9.5.3 リスナーの現在のステータスの確定

リスナーの現在のステータスを表示するには、リスナー制御ユーティリティのSTATUSコマンドかOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用します。ステータス出力により、リスナーの基本的なステータス情報、リスナー構成の設定の概要、リスニング用プロトコル・アドレスおよびリスナーに登録されたサービスの概要が提供されます。

9.5.3.1 リスナー制御を使用したステータスの表示

STATUSコマンドを実行して、リスナーのステータスを表示します。

コマンドラインで、次のコマンドを入力します。

lsnrctl STATUS [listener_name]

前述のコマンドで、listener_nameは、listener.oraファイルに定義されているリスナーの名前です。デフォルトのLISTENERという名前のリスナーを使用している場合、リスナーを指定する必要はありません。

例9-5では、STATUSコマンドの出力例を示しています。

例9-5 リスナー制御ユーティリティのSTATUSコマンドの出力

Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=net)))
STATUS of the LISTENER
------------------------
Alias                     LISTENER
Version                   TNSLSNR for Linux: Version 23.4.0.0.0
Start Date                15-March-2024 20:22:00
Uptime                    65 days 10 hr. 5 min. 22 sec
Trace Level               support
Security                  OFF
Listener Parameter File   /oracle/admin/listener.ora
Listener Log File         /oracle/network/log/listener.log
Listener Trace File       /oracle/network/trace/listener.trc
Listening Endpoints Summary...
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=ipc)(KEY=net)))
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
  (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcps)(HOST=sales-server)(PORT=2484)))
 
Services Summary...
Service "sales.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "sales", status READY, has 3 handler(s) for this service...
Service "hr.us.example.com" has 1 instance(s).
  Instance "hr", status READY, has 2 handler(s) for this service...
The command completed successfully

STATUSコマンドの出力には、次の表で説明しているセクションが含まれます。

表9-1 リスナー制御ユーティリティのSTATUSコマンド

出力セクション 説明

リスナーのステータス

リスナーのステータスは次のとおりです。

  • リスナーの別名

  • リスナーのバージョン

  • 開始時刻と終了時刻

  • トレース・レベル

  • 使用しているlistener.oraファイル

  • 構成の設定のロギングとトレース

リスニング・エンドポイントのサマリー

リスナーがリスニングするように構成されているプロトコル・アドレス。

サービス・サマリー

リスナーに登録されたサービスおよび各サービスに割り当てられたサービス・ハンドラのサマリー。

サービス

登録されたサービス。

インスタンス

サービスに関連付けられたインスタンスの名前。

ステータス・フィールドは、インスタンスが接続を受け入れられるかどうかを示します。

  • READYは、インスタンスが接続を受け入れられることを意味します。

  • BLOCKEDは、インスタンスが接続を受け入れられないことを意味します。

  • READY/SECONDARYは、これがOracle Real Application Clustersのプライマリ/セカンダリ構成のセカンダリ・インスタンスであり、接続を受け入れられることを意味しています。

  • RESTRICTEDは、そのインスタンスが制約のあるモードであることを示しています。リスナーは、このインスタンスへの接続をすべて阻止します。

  • UNKNOWNは、インスタンスが、サービス登録を使用して動的に登録されているのではなく、listener.oraファイルに静的に登録されていることを意味します。このため、ステータスは不明です。

9.5.3.2 Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用したステータスの表示

次の手順では、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用してリスナーのステータスを表示する方法について説明します。

  1. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの「Net Services管理」ページにアクセスします。

  2. 「管理」リストから「リスナー」を選択し、構成ファイルの場所を含むOracleホームを選択します。

  3. 「実行」をクリックします。データベース・サーバーへのログインを求められる場合があります。

    「リスナー」ページが表示されます。

  4. リスナーを選択します。

  5. 「アクション」リストから「リスナー制御ステータスの表示」を選択します。

  6. 「実行」をクリックします。

    「リスナー制御ステータス」ページが表示されます。

  7. 内容を確認した後、ページの一番上にあるリスナーのリンクをクリックします。