REDOスレッドは、データベースに加えられた変更をOracleインスタンスがログに記録するために使用するREDOログ・ファイルのセットです。各インスタンスのREDOスレッドには、少なくとも2つのREDOログ・グループが含まれる必要があります。各REDOログ・グループには、少なくとも2つのメンバー、つまりREDOログおよびそのミラー化コピーが含まれます。Oracle DBCAを使用してOracle RACデータベースを作成すると、オラクルの推奨事項を満たす構成がOracle RACデータベースに自動的に実装されます。Oracle ASMではOracle Managed Files(OMF)を使用することをお薦めします。
Oracle RACデータベースでは、すべてのREDOログ・ファイルは共有記憶域に配置されます。また、各インスタンスには、クラスタ内の他のすべてのインスタンスのREDOログ・ファイルへのアクセス権があります。Oracle RACデータベースでOracle ASMが使用されている場合は、Oracle ASMによってREDOログ・ファイルの共有記憶域およびこれらのファイルへのアクセス権が管理されます。
Oracle RACデータベースでは、単一インスタンスのOracle Databaseの場合と同じ方法で、各インスタンスがそのREDOスレッドへのREDOログ・グループの書込みおよびアーカイブを行います。ただし、リカバリ・モードでは、リカバリを実行中のインスタンスは、どのインスタンスがREDOスレッドを生成したかに関係なく、データベースのすべてのREDOスレッドの読取りおよび処理を実行できます。すべてのREDOスレッドの読取りが可能になると、実行中のインスタンスは、障害が発生した1つ以上のインスタンスが完了した作業をリカバリできます。
たとえば、インスタンスAとインスタンスBという2つのインスタンスを持つOracle RACデータベースがあるとします。インスタンスAが停止しても、インスタンスBはインスタンスAとBの両方のREDOログ・ファイルを読み込んでリカバリを正常に完了できます。 ユーザーは、障害が発生したインスタンスの再起動を待たずにデータベースへのアクセスおよび更新を続行できます。
この図では、Oracle ASMディスク・グループを使用することを前提としています。