自動ワークロード・リポジトリ・レポートの生成
AWRレポートは、2つのスナップショット(または2つの時点)の間に取得されたデータを示します。AWRレポートは複数のセクションに分割されています。レポートの内容には、選択した範囲のスナップショットに関するシステムのワークロード・プロファイルが含まれます。HTMLレポートには、セクション間ですばやくナビゲートできるようにリンクが組み込まれています。
ノート:
指定した範囲のスナップショットにワークロード・アクティビティのないデータベースに対してレポートを実行すると、一部のレポート統計について0より小さいか100を超えるパーセンテージが計算される場合があります。この結果は、その統計に意味のある値がないことを意味します。
この項では、AWRレポートの生成方法を説明しており、内容は次のとおりです。
AWRレポートを生成するためのユーザー・インタフェース
AWRレポートを生成するためのプライマリ・インタフェースは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)です。可能な場合は、Cloud Controlを使用してAWRレポートを生成してください。
Cloud Controlを使用できない場合は、SQLスクリプトを実行してAWRレポートを生成します。これらのスクリプトを実行するには、DBAロールが必要です。
関連項目:
Cloud Controlを使用したAWRレポートの生成の詳細は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください
コマンドライン・インタフェースを使用したAWRレポートの生成
この項では、コマンドライン・インタフェースでSQLスクリプトを実行し、AWRレポートを生成する方法を説明します。AWRレポートは、dbms_workload_repositoryに対する次のロールおよび権限があるどのユーザーでも実行できます。
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ADVISOR -
SELECT_CATALOG_ROLE -
EXECUTE ON
必要なAWRレポートを生成するための詳細なステップは、次の表で適切なタスクのリンクをクリックしてください。
表6-4 AWRレポートを生成するためのSQLスクリプト
| タスク | SQLスクリプト | 説明 |
|---|---|---|
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ローカル・データベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDの統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
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特定のデータベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDの統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
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Oracle RAC環境におけるローカル・データベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDの統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
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Oracle RAC環境における特定のデータベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDの統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
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ローカル・データベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDについて、特定のSQL文の統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
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特定のデータベース・インスタンスの一定範囲のスナップショットIDについて、特定のSQL文の統計を表示するAWRレポートをHTMLまたはテキスト形式で生成します。 |
詳細は、How to Collect Standard Diagnostic Information Using AWR Reports for Performance Issues (Doc ID 1903158.1)を参照してください
ローカル・データベースのAWRレポートの生成
コマンドライン・インタフェースを使用して、ローカル・データベース・インスタンスにAWRレポートを生成するには:
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SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrrpt.sql
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レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: text
この例では、テキスト形式のレポートが選択されます。
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スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 2
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、最近2日間に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 150 Enter value for end_snap: 160
この例では、スナップショットIDが150のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが160のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_1_150_160
この例では、デフォルト名が使用され、
awrrpt_1_150_160というAWRレポートが生成されます。
特定データベースのAWRレポートの生成
awrrpti.sql SQLスクリプトでは、特定のデータベース・インスタンスを使用して、一定範囲のスナップショットIDの統計を表示する、HTMLまたはテキストのレポートが生成されます。このスクリプトでは、AWRレポートの生成に使用されるデータベース識別子およびインスタンスを指定できます。
コマンドライン・インタフェースを使用して、特定のデータベース・インスタンスにAWRレポートを生成するには:
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SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrrpti.sql
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レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: text
この例では、テキスト形式のレポートが選択されます。
使用可能なデータベース識別子およびインスタンス番号のリストが表示されます。
Instances in this Workload Repository schema ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ DB Id Inst Num DB Name Instance Host ----------- -------- ------------ ------------ ------------ 3309173529 1 MAIN main examp1690 3309173529 1 TINT251 tint251 samp251
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次のようにデータベース識別子(
dbid)およびインスタンス番号(inst_num)の値を入力します。Enter value for dbid: 3309173529 Using 3309173529 for database Id Enter value for inst_num: 1
ノート:
ADGスタンバイ・データベースの場合、
dbidの値は次のように決定されます。-
宛先ノードには、
v$database.con_dbidの値を使用します。 -
ソース・ノードには、
dbms_umf.get_node_id_local()の値を使用します。
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スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 2
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、最近2日間に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 150 Enter value for end_snap: 160
この例では、スナップショットIDが150のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが160のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_1_150_160
この例では、デフォルト名が使用され、
3309173529というデータベースIDを持つデータベース・インスタンスでawrrpt_1_150_160というAWRレポートが生成されます。
Oracle RACにおけるローカル・データベースのAWRレポートの生成
awrgrpt.sql SQLスクリプトでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)環境における現在のデータベース・インスタンスを使用して、一定範囲のスナップショットIDの統計を表示する、HTMLまたはテキストのレポートが生成されます。
ノート:
HTMLのレポートは、テキストのレポートよりも読みやすいため、Oracle RAC環境では、テキストではなく、HTMLレポートを生成することをお薦めします。
コマンドライン・インタフェースを使用して、ローカル・データベース・インスタンスにOracle RAC AWRレポートを生成するには:
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SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrgrpt.sql
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レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: html
この例では、HTML形式のレポートが選択されます。
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スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 2
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、最終日に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 150 Enter value for end_snap: 160
この例では、スナップショットIDが150のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが160のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_rac_150_160.html
この例では、デフォルト名が使用され、
awrrpt_rac_150_160.htmlというAWRレポートが生成されます。
Oracle RACにおける特定データベースのAWRレポートの生成
awrgrpti.sql SQLスクリプトでは、Oracle RAC環境で実行されている特定のデータベース・インスタンスを使用して、一定範囲のスナップショットIDの統計を表示する、HTMLまたはテキストのレポートが生成されます。このスクリプトでは、AWRレポートの生成に使用されるデータベース識別子およびデータベース・インスタンスのカンマ区切りのリストを指定できます。
ノート:
HTMLのレポートは、テキストのレポートよりも読みやすいため、Oracle RAC環境では、テキストではなく、HTMLレポートを生成することをお薦めします。
コマンドライン・インタフェースを使用して、特定のデータベース・インスタンスにOracle RAC AWRレポートを生成するには:
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SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrgrpti.sql
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レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: html
この例では、HTML形式のレポートが選択されます。
使用可能なデータベース識別子およびインスタンス番号のリストが表示されます。
Instances in this Workload Repository schema ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ DB Id Inst Num DB Name Instance Host ----------- -------- ------------ ------------ ------------ 3309173529 1 MAIN main examp1690 3309173529 1 TINT251 tint251 samp251 3309173529 2 TINT251 tint252 samp252
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データベース識別子(
dbid)の値を入力します。Enter value for dbid: 3309173529 Using 3309173529 for database Id
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レポートに含めるOracle RACインスタンスのインスタンス番号(
instance_numbers_or_all)の値を入力します。Enter value for instance_numbers_or_all: 1,2
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スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 2
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、最近2日間に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 150 Enter value for end_snap: 160
この例では、スナップショットIDが150のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが160のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_rac_150_160.html
この例では、デフォルト名が使用され、
3309173529というデータベースIDを持つデータベース・インスタンスでawrrpt_rac_150_160.htmlというAWRレポートが生成されます。
ローカル・データベースにおけるSQL文のAWRレポートの生成
awrsqrpt.sql SQLスクリプトでは、一定範囲のスナップショットIDにおける特定のSQL文の統計を表示する、HTMLまたはテキストのレポートが生成されます。SQL文のパフォーマンスを検査またはデバッグする場合にこのレポートを実行します。
コマンドライン・インタフェースを使用して、ローカル・データベース・インスタンスにSQL文のAWRレポートを生成するには:
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SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrsqrpt.sql
-
レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: html
この例では、HTML形式のレポートが選択されます。
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スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 1
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、前日に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 146 Enter value for end_snap: 147
この例では、スナップショットIDが146のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが147のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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特定のSQL文のSQL IDを指定して統計を表示します。
Enter value for sql_id: 2b064ybzkwf1y
この例では、
2b064ybzkwf1yというSQL IDを持つSQL文が選択されます。 -
レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_1_146_147.html
この例では、デフォルト名が使用され、
awrrpt_1_146_147というAWRレポートが生成されます。
特定データベースにおけるSQL文のAWRレポートの生成
awrsqrpi.sql SQLスクリプトでは、特定のデータベース・インスタンスを使用して、一定範囲のスナップショットIDにおける特定のSQL文の統計を表示する、HTMLまたはテキストのレポートが生成されます。このスクリプトでは、AWRレポートの生成対象となるデータベース識別子およびインスタンスを指定できます。このレポートは、特定のデータベースおよびインスタンスにおけるSQL文のパフォーマンスを調査またはデバッグする場合に実行します。
コマンドライン・インタフェースを使用して、特定のデータベース・インスタンスにSQL文のAWRレポートを生成するには:
-
SQLプロンプトで次のように入力します。
@$ORACLE_HOME/rdbms/admin/awrsqrpi.sql
-
レポートの形式としてHTMLまたはテキストのいずれかを指定します。
Enter value for report_type: html
この例では、HTML形式のレポートが選択されます。
使用可能なデータベース識別子およびインスタンス番号のリストが表示されます。
Instances in this Workload Repository schema ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ DB Id Inst Num DB Name Instance Host ----------- -------- ------------ ------------ ------------ 3309173529 1 MAIN main examp1690 3309173529 1 TINT251 tint251 samp251
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次のようにデータベース識別子(
dbid)およびインスタンス番号(inst_num)の値を入力します。Enter value for dbid: 3309173529 Using 3309173529 for database Id Enter value for inst_num: 1 Using 1 for instance number
-
スナップショットIDをリストする日数を指定します。
Enter value for num_days: 1
指定した時間範囲に対応する既存のスナップショットのリストが表示されます。この例では、前日に取得されたスナップショットが表示されます。
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ワークロード・リポジトリ・レポートの最初と最後のスナップショットIDを指定します。
Enter value for begin_snap: 146 Enter value for end_snap: 147
この例では、スナップショットIDが146のスナップショットが最初のスナップショットとして選択され、スナップショットIDが147のスナップショットが最後のスナップショットとして選択されます。
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特定のSQL文のSQL IDを指定して統計を表示します。
Enter value for sql_id: 2b064ybzkwf1y
この例では、
2b064ybzkwf1yというSQL IDを持つSQL文が選択されます。 -
レポート名を入力するか、デフォルトのレポート名を受け入れます。
Enter value for report_name: Using the report name awrrpt_1_146_147.html
この例では、デフォルト名が使用され、
3309173529というデータベースIDを持つデータベース・インスタンスでawrrpt_1_146_147というAWRレポートが生成されます。