資産リースの概要
多くの組織では、不動産、航空機、船舶、建設機器、製造装置などの資産をリースしています。資産をリースすることで、資産を所有することに伴うリスクを緩和しながら、資産を利用できます。
リース会計標準のIFRS 16 Leases and FASB Leases (トピック842)に準拠するように、資産リースを作成してください。
Oracle Assetsで実行する処理:
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資産リースを作成し、資産計上するリース負債とコストを計算します。
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リース資産を資産台帳に追加します。
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ファイナンス・リース資産のリース負債に対する定期減価償却費および支払利息を計算します。
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オペレーティング・リース資産の定期リース経費を計算します。
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正しい配分勘定で定期リース支払請求書を生成します。
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Oracle Payablesへのリース支払請求書の転送をスケジュールします。
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リース期間と支払予定を変更し、変更をリース負債に資産計上します。
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リース期間の終了時またはそれ以前に、リースを終了します。
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リース資産のレポートと照会を実行します。
買掛管理で実行する処理:
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資産から転送されたリース請求書の検証と承認、計算を実行します。
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リース請求書を支払期日に支払います。
リース分類
リースはファイナンス・リースとオペレーティング・リースのいずれかに分類されます。次のいずれかのオプションが有効な場合、リースは自動的にファイナンス・リースに分類されます。
フィールド |
値 |
説明 |
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オプションの行使 |
購買 |
賃借人は、リース期間の終了時にリース資産の購買を計画しています。 |
「主リース期間」チェック・ボックス |
選択 |
リース期間は、リース資産の残り経済的耐用期間の75 %以上です。 |
「実質的な現在価値」チェック・ボックス |
選択 |
リース支払の現在価値は、リース資産の公正価格の90 %以上です。 |
「所有権移動」チェック・ボックス |
選択 |
リース資産の所有権は、リース期間の終了時に賃借人に移動されます。 |
「特殊資産」チェック・ボックス |
選択 |
リース資産は、リース期間終了時に賃貸人への代替使用がありません。 |
これらのオプションが有効でない場合、リースはオペレーティング・リースに分類されます。
リース支払予定
リースの設定方法に応じて、リース支払予定はリース・レベルまたは資産レベルの支払予定になります。
支払予定のタイプ |
説明 |
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リース・レベルの支払予定 |
多くの資産は単一のリース契約でリースされ、そのリースに含まれるすべての資産に1つのリース支払予定が設定されます。すべての資産について、リース期間とリース支払金額、利率が同じになります。リース契約に資産固有の条件は規定されません。このタイプのリースでは、単一の資産を追加することも、各リース資産を個別の資産として資産台帳に追加することもできます。リース支払は、定型支払または1回の支払になります。 リースに複数の資産が含まれる場合、資産では、指定した資産数に基づいて、入力したリース・レベルの予定が複数の資産レベルの予定に自動的に分割されます。リース・レベルの予定に加えた変更は、すべての資産レベルの予定に自動的に反映されます。 ノート: 特定の資産のリース支払金額が変更された場合、資産レベルの予定を更新できます。しかし、資産スケジュールに直接変更を加えた場合や、「資産」タブで資産スケジュールを直接追加した場合は、リース・レベルの予定が無効になり、「定型支払」タブと「1回の支払」タブが非表示になります。
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資産レベルの支払予定 |
リースに、特定の期間にわたる単一のリース契約でリースされた複数の異なる資産を含め、それぞれの資産に独自のリース支払予定を設定できます。その場合、資産ごとにリース支払金額と利率が異なることがあります。このタイプのリースでは、リース・レベルの予定を設定できません。「資産」タブで、各資産用に個別の支払予定のみを入力できます。 |
支払予定には次のものが含まれます。
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支払タイプ: 使用する支払いのタイプは、リース支払の頻度に応じて異なります。リース契約では、通常、定型支払と1回の支払の両方が使用されます。
支払タイプ名
説明
支払タイプ
定型支払
リース期間全体で、またはリース期間の一部で、特定の日付に特定の頻度で支払われます。生成される償却スケジュールには、リース期間中に実行されるすべての定型支払が示されます。
定型支払のタイプ:
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定期リース支払
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変動リース金額
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その他の支払
1回の支払
リース期間中、特定の日付に支払われます。
1回の支払のタイプ:
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初期直接費
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前受リース支払
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購入価格
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残余値
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終了ペナルティ
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支払日: 賃貸人に対して支払を実行する必要がある日付です。
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利息支払期日: リース負債の利息を認識する日付です。ファイナンス・リースの場合、リース負債の利息は、利息支払期日が来る期間に認識されます。オペレーティング・リースの場合、オペレーティング・リース経費は、定期リース支払の利息支払期日が来る期間に認識されます。たとえば、リース支払が毎年1月1日に実行される場合、リース負債の利息は毎年12月31日に計算されます。「負債から除外」オプションを有効にしない場合は、利息支払期日を入力する必要があります。
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金額: 賃貸人に対して支払う金額です。
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支払回数: 定期リース支払の場合、リース期間とリース支払頻度、リース支払オプションに基づいて、支払回数が自動的に計算されます。
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利率: 支払タイプが定期リース支払の場合にのみ入力します。すべての支払に対して1つの利率のみが許可されます。支払タイプごとに異なる利率を使用することはできません。
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負債から除外: リース支払がリース負債の計算に含まれるかどうかを示します。
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取得価額から除外: リース支払がリース資産の取得価額の計算に含まれるかどうかを示します。