11 Oracle XML Developer's Kit for Javaの開始
XDK for Javaの使用を開始する方法について説明します。
11.1 XDK for Javaコンポーネントのインストール
XDK for Javaコンポーネントは、Oracle Databaseに付属しています。この章では、Oracle DatabaseとともにXDKをインストールし、Oracle Database Examplesメディアからデモ・プログラムをインストールしたと想定します。
注意:
Oracle XML Developer's Kit (XDK)のコンポーネントを使用してソフトウェア・プログラムを構築すると、外部エンティティ拡張や再帰的拡張など、強力だが危険を伴う可能性のある機能が使用可能になります。XDKを安全に使用する方法の詳細は、「Oracle XML Developer's Kitのセキュリティ上の考慮事項」を参照してください。
XDKディレクトリ構造の詳細は、「XDKのインストールについて」を参照してください。
例11-1に、Java用のOracleホーム・ディレクトリ下の主なディレクトリを示します(これは、UNIXディレクトリ構造です)。サブディレクトリの内容は、例の後に個々に示します。
binディレクトリには、次のコンポーネントが含まれます。
                     
         orajaxb
         orapipe
         oraxml
         oraxsl
         transx
libディレクトリには、次のJARファイルおよびZIPファイルが含まれます。
                     
         classgen.jar
         jdev-rt.zip
         oraclexsql.jar
         transx.zip
         xml.jar
         xml2.jar
         xmldemo.jar
         xmlmesg.jar
         xmlparserv2.jar
         xschema.jar
         xsqlserializers.jar
         xsu12.jar
jlibディレクトリには、次のJARファイルが含まれます。
                     
         orai18n.jar
         orai18n-collation.jar
         orai18n-mapping.jar
         orai18n-utility.jar
jdbcディレクトリには、次のlibサブディレクトリが含まれます。
                     
         | - lib/
              ojdbc6.jar
rdbmsディレクトリには、次のjlibサブディレクトリが含まれます。
                     
         | - jlib/
              xdb.jar
また、xdkディレクトリには、次のdemoサブディレクトリが含まれます。
                     
         | demo/
            | - java/
                 | - classgen/
                 | - jaxb/
                 | - parser/
                 | - pipeline/
                 | - schema/
                 | - transviewer/
                 | - tranxs/
                 | - xsql/
                 | - xsu/
/xdk/demo/javaサブディレクトリには、XDK for Javaコンポーネントのサンプル・プログラムとデータ・ファイルが含まれます。「Oracle XML Developer's Kit for Java」の章では、これらのプログラムを使用して最も重要なJavaの機能を学習する方法について学習します。
                     
関連項目:
表1-1では、個々のXDK for Javaコンポーネントについて説明します。
例11-1 Oracle XML Developer's Kit for Javaのライブラリ、ユーティリティおよびデモ
- $ORACLE_HOME
    | - bin/
    | - lib/
    | - jlib/
    | - jdbc/
    | - rdbms/
    | - xdk/
11.2 XDK for Javaコンポーネントの依存性
Java Development Kit (JDK)を使用する場合のXDK for Javaコンポーネントの依存性について説明します。
XDK for Javaコンポーネントは、JDKバージョン5および6で動作保証およびサポートされています。それより前のJavaはサポートが終了しました。図11-1に、JDK 5を使用する場合のXDK for Javaコンポーネントの依存性を示します。
図11-1 JDK 5の場合のOracle XML Developer's Kit for Javaコンポーネントの依存性

「図11-1 JDK 5の場合のOracle XML Developer's Kit for Javaコンポーネントの依存性」の説明
XDK for Javaコンポーネントには、表11-1のライブラリが必要です。一部のライブラリはXDKに固有ではなく、他のOracle Databaseコンポーネント間で共有されます。
表11-1 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのJavaライブラリ
| ライブラリ | ディレクトリ | 内容 . . . | 
|---|---|---|
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  Javaランタイム・クラス用Extensible Markup Language (XML) Class Generator。 ノート: このライブラリは、下位互換性のみを目的として保持されています。かわりに、  | 
                           
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  | 
                              
                                  Java Development Environment (JDE)でデモを利用する際に使用するJavaグラフィカル・インタフェース(GUI)。  | 
                           
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  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  Java 6用Oracle Java Database Connectivity (JDBC)ドライバ。このJava Archive (JAR)では、8ビット・エンコーディングのUnicode (UTF-8)、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト文字セットを使用する場合、文字セット・サポートは  | 
                           
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  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  XSQLページの作成に必要なXSQLサーブレット・クラスの大部分。 ノート: このJARは  | 
                           
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  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  JDK 1.2以上に対するグローバリゼーション・サポート。これは、他のすべてのグローバリゼーションJARのラッパーであり、文字セット・コンバータを含みます。UTF-8、ISO8859-1またはJA16SJIS以外のマルチバイト文字セットを使用する場合は、XML SQL Utility (XSU)、TransX Utility、XSQLサーブレットのいずれかを使用したXMLファイルのロード中にJDBCが入力ファイルの文字セットをデータベース文字セットに変換できるように、このアーカイブを  | 
                           
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  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  グローバリゼーション照合機能:   | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  グローバリゼーション・ロケールと文字セット名のマッピング:   | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  グローバリゼーション・ロケール・オブジェクト:   | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  TransX Utilityクラス。 ノート: このアーカイブは  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  JAXBおよびパイプライン・プロセッサ・クラス、および次のライブラリのクラス。 
  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  ビジュアルなJavaBeans:   | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  XMLパーサーを英語以外の言語で使用する場合のサポート。  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  次のもののアプリケーション・プログラミング・インタフェース。 
 このライブラリには  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  
 ノート: このJARファイルは、下位互換性のみを目的として保持されています。  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  XSQLサーブレットでPDFなどのシリアライズされた出力に必要なクラス。 ノート: このアーカイブは  | 
                           
| 
                                  
  | 
                              
                                  
  | 
                              
                                  XSUを実装するクラス。これらのクラスでは、  | 
                           
関連項目:
- 
                           
グローバリゼーション・サポート・ライブラリについて学習するには、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください
 - 
                           
JDBCライブラリについて学習するには、『Oracle Database JDBC開発者ガイド』を参照してください
 - 
                           
Oracle XML DBについて学習するには、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください
 
11.3 XDK for Java環境の設定
XDK for Java環境は、環境変数またはコマンドライン・オプションを使用して設定できます。
XDK for Java環境を設定するには、次のいずれかを行います。
- 
                           
XDKのOracle Databaseインストール時、環境変数
$CLASSPATH(UNIX)または%CLASSPATH%(Windows)を手動で設定します。 - 
                           
コマンドラインでJavaプログラムをコンパイルおよび実行する際に
-classpathオプションを設定します。 
11.3.1 UNIXでのXDK for Java環境変数の設定
XDK for Javaコンポーネントに必要なUNIX環境変数について説明します。
表11-2 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのUNIX環境変数
| 変数 | 説明 | 
|---|---|
| 
                                        
  | 
                                    
                                        次のものが含まれます。 
 ノート: 現在のディレクトリを表すピリオド(.)はオプションです。  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        JDK 5の場合、次のように設定します。 特定の文字セットには  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        Java JDK, Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        OCI/JDBC接続用:  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                 
UNIXでのXDK for Java環境の設定後、表11-3に説明するコマンドライン・ユーティリティを使用できます。
表11-3 Oracle XML Developer's Kit for Java UNIXユーティリティ
| 実行可能ファイル/クラス | ディレクトリ/JAR | 説明 | 
|---|---|---|
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このスクリプトは、  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSUコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        JAXBコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        Pipelineコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XML Parserコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
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  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        TransXコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
11.3.2 UNIXでのXDK for Java環境のテスト
XDK Java環境をテストするためのUNIXシェル・スクリプトが用意されています。
例11-2 UNIXでのOracle XML Developer's Kit for Java環境のテスト
#!/usr/bin/tcsh
echo;echo "BEGIN TESTING";echo
echo;echo "now testing the XSQL utility...";echo
xsql
echo; echo "now testing the XSU utility...";echo
java OracleXML
echo;echo "now testing the JAXB utility...";echo
orajaxb -version
echo;echo "now testing the Pipeline utility...";echo
orapipe -version
echo;echo "now testing the XSLT Processor utility...";echo
oraxsl
echo;echo "now testing the TransX utility...";echo
transx
echo;echo "END TESTING"11.3.3 WindowsでのXDK for Java環境変数の設定
XDK for Javaコンポーネントに必要なMicrosoft Windows環境変数について説明します。
表11-4に、XDK for Javaコンポーネントに必要なWindows環境変数を示します。
表11-4 Oracle XML Developer's Kit for JavaコンポーネントのWindows環境変数
| 変数 | ノート | 
|---|---|
| 
                                        
  | 
                                    
                                        次のものが含まれます。 
 ノート: 現在のディレクトリを表すシングル・ピリオド"."は必須ではありませんが、役に立つ場合があります。  | 
                                 
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  | 
                                    
                                        JDK 5の場合、次のように設定します。 特定の文字セットをサポートするには、  | 
                                 
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                                        Java Software Developer's Kit (SDK), Standard Editionのインストール・ディレクトリ。Java SDKにリンクするパスを変更します。  | 
                                 
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WindowsでのXDK for Java環境の設定後、表11-5に説明するコマンドライン・ユーティリティを使用できます。
表11-5 Oracle XML Developer's Kit for Java Windowsユーティリティ
| バッチ・ファイル/クラス | ディレクトリ/JAR | 説明 | 
|---|---|---|
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSQLコマンドライン・ユーティリティ。このバッチ・ファイルは、  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSUコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        JAXBコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        Pipelineコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XML Parserコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        XSLT Processorコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
| 
                                        
  | 
                                    
                                        
  | 
                                    
                                        TransXコマンドライン・ユーティリティ  | 
                                 
11.4 XDK (Java)バージョンの確認
javacを使用して、使用しているXDKバージョンを確認できます。
                  
インストールしたXDKのバージョンを確認するには、javacを使用して、例11-4に示すJavaコードをコンパイルします。
                     
コンパイル後、オペレーティング・システムのコマンドラインで次のようにしてプログラムを実行します。
java XDKVersion
結果は次のようになります。
You are using version: Oracle XML Developers Kit 11.1.0.6.0 - Production
例11-4 XDKVersion.java
//
// XDKVersion.java
//
import java.net.URL;
import oracle.xml.parser.v2.XMLParser;
public class XDKVersion
{
   static public void main(String[] argv)
   {
      System.out.println("You are using version: ");
      System.out.println(XMLParser.getReleaseVersion());
   }
}