シャーディング・アドバイザについて

シャーディング・アドバイザは、Oracle Globally Distributed Databaseへの移行を検討している10g以降のリリースの本番の非分散のOracle Databaseに対して実行する、クライアント側のコマンドライン・ツールです。

シャーディング・アドバイザ分析では、新しい分散データベース環境で重複データを削減しながらパフォーマンスを最大化するスキーマの設計に必要な情報が提供されます。

シャーディング・アドバイザを使用してスキーマ設計を支援する利点は、次のとおりです。

  • 問合せワークロードのパフォーマンスの最大化
  • シャード間結合を必要とするマルチシャード操作の最小化
  • 複合問合せの並列化の最大化(すべてのシャードに問合せ処理を分散します)
  • 各シャードの重複データの量の最小化

シャーディング・アドバイザ・ユーティリティGWSADVは、スタンドアロン・ツールとしてOracle Databaseとともにインストールされ、認証済OCI接続を使用してデータベースに接続します。

スキーマおよびその他の優先事項を理解するために、シャーディング・アドバイザは対話型ダイアログの一部としてユーザーにいくつかの質問を行います。

次に、シャーディング・アドバイザは、ソースとも呼ばれる既存の非分散データベースに接続し、そのスキーマおよび問合せワークロードを分析して、分散データベースの一連の代替設計を生成します。この設計には、効率的なシャーディング・キーの推奨、シャーディングする表、およびすべてのシャードで重複表にする表が含まれます。

シャーディング構成は問合せパフォーマンスの観点でランク付けされます。ランキングで優先される構成は、シャード間結合を必要としない単一のシャードの問合せおよびマルチシャード問合せを最大化し、シャード間結合を必要とするマルチシャード問合せを最小化する構成です。

要件に最適な設計を選択します。設計はアドバイザによってランク付けされるため、特定の優先事項がない場合は、最もランクの高い設計をデフォルトで選択できます。

ノート:

シャーディング・アドバイザ機能には制限があります。

ソース・データベースは、Oracle Database 10g以上のリリースである必要があります。

稼働中の本番データベースに対してシャーディング・アドバイザを実行できない場合は、本番データベースからインポートされたスキーマとワークロードがある別のサーバーでシャーディング・アドバイザを実行できます。

シャーディング・アドバイザは、主キーと外部キーの関係に基づいて表ファミリを検出します。スキーマに主キーと外部キーの制約がない場合は、PARENT句によるシャーディングをお薦めします。

現在、シャーディング・アドバイザは、ソース・データベースに外部キー制約がある場合、単一表ファミリのシステム管理のシャーディング(参照によるシャーディング)構成のみを推奨します。それ以外の場合、シャーディング・アドバイザはPARENT句を使用したシャーディングを推奨します。