Oracle Globally Distributed Databaseのパッチ適用およびアップグレード
分散データベースのデプロイへのパッチ適用およびアップグレードには、特別な考慮事項があります。
Oracle Globally Distributed Databaseのパッチ適用およびアップグレード
分散データベース環境へのOracleパッチの適用は、単一のシャードまたはすべてのシャードに対して実行できます。ただし、使用する方法は、その環境で使用されているレプリケーション・オプションおよび適用されるパッチのタイプによって異なります。
Oracle Globally Distributed Databaseでは統合パッチ適用を使用してシャード・ディレクタ(GSM)のORACLE_HOMEを更新するため、Oracle Databaseリリース更新をORACLE_HOMEに適用してセキュリティおよびグローバル・データ・サービスの修正を取得する必要があります。
分散データベースへのパッチ適用
ほとんどのパッチは、単一のシャードに一度に適用できます。ただし、一部のパッチはすべてのシャードに適用する必要があります。分散データベースで使用されているレプリケーション方法に留意して、非分散データベースの場合と同様に、Oracleのベスト・プラクティスを使用して単一のシャードにパッチを適用します。Oracleのopatchauto
は、複数のシャードに一度にパッチを適用するために使用でき、ローリング形式で行うことができます。Data Guard構成は1つずつ適用され、場合によっては(パッチによって異なります) Standby Firstパッチ適用を使用できます。
パッチがマルチシャード問合せ、レプリケーションまたはシャーディング・インフラストラクチャの問題に対処するものである場合は、分散データベース内のすべてのシャードに適用する必要があります。
ノート:
ロジカル・スタンバイはOracle Shardingではサポートされていないため、ローリング・アップグレードではDDLリカバリの問題が発生する可能性があります。これは、ローリング・アップグレード中にフィジカル・スタンバイ・データベースが'一時ロジカル・スタンバイ'になるためです。この問題を回避するには、「ローリング・アップグレードの実行」にある手順に従います。分散データベースへのアップグレード
Oracle Globally Distributed Database環境のアップグレードは、他のOracle Databaseおよびグローバル・サービス・マネージャ環境のアップグレードと大きな違いはありません。ただし、コンポーネントを特定の順序(最初にシャード・カタログ、次にシャード・ディレクタ、最後にシャード)でアップグレードする必要があります。
関連項目:
Oracle Database Global Data Services概要および管理ガイド(シャード・ディレクタのアップグレードの詳細)
Oracle Data Guard概要および管理(Oracle Data Guard構成内のパッチ適用およびアップグレードの詳細)
ローリング・アップグレードの実行
ロジカル・スタンバイはOracle Shardingではサポートされていないため、ローリング・アップグレードではDDLリカバリの問題が発生する可能性があります。これは、ローリング・アップグレード中にフィジカル・スタンバイ・データベースが'一時ロジカル・スタンバイ'になるためです。
この問題を回避するには、次のステップを実行します。
ノート:
ローリング・アップグレードの間の、シャード・カタログの停止中に、一部の操作(自動フェイルオーバーなど)を使用できない場合があります。Oracle Globally Distributed Databaseコンポーネントのアップグレード
コンポーネントが停止してオンライン状態に戻る際の停止時間を制限し、エラーを回避するには、Oracle Globally Distributed Databaseコンポーネントをアップグレードする順序が重要です。
Oracle Globally Distributed Databaseコンポーネントをアップグレードする前に、次のことが必要です
-
保留中の
MOVE CHUNK
操作が進行中の場合は、完了してください。 -
新しい
MOVE CHUNK
操作を開始しないでください。 -
アップグレード・プロセス中に新しいシャードを追加しないでください。
関連項目:
DBMS_ROLLINGを使用してローリング・アップグレードを実行する方法の詳細は、Oracle Data Guard概要および管理を参照してください。
Oracle Data Guard概要および管理(Oracle Data Guard構成内のデータベースのパッチ適用およびアップグレードの詳細)
Oracle Globally Distributed Database 21cのアップグレード後のステップ
完全に運用可能なOracle Globally Distributed Database環境が21cより前のリリースに存在する場合、ウォレットは存在せず、21cへのアップグレード後にOracle Globally Distributed Databaseによってデプロイは実行されず、それらは作成されません。手動ステップを実行してウォレットを作成する必要があります。
ノート:
ステップはこの順序どおりに実行する必要があります。Oracle Database 18cからの互換性と移行
特定のCDBに単一のPDBシャードを含むOracle Database 18cインストールからアップグレードする場合、PDBのシャード・カタログ・メタデータを更新する必要があります。
具体的には、18cのPDBシャードの名前はCDBのDB_UNIQUE_NAME
ですが、それより後のOracle Databaseリリースのシャード名はdb_unique_name_of_CDB_pdb_nameです。
カタログ・メタデータを更新してこの新しいネーミング方法を反映し、GSMROOTUSERアカウントについての説明に従って新しいGSMROOTUSER
アカウントもサポートするには、Oracle Globally Distributed Databaseコンポーネントのアップグレードの説明に従って、アップグレード・プロセス中に次のステップを実行します。