資産カテゴリの概要
資産カテゴリを使用すると、減価償却方法や按分方法など、資産グループに共通する情報を定義できます。
一般カテゴリ情報には、カテゴリの摘要と、このカテゴリの資産がリースか所有か、動産か不動産か、資産計上かどうかなどのデフォルト情報が含まれます。また、デフォルトで資産が実地棚卸に含まれるか、Oracle Assetsで使用可能にするかも指定できます。
資産カテゴリには、次のものも含まれます。
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総勘定元帳勘定科目
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デフォルト減価償却ルール
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税務台帳減価償却ルール
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デフォルト従属資産減価償却ルール
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グループ資産減価償却ルール
総勘定元帳勘定科目
カテゴリの設定時に、総勘定元帳勘定科目をカテゴリに割り当てます。
資産カテゴリの定義時に、次の総勘定元帳勘定科目を割り当てます。
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資産取得価額勘定: 資産取得価額を総勘定元帳に消し込みます。Assetsでは、追加、除・売却、取得価額変更、振替、組替、資産計上を反映するために、この勘定科目の仕訳が作成されます。
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資産精算勘定: 手動による資産取得と取得価額修正のために、買掛/未払金システムとAssetsを突き合せます。一括追加の場合、Assetsでは、一括追加明細に付属する完全な勘定科目組合せを使用して、資産取得または取得価額修正を買掛/未払金システムと突き合せます。
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減価償却費勘定: このカテゴリの資産の減価償却を賦課し、この勘定に記帳します。
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減価償却累計額勘定: この勘定科目を、このカテゴリの資産取得価額勘定の相対勘定として使用します。
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ボーナス減価償却費勘定: ボーナス・レートを設定している場合は、この勘定科目を使用します。ボーナス減価償却費勘定に値を入力しない場合、デフォルトで減価償却費勘定に設定されます。
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ボーナス償却累計額勘定: この勘定科目を使用して、ボーナス償却累計額を転記します。ボーナス償却累計額勘定に値を入力しない場合、デフォルトで減価償却累計額勘定に設定されます。
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建設仮勘定取得価額勘定: 建設仮勘定(CIP)資産取得価額を総勘定元帳に消し込みます。
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建設仮勘定精算勘定: この勘定は、建設仮勘定取得価額勘定を入力した場合に使用します。
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未計画減価償却費勘定: このカテゴリの資産について未計画減価償却を賦課し、この勘定に記帳します。
デフォルト減価償却ルール
各台帳のカテゴリごとにデフォルトの減価償却ルールを設定します。また、カテゴリに対して設定するデフォルトの減価償却ルールは、指定した事業供用日範囲によって異なります。資産をすばやく追加できるように、資産を追加する際にAssetsによって減価償却ルールがデフォルト設定されます。デフォルトが適用されない場合は、個々の資産のデフォルトの多くを上書きできます。
資産カテゴリの定義時に、次のデフォルトの減価償却ルールを設定します。
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事業供用範囲: 資産を追加する際、資産、カテゴリおよび台帳の事業供用日に従って、減価償却ルールがデフォルト設定されます。デフォルト減価償却ルールの範囲は、必要な数だけ指定できます。終了日を空白のままにすると、その減価償却ルールのセットが無期限に使用されます。
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償却費計上: 「償却費計上」チェック・ボックスでは、資産が通常この帳簿とカテゴリで減価償却されるかどうかを指定します。
ノート: 「償却費計上」チェック・ボックスが選択されている場合でも、経費計上資産は減価償却されません。 -
方法: この台帳とカテゴリの資産に対するデフォルトの減価償却方法を指定します。
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耐用期間ベースの方法を入力する場合は、資産耐用期間を年数と月数で入力する必要があります。表ベースの方法では、この台帳の按分用カレンダと同じ期間数を入力する必要があります。
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定率法を入力する場合、この台帳およびカテゴリで資産を減価償却するために通常使用する普通償却率および割増後償却率のデフォルト値を入力する必要があります。税務台帳でこのカテゴリを定義する場合は、ボーナス・ルールを入力することもできます。
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減価償却限度タイプ: 資産の耐用期間後の年度において、償却対象額を超えて資産を減価償却するかどうかを指定します。
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ボーナス・ルール: この台帳およびカテゴリの資産に対するデフォルトのボーナス・ルールを指定します。すべての減価償却方法を使用して、会計用資産台帳および税務台帳にボーナス・ルールを使用できます。
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按分方法および除・売却年度償却: この台帳およびカテゴリの資産に割り当てられたデフォルトの按分方法および除・売却年度償却を指定します。
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デフォルト残存価額: このカテゴリ、台帳および事業供用日の範囲に対して、デフォルトの残存価額パーセントを指定します。このルールは、この台帳で残存価額のデフォルトのパーセントを使用することを選択した場合にのみ有効です。
たとえば、残存価額を取得価額の10%にデフォルト設定する場合は、10と入力します。資産取得価額に影響するトランザクションを実行すると、次の算式に従って残存価額を計算するために、このデフォルトのパーセントが使用されます。
残存価額 = 取得価額 * デフォルト・パーセント
税務台帳の場合は、オプションで減価償却費または取得価額限度を入力します。
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償却限度: この税務台帳およびカテゴリの資産に使用される減価償却費限度を指定します。
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キャピタル・ゲイン保留: 資産の除・売却時に資産をキャピタル・ゲインとしてレポートするために、資産を保持する必要がある最小期間を指定します。
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一括資産適用 このカテゴリに追加された資産が一括資産に適格であるかどうかを指定します。一括資産には、カテゴリ、台帳および会計年度の組合せが同じ複数の資産が含まれます。
税務台帳減価償却ルール
次の減価償却ルールは、税務台帳にのみ固有です。
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除・売却損益計算での定額法: 1250(不動産)資産の除・売却による損益を決定するために、定額減価償却方法を使用することを指定します。
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方法: 税務台帳の資産に対するデフォルトの減価償却方法を指定します。
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耐用期間: 税務台帳の資産のデフォルトの年数および月数を指定します。
デフォルト従属資産減価償却ルール
次の減価償却ルールは、親資産の従属資産である資産にのみ固有です。
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ルール: 親資産の耐用期間に基づいて、従属資産のデフォルト耐用期間を指定します。
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なし(フィールドを空白のまま): 従属資産と親資産の耐用期間の間に関連はありません。従属資産の耐用期間は資産カテゴリからデフォルト設定されます。
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同一終了日(耐用期間下限の指定なし): 従属資産は、親資産と同じ日またはカテゴリのデフォルト耐用期間の終了日のうち、いずれか早い日に完全に減価償却されます。従属資産のデフォルトの耐用期間は、親資産の耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間の終了に基づきます。親資産が完全に償却されている場合、従属資産のデフォルトの耐用期間は1か月になります。
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同一終了日(耐用期間下限の指定あり): 親資産の耐用期間が指定した耐用期間下限より短い場合を除き、従属資産は親資産と同日に完全に減価償却されます。従属資産の耐用期間は、親資産の耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間の終了、および耐用期間の下限に基づいて決定されます。親資産の残り耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間の両方が、入力した耐用期間の下限未満の場合は、従属資産の耐用期間の下限が使用されます。そうでない場合は、親資産の残り耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間のいずれか短い方の期間が使用されます。
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同一耐用期間: 従属資産では、親資産と同じ耐用期間が使用されます。同じ期間総数で減価償却されます。親資産より後に従属資産を取得した場合は、親資産の耐用期間の終了日降も減価償却されます。
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耐用期間下限(年数および月数): 従属資産耐用ルールに同一終了日を選択した場合に、従属資産の耐用期間下限を指定します。親資産の残り耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間の両方が、入力した耐用期間の下限未満の場合は、従属資産の耐用期間の下限が使用されます。そうでない場合は、親資産の残り耐用期間とカテゴリのデフォルト耐用期間のいずれか短い方の期間が使用されます。
グループ資産減価償却ルール
次の減価償却ルールは、グループ資産とそのメンバー資産にのみ固有です。
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損益の認識: 除・売却時に損益が認識されないことを指定します。このオプションは、グループ資産のメンバーであるメンバー資産にのみ適用されます。
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最終損益: 最終損益を即時に認識するか、年度末に認識するか、まったく認識しないかを指定します。最終損益は、グループ資産の最後のメンバー資産が除・売却され、グループ資産にその他の資産が追加されない場合に発生します。グループ資産の償却累計額残高は、最終損益金額です。
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超過償却累計額の回収: 超過グループ資産の償却累計額を回収して利益として認識する必要があるかどうかを指定します。
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取得価額に対する純売上代金の限度: 償却累計額に追加できる売上代金が、除・売却メンバー資産の償却対象額に制限されることを指定します。このルールは、損益が認識されないように指定した場合にのみ使用できます。
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追跡方法
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グループ金額の配賦: 計算されたグループ減価償却金額をメンバー資産に配賦するかどうかを指定します。配賦は、メンバー資産の減価償却基準に基づきます。
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メンバー資産金額の計算: 減価償却がメンバー資産レベルで計算されるかどうかを指定します。
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グループ資産: このカテゴリに追加されたすべての資産が割り当てられるグループ資産を指定します。このフィールドにグループ資産番号を入力すると、このカテゴリを使用するすべての資産計上資産および建設仮勘定(CIP)資産が、入力したグループ資産に自動的に割り当てられます。