ENABLE_FS_FAILOVER

ENABLE_FS_FAILOVER関数を使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効にできます。これにより、プライマリ・データベースが失われた場合に、手動で操作する必要なく、ブローカによって、具体的に選択されているスタンバイ・データベースにフェイルオーバーできるようになります。

ENABLE_FS_FAILOVER関数

DBMS_DG.ENABLE_FS_FAILOVER (
     observe_only    IN BOOLEAN DEFAULT FALSE,
     severity        OUT BINARY_INTEGER)
RETURN BINARY_INTEGER;

パラメータ

パラメータ 説明
observe_only ファスト・スタート・フェイルオーバーを監視専用モードで有効にするかどうかを示すブール値。値をTRUEにした場合、この関数では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが監視専用モードで有効になります。値をFALSEにした場合、この関数では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが監視専用モードでなく有効になります。監視専用モードでは、オブザーバによって、ターゲット・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが実際に実行されることはなく、実行された場合の高速フェイルオーバーの開始時期について情報が出力されます。
severity この関数によって返されたステータスに関連付けられている重大度。重大度は、次のOracleエラー番号のいずれかになります。
  • ORA-0: 正常に完了しました。
  • ORA-16501: Oracle Data Guard Broker操作に失敗しました
  • ORA-16502: Oracle Data Guard Broker操作は警告付きで成功しました

使用上のノート

  • この関数では、2進整数が返されます。

  • このコマンドを発行してファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する前に、「ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するための前提条件」で説明する前提条件を満たす必要があります。
  • ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドの発行により、フェイルオーバーが起動されることはありません。構成を監視しているオブザーバが、フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始できるようにするだけです。
  • ブローカ構成のデータベースに接続されている間は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化できます。
  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後にオブザーバを開始しない場合、プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースにORA-16819の警告が表示されます。
  • 複数のスタンバイ・データベースを含むブローカ構成でファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する場合は、プライマリ・データベース上のFastStartFailoverTarget構成プロパティで1つ以上の実行可能なターゲット・スタンバイ・データベースを指定する必要があります。プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースの両方が次の条件を満たしている必要があります。
    • スタンバイREDOログが構成されていること
    • REDO転送が、両方のデータベース上で、構成された保護モードに正しく構成されていること

      ノート:

      また、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方でフラッシュバック・データベースを有効化し、フェイルオーバー後に元のプライマリ・データベースの回復を許可することをお薦めします。
  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合の制限事項」の説明にある制約に従う必要があります。

戻り値

エラー 説明
ORA-00000: 正常に完了しました。

forceパラメータで指定された値に従って、ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効になりました。

その他

返された重大度がORA-16501の場合は、Data Guard Brokerでファスト・スタート・フェイルオーバーを有効にできておらず、戻り値でその理由が示されます。返された重大度がORA-16501の場合は、Data Guard Brokerでファスト・スタート・フェイルオーバーを有効にできており、戻り値で、どのようにファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になったかについて情報が示されます。