3.2 GeoRasterユーザーのためのデータ・ファイルおよび一時表領域の追加

GeoRasterデータベースは、一般的に非常に大きくなります。記憶域およびパフォーマンス上の理由のため、データベース・スキーマでは、GeoRasterデータ記憶域のために1つ以上のユーザー表領域を使用する必要があります(GeoRasterデータを格納するためのシステム表領域の使用を回避します)。また、データ・ファイルを表領域に適切に追加する必要があります。Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)または大きいファイルの表領域が使用されていない場合、表領域ごとに多数のデータ・ファイルを作成し、可能な場合は異なるディスクにデータ・ファイルを分散する必要があります。また、データファイルを作成するか、既存のデータファイルを変更して、データベースでより多くの領域が必要になった場合に自動的にサイズが増えるようにする必要があります。

GeoRaster表は、多数の(潜在的にほとんど無制限の)GeoRasterオブジェクトを保持できます。ラスターのサイズによっては、ラスター・データ表(RDT)を使用して限られた数のGeoRasterオブジェクトのラスター・ブロックを保持する必要があります。GeoRaster表とは対照的に、パーティション化を適用しないかぎりRDTは大きくなりすぎません。また、RDTを異なる表領域に作成できるため、ラスター・ブロックが異なるディスクに分散されます。(「GeoRaster表およびラスター・データ表の作成」を参照)。

GeoRasterデータベースは、操作によっては一時表領域を使用します。GeoRaster操作(特に大規模なモザイク処理操作)に圧縮が含まれる場合、圧縮済または未圧縮の中間データを格納するために一時領域が必要です。GeoRasterユーザーが一時表領域を持たない場合、データベース・システムの一時表領域が使用されます。これは、効率的ではなく、モザイク処理などの操作速度が低下する可能性があります。そのため、常にGeoRasterユーザーに一時表領域を作成する必要があります。たとえば:

CONNECT system/<password>; 
CREATE TEMPORARY TABLESPACE geor_temp TEMPFILE 'geor_temp_1.f' SIZE 1G AUTOEXTEND ON; 
ALTER USER <georaster_user> TEMPORARY TABLESPACE geor_temp;

通常、必要とされる一時領域の容量は限定されます。ただし、大規模なモザイク処理で、結果が圧縮される場合、必要とされる一時領域は、結果の未圧縮のイメージ・サイズと等しくなります。したがって、GeoRasterユーザー用の一時表領域を作成するときにAUTOEXTEND ONを指定します。