1.8 特長
これは、Oracle Database Gateway for DRDAを特徴付ける重要な機能のリストです。
- 異機種間サービス・アーキテクチャ
Oracle Database Gateway for DRDAは、Oracleデータベース内のOracle異機種間サービス・コンポーネントを使用します。 異機種間サービスは、次世代のOracleデータベース・ゲートウェイの構成ブロックです。
異機種間サービスの詳細は、「Oracle Database異機種間接続ユーザー・ガイド」を参照してください。
- パフォーマンスの向上
Oracle Database Gateway for DRDAには、内部的にいくつかのパフォーマンス拡張機能が含まれます。 この製品では、リリース10のゲートウェイと比較して、レスポンス時間と、様々なワークロードに対応するすべての関連アドレス空間に対するCPU使用率が大幅に向上しています。 実際のパフォーマンス改善状況は、現在のインストール・タイプおよびワークロードに応じてサイトごとに異なる可能性があります。
- フェッチの再ブロック
SELECT
のアプリケーションの配列サイズは、アプリケーションとOracleデータベースの間で有効です。 ただし、配列のブロック・サイズと、Oracleデータベースとゲートウェイ間のブロック・フェッチは、2つの異機種間サービス初期化パラメータによって制御されます:HS_RPC_FETCH_SIZE
およびHS_RPC_FETCH_REBLOCKING
。 これらのパラメータは、ゲートウェイ初期化ファイルに指定します。 詳細は、「Oracle Database異機種間接続ユーザー・ガイド」を参照してください。 - Oracle Databaseサポートされるパススルー
Oracleデータベースの
DBMS_HS_PASSTHROUGH.EXECUTE_IMMEDIATE
メソッドを使用して、DRDAサーバーで使用可能なコマンドまたは文をゲートウェイ経由で渡すことができます。 - パススルーを通じた結果セットの取得
Oracle Database Gateway for DRDAは、パススルーで発行された
SELECT
文から結果セットを取得する機能を提供します。 詳細は、「パススルーによる結果セットの取得」を参照してください。 - TCP/IPのサポート
このリリースのゲートウェイでは、ゲートウェイとDRDAサーバー間のTCP/IP通信プロトコルのみがサポートされます。 使用しているプラットフォームに応じて、「Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイドfor IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)、Linux x86-64、Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)、Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)、HP-UX Itanium」または「Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイドfor Microsoft Windows」を参照してください。
- ネイティブ・セマンティクス
今回のリリースのゲートウェイでは、DRDAサーバーによる様々なSQL関数の後処理を選択的に有効化または無効化できます。 詳細は、「ネイティブ・セマンティクス」を参照してください。
- 結果セットでサポートされる列
Oracle Database Gateway for DRDAでは、結果セットで1000までの列がサポートされます。
- EXPLAIN_PLANの機能向上
EXPLAIN_PLAN
表には、ゲートウェイを介してOracleデータベースからDRDAサーバーに渡される実際のSQL文が含まれます。 - 異機種間データベース統合
ゲートウェイによるANSI標準のSQLのサポートにより、DRDAデータベースに対する読取り/書込みアクセスが可能になります。 異なるプラットフォーム上の異なるアプリケーションにデータが存在していても、新規アプリケーションではその場所にかかわらずすべてのデータを使用できます。
- 既存システムへの影響の最小化
ゲートウェイでは、OS/390 (MVS)、AS/400, UNIXベースまたはMicrosoft Windowsターゲット・システムに追加のOracleソフトウェアをインストールする必要はありません。 ゲートウェイに使用されるデータベース・インタフェースは、IBM社により提供されており、これらのプラットフォームにすでに存在するDRDAデータベース製品およびネットワーク機能に組み込まれています。
DRDAアクセス用にIBMシステムを構成するには、通常、関連するネットワーク・リソースを定義し、ターゲット・データベースに固有のアクセス・セキュリティ定義を確立します。
- アプリケーションの移植性
異機種データベースとやりとりできるゲートウェイの機能により、Oracle DatabaseとIBMデータベース(およびOracle Gatewayが提供されている他のすべてのデータベース)に対して使用できる移植可能なアプリケーションの単一のセットを開発できます。
- リモート・データ・アクセス
ゲートウェイ・アーキテクチャでは、各コンポーネント間のネットワーク接続が許可されるため、配置場所の柔軟性が最大化されます。 アプリケーションでは、Oracleのクライアント/サーバー機能を使用して、Oracle Netを通じてリモートのOracle Databaseに接続できます。 Oracle Databaseは、データベース・リンクを使用してリモート・ゲートウェイに接続します。 ゲートウェイは、ネットワーク機能を通じてDRDAサーバーに接続します。
リモート・アクセスの利点は次のとおりです。
- 特定のタスクに適切なリソースを割り当てる手段が提供されます。
たとえば、高価なプロセッサを使用してアプリケーション開発を行うことを中止し、コストのかからないワークステーションやマイクロコンピュータに移行できます。
- 使用可能なデータソースの数が増加します。
リモート・アクセスがなければ、使用できるデータはローカル環境に制限されます。 リモート・アクセスでは、ネットワークのみがデータ・ソースを制限します。
- 特定のユーザー用にアプリケーション環境をカスタマイズする手段が提供されます。
たとえば、一部のユーザーはブロック・モードの端末環境を好み、別のユーザーはビットマップされたグラフィック駆動型の端末環境を好みます。 リモート・アクセスでは、データの場所により強制されるインタフェース環境の制約を受けないため、両方のタイプのユーザーを満足させることができます。
- 特定のタスクに適切なリソースを割り当てる手段が提供されます。
- 分散アプリケーションのサポート
ゲートウェイでは、アプリケーションからDRDAデータに直接アクセスできるため、他のプロセッサに対して大量のデータベース・データをアップロードおよびダウンロードする必要はありません。 かわりに、マシン間でデータを移動することなく、一貫性のない非同期データの発生を回避しながら、必要なときに現在の場所にあるデータにアクセスできます。 大量のデータ・レプリケーションを避けることにより、システム全体の合計ディスク・ストレージ要件も緩和されます。
ただし、システムの設計上ネットワーク内のマシン間でデータを移動する必要がある場合、SQL*Plusとゲートウェイによりデータ転送が簡略化されます。 単一のSQL*Plusコマンドで、ネットワークの1つのノードから別のノードへ(1つのデータベースから別のデータベースへ)データのセット全体を移動できます。
ゲートウェイを通じてDRDAデータベースに固有のコマンドおよび文を渡し、DRDAデータベースで実行できます。 たとえば、DB2で実行するためにゲートウェイを通じてネイティブDB2 SQLを渡すことができます。 Oracle以外のデータベースで定義されたストアド・プロシージャを実行することもできます。
- アプリケーション開発ツールとエンド・ユーザー・ツール
ゲートウェイを介して、Oracleは、IBMデータベースへのアクセスに使用できるアプリケーション開発ツールおよびエンドユーザー・ツールの範囲を拡張します。 これらのツールにより、プロトタイプ作成、開発およびメンテナンスに要する時間が削減され、アプリケーション開発とユーザーの生産性が向上します。 Oracle Databaseの現在のユーザーは、DRDAデータベースに格納されたデータにアクセスするための新規ツール・セットについて学習する必要はありません。 かわりに、単一のツール・セットを使用してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。
ゲートウェイおよびOracleで使用できるアプリケーション開発ツールにより、ユーザーは、アプリケーションの単一のセットを開発してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。 ユーザーは、Oracleで使用できる意思決定支援ツールを使用してOracle DatabaseおよびDRDAデータにアクセスできます。 これらのツールは、Oracle Netを介してOracle Databaseに接続されたリモート・マシン上で実行できます。
アプリケーションを設計する場合、ゲートウェイはデータの取得を目的とする比較的軽量のトランザクション負荷に対応する設計になっていることに注意してください。 現在のところ、ゲートウェイは、大量のトランザクション処理システムとしては設計されていません。
- パスワード暗号化ユーティリティ
Oracle Database Gateway for DRDAには、ゲートウェイ初期化ファイルのプレーン・テキスト・パスワードの暗号化をサポートするユーティリティが含まれています。 詳細は、「Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイドfor IBM AIX on POWER Systems (64-Bit)、Linux x86-64、Oracle Solaris on SPARC (64-Bit)、Oracle Solaris on x86-64 (64-Bit)、HP-UX Itanium」または「Oracle Database Gatewayインストレーションおよび構成ガイドfor Microsoft Windows」の第15章、「セキュリティに関する考慮事項」を参照してください。
- z/OSストアド・プロシージャでのDB2 UDBのサポート
Oracle Database Gateway for DRDAは、ネイティブ・ストアド・プロシージャをサポートしています。
- IBM DB2 Universal Databaseのサポート
Oracle Database Gateway for DRDAは、IBM DB2ユニバーサル・データベースをサポートします。
- DB2 z/OS ASCIIおよびUNICODE表のサポート
Oracle Database Gateway for DRDAは、DB2 z/OSのEBCDIC表、ASCII表およびUNICODE表をサポートします。 文字セットの選択は、表の作成中に定義されます。
- 読取り専用のサポート
現在のリリースでは、ゲートウェイを読取り専用ゲートウェイとして構成できます。 このモードでは、ユーザーはDRDAデータベースでデータを変更したり、リモート・プロシージャをコールすることはできません。
- GRAPHICおよびマルチバイト・データのサポート
ゲートウェイの現在のリリースでは、DB2
GRAPHIC
およびVARGRAPHIC
データ型のサポートが追加されています。 詳細は、「アプリケーションの開発」を参照してください。 - IntelハードウェアでのDB2 Universal Databaseのサポート
ゲートウェイの現在のリリースでは、Microsoft Windowsで実行されているDRDAサーバーと、Intelハードウェアで実行されているLinuxのサポートが追加されています。
- DB2ユニバーサル・データベースのデータ・ディクショナリのサポート
ゲートウェイの現在のリリースでは、DB2 UDBに対するOracleデータ・ディクショナリもサポートされています。