立品と同様に動作します。ただし、これは部分組立品であるため、個別の組立品としてのアイデンティティは失われます。またこれは、コンポーネントおよびリソースのコレクションです。

ノート: 同じ品目を、特定の作業定義のファントム供給および他の作業定義の通常の在庫コンポーネントで使用できます。

プロセス製造のファントム展開

プロセス製造でのファントム展開は、次のビジネス・ルールに準拠しています。

ファントム入力品目の展開時には、アプリケーションは「ショップ型製造」および「プロセス製造」の作業方法が混在しない状態になるように、「プロセス製造」作業方法に制限されます。
コンポーネントとリソースは同じ工程に継承されます。これは、ファントム入力品目では、ファントム工程継承では工場パラメータを保持しますが、ファントム作業定義の複数の出力品目は無視するためです。
ファントム作業定義が存在しない場合は、ファントム品目構成を考慮します。
ファントム内のファントムの場合、構成が考慮されると、作業定義は再度考慮されず、構成のみに基づいて展開が続行されます。