10 自動ワークロード・リポジトリ・ウェアハウスを使用したパフォーマンス・レポートの生成

Enterprise Manager AWRウェアハウスでは、重要なOracleデータベースの自動ワークロード・リポジトリから詳細なパフォーマンス・データを統合して保存できます。この統合されたAWRウェアハウスを使用することにより、DBAおよび開発者は、ソース・データベースのAWR保存期間を超えて履歴パフォーマンス・データを表示および分析できます。Enterprise Managerでは、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)のデータを1つ以上のソース・データベース・ターゲットから抽出し、ソース・データベースから独立して管理されているAWRウェアハウスに転送します。AWRウェアハウスでは、選択したEnterprise Managerデータベース・ターゲットのAWRデータの長期履歴を保持できます(そのように構成されている場合)。これにより、ソース・データベース・ターゲットにパフォーマンスや領域の影響を与えずに、データベース間でAWRデータの長期分析を行うことができます。

そのため、一元管理されたAWRウェアハウスにAWRデータをアップロードすることで、本番システムの領域を解放して、パフォーマンスを向上させることができます。

バージョン19c以降、AWRでは、AWRデータをウェアハウスにアップロードするソース・データベースとしてプラガブル・データベース(PDB)をサポートします。また、PDBをAWRウェアハウス・リポジトリにもできます。この機能には、ソースまたはリポジトリとしてOracle Database 12.2以降が必要です。

AWRウェアハウスを構成するには、Enterprise Manager管理者が既存のEnterprise Managerデータベース・ターゲットをAWRウェアハウスとして指定する必要があります。

ウェアハウス・ターゲット・データベースは、バージョン12.1.0.2以上、または適切なパッチを適用済のバージョン11.2.0.4である必要があります。また、対応するソース・データベースのデータベース・バージョン以上である必要があります。

ウェアハウスは、デフォルトでSYSAUX表領域を使用してSYSスキーマ内に構築されます。Database 19c以降、すべてのソース・データベースから収集されたAWRデータを格納するために別の表領域を指定できます。この表領域はウェアハウス・データベースに存在する必要があります。

この機能を使用するには、まず、Enterprise Managerで使用可能なOracleデータベースをAWRウェアハウスとして設定する必要があります。ウェアハウス・データベースを設定したら、リポジトリを抽出してウェアハウスにアップロードする対象のソース・データベースを指定できます。

Oracle Enterprise Manager 13 cプラットフォーム・リリース4更新2 (13.4.0.2)の場合。Active Data Guard (ADG)は、ウェアハウス・データベースまたはソース・データベースがADGで構成されており、プライマリ・データベースが停止してスタンバイ・データベースがプライマリになった場合にスイッチオーバーをサポートします。スイッチオーバー後、データベースはAWRウェアハウスに自動的に切り替えられます。