クラスタへのOracle Grid Infrastructureスタンドアロン・サーバーの移行

Oracle Restartを使用するOracle Databaseインストール(スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureインストール)をクラスタ・メンバー・ノードとしてのサーバーに移行するには、次のステップを実行します。

  1. サーバー上のすべてのOracleデータベースと、それらのバージョン、データベースの一意の名前、およびOracleホームの情報をすべてリストします。
    $ srvctl config database -home
  2. 次の構文でsrvctlを使用して各データベースのOracle Restart構成を調べます(ここで、db_unique_nameはデータベースの一意の名前で、lsnrnameはリスナー名です)。
    $ srvctl config database -db db_unique_name
    $ srvctl config service -db db_unique_name
    $ srvctl config listener -listener lsnrname
    $ srvctl config volume -volume volume_name -diskgroup diskgroup_name
    サーバーの構成情報を書き留めます。
  3. ステップ1で調べたすべてのデータベース、サービスおよびリスナーを停止します。
  4. Oracle Advanced Cluster File System (Oracle ACFS)ファイル・システムが存在する場合は、すべてをアンマウントします。
  5. rootユーザーとして、スタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)用のOracle Grid Infrastructureインストールの構成を解除します。
    # cd /u01/app/23.0.0/grid/crs/install
    # roothas.sh -deconfig -force
    
  6. rootユーザーとして、/etc/oratabファイルを開き、oracle_restart_homeに対応するエントリを次の形式で削除します。
    # +ASM:oracle_restart_home:N
  7. このマニュアルの説明に従って、Oracle Clusterware構成のためにサーバーを準備します。また、クラスタ用Oracle Grid Infrastructureを、Oracle Restartと同じ場所、または別の場所にインストールできます。
    Oracle Restartと同じ場所にインストールする場合
    1. 次のコマンドを使用して、スタンドアロン・サーバー(Oracle Restart)のホームに対するOracle Grid Infrastructureインストールのロックを解除します。
      # ./roothas.sh -unlock -hahome oracle_restart_home
    2. ステップ7に進みます。
    Oracle Restartと異なる場所にインストールする場合
    1. Oracle Grid Infrastructureソフトウェアのみのインストールの説明に従って、新しいGridホーム・ソフトウェアの場所でOracle Grid Infrastructureソフトウェアを設定します。
    2. ステップ7に進みます。
  8. 環境変数を次のように設定します。
    $ export oracle_install_asm_UseExistingDG=true or false 
    $ export oracle_install_asm_DiskGroupName=disk_group_name 
    $ export oracle_install_asm_DiskDiscoveryString=asm_discovery_string
    
    oracle_install_asm_UseExistingDGがfalseに設定されている場合は、他の環境変数を指定する必要はありません。
  9. Oracle Grid Infrastructureインストール所有者として、レスポンス・ファイルの記録の説明に従って、このインストールのレスポンス・ファイルを作成し、ステージングします。
  10. 次のコマンドを使用して、サイレント・モードでインストールを完了します。
    $ /u01/app/23.0.0/grid/gridSetup.sh -silent -responseFile $ORACLE_HOME/GI.rsp
    
  11. root.shスクリプトを実行します。
  12. Oracle Restartで使用されるOracle ASMディスク・グループをマウントします。
  13. Oracle RestartでOracle ACFSを使用する場合は、次の手順を実行します。
    1. Oracle ASM Configuration Assistant (ASMCA)を起動します。volenableコマンドを実行し、すべてのOracle Restartディスク・グループ・ボリュームを有効にします。
    2. すべてのOracle ACFSファイル・システムを手動でマウントします。
  14. ステップ1で記録した情報を使用して、Oracle ClusterwareサービスをOracle Clusterwareホームに戻します。Oracle ACFSリソースも戻します。たとえば:
    $ /u01/app/23.0.0/grid/bin/srvctl add filesystem -device
    /dev/asm/db1  -diskgroup ORestartData -volume db1 -mountpointpath
    /u01/app/grid/product/23.0.0/db1 -user grid
    
  15. ステップ1で記録した構成情報を使用して、クラスタ用Oracle Grid InfrastructureでサポートされるようにOracle Databaseを追加します。次のコマンド構文を使用します。db_unique_nameはノード上のデータベースの一意の名前、nodenameはノード名です。
    $ srvctl add database -db db_unique_name -spfile spfile_name -pwfile pwfile_name -oraclehome $ORACLE_HOME -node nodename
    1. たとえば、最初にORACLE_HOME環境変数にデータベース・ホーム・ディレクトリの場所が設定されていることを確認します。
    2. 次に、データベース名mydbを追加し、次のコマンドを入力します。
      $ srvctl add database -db mydb -spfile spfile_name -pwfile pwfile_name -oraclehome $ORACLE_HOME -node node1
      
    3. srvctl add serviceコマンドを使用して、各サービスをデータベースに追加します。たとえば、次のようにmyserviceを追加します。
      $ srvctl add service -db mydb -service myservice -preferred myinstance
  16. 必要に応じて、Oracle Grid Infrastructureインストーラを使用してノードをクラスタに追加します。

    関連項目:

    クラスタへのノードの追加の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。