8 一時的なパフォーマンスの問題の解決
一時的なパフォーマンスの問題は短期間のみ継続するため、通常、自動データベース診断モニター(ADDM)の分析には表示されません。ADDMによって分析期間中は、データベース時間(DB時間)に対する影響が最も重大なパフォーマンスの問題がレポートされます。問題が非常に短い期間のみ続いた場合、その問題の重大度は分析期間全体の他のパフォーマンスの問題によって、平均以下になるかまたは最小限に抑えられます。このため、その問題はADDMの検出結果に表示されません。パフォーマンスの問題がADDMによって取得されるかどうかは、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)のスナップショット間の間隔とパフォーマンスの問題が発生した期間の比によって決定します。
スナップショット間で相当な時間続くパフォーマンスの問題の場合、ADDMにより取得されます。たとえば、スナップショット間隔が1時間の場合、30分間続くパフォーマンスの問題は、この期間がスナップショット間隔で相当な時間を占め、ADDMにより取得される可能性が高いため、一時的なパフォーマンスの問題と考えるのは不適切です。
一方、2分間続くパフォーマンスの問題は、発生期間がスナップショット間隔に占める割合が小さいためADDMの検出結果に現れにくく、一時的と言えます。たとえば、午後10時ちょうどから午後10時10分の間システムが遅くなったが、午後10時から午後11時の期間のADDM分析にはパフォーマンスの問題がなかった場合、10分間隔のレポートのうちわずか数分のみ一時的なパフォーマンスの問題が発生した可能性があります。
この章の構成は、次のとおりです。