4.10 GeoRasterオブジェクトの圧縮と解凍
JPEG-F、DEFLATEまたはJPEG 2000圧縮を使用してGeoRasterオブジェクトを圧縮することによって、GeoRasterオブジェクトに必要な記憶域を縮小できます。圧縮されたGeoRasterオブジェクトは解凍できます。ただし圧縮されていない(解凍されている)GeoRasterオブジェクト上で実行できるすべてのGeoRaster操作は、圧縮されたGeoRasterオブジェクトで実行できるため、解凍はすべてのGeoRaster操作で必須ではありません。
JPEG-FおよびDEFLATEの場合、GeoRasterオブジェクトを圧縮または解凍するには、SDO_GEOR.changeFormatCopyプロシージャや、別のGeoRasterオブジェクトを作成するためにGeoRasterオブジェクトをロードして処理するその他の多数のプロシージャ(SDO_GEOR.mosaic、SDO_GEOR.scaleCopy、SDO_GEOR.subset、ラスター代数(SDO_GEOR_RA)プロシージャ、SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubsetなど)のstorageParam
パラメータで、compression
キーワードを使用します。(JPEG-FおよびDEFLATE圧縮の場合、GeoRasterオブジェクトを圧縮および解凍するための個別のプロシージャはありません。)
JPEG 2000の場合、SDO_GEOR.compressJP2およびSDO_GEOR.decompressJP2プロシージャを使用して、GeoRastrerオブジェクトを圧縮および解凍します。ほとんどの他のプロシージャおよびファンクション(SDO_GEOR.changeCellValue、SDO_GEOR.reproject、sdo_geor.scaleScopyおよびsdo_geor.mosaicを除く)は、操作の実行中にJP2圧縮したGeoRasterオブジェクトを内部的に解凍できます。
GeoRasterの圧縮および解凍の詳細は、「圧縮と解凍」を参照してください(サード・パーティの圧縮ソリューションのサポート情報は、「圧縮に使用するサード・パーティのプラグイン」を参照)。
また、GeoRasterオブジェクトにJPEG-FまたはDEFLATE圧縮を使用する場合、いくつかの特別な使用上の考慮事項があります。
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大きいGeoRasterオブジェクトを圧縮してそれに対して完全なピラミッドを作成する場合、最初に圧縮されていないGeoRasterオブジェクトに対してピラミッドを生成し、次に圧縮を適用した方が高速です。
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大規模なモザイク処理の場合、最初に圧縮を適用せずにモザイク処理を行い、次にピラミッドを生成してから圧縮を適用した方が高速です。
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一部の操作では、GeoRasterは一時表領域を使用してデータの圧縮と解凍を行うため、GeoRasterユーザーに一時表領域を追加することは、パフォーマンスのために必須です(「GeoRasterユーザーに対する一時表領域の追加」を参照)。
JPEGおよびDEFLATEのパラレル圧縮と解凍は、再フォーマットが不要な場合、parallel
キーワード(storageParam
パラメータ内)を使用して、SDO_GEOR.changeFormatCopyプロシージャでサポートされます。また、SDO_GEOR_AGGR.mosaicSubsetプロシージャをコールできます。これにより、パラレル化した圧縮または解凍を実行中にラスター形式を変更する場合にパフォーマンスが向上します。パラレル圧縮および解凍には、パフォーマンスの大幅な向上という効果があり、これはイメージが大きいときに特に役立ちます。「パラレル圧縮、コピーおよびサブセット化」の例6-23を参照してください
圧縮済のGeoRasterオブジェクトを保存する場合は、ユーザー用の一時表領域を必ず作成してください。詳細は、「GeoRasterユーザーに対する一時表領域の追加」を参照してください。
親トピック: GeoRasterのデータ問合せおよび操作