1 Oracle OLAP Provider for OLE DBの紹介
次のトピックでは、OLAP (オンライン分析処理)用のOLE DBプロバイダのOracle実装であるOracle OLAP Provider for OLE DBについて説明します。
OLE DB for OLAPの概要
OLE DB for OLAPは、多次元データにアクセスするための一連のComponent Object Model (COM)インタフェースを使用するデータ・アクセス方法です。OLE DBは表形式データにアクセスします。OLE DB for OLAPはコアOLE DB機能を拡張し、多次元データをサポートします。
OLE DB for OLAPでは、多次元式(MDX)文を実行して多次元データおよびメタデータを取得する必要があります。
OLE DBについて
OLE DBは、コンシューマとプロバイダの概念を中心としています。コンシューマは旧来のクライアントを表します。プロバイダはデータ・ソースからコンシューマにデータを転送します。
この項では、Oracle OLAP Provider for OLE DBにも当てはまるOLE DBの概念について説明します。
OLE DBデータ・プロバイダ
OLE DBデータ・プロバイダは、データ・ソースとコンシューマ間でデータを転送するCOMコンポーネントで構成されます。
各プロバイダはコンシューマからのリクエストを処理する一連のOLE DBインタフェースを実装します。プロバイダは、追加機能を提供するOLE DBインタフェースをオプションとして実装できます。
Oracle OLAP Provider for OLE DBの概要
Oracle OLAP Provider for OLE DBは、コアOLE DBおよびOLE DB for OLAPの仕様に準拠したMDP (多次元データ・プロバイダ)のOracle実装です。
Oracle OLAP Provider for OLE DBは、Windows上でのみ実行されますが、すべてのプラットフォームで実行されているOracleデータベースにアクセスします。
このガイド全体を通して、OraOLEDB OLAPまたはプロバイダという用語は、Oracle OLAP Provider for OLE DBを意味します。このガイドでは、OraOLEDB OLAPでサポートされる機能を示します。
アプリケーション・タイプ
OLE DB用のOLAPプロバイダは、COMアプリケーションによって直接、またはADO MD (Active X Data Objects - Multidimensional)自動化レイヤーを介して間接的に呼び出すことができます。このドキュメントの例には、コードがOLE DB (COMアプリケーション)用かADO MD用かを表す見出しを示します。
システム要件
Oracle OLAP Provider for OLE DBを使用するシステムには次の要件があります。
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オペレーティング・システム要件については、Oracle Database Clientインストレーション・ガイドfor Microsoft Windowsを参照してください。
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分析ビューを使用したOracle Database 18cリリース3 (18.3)以降へのアクセス。パフォーマンス向上のためにDatabase In-Memoryをお薦めします。
ノート:
データは、Oracle OLAPオプションのキューブではなくアナリティック・ビューを使用してアクセスされます
Oracle OLAP Provider for OLE DBのインストール
Oracle OLAP Provider for OLE DBは、Oracleのインストールに含まれています。これには、この製品を使用してデータにアクセスする方法を例示する機能およびデモが含まれています。
関連項目:
インストール手順については、Oracle Database Clientインストレーション・ガイドfor Microsoft Windowsを参照してください