3.1 ローカル管理の使用

ローカル管理が使用されている場合は、ネットワーク・コンピュータが構成ファイルで構成されます。このファイルはローカルにコンピュータに格納されます。

表3-1 ローカル管理で使用されるOracle Net構成ファイル

構成ファイル 説明

tnsnames.ora

このファイルは、主にクライアント上にあり、接続記述子にマップされたネットワーク・サービス名を含んでいます。このファイルは、ローカル・ネーミング・メソッドに使用されます。

sqlnet.ora

このファイルは、クライアントとデータベース・サーバーのコンピュータに配置され、内容は次のとおりです。

  • 未修飾サービス名またはネットワーク・サービス名に追加するクライアント・ドメイン
  • 名前の解決時にクライアントが使用するネーミング・メソッドの順序
  • 使用するロギング機能とトレース機能
  • 接続のルート
  • 外部ネーミング・パラメータ
  • Oracleセキュリティ・パラメータ
  • データベース・アクセス制御パラメータ

listener.ora

このリスナーに関する構成ファイルは、データベース・サーバーに配置され、内容は次のとおりです。

  • 接続要求を受け付けるプロトコル・アドレス
  • リスニングの対象とするデータベース・サービスと非データベース・サービス
  • リスナーが使用する制御パラメータ

cman.ora

この構成ファイルは、Oracle Connection Managerが実行されるコンピュータ上にありますが、これには次のコンポーネントが含まれます。

  • リスニング・エンドポイント
  • アクセス制御ルール・リスト
  • パラメータ・リスト

各Oracle Connection Manager構成は、1つの名前-値(NV)文字列内にカプセル化されており、その文字列は、前述のコンポーネントで構成されています。

通常、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)やOracle Net Configuration Assistant (NETCA)などのツールでは、構成ファイルが、ORACLE_HOME/network/adminディレクトリ(Oracle Databaseインストールの場合)、GRID_HOME/network/adminディレクトリ(Oracle Grid Infrastructureインストールの場合)、または対応するORACLE_BASE_HOME/network/adminディレクトリ(読取り専用Oracleホームの場合)に作成されます。複数のデータベースをインストールしてある場合、これらは、DBCAまたはNETCAが実行されているOracleホームまたはGridホーム(または読取り専用インスタンスの場合はOracleベース・ホーム)に作成されます。ただし、構成ファイルは他のディレクトリに作成される可能性があります。

たとえば、tnsnames.oraファイルの確認順序は次のとおりです。

  1. 環境変数TNS_ADMINで指定されたディレクトリ

  2. TNS_ADMIN環境変数が設定されていないか、このファイルがTNS_ADMINディレクトリにない場合:

    • LinuxおよびUNIXの場合: ORACLE_HOME/network/adminディレクトリ(または、読取り専用Oracleホームの場合はORACLE_BASE_HOME/network/adminディレクトリ)

    • Windowsの場合: ORACLE_HOME\network\adminディレクトリ(または読取り専用Oracleホームの場合はそのORACLE_BASE_HOME\network\adminディレクトリ)

  3. 読取り専用Oracleホームの場合に、このファイルがOracleベース・ホームに見つからないとき:

    • LinuxおよびUNIXの場合: ORACLE_HOME/network/adminディレクトリ

    • Windowsの場合: ORACLE_HOME\network\adminディレクトリ

ノート:

  • Windowsでは、ORACLE_HOMEの場所は、ORACLE_HOME\bin\oracle.keyファイル(ORACLE_HOMEが定義されているWindowsレジストリ・キーの名前が含まれている)によって決まります。また、TNS_ADMIN環境変数は、プロセスの環境内でそれが設定されている場合に使用されます。環境内でTNS_ADMIN環境変数を定義していないか、プロセスが環境がないサービスである場合は、Windowsにより、レジストリでTNS_ADMINパラメータがスキャンされます。

  • Oracle Instant Clientでは、tnsnames.oraはOracle Instant Clientソフトウェアのサブディレクトリにあります。たとえば、/opt/oracle/instantclient_release_number/network/adminディレクトリなどです。