シェアード・サービス・センターに関するガイドライン

Oracle Fusion Cloud Applicationsでは、共有サービス・センターが2つの方法でサポートされます。第1に、ビジネス・ユニット・セキュリティにより、共有サービス・センター担当がクライアントと呼ばれるその他のビジネス・ユニットのトランザクションを処理できるようになりました。

第2に、サービス・プロバイダ・モデルによってこの機能が拡張され、ビジネス・ユニットおよび共有サービス・センター内のその担当がクライアント・ビジネス・ユニットのトランザクションに関する作業を行えるようになりました。サービス・プロバイダ・ビジネス・ユニットのクライアントを表示することも、クライアント・ビジネス・ユニットのサービス・プロバイダを表示することもできます。

共有サービス・センターはクライアント・ビジネス・ユニットにサービスを提供し、クライアント・ビジネス・ユニットはその他の法的エンティティの一部にすることができます。このような場合、相互賦課および控除は、単に総勘定元帳内の配賦ではなく、売掛/未収金請求書の形式になるため、内部制御がなされて不適切な処理が防止されます。

たとえば、従来のローカル運営において、あるビジネス・ユニットの請求書は、別のビジネス・ユニットからの支払として処理できません。対照的に、共有サービス・センター環境では、あるビジネス・ユニットに他者にかわってサービスを実行させる処理(請求書の支払など)が許可され、適切な会社間会計とともに行われます。共有サービス・センターは、様々なビジネス・ユニットのデータへのアクセスをユーザーに提供するほか、様々な地域要件に準拠できます。

セキュリティ

ビジネス・ユニットを設定すると、ユーザーが実行できる機能と処理できるデータとの間の関係が作成され、効果的なセキュリティが構築されます。このセキュリティ・モデルは、ローカル・ビジネス・ユニットがその財務機能および管理機能のあらゆる側面の管理について全責任を負うビジネス環境に適しています。

Oracle Fusion Applicationsでは、ビジネス・ユニットを設定するためのユーザー・インタフェース上で、ビジネス・ユニットが実行するビジネス機能がはっきりとわかるようになっています。共有サービスに対応するには、ビジネス・ユニット・セキュリティを使用して、機能とデータの関係を拡張します。ユーザーは、多数のビジネス・ユニットにアクセスできます。これが共有サービス・アーキテクチャの核をなします。

たとえば、多くのビジネスでオーダーを受けることができます。オーダーはビジネス・ユニット別に分けられます。ただし、これらのオーダーはすべて、複数のビジネス・ユニットにアクセスできるユーザーにより、外部委託環境の共有サービス・オーダー・デスクから管理されます。

利点

手短に言えば、大企業も中小企業も、共有サービス・センターを実装することによって恩恵を受けます。共有サービス・センターが一般に実装される機能領域の例には、調達、支出、回収、オーダー管理および人事があります。これらの共有サービス・センターを配置する利点は次のとおりです。

  • 処理における制御ポイントおよびバリエーションの数を減らして集約し、エラーのリスクを軽減します。

  • 地域的および国際的な要件に対するコーポレート・コンプライアンスを向上させ、レポート作成を効率化します。

  • 標準的なビジネス・プラクティスを実装し、企業全体における一貫性および企業目標への準拠を確かなものにします。

  • グローバルなプロセスおよびデータへのアクセシビリティを確立し、管理上のレポートおよび分析を向上させます。

  • 新規ビジネス・ユニットを迅速かつ効率的に法人化し、設立費用を軽減します。

  • 集中管理機能と分散機能の適切なバランスを確立し、意思決定を改善します。

  • セルフサービス・プロセスを自動化し、管理費を削減します。

  • ビジネス・ユニットがコア・コンピテンスに集中できるようにし、企業全体の利益を伸ばします。