使用例1: データベースの準備
通常のData Guard準備手順の大部分は、DG PDB環境を設定する場合にも当てはまります。大きな違いは、スタンバイREDOログ・ファイル(SRL)が、Data GuardのDG PDB構成の作成後にPDBレベルで追加されるということと(その作成前にCDBレベルでではない)、CDBレベルのファイル名変換の初期化パラメータがDG PDB構成には使用されないということです。
ソース・データベースとターゲット・データベースに対して、SQL*Plusを使用してAS SYSDBA
で接続し、次の操作を実行して(それらをまだ実行していない場合)将来のPDBレベルのロール遷移をサポートします:
SQL> ALTER DATABASE FORCE LOGGING;
Database altered.
フラッシュバック・データベースを有効にします。
SQL> ALTER DATABASE FLASHBACK ON;
Database altered.
必要に応じて、各データベースのサーバー・パラメータ・ファイル内の初期化パラメータを更新します。 CDBレベルのファイル名変換初期化パラメータdb_file_name_convert
およびlog_file_name_convert
は、DG PDB構成には使用されませんが、dg_broker_start
、log_archive_dest_1
およびstandby_file_management
パラメータは、次の表に示す値に設定する必要があります。また、マルチインスタンス・データベースを使用する場合は、dg_broker_config_file1
およびdg_broker_config_file2
初期化パラメータを更新して、すべてのインスタンスからアクセスできる場所を指定する必要があります。ソース・コンテナ・データベースとターゲット・コンテナ・データベースで同じdb_name
値が共有されるわけではないため、DG PDB構成では、spfileにdb_unique_name
パラメータを含めることはオプションです。
ソース・データベースで次の初期化パラメータを構成します(scope=both
を使用します):
dg_broker_start |
TRUE |
log_archive_dest_1 |
LOCATION=USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST VALID_FOR=(ALL_LOGFILES,ALL_ROLES) DB_UNIQUE_NAME=boston |
standby_file_management |
AUTO |
ターゲット・データベースで次の初期化パラメータを構成します:
dg_broker_start |
TRUE |
log_archive_dest_1 |
LOCATION=USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST VALID_FOR=(ALL_LOGFILES,ALL_ROLES) DB_UNIQUE_NAME=newyork |
standby_file_management |
AUTO |
DGMGRLは、DG PDB構成を作成および管理するには、SYSDBA権限があるアカウントを使用してソースおよびターゲット・コンテナ・データベースに接続する必要があります。これらの使用例では、この目的で各データベースの既存のSYSユーザーが使用されています。オプションで、各データベースで別々のユーザーを作成しSYSDBA権限を付与することもできます。なお、ソース・データベースとターゲット・データベースは互いのコピーではないため、管理アカウントのパスワードがソース・データベースとターゲット・データベースで一致している必要はなく、CDBレベルのData Guard保護に必要になるようにソース・データベースのパスワード・ファイルをターゲット・データベースにコピーする必要はありません。