ゼロ・ダウンタイムのOracle Grid Infrastructureパッチ適用を使用したパッチの適用

Oracle Grid Infrastructureでは、Oracle Grid Infrastructureのパッチ適用中に、Oracle RACデータベース・インスタンスを実行し、データベース・ユーザーがアクセスできるようにすることができます。

現在のOracle Grid Infrastructureホームからパッチ適用済のOracle Grid Infrastructureホームに切り替えるには、switchGridHomeコマンドを使用します。switchGridHomeコマンドは、同じリリースの異なるRUを切り替える場合(たとえば、Oracle Grid Infrastructure 23.3からOracle Grid Infrastructure 23.4)にのみ使用できます。

ノート:

ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用は、Oracle RACまたは19c以降のリリースのOracle RAC One Nodeデータベースを使用したOracle Grid Infrastructureのアウトオブプレース・パッチ適用にのみ使用できます。Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeのデータベースのリリースが19cより古い場合、ゼロ・ダウンタイムのパッチ適用中にデータベース・インスタンスが停止します。
  1. 適用するOracle Databaseリリース更新(RU)をMy Oracle Supportからダウンロードします。
  2. gridユーザーとして、Oracle Grid Infrastructureのイメージ・ファイルをダウンロードし、そのファイルを新しいOracle Grid Infrastructureホーム・ディレクトリに展開します。
    $ mkdir -p /u01/app/23.7.0/grid
    $ chown grid:oinstall /u01/app/23.7.0/grid 
    $ cd /u01/app/23.7.0/grid 
    $ unzip -q download_location/grid.zip

    ノート:

    新しいOracle Grid Infrastructureホームのパスは、現在のOracle Grid Infrastructureホームのパスとは別である必要があります。
  3. 次のどちらかの方法を使用して、パッチ適用済のOracle Grid Infrastructureホームに切り替えます。
    • Oracle Grid Infrastructureインストーラをパッチ適用済のホームから対話モードで起動します。
      $ /u01/app/23.7.0/grid/gridSetup.sh

      次のステップを実行します。

      1. 「構成オプション」ウィンドウで「Oracle Grid Infrastructureのパッチ適用」オプションを選択します。
      2. 「停止時間ゼロのGIパッチ適用の使用」オプションを選択して、パッチ適用済のOracle Grid Infrastructureホームに切り替えます。
      3. インストールするパッチにオペレーティング・システム・ドライバの更新が含まれていて、その更新をスキップする場合は、「ACFSドライバの更新のスキップ」オプションを選択します。
      4. 目的の環境に適した値でインストール画面に応答します。
    • Oracle Grid Infrastructureインストーラをパッチ適用済のホームから-switchGridHomeフラグを指定してサイレント・モードで起動します。
      $ /u01/app/23.7.0/grid/gridSetup.sh -silent -switchGridHome [-zeroDowntimeGIPatching [-skipDriverUpdate]] 
      [-applyOneOffs comma_seperated_list_of_patch_directory_locations]
  4. 構成ウィザードのステップに従って、Oracle Grid Infrastructureのインストールを完了します。
    パッチ適用が完了すると、すべてのOracle Grid Infrastructureサービスが新しいGridホームから実行を開始します。
  5. パッチ適用が完了したことを確認します。
    $ /u01/app/23.7.0/grid/crsctl query crs activeversion -f
    Oracle Clusterware active version on the cluster is [23.0.0.0.0]. The cluster upgrade state is [NORMAL]. 
    The cluster active patch level is 456789126.
  6. パッチ適用に失敗した場合は、次の手順を実行してパッチをロールバックします。
    1. rootユーザーとして、prepatchスクリプトを実行します。
      # /u01/app/23.7.0/grid/crs/install/rootcrs.sh -prepatch -dstcrshome Old_GI_Home 
      -nodriverupdate -transparent -rollback
    2. rootユーザーとして、postpatchスクリプトを実行します。
      # /u01/app/23.7.0/grid/crs/install/rootcrs.sh -postpatch -dstcrshome Old_GI_Home 
      -nodriverupdate -transparent -rollback
  7. すべてのノードで新しいGridホームに正常に切り替え、古いGridホームに戻す場合は、次のステップを実行します。
    1. rootユーザーとして、すべてのクラスタ・ノードで古いGridホームのロックを解除します。
      # Old_GI_Home/crs/install/rootcrs.sh -unlock -crshome Old_GI_Home
    2. gridユーザーとして、古いグリッド・ホームからswitchGridHomeを実行します。
      $ Old_GI_Home/gridSetup.sh -silent -switchGridHome [-zeroDowntimeGIPatching [-skipDriverUpdate]]