2.4 Oracle RACプライマリ・データベースに対するTrue Cacheのデプロイ

この項では、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)環境でプライマリ・データベースにTrue Cacheをデプロイするための構成要件の概要を示します。これらの要件は、詳細な構成ステップのコンテキストにも含まれています。

ノート:

この情報はすべて、「Oracle DBCAの使用によるTrue Cacheの構成」および「True Cacheの手動構成」の構成ステップのコンテキストにも表示されます。

• True Cacheは、Oracle RAC環境の各インスタンスにアクセスできる必要があります。これを行うには、True Cacheを構成するときに単一のクライアント・アクセス名(SCAN)リスナーを使用します。

  • DBCAを使用してTrue Cacheを構成する場合は、-sourceDBConnectionStringパラメータをSCAN:port/service_nameに設定します。

  • True Cacheを手動で構成する場合は、True Cache用にPFILEを準備するときに次の設定を使用します。

    • REMOTE_LISTENERパラメータをSCAN:portに設定します。
    • FAL_SERVERパラメータをSCAN:port/service_nameに設定します。

  • srvctlコマンドライン・ユーティリティを使用して、SCANリスナーの招待済ノード・リストにTrue Cacheノードを追加します。(グリッド所有者ユーザーとしてlistener.oraファイルを手動編集しないでください。)

    例:

    srvctl modify scan_listener -invitednodes true_cache_host -endpoints TCP:port

• プライマリ・データベースでデータベース・アプリケーション・サービスを作成する場合は、srvctlコマンドライン・ユーティリティを使用してそのサービスを追加します。プライマリ・インスタンスでそのサービスを起動します。Oracle Clusterware管理のインスタンスの場合のみ、srvctlを使用します。

  True Cacheサービスとプライマリ・データベース・サービスの両方を作成するには:

  srvctl add service -db primary_db_unique_name -service true_cache_service_name -preferred primary_db_instance_list -pdb primary_pdb_name

  srvctl add service -db primary_db_unique_name -service primary_db_service_name -preferred primary_db_instance_list -pdb primary_pdb_name -true_cache_service true_cache_service_name

  例:

  srvctl add service -db primdb1i -service sales_tc -preferred primdb1i1,primdb1i2 -pdb sales_pdb
  srvctl add service -db primdb1i -service sales -preferred primdb1i1,primdb1i2 -pdb sales_pdb -true_cache_service sales_tc

  既存のプライマリ・データベース・サービス(db_service_name)に対してTrue Cacheサービスを作成するには:

  srvctl add service -db primary_db_unique_name -service true_cache_service_name -preferred primary_db_instance_list -pdb primary_pdb_name

  srvctl modify service -db primary_db_unique_name -service primary_db_service_name -true_cache_service true_cache_service_name

  例:

  srvctl add service -db primdb1i -service sales_tc -preferred primdb1i1,primdb1i2 -pdb sales_pdb
  srvctl modify service -db primdb1i -service sales -true_cache_service sales_tc

  ノート:

  また、プライマリ・データベース・サービスの停止時や再起動時にエラーが発生しないように、True Cacheサービスをその追加先のクラスタで無効にします。例:

  srvctl start service -d primdb1i -s sales_tc

  srvctl stop service -d primdb1i -s sales_tc

  srvctl disable service -d primdb1i -s sales_tc

  これによってスタンバイ・データベースやTrue Cacheが影響を受けることはありません。これは、True Cacheサービスが無効になっているクラスタの外部でそれらが実行されるためです。無効ステータスは、プライマリ・ディクショナリおよびDBA_SERVICESには格納されず、Cluster Ready Services (CRS)にのみ格納され、True Cacheサービスが追加されているクラスタにのみ格納されます。クラスタ外部のその他のデータベースは、DBMS_SERVICE.START_SERVICEを使用してそのサービスを開始でき、この設定による影響を受けません。