Oracle Fleet Patching and Provisioningについて
Oracle FPPは、Oracle Database (単一インスタンスのOracle Database、Oracle RAC、Data Guard構成など)のすべてのパッチ適用およびアップグレードのニーズに対応したワンストップ・ソリューションです。
Oracle Fleet Patching and Provisioning (Oracle FPP)では、Oracleの最大可用性アーキテクチャ・チームのベスト・プラクティスの推奨事項に従って、ホーム外でのゴールド・イメージベースのパッチ適用が実行されます。Oracle FPPでは、標準化、失敗または成功後のロールバック、および失敗後に元に戻して再開することがサポートされています。
- 使いやすく設定不要なOracle FPP Local Mode: Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのすべての構成およびデプロイメントにパッチを適用するためにすぐに使用できます。
- 中央Oracle FPPサーバー: 単一の中央サーバーからデータベースおよびグリッド・インフラストラクチャのフリートを操作できるため、数千のデータベースに同時に簡単にパッチを適用できます。特定のデータ・センターに対して単一のOracle FPPサーバーをデプロイし、それを使用してそのデータ・センター内のフリート全体にパッチを適用できます。
- ローカル・サーバー(Oracle FPP Local Mode)として。Oracle Grid Infrastructureをインストールするときのデフォルト構成です。Oracle FPP Local Modeの操作を使用すると、ゴールド・イメージを登録またはデプロイすることなく、簡略化された環境のローカル・クラスタでOracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのパッチ適用操作を実行できます。Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseパッチ・ホームのいずれかをデプロイして、
rhpctl move gihome
またはrhpctl move database
コマンドを使用してパッチ適用操作を実行し、作業用コピー名のかわりにソースと宛先のパスを指定します。 -
中央サーバー(Oracle FPPサーバー)として。ゴールド・イメージという標準化されたイメージを格納および管理します。ゴールド・イメージは、データ・センター全体の任意の数のノードにデプロイできます。デプロイされたホームを使用して、新しいクラスタとデータベースの作成、および既存のインストールに対するパッチ適用、アップグレード、およびスケーリングを行うことができます。
このサーバーは、Oracle FPPサーバー自体およびOracle FPPクライアントをホストするクラスタ上のソフトウェア・ホームを管理し、11gリリース2 (11.2.0.4)以降のリリースを実行しているOracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのインストールを管理することもできます。このサーバーは、Oracle Clusterwareがインストールされていない
rhpclient
のないターゲットも管理できます。Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Databaseのアップグレード・パスの詳細は、My Oracle Supportのノート551141.1を参照してください。Oracle FPPサーバーでは、新規インストールをプロビジョニングし、既存のインストールに変更を加えることなく(エージェントなし、デーモン、構成の前提条件など)管理できます。Oracle FPPサーバーには、地理的に分散したデータ・センターを持つ企業をサポートするために、ピアOracle FPPサーバー間でゴールド・イメージを自動的に共有する機能も含まれています。
ノート:
- Oracleは、HP-UXおよびWindowsオペレーティングシステムではOracle FPPをサポートしていません。
- Oracle FPPサーバーは、汎用サーバー上のオペレーティング・システム・イメージを管理しません。
- Oracle Grid InfrastructureとOracle Databaseの組合せOracle FPPパッチ適用は、スタンドアロン構成ではサポートされていません。
- Oracle FPPを使用すると、Oracle Grid Infrastructure、Oracle Database、RoCE/IBスイッチ、セル・ストレージ・サーバー、コンピュート・ノードなど、Oracle Exadata上のOracleソフトウェア・スタック全体を管理およびパッチ適用できます。
Oracle Fleet Patching and Provisioningの利点
Oracle FPPを使用したOracleソフトウェアのデプロイには、次の利点があります。
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デプロイされるソフトウェアのゴールド・イメージおよび系統の管理により、標準化および高レベルの自動化が可能になります。
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アクティブなデータベースまたはクラスタを中断させることなく、新しいホームをイメージ(ゴールド・イメージの作業用コピー)としてデプロイし、ホーム外でローリング・パッチ適用することで、停止時間を最小限に抑えられます。
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データベース・バージョンおよびデプロイメント・モデル全体で一貫性のあるAPIとともにOracle FPP Local Modeを使用して、ローカル・メンテナンス操作を簡素化します。
- Oracle FPPを操作するためのREST APIインタフェースが提供され、カスタマイズされたサードパーティのオーケストレーション・エンジンと統合する際の柔軟性が確保されます。
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組込みの検証および操作をテストするための予行演習モードにより、メンテナンス・リスクを軽減します。
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予期せぬ問題が発生した場合にコマンドを再開または再起動できるため、メンテナンス操作の影響は軽減されます。
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コマンドをすぐに実行するのではなく、スケジュールされた時間に操作をスケジュールして発行します。ジョブ・スケジューラによってジョブが実行され、現在のジョブ・ステータスとともにジョブのメタデータが格納されます。
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次の機能により、パッチ適用およびアップグレードの影響が最小化、また通常は解消されます。
- サービスの継続的な可用性を確保するためにローリング・パッチ適用を実行するオプション。
- ローリング・パッチ適用中のデータベース・セッションおよびOJVMのアダプティブ管理。
- 一括デプロイメントの管理オプション。
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デプロイメントおよびメンテナンス操作により、自動化されたワークフローに環境固有のアクションを含めるようにカスタマイズできます。