RMFトポロジでの自動ワークロード・リポジトリの管理

ノート:

Oracle Database 23ai以降、AWRには、Active Data Guardデータベースのサポートが組み込まれています。これは、デフォルトで有効になっており、以前のリリースで使用されていたRMFトポロジの使用によるAWRリモート・スナップショットの後を継ぐものです。引き続きRMFトポロジを使用可能ですが、AWRに組み込まれているこの新機能を使用することをお薦めします。

AWRでは、RMFトポロジ(リモート管理フレームワーク)に参加しているデータベースからのパフォーマンス統計の収集がサポートされています。RMFノードのAWRスナップショットは、リモート・スナップショットと呼ばれます。宛先と呼ばれるデータベース・ノードは、ソースと呼ばれるリモートADGスタンバイ・データベース・ノードから収集されたスナップショットを格納する役割を担います。

リモート・スナップショットは、スケジュールされた時間間隔で自動的に取得されますが、手動で取得することもできます。リモート・スナップショットは、常に宛先ノードで開始されます。宛先でスナップショットの作成プロセスが開始されると、ソースはデータベース・リンクを使用して、自身のスナップショット・データを宛先にプッシュします。

リモート・スナップショットを作成する前に、dbms_workload_repository.register_remote_databaseプロシージャを使用してソース・ノードをAWRに登録する必要があります。ソース・ノードがリモート・スナップショット用に登録されると、そのソース・ノードが、限定された一連の操作のみを実行できるようになります。ほとんどのAWR操作(スナップショットの作成、設定の変更、スナップショットの削除など)は、宛先ノードからのみ実行できます。

ADGプライマリ・データベースまたは非ADGデータベースのいずれも、宛先になることができます。宛先がADGプライマリ・データベースである場合、これはソース・データベースでもあり、そのスナップショットはローカル・スナップショットです。

次の方法で、宛先に格納されているスナップショット・データ(つまり、AWRデータ)にアクセスできます:

  • AWRレポートの使用

  • Oracle Databaseのインポート機能とエクスポート機能

  • ユーザー定義問合せ。

  • 自動データベース診断モニター(ADDM)アプリケーションは、AWRデータを使用して、データベースのパフォーマンスに関連した問題を分析します。

宛先データベースの役割

宛先データベースでは次のタスクが管理されます。

  • ソースの登録

  • 各ソースへの一意の識別子の割当て

  • 宛先とソースの間のデータベース・リンクの作成

  • ソースの自動スナップショットのスケジュールおよび開始

  • ソースのスナップショットの調整による宛先ワークロードの管理

  • 各ソースのスナップショット設定の管理

  • 新しく生成されたスナップショットへの識別子の割当て

  • ローカルAWRへのパフォーマンス・データの格納

  • 宛先およびソースのAWRデータのパージ

ソース・データベースの役割

ソース・データベースでは次のタスクが管理されます。

  • 宛先への自身のAWRデータの送信

  • 宛先からのサービス・リクエストへの応答

  • 宛先からのAWRデータの抽出

AWRでのRMFソースの管理

RMF環境のAWRの構成を開始する前に、すべてのRMFトポロジのデータベース・リンクが作成されており、必要なソース・ノードがRMFトポロジにすでに登録されていることを確認してください。「リモート管理フレームワーク(RMF)の構成」を参照してください

  • リモート・データベースの登録

    RMFトポロジでの既存ソースの登録は、宛先データベースによって実行する必要があります。その操作を試す前に、登録するソースがオープンされていることを確認してください。

    次に、RMFソース'S1'をAWRに登録するためのサンプル・コードを示します:

    exec dbms_workload_repository.register_remote_database(node_name=>'S1');

    RMFトポロジが削除された場合や、RMFトポロジからソース・データベースが削除された場合は、リモート・データベースがAWRに登録されたままになり、このデータベースの既存のAWRデータは保持されます。ただし、これ以上スナップショットを作成できません。

  • RMFソースの登録解除

    AWRからのリモート・データベースの削除は、宛先データベースによって実行する必要があります。この手順により、そのデータベースの既存のAWRデータすべてが宛先から削除されます。

    次に、AWRからソース'S1'を登録解除するためのサンプル・コードを示します:

    exec dbms_workload_repository.unregister_remote_database(node_name=>'S1');

    RMFトポロジが削除されたか、RMFトポロジからソース・データベースが削除された場合でも、登録解除を実行できます。